2021.05.01
学びをはぐくむ 石田勝紀

第7回:クリエイティブな力を家庭でつける5つの方法 石田勝紀さん

今の子どもたちが大人になってから求められる能力の1つに「クリエイティブ(創造力)」があります。この能力は誰にでもあるものですが、打ち消されて育つ場合もあります。元来、創造的な子どものその力を発揮させることで、いわゆる「やる気」を引き出すことにもなります。この創造力を引き出すことは難しくありません。なぜなら、日常生活の中で容易に培うことができるからです。5つ例示しましたので、ご活用ください。


いまの時代の「クリエイティブ」は、既存の仕組みを変えること

これからの新しい時代で仕事をしていくのは、いまの子どもたちです。新時代への転換期という中で、親世代が求められていた能力とは異なる能力が求められることが予定されています。

そんな子どもたちに身に着けてほしい力の1つに「クリエイティブ」というものがあるのではないでしょうか。つまり「創造力」です。創造力という言葉だけを聞くと、発明家やアーティストのようなゼロから新しいものを造り出す特別な人しか持てない能力を思い浮かべるかもしれません。でもこの場合の創造力は、そのような能力を指してはいません。それよりも、日常生活の中で新しい気づきができて、これまでやってきたことを少し変えてみることで身につく力と考えてみるといいでしょう。

例えば、「現状の問題を解決するため自分で解決方法を考える」ということもそうですし、「既存の仕組みや枠組みを変えていく」ことも創造的です。また、料理で通常とは少し変えて付加価値を付けることで見栄えが変わることも創造的な作業になります。

今後、人工知能が一般化されていく中で、なぜ、創造力が必要かといえば、次のような理由によります。

人工知能は膨大なビッグデータを解析して、傾向を読み取ることは得意です。しかし、そのデータに基づいて、新しい方法や考え方を作り出すのはまだ人間の役割だと言われています。

いまの時代の「クリエイティブ」とは、AIが集めたビッグデータを分析することや、いまある問題や課題に対して、新しい見方や方法を見つけることなのです。発想の転換をすることや、少しだけ仕組みや枠組みを変えるような「クリエイティブ」が求められています。

日常の中で創造性を身につける5つの方法とは?

 

では、その創造力をつけるためには具体的にどのようなことを日常で取り入れればよいか5つご紹介しましょう。

5つの方法

  1.  創造力を高める場を利用する。
  2.  ワンパターンから外れることをやってみる
  3.  天井を作らない習慣
  4. 「実験」してみる習慣
  5. 創造力を引き出すマジックワードを使う

①創造力を高める場を利用する

創造力を高めることは、子どもの頃から簡単にできます。なぜなら、子どもは創造力そのものと言ってもよいぐらい創造的だからです。例えば、遊びを例にとりましょう。子どもたちは遊びの中で、勝手に自分たちでルールを作ります。自然の中にほうり込んで自由に遊ばせていると、枝を遊び道具にしたり、小川でダムを作ってみたり、自由かつ創造的になります。

また、レゴで遊んでいるときも、作り方の図を見ながら作った後に、崩して自分の作りたいものを自由に作る子がいます。それを創造的作業と言います。また、字を書いたり、絵を描いたりすることも、書きたいように書かせること自体が創造的であり、お手本通りに書くこととも悪くありませんが、そうではない方が創造的であることを忘れてはならないでしょう。

整理整頓という作業も創造的です。また、出来ない事や困難な出来事に直面することも創造的です。なぜなら、解決するためには新しい方法を考えなければならないからです。

このように、日常において子どもを「自由にさせる」「好きなことをさせる」ことによって、元来持っている創造力が発揮されることになります。 

②ワンパターンから外れることをやってみる

ワンパターンは潜在意識が勝手に作動し、行われる形です。例えば、歯磨きは習慣化されており、いつも同じ磨き方をしていることでしょう。これをワンパターンといいます。つまり、ワンパターンでは、新たな方法を生み出すことは難しいことになります。その結果、創造的ではない状態になります。もちろん、このワンパターンが悪いわけではありません。創造性は発揮しないというだけの話です。

そこで、このパターンを外してみます。例えば、先ほどの歯磨きであれば、いつもとは違う左手で磨くとか、いつも駅から家まで変える道をバスではなく歩いて帰るということをやってみます。すると、「左手での磨きやすい方法はないか?」とか「こんなお店があった」とか「きれいなお花畑があった」など様々気付かされます。このように感性を刺激されることで、創造力へとつながっていきます。

③天井を作らない習慣

天井とは、「あれやっちゃダメ、これやっちゃダメ」という制約や限界を加えることをいいます。もちろん、命の危険があったり、他に迷惑になったりすることに対して制約を加えることは当然のことです。また、ゲームやスマホをいつまでも延々と使うような無制限がいいという事を言っているのではありません。そのような場での制約ではなく、子どもが好奇心を持ってやっていることや、チャレンジしたいことに制限を加えることなく、とことんやらせてみましょうという意味です。

例えば漢字に興味があり、漢字検定は小学校6年生で3級まで取ったとします。3級は中3レベルです。そのようなときに「小6では3級まであれば十分。あなたは算数をもっと頑張ったほうがいいから算数をやりなさい」とは言わず、子どもがやりたければ1級まで上り詰めてしまうようにします。

もちろん、途中で「もういい」と子どもが思えばそこで終了です。このように子どもの意欲や好奇心については応援こそすれ、制限を加えないほうがいいでしょうというのがここでのテーマです。

 ④「実験」してみる習慣

これは、何でもまずは試してみるという習慣をつくるとよいでしょうという意味です。実験という認識であれば、チャンレジしやすいことでしょう。そうでなければ失敗したらどうしようとか、習い事も習わせたはいいけど、途中で辞めたらどうしようと思い、行動ができなくなります。

まずは「実験」。試してみるということを習慣にしてしまうぐらいでちょうどいいでしょう。そうすると、新しいことへのチャンレンジも習慣化されます。世の中の創造的人物たちは例外なく、まずはやってみるから始めています。

⑤創造力を引き出すマジックワードを使う

「どうすればいいだろう?」という言葉を使うといいでしょう。通常は子どもが「お母さん、これどうしたらいいかな?」と聞いてきて、親はそれに答えていると思います。もちろん、答えても何の問題もないのですが、あえてここで「どうしたらいいと思う?」とオウム返しして質問します。そうすると、子どもはどうすればいいか“創造的”に考えます。その結果、「わからない」という事でしょう。それで問題ありません。なぜなら、一時的にせよ、創造的に考える方向へ意識が向いたからです。このようなことを繰り返していれば、いずれ自分から「〇〇すればいい」と創造的回答をしてくることでしょう。


以上のように、日常生活の中だけで、「クリエイティブ」な力を発揮できる場作りはできるものです。このような積み重ねが、今後の子どもの人生に有効的に働くことは間違いないでしょう。

しかし、ここで紹介したことを親は「やらねばならない」と思うのではなく、やりたいことを「1つでも、2つでもやってみよう」という気持ちで取り組んでみてくださいね。義務になった瞬間から創造性は失われるので、ワクワクを感じるものをやってみてください。


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石田勝紀
石田勝紀

(一社)教育デザインラボ代表理事、都留文科大学特任教授。20歳で起業し塾を創業。現在はMama Café、講演、連載記事を通じて全国の保護者への教育活動を行っている。『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』他多数。子どもの頃の習い事は「書道」。今でも筆で書いたり、活字への関心に繋がっています。

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