2021.04.30
習い事Q&A 高橋知寿

ベビースイミングを習いはじめるならいつから?レッスン内容や効果、教室を選ぶ基準も

赤ちゃんの習い事として人気の「ベビースイミング」。しかし、「水遊びみたいにおもちゃで遊ぶの?」と、ベビースイミングについてよく知らない親も多いのではないでしょうか。そこで、ベビースイミング協議会長で、「稲毛インターナショナルスイミングスクール」(千葉県稲毛市)で指導する湯本秀子さんに、ベビースイミングを習いはじめる時期やレッスン内容などについて教えてもらいました。

今日のポイント

1ベビースイミングは、親子で一緒にプールに入る「3歳児未満」の水泳

2ベビースイミングのはじめどきは0~1歳ごろ

3ベビースイミングの魅力は、恐怖心が芽生える前に水に慣れ、丈夫な体を育めること

4スクール選びのポイントは、通いやすさと水温

5親が子どものためにできることは「見守る」「ほめる」こと

ベビースイミングは、親子で一緒にプールに入る「3歳児未満」の水泳

ベビースイミングが誕生したきっかけや、どんな狙いがあるのかについて紹介します。

ベビースイミングとはどういうもの?

A.ベビースイミングは、0~3歳ごろを対象にした水泳のプログラムです。赤ちゃんに水中で体を動かす楽しさを伝え、水難から身を守る術を身につけてもらう狙いがあります。

ベビースイミングは、子どもの水難事故防止を目的に1960年代に欧米で始まったといわれています。幼児期以上のスイミングとは異なり、親子で一緒にプールに入るのが特徴です。満員でキャンセル待ちをしないと受講できないほど人気のスクールもあります。

レッスンではどんなことをするの?


A.親が子どもを抱っこして水中で体をゆらゆらしたり、仰向けになって浮く感覚を学んだりします。滑り台を使って水に飛び込むことも。小さなじょうろやボールなどの玩具を使って水に慣れさせるスクールもあります。

私のスクールでは、日本にベビースイミングを普及させた故・波多野勲さんのカリキュラムを採用しています。「顔つけ」「高い高い」「飛び込み」など20教程を学びます。一つの教程には4ステップあります。例えば、教程1の「抱っこ」は、「①お尻を支えて密着」「②お尻を支えて離す」「③腰を支えて密着」「④胸を支えて離す」の4段階に分けて指導します。子どもが好きなことをたくさんすることが大事です。

ベビースイミングのはじめどきは、0~1歳ごろ

ひとくちに「ベビー」といってもいつからはじめられ、何歳までに通うことができるのでしょうか。習いはじめる適切な年齢などについて解説します。

ベビースイミングって何歳からはじめたらいいの?

A.早いところで生後3カ月、一般的には生後6カ月から参加できます。0~1歳ではじめるのがベストだと思います。ちなみに3歳からは幼児スイミングになります。

私のスクールでは、首がすわる生後3カ月から3歳児までが通っています。生まれるまで母親の羊水で過ごした赤ちゃんは、陸上で歩くようになるまで水への恐怖心があまりありません。そのため、「立っち」や「あんよ」をはじめる1歳前までにはじめるのが良いでしょう。特に7カ月以降になると皮膚感覚が発達し、顔が濡れると不快に感じることが多くなるので、その前までにはじめると比較的スムーズです。

どんな理由で習いはじめるの?

A.赤ちゃんの発育に役立つと思って始める人が多いようです。

乳児期から取り組めるスポーツはたくさんありますが、なかでもベビースイミングは低月齢からはじめることができるのが魅力です。赤ちゃんの友達をつくるためや、ママ友やパパ友をつくりたいと思って習いはじめる人もいます。

体験会で泣いてしまった…そんな子でもできるの?

A.赤ちゃんはいつもと違う環境だと泣くことがあります。時間が経てば慣れてきて泣くことも減ってきます。

1歳未満の子が泣くのは、主にお腹が空いた、眠いなどの生理的なことが多いです。1歳以降は、環境の違いから泣くことが多いです。プールは、家と違って音が反響し、コーチの声も大きく聞こえるので、それにビックリすることも。その場合は、親がギュッと抱っこして親子でたっぷりスキンシップをとって下さい。慣れてからレッスンに加われば大丈夫なので、焦らないでくださいね。

ベビースイミングの魅力は、恐怖心が芽生える前に水に慣れ、丈夫な体を育めること

ベビースイミングにはどんな魅力があるのでしょうか。「水に慣れ親しめる」、「泳げるようになる」などの良さはもちろんありますが、想像以上にたくさんのメリットがあります。湯本さんに様々な角度からベビースイミングの効果について語ってもらいました。

①親子でたっぷりスキンシップができる

ベビースイミングは、赤ちゃん1人につき、親が1人、もしくは2人がつくことになっています。自然に水中で抱っこしたり、手を握ったり、アイコンタクトをとったりするがことが多くなります。そこから赤ちゃんは、「ママやパパから愛されている」と感じて心が豊かになり、自信をつけることができます。

②呼吸器官系が鍛えられる

肺には肺胞といわれるたくさんの袋があります。乳幼児期から水中で息を止める、吐くの訓練をすることで、その肺胞の数をたくさん作ることができ、その結果、肺活量が増えます。肺活量が増えると代謝がよくなり、体力がつき、丈夫になります。

③水泳の全身運動がほかのスポーツにも役立つ

赤ちゃんは四肢の筋肉が未発達ゆえに、水の中で体を動かす際は、骨に近い筋肉(インナーマッスル)から動かすため、全身を鍛えることができます。この全身運動が持久力を培うことにつながります。持久力は、水泳以外のスポーツに取り組む際にも大いに役立つ力になります。

④「楽しい!」からこそ集中力が高まる

ベビースイミングを通して水の中で動く楽しさ感じることができます。「楽しい!」と感じると脳からアドレナリンというホルモンがたくさん分泌されます。アドレナリンは、集中力を高める、ストレスを抑える働きがあるといわれています。

⑤水への恐怖心が少ない分、泳ぎ方を覚えるのが早い

母親の羊水の中で過ごした赤ちゃんは、月齢が低ければ低いほど水への恐怖心がありません。水に潜ると、自然と息を止め、口を閉じるなど、水と親しむための能力も持っています。生まれもった能力を活かすことができるので、幼児期からはじめるよりも、泳ぎ方を覚えるのが早くなる可能性があります。また、プールの端に戻る(元の位置に戻る)スキルなど、水難事故から命を守る術を自然と覚えることができます。

親の負担は?

親子で参加することが基本なので、ベビースイミングのために週1~2回、時間をつくる必要があります。また、親が負担に感じやすいのがレッスン前後のお着替えです。子どもだけでなく、親も着替えないといけないため、時間がかかりそうな場合は、少し早めに来るなどの工夫を。家で水着を着てしまい、スクールの更衣室では脱ぐだけの状態にしておくのもいいでしょう。

スクール選びのポイントは、通いやすさと水温

実際に通うにあたり、スクールの選び方や必要な持ち物、月謝などの費用についてまとめました。

スクールを選ぶときのポイントは?

A.通いやすい場所を選びましょう。昼寝の時間などもあるので午前中のレッスンを選んだ方が赤ちゃんの生活リズムを崩さずに済みます。プールの水温もチェックしてください。

スクールによっては専用のバスを運行しているところもあります。赤ちゃんは、水温が低すぎると体温が奪われてしまうので、水温が33度前後に設定されているプールがおすすめです。スクールの無料体験会に参加し、赤ちゃんの反応やスクールの方針(玩具をたくさん使うなど)を見てから決めるのもいいでしょう。

(編集メモ)湯本さんが指導するスクールでは、ベビーに限って石けんで体や頭を洗うことができます。スクールに通う母親は「プールのある日は、着替えと一緒にお風呂を済ませちゃうので、帰ってからやることが1つ減ってとても楽です」。石けんの使用許可など、スクールの施設環境に注目して選ぶ方法もあります。

初期費用や月謝はどれくらいなの?

A.週1回30~40分で5000~7000円程度のところが多いです。

私が教えているスクールは、月謝が週1回で7150円、週2回で9350円となります。このほかに入会金8000円、事務手数料3500円がかかります。月謝制ではなくチケット制や、受講する曜日によって月謝が異なるスクールもあります。時期により「入会金無料」「指定の水着をプレゼント」などのキャンペーンをしているところもあります。※値段は全て税込み

ベビースイミングに通うのに必要な準備は?

A.赤ちゃんと親の水着、帽子、バスタオルなどを準備してください。

赤ちゃんは体温調節が未熟なので、できるだけ露出が少ない上下がつながっている水着を選んでください。オムツの外れていない子は、水着の下に水遊び専用のパンツを着用しましょう。スクールによっては、赤ちゃんの水着が指定となっています。初日のレッスンは、親は帽子なしの方がいいでしょう。赤ちゃんが「ママ」「パパ」と認識して安心できます。レッスン30分前までにはご飯や授乳を済ませましょう。

母親が生理のときはどうしたらいいの?

A.無理せずお休みしてください。

そういった事情もあるので、スクールによっては、ベビースイミングの授業を別の曜日に振替することができます。また、週末のレッスンについては、パパと赤ちゃんで参加する親子も増えています。

親が子どものためにできることは「見守る」「ほめる」こと

親が子どものためにできることは?

A.子どもが自ら「やりたい」という姿勢を見せるまで、親は「待つ」ようにしてください。そして、たっぷりほめてください。

親はどうしても早く泳げるようになってほしいと思ってしまいますが、子どもがママやパパから離れたくない時は無理強いするのは禁物。子どもの自己肯定感を育み自立させるには、親は子どもが自発的になるのを応援する「サポーター」として見守ることが重要です。

ベビースイミングを習う子どもや親の声は?体験談を聞いてみました!

習いはじめてから感じる赤ちゃんの変化などについて、「稲毛インターナショナルスイミングスクール」に通う親に話を聞いてみました。

2歳8カ月の女児の母親は、レッスンに通いはじめて1年半年ほど経ちます。同じレッスンに参加していた月齢が少し上の子どもたちの動きをマネするうちに、水中で回転したり、潜ったり、プールに飛び込んだりできるようになったといいます。「想像以上にいろいろな動きができるようになって驚いています。ベビースイミングをやって良かったです」。
「子どもものびのびと泳げて楽しんでいますが、ほかの親とおしゃべりすることで、想像以上に自分がリフレッシュすることができるんです」。そう話すのは1歳4カ月の男児がいる母親。レッスンに参加することで、ママ友やパパ友をつくったり、子育ての悩みを共有しあったりできる環境の良さにも魅力を感じています。

ベビースイミング協議会・湯本秀子さんからのメッセージ

子どもたちには無限の可能性があります。水の不思議さや神秘な部分に触れることで感性を育めるのもベビースイミングの特徴です。親子にとってかけがえのない時間を楽しんでみてくださいね。

【プロフィール:湯本秀子さん(ゆもと・ひでこ)】

1944年生まれ、東京都出身。ベビースイミング協議会長。山脇学園短期大学卒業。1979年日本スイミングコーチ学校を卒業後、3人の子育てをしながら乳幼児水泳指導者として赤ちゃんと親にベビースイミングの楽しさを伝え続けています。日本スイミングコーチ学校前校長でベビースイミングの普及活動に貢献した故・波多野勲さんの助手を務め、全国各地の講演会などに登壇。

写真・動画撮影:北川サイラ

高橋知寿
高橋知寿

子育て情報誌、不妊治療情報誌などをメインにライティング、ページ制作を行っている。そのほか、旅行情報誌、ライフスタイル情報誌などの編集、原稿制作も手がけている。自身も夫もひとりっこなので、戸惑いながらきょうだいの育児に奮闘中。子どものころに熱中していたのは、自分の新しい名前を考えること。最後に「子」が付く名前に憧れ、四六時中、考えていた。小学校低学年当時、自分で考えて気に入っていた名前は「ごだいごはなこ」。

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