2021.05.18
習い事Q&A 桜木奈央子

子ども向けヒップホップダンスとは?レッスン内容や身につくスキルを解説

音楽に合わせてかっこよく踊るヒップホップダンス。子ども向けのヒップホップダンスってどんなことをするの? 振り付けはどうやって覚えるの? 神奈川県で「のりんご☆ダンス教室」を運営し、ストリートダンス協会の専門委員長を務める のりんご☆さん(本名・前山善憲)に、ヒップホップダンスのレッスン内容や身につくスキルなどについて聞いてみました。

今日のポイント

1. ヒップホップダンスはストリートダンスの一種

2. ヒップホップダンスを習いはじめる時期は年中がおすすめ

3. ヒップホップダンスの魅力は自分に自信がつき、想像・創造力も身につく

4. 教室選びのポイントは、体験レッスンの参加と指導理念の確認

5. 親の都合でレッスンを休ませないことが大事

ヒップホップダンスはストリートダンスの一種

ヒップホップダンスの起源やレッスンで習うダンスの種類を紹介します。

ヒップホップダンスとはどんなダンス?

A. ブレイクダンスから派生したストリートダンスの一種です。

ヒップホップには「飛翔する」という意味があります。ルーツは50年代アメリカのブラックミュージックに合わせた踊りで、日本では80年代~90年代に入り一気に盛り上がりました。最近ではヒップホップダンスも細分化されていて、「ヒップホップジャズ」「ガールズヒップホップ」などもあります。

(編集メモ)ストリートダンスにはヒップホップダンス以外にも「ジャズダンス」「ロックダンス」「ブレイクダンス」などのジャンルがあり、ダンス人口は国内で600万人以上いるといわれています。

ヒップホップダンスにはどんな技があるの?

A. 立ち位置を変えずに走っているような動き「ランニングマン」や足を交差させて踊る「チャールストン」などは、見たことのある人も多いと思います。

サイドステップやクロスステップなど、ほかのダンスでもよく使うステップも使います。テレビなどで「ダンス甲子園」を目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。最近ではEXILE(エグザイル)やNiziU(ニジュー)の振り付けにも取り入れられていますよ。

レッスンではどんなことをするの?


A.  肩、胸、腰など体の各パーツを上下に動かしながら手を打つなどして少しずつリズムに合わせていきます。

私たちのダンス教室では、合計90分のレッスン中、30分がウォーミングアップ、60分がダンスという配分です。お互いのダンスを見せ合ったり、アクロバットの練習をすることもあります。小学1年生でも年間でだいたい3曲分の振りを覚えます。

イベントや大会に出ることも多いの?

A. 頻度はスクールによって様々です。イベントや大会が年に数回のスクールもあれば、月に2、3回、舞台に上がるスクールもあります。プロスポーツの試合や、地域のイベント、お祭りなどでステージに立ちます。

たくさん経験を積んでほしいので、私たちの教室では、月に2回ほど人前で踊る機会を作っています。年に2回の発表会では、他のスクールの生徒さんたちと交流して、刺激をもらっています。ダンスは非言語コミュニケーション、子ども同士でどんどんコミュニケーションをしてほしいと考えています。

習いはじめる時期は幼稚園の年中がおすすめ

ヒップホップダンスを習いはじめる理由や年齢についてまとめました。 

ヒップホップダンスは何歳からはじめたらいいの?

A.  体の柔軟性があるうちの、年中ごろにはじめるのをおすすめします。

私たちのダンス教室には3歳児も通っています。幼稚園や保育園の時期から習いはじめることが多いですね。場に馴染むのに最初の半年〜1年かかることもあります。6歳ごろから自発的に「踊りたい」という気持ちが出てくる子が多いです。

どんな理由でヒップホップダンスを習いはじめるの? 

A.  テレビやステージでダンスを見て「かっこいい」「かわいい」が出発点になることも。

親が勧めることもあるようですが、子どもがどこかでヒップホップダンスを見て「踊りたい」と思うことが多いようです。アクロバットがかっこいい、衣装がかわいいなどの理由がヒップホップダンスをはじめるきっかけになることもあります。

ちょっと派手なイメージがあるけど、実際はどうなの? 

A.  ステージでの自己表現は大切なので、変化や変身を楽しむのはいいと思います。

子どもたちの変身願望を叶えてあげるととても喜びます。ある程度の派手さはヒップホップダンスのユニフォームとして楽しみつつ、レッスン中に髪の毛を触ったりしていると注意しますし、あいさつなどの礼儀作法はちゃんとしてもらいます。オンとオフの切り替えが大切です。

ヒップホップダンスを習う魅力は?自分に自信がつき、想像・創造力も身につく

ヒップホップダンスを通して身につく力とはどんなものでしょうか。のりんご☆さんにダンスを習う魅力を4つ挙げてもらいました。 

①非言語コミュニケーションが身につく

言葉ではないものを他人と共有できるのがダンスの魅力。特にヒップホップダンスは、音楽があればどこでも誰とでも楽しめます。チームで振り付けを合わせるのもコミュニケーションの一種。相手に合わせようと意識することで協調性を磨き、言葉を交わさなくても一緒に踊るだけで「仲間」になれます。

②多角的なものの見方ができるようになる

日々のレッスンやステージの中で、子どもたちは常に「どこからどう見られているか」を意識します。フォーメーションを確認しながら、多角的・立体的に自分たちを見るので、「普段、見ることのない自分」を発見することもあります。それが、物事を多角的に見ることにつながり、造形や芸術への視点も養うことができます。

③想像・創造力を育む

ダンスは、見て、感じたものを表現としてまとめていく作業。私たちのスクールではソロで踊ることもあるので、子どもたちは想像力を働かせて振り付けを自ら考えたり、ひとつの振り付けを応用して新たな振り付けを創造したりして、主体的にダンスを形にしていきます。動画サイトを参考にして振り付けを作ることもあります。 

④自己肯定感が高まる

子どもたちは最初、ステージや人前に出ることに緊張しますが、この経験は必ず自信につながります。極端にいえば、ステージに立つだけでも子どもにとっては大きな意味のあること。少しずつ慣れて自信をつけていき、「自分を表現できた」という実感を積み重ねていくので、自己肯定感を育てることができます。

親の負担は?

普段のレッスンもそうですが、休日のイベントなどで子どもを会場に送迎する必要があります。また、自宅で振り付けの動画を見ながら練習したり、家での練習風景を撮影してもらったりすることもあります。できるだけ各家庭の負担ならないように配慮していますが、私たちの教室では、親同士もコミュニケーションをとってもらう場面もあります。

スクール選びのポイントは、体験レッスンの参加と指導理念の確認

スクールを選ぶときに気をつけたいこと、月謝や衣装代について解説します。

スクールを選ぶポイントは? 

A. 体験レッスンには必ず参加しましょう。大会やコンクールでの入賞を目指したいのか、個人の資質を伸ばすことを優先しているのかなど、そのスクールの理念を知ることが大切です。

私たちのダンス教室は、一人ひとりの個性を伸ばすことを重視していて、大会の勝ち負けにこだわりません。ダンスはあくまで「表現」「運動」なので、評価されなくてもいいと考えているからです。そのようなスクール・教室の理念を知るためにも、口コミや体験レッスンで情報を集めましょう。「なんとなくなじめそう」という第一印象も重要です。

初期費用や月謝はどれくらいなの?

A. スクールによって差がありますが、月謝の相場は月4回のレッスンで8,000円程度です。大会や発表会の参加費用、衣装代も別途かかることがあります。

私たちの教室は、月に6回、90分のレッスンで月謝が4000円です。衣装代はイベントの頻度によって異なりますが、だいたい5000円から1万円程度です。衣装は2年くらい使用します。入会金は2000円(お友達のご紹介で無料)で、年会費も2000円。イベントによってスポーツ保険をかけています。※全て税込み

親がレッスンに用意するものは?

A. レッスンは動きやすい服装ならなんでもかまいません。持ち物は、上履き、水筒、タオルなどです。

親の都合でレッスンを休ませないことが大事

親が子どものためにできることは? 

A. 子どもがレッスンに行きたいと思っているなら、親の都合で休ませないことです。

そうは言っても、親御さんも忙しいのでむずかしい日もありますよね。でも大会やイベントなどはできるだけ子どもを連れていってあげてほしいです。普段のレッスンも「今日はちょっと忙しいから」と休ませるのではなく、そこはがんばっていただけたらと思います。サポートする気持ちが子どもに伝わるよう心がけてみてください。

ヒップホップダンスを習っている子どもの声は?体験談を聞いてみました! 

取材に応じてくれた徳山翔くん(手前)

のりんご☆さんが指導するダンス教室に通う子ども2人に話を聞きました。

レッスン中、キレの良いダンスが光っていた徳山翔くん(小6)は年中のときに幼稚園の友達に誘われ、ヒップホップダンスを習いはじめたといいます。「ムーンウォーク世界大会」(ムーンウォーク世界大会実行委員会主催)で準グランプリになった経験もあるそうで、「技を磨いて、将来は世界一のダンサーになりたいです」と話していました。
小松侑美さん(小5)は、地域のお祭りに出演していた、のりんご☆さんのダンス教室のダンスステージに魅了されて通いはじめました。「友だちと一緒に踊るのが楽しい。自分で『これが踊れるようになりたい』という目標を達成できた瞬間が、とても嬉しいです」。

ストリートダンス協会・のりんご☆さんからのメッセージ

子どもの成長と、子ども自身を信じてあげることが大切です。最初、踊れなくても「この子にヒップホップダンスは向いていない」と決めつけず、長い目で見てあげてください。子どもの成長は無限大です。これから、自己表現が必須の時代なので、自分を表現できて、好きなことは好きと言える大人になってほしいです。

【プロフィール:のりんご☆さん(本名・前山善憲)】

神奈川県出身。小学生のときに見た、マイケル・ジャクソンのムーンウォークに衝撃を受けダンスをはじめる。マジック、ジャグリング、大道芸など、ダンスと大道芸を融合させたエンターテイナーで、ダンスチーム「FLOOR MASTERS・EAST-B」のメンバーとしても活動。日本テレビ「ウッチャンナンチャンのウリナリ、ダンス TENJIKU 全国大会」で優勝。ストリートダンス協会専門委員長、ダンス教育振興連盟JDAC 実行委員長、日本高校ダンス部選手権審査員も務める。ボカロPとして楽曲制作なども手掛けている。

写真撮影:篠田英美

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桜木奈央子
桜木奈央子

写真家、ライター。2001年からアフリカ取材を続ける。著書『世界のともだち ケニア』『かぼちゃの下で』。雑誌や新聞にフォトエッセイや書評を執筆。「cinema stars アフリカ星空映画館」代表。最近の趣味は息子2人のサッカー撮影。小学生の頃は本の虫、星野道夫さんに憧れ17歳でひとり旅に。

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