2021.05.17
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学童保育とは?目的・種類・保育内容まとめ!子どもを預ける際の注意点や選び方

そもそも学童保育はどんな場所?誰でも利用できるの?気になる料金はいくら?保育園卒園後の子どもの預け先となる、学童保育の種類と子どもの過ごし方、学童の選び方や実際利用する時の注意点などを解説します。学童経験者ママさん・パパさんの声をもとに、子どもが小1を迎える保護者が知っておくべきポイントをまとめました。

学童保育とは

学童保育は、共働きやひとり親家庭の小学生を、放課後や長期学校休業日に保護者にかわって保育をすることです。児童福祉法第6条の3第2項の規定に基づき、全国の市区町村で学童保育は実施されています。

学童保育が行われる場所を「学童保育所」と言います。区市町村によって呼び方は様々あり、「学童クラブ」「放課後キッズクラブ」と呼ばれることもあります。

学童保育の歴史は、1940年代後半から民間保育園などで始まったとされています。1953年、東京都渋谷区の保育園園長による、学童保育の設置運動をはじめとした学童保育ニーズの高まりもあり、1997年に法制化されました。

保護者の社会への積極的な働きかけにより、安心して子どもを生み育てられる「学童保育」の環境が少しずつ整備されています。

学童保育の定義

学童保育の目的・役割は、共働きや一人親の児童の放課後や、土曜日、春・夏・冬休み等の学校休業中の一日の生活を、継続的に保障することを通して、保護者の仕事と子育ての両立を支援すること、と学童保育を管轄する厚生労働省は定義しています。

厚生労働省が2009年に公開した「社会保障審議会少子化対策特別部会」の資料によると、子どもたちは、学校がある日は1日3時間半ほど学童保育所を利用し、夏・冬・春休みは、朝から8時間半利用することもあります。

合計で年間278日、1650時間にも及んで家庭に代わる毎日を過ごすこともある「生活の場」と言われています。小学校低学年の子どもが小学校内で過ごす時間は年間1140時間です。学童で過ごす時間の方が圧倒的に長くなることもあると言えます。

まさに、学童保育所は小学生の子どもたちが放課後を過ごす第2の家と言えます。

学童保育の定義における「生活の場」とは

「ただいま!」「おかえり!」に始まり、家庭で営まれているような、静養・おやつ・宿題・昼寝・大人との会話・遊び・地域に出かけての遊び・通院・塾通いなどが当たり前に行えること、と厚生労働省は学童保育での「生活の場」を定義しています。

学童保育所が、このような家庭に代わる毎日の「生活の場」となるために、必要不可欠なのが次の3要件です。

  1. 「継続して利用する子どもたち」の生活がある
  2. 生活の場として「専用の施設(部屋) 」
  3. 親代わりとしての「専任の指導員」

特に、小学校低学年の子どもたちにとっては、指導員が子どもの身近に安心している頼れる大人として存在していることが重要です。そして、子ども同士の仲間関係 帰属意識 昼間の兄弟姉妹のような濃密な関係を目指しています。

年間を通して、同じ子どもたちが特定の大人(指導員)とともに、長い時間をかけてお互いにわかり合いながら共に生活をつくっていくところが「生活の場」としての役割を担っている学童保育所なのです。

学童保育の登録児童数

学童保育所を利用登録している児童の数「登録児童数」は、2020年7月1日時点で、131万1008人の過去最高を更新しました。

2000年は39万2893人だった登録児童数は、2010年には81万4439人に増加、この20年間で約91万8,000人もの増加があり、2019年から1年間で1万1701人増えています。

1970年代半ば以降、少子化が続いている状況下においては、共働き家庭の増加に伴う学童保育需要に応えていくことが社会全体の喫緊の課題であると言えます。 

厚生労働省の「放課後児童クラブ関係・令和3年度予算案の概要」によると、学年別の登録児童数は下記の通りです。

  • 「1年生」41.4万人(31.6%)
  • 「2年生」36.2万人(27.6%)
  • 「3年生」27.9万人(21.3%)
  • 「4年生」14.9万人(11.4%)
  • 「5年生」7.1万人(5.4%)
  • 「6年生」3.6万人(2.8%)

1~3年生が全体の約8割、4年生~6年生が約2割を占めています。

実際の学童保育の利用状況は、1年生は週5学童、2年生は週3学童で他の曜日は塾や専門教室へ、3年生は週1学童と夏休み等の利用中心に切り替え、4年生(正しくは3年生2月)からは進学塾での受験勉強が本格化しますので、ここで学童を卒業するのが首都圏でのトレンドです。

中学受験がない地域でも学童の利用頻度は一緒です。進学塾に代わりに、習い事やクラブ活動で忙しくなります。

学童保育は、小学生低学年を中心した「生活の場」として、これからも登録児童者数の増加が見込まれています。

学童が広がる背景

学童が広がる理由は、国が女性の就業率8割を目指し、保育園待機児童数の解消を目指して保育の受け皿を確保に取り組んできた結果が、保育所卒園後の小学生学童利用の増加に直結しているからです。

総務省が毎年実施している労働力調査によると、2010年における15~64歳の女性の就業率は60.1%、就業者数は2,434万人でした。対して、2020年における就業率は70.6%、就業者数2,601万人。就業率は10.5% 就業者は167万人増加しています。

保育所利用児童数は、「保育園落ちた日本死ね!!!」が話題となった2016年の246万人から、2020年は274万人へと4年間で28万人増加しました。

国の政策として、今後も女性活躍推進や子どもの支援には、力を入れて取り組んでいく方向です。小学生の子をもつ親の就業支援として重要な役割を担う学童保育は、これからも広がりを見せていくでしょう。

学童の分類・種類

学童保育は大きく分けて4種類あります。

厚生労働省管轄(税金で運営)の①公設公営、②公設民営、③民設民営、④管轄外・民設民営です。①~③を公設学童、④を民間学童と呼んでいます。

学童保育は、区市町村によって、「学童クラブ」「放課後キッズクラブ」など地方自治体のよって呼び名は様々で分かりにくいため、各種類別に細かく解説していきます。

公立の学童保育(放課後児童クラブ、学童クラブ)

厚生労働省管轄で、共働きや一人親家庭などの子どもを対象として、各地方自治体が設置・運営を行っている公立の学童保育です。学童クラブや放課後児童クラブ、留守家庭児童会など様々な名前で呼ばれています。

<対象>

  • 共働きや一人親家庭などの小学3年生までの児童。
    ※一部の自治体では4年生以上も可能。

<利用条件>

  • 親が働いていること、その他詳細条件あり。
    ※東京都世田谷区の例:
    親の就労が、日曜日を除き、勤務の終了時間が午後3時以降の日が週に3日以上あり、かつ1週間の就労時間が日中20時間以上であること。

<運営時間>

  • 平日:下校時から18時。
    ※自治体によって、19時までの延長保育有り。

  • 土曜日:9時~17時が多い。

<過ごし方>

  • 多くは自由に遊んで過ごす。
  • 時間帯により、学校や児童館の体育施設を利用可。
  • 室内では児童書が利用可能。マンガも人気。
  • 月3-4回ほど開催される工作等のイベントに参加可。

<料金>

  • おやつ代込みで1カ月4,000円~1万円
    ※自治体により異なる。

<運営>

  • 各地方自治体が設置し直接運営する「公設公営」学童がある。
  • 運営を民間会社に委託している「公設民営」学童がある。

放課後子ども教室

文部科学省管轄で、すべての子どもを対象として、各地方自治体が小学校の余裕教室等を活用して、地域の多様な方々の参画を得て、子どもたちとともに行う学習やスポーツ・文化活動等の取組を支援して活動です。

名称は、放課後子ども教室と呼んでいるところもあれば、わくわくチャレンジ広場など 各自治体によって異ります。

<対象>

  • 公立小学校に通う全員が対象。
  • 自治体によって学区外の子どもの受入れも有り。

<利用条件>

  • 公立小学校に通う全員が対象。

<運営時間>

  • 平日は、下校時から16~17時。
    ※季節や、自治体によって異なる
  • 土曜日は実施しないところがほとんど。

<過ごし方>

  • 学校内や児童館で自由に過ごす。
    ※講師を招いての学習支援を実施することもあり、運営内容は自治体によって異なる。

<料金>

  • 無料がほとんど。
  • 一部、イベント時の工作費等(数百円程度)かかる。

<運営>

  • 自治体による直接運営(公設運営)が最も多い。
  • 自治体から委託をうけたNPO法人、民間企業による運営も増えている。

民間学童保育

厚生労働省管轄外で、民間会社や学校法人が「学童保育」サービスと称して様々なサービスを提供しています。

早朝・夜の延長保育や夕食の提供など、働く親のニーズを応えた運営をしているところが多いです。最近では、学習塾・進学塾や、習い事教室、スポーツ教室など様々な業種が参入して、多様なサービスを提供しています。

<対象>

  • 親の就労の有無や、年齢は問わないところが多い。

<利用条件>

  • 特になし

<運営時間>

  • 平日の下校時から20時までは、ほとんどの施設が開校。
  • 22時までのところや24時間営業、お泊り可能な施設もある。
  • 夏休み等、公立学校が休みの平日は、朝から対応。

<過ごし方>

  • 公設の学童と違い、子どもがやりたいプログラムを選択できる施設が多い。
  • 学習時間を設け、宿題や持ち込みのテキストも手厚く学習をフォローする。
  • お迎えが遅い子どもは手作りの夕飯を食べることもできる。

<料金>

  • 入会金1~3万円
  • 小学1年生で週5日利用の場合、料金の目安は1カ月4~10万円程度。
  • そのほか習い事などによって追加料金があり。

<運営>

  • 民間企業や塾が、自治体の助成を受けずに運営。

子どもを預ける学童の選び方

公立に預けるか、民間に預けるか迷う親が多いかと思います。それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

公立学童のメリット・デメリット

メリット:費用が安い

公設学童は親の就業支援が目的で、税金で運用されていますので、費用の安さが最大のメリットです。

1万円未満で、前年度の住民税標準額によって学童料金が安くなる自治体もあります。子どもにとってのメリットは、学校や児童館の施設を利用してお友だちと遊べることです。基本的には、宿題を終わったあとはずっと遊んで過ごします。

デメリット:学びの時間は持てず、大人数で利用しなければならない場合も

小学校低学年は、学校にいる時間よりも学童で過ごす時間が長いので、遊び以外の時間も過ごしてほしいと希望する保護者にとっては、過ごし方はデメリットに感じるでしょう。

また、公設学童の半数が、厚労省推奨最大定員40名を遙かに超える定員で運営されています。子どものタイプによりますが、大人数の中で過ごす子どもの精神的負担は計りしれません。

安全管理上、学童保育中の出入りが認められておらず、近所まで習い事に抜けることができないなどといった不自由さが公設学童にはあります。

さらに、運営する自治体によって、公設学童の環境・質ともに大きな差があります。保育園の入りやすさのために引っ越しをする人もいます。学童のために引っ越しをする人も珍しくありません。

民間学童のメリット・デメリット

メリット:柔軟な対応と、豊富な学習メニュー

民間学童保育は、こうした公設学童のデメリットをカバーする形で生まれた、まだ新しい業界です。

早朝や夜遅くまでの延長保育など、スケジュールに柔軟に対応はもちろん、宿題や持ち込み教材の学習指導や、多彩なプログラムの提供など、子どもの能力開発や、学習習慣を身につけることができます。

さらに、手作り夕食の提供、送迎、入浴等、働く親にかわって細かいケアをしてくれるのがメリットです。

デメリット:費用が高い

その分費用は高く、週5で4~10万円ほどかかります。まだ新しい業界ですので、施設によって、運営には大きな差があります。定員50名以上の大型学童も多く、どこまで細かいケアや指導がされているかは、実際の見学や体験会で確認をしなければいけません。

学童の選び方に迷った際はどうするべき?

学童の選び方は大きく4つの軸があります。

①開校時間
②立地
③学び
④定員

それぞれの軸について解説します。

①開校時間

  • 何時にお迎えに行けるのか
  • 子どもが通うのは、公立小学校かそれ以外か

公設学童は最長でも19時までのお預かりです。保育園と違ってさらなる延長はありません。仕事が忙しい方は、万が一のためにも、夜遅くまで延長保育をしてくれる民間学童との併用をおすすめします。

公立小学校以外に進学される保護者は、学童選びはとても重要です。例えば、全国にある国立大学付属小学校の意義は、公立学校で実施するものとは異なる先導的・実験的な取り組みを中長期的視点から実施することとされており、研究発表会などで学校にいかない日が公立小学校と比べると30日以上はあります。

さらに午前中帰りも日も圧倒的に多いです。私立小学校も同様の傾向があります。

公設学童の多くは、地域の公立小学校のスケジュールに対応しておりますので、公立小学校以外に通われる方は、柔軟なスケジュールに対応してくれる施設を選ぶ必要があります。 

②立地

  • 家、学校、自宅の導線に無理がないか

公設学童や学校や自宅の近隣にあるので問題ないですが、民間学童を検討する場合には、家と学校、自宅からのそれぞれの導線に無理がないかを確認してください。

最近では送迎サービスを実施しているところが多いです。個別送迎ではなく、大型車での集団送迎の場合は、実際の運営状況は慎重に確認をしてください。

下校時間から1時間後に迎えに来る、家に帰るまでに1時間も送迎車にのっている等であれば、1年間通うには無理があります。

③学び

  • 子どもに放課後をどう過ごしてほしいのか

低学年のうちは、学校のお友だちと楽しく過ごしてほしいのであれば公設学童が最適です。

学校のお勉強以外で、何か楽しい学びを体験させたいなら、今は民間学童で様々な学びが提供されています。

公設学童の利用基準を遵守しているのであれば、公設学童との併用も可能です。子どもと一緒に体験イベントに必ず参加してから決めてください。 

④定員

  • 子どもはどんなタイプなのか

集団や大人数が苦手な子どもは、最大でも小学校のクラスよりも人数が少ない、定員30名前後の施設をおすすめします。

厚生労働省の推奨基準は、一日当たりの定員は最大40名までですので、ひとつの指標として皆さん覚えておいてください。

子どもを学童に預ける際の注意点

学童の選び方の4つの軸を検討されたうえで、実際の子どもを学童に預ける際に、さらに親が確認・注意すべき点があります。

  • 怪我の処置や安全対策
  • 毎日の様子をどうやって知れるのか

残念ながら、公設学童での死亡事故や30日以上かかる負傷事故は、2019年は年間1,641件、うち9件は死亡事故です。民間学童は厚労省の管轄外ですので、預ける側の親が慎重に確認をしてください。

説明会で質問をしたときに具体的な即答がされない、また毎日の様子のフィードバックがない等の施設は、その程度の運用がされている、と判断して良いでしょう。

日々の堅実が運営をされているかどうかを親が注意・確認をする必要があります。

まとめ

学童保育とは何か?その種類と、過ごし方・利用の仕方・選び方をまとめました。

小学校にいるときよりも長くなる可能性のある放課後の時間をどう過ごすのかは、子どもたちにとって無限の可能性を秘めています。そして、学童保育は、就業や介護などで忙しくされている保護者の皆さんの最大の味方です。

皆さんのお住まいの地域には、公設・民間を問わず、子どもたちの放課後と皆さんを支援する施設がたくさんありますので、積極的な情報収集をおすすめします。

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