2021.06.10
習い事Q&A 小川真吾

少年野球チームに子どもを入れるなら何歳から?練習メニューやバットの選び方も解説

野球って何歳から始められるの?休日は保護者も大変?中学生の硬式・軟式野球チームのほか、学童軟式野球チームを持つ東京ヴェルディ・バンバータでアカデミー統括ヘッドコーチを務める島田達二さん(48)にお話を聞きました。

今日のポイント

  1. 少年野球を始めるなら6歳位からがおすすめ
  2. 最初は運動そのものに慣れてから野球の練習へ
  3. 身体能力、社交性、考える力が身につく
  4. 道具を揃えるのは小学3年生からでも遅くない
  5. 野球教室選びは「チームカラー」が重要
  6. 保護者は「健康的な生活」を見守ることが大切

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少年野球を始めるなら6歳位からがおすすめ

運動能力がよく発達する小学校低学年から始めるのがおすすめです。野球スクールには、3歳から受け入れているところもありますが、個人差もありますので、発達段階に合わせて始めるのが良いでしょう。小学校1年生からでも十分早いです。

少年野球は早く始めた方が良いの?

A.小さな頃は、野球に限らず様々な運動習慣を身につけることが大切でしょう。

昔は色々な遊びをしてから野球を始める流れがありました。今の子どもは基礎体力が劣っていますので、運動能力を上げるのが一番の課題です。野球に限らず、外で遊ぶ機会や習慣を作ってあげることが大事だと思います。小学校低学年は神経系の運動能力を獲得する時期ですので、得られるものは多いでしょう。

少年野球は何歳から始められるの?

A.3歳位から受け入れているところもあります。

幼児は運動以前に、課題の理解や話を聞けるかどうか、集中力などが必要だと感じます。幼児を受け入れているところでも多いのは年長さんで、年少の子は少ないです。感覚的には、小学校2~3年生から始める子どもが多いでしょう。小学校4年生以降になるとチームメンバーが固まり始めるため、小学校低学年から始めるのがおすすめです。

軟式と硬式、どっちを始めたほうが良いの?

A.小さな子は軟式の方が体への負担が少ないでしょう。

体ができていないときに硬式を無理に始めれば負担は大きいでしょう。自分の子どもの体に合ったボールを選ぶことをおすすめします。軟式野球からでもプロは目指せます。レベルが高く高校野球に繋がるのは硬式だというイメージもありますが、硬式でなければその後に繋がらないということはまったくありません。

プロ野球選手は何歳から始めることが多いの?

A.小学校低学年から始める人が多いですが、例外もあります。

中学生から始めてプロになる選手もいますので、一概には言えません。小学生1年生だから基礎体力が整うわけでもありませんし、個人差があります。5歳の子でもできる子はできるし、3年生でもまだまだという子はいます。

女の子でもできるの?

A.女の子でもできます。

今は女の子が野球をする環境もできてきました。やり始めるときは男女同じで、チームに入れば一緒に参加します。中学校までは男の子と一緒にできますし、高校では女子野球があります。まだ人口は少ないですが、女の子は発育も早く少年野球で活躍していることも多いです。

運動能力が急成長するゴールデンエイジは重要?

A.小学生の間に神経系が固まると言われています。それまでに扱わなかったものは、それ以上の年齢になってから始めてもできないことがあります。

サッカー部だった人が野球を始めても、肩を上げる動作ができず投げられなかったり、小1から野球しかしてこなかった子が中学で違うスポーツを始めても案外できないことがあります。低学年の頃は、マルチな動きを意識したほうが何でもできるようになります。バンバータでは、野球以外の運動能力を向上させるトレーニングも組んでいます。

神経系はどんなことに影響するの?

A.空間認識やバットのコントロールなど、なかなか数字に表れない感覚的な部分です。 

バットやグラブさばき、ボールのバウンドや変化球に合わせる力、空間認識など、感覚的な能力に関係しています。打球を目で追って、その落下点を感じ、あらゆる方向に動ける力などにも影響するでしょう。野球に限らず、そういった細かな能力の上に力などが加わりますので、小さい時に能力を育てておくと有利です。

カリキュラムは、運動そのものに慣れてから野球の練習メニューへ

小学低学年のうちは、投げ方や打ち方などの細かな技術よりも、体の動かし方を覚えていきます。その動きづくりの中に具体的な練習メニューを取り入れていきます。

少年野球は最初はどんなことから始めるの?

A.ウォーミングアップとして鬼ごっこから始めることもあります。

バンバータでは、グランドに集まってまず鬼ごっこをします。その中で、どんな鬼ごっこをするのかを子どもたちが主体となって考えます。他のチームからも驚かれますが、360度色々な動きを得られるほか、俊敏性を高める方法としても効率が良いです。1~2年生が6年生たちと一緒に遊ぶことで、様々な場面への対応力も身につきます。

A.野球につながる動きを用いた、アジリティトレーニングなどに取り組みます。

例えば、内野守備の左右の動き、後ろを向いて首を振りながら走る動きを、なぜやるのか?という問いかけをしながら身につけていきます。

A.動きに慣れながら、ウォーミングアップ、ベースランニング、キャッチボール、バッティング練習、バント練習、シートノック、紅白戦などを始めていきます。

具体的な練習メニューの中で、特に子どもが喜ぶのはゲーム性があるものです。競争は人気があり、盛り上がるので楽しんでくれているなという実感はあります。練習をどうやったらゲームとしてできるのかなども工夫しながらやっています。子どもも保護者も一番好きなのは試合です。小学校3年生前後になると練習試合や大会へ出場する機会が増えてきます。

関連記事:少年野球のバッティングおすすめ練習法3つ!全国大会2連覇を成し遂げたチームに聞く

関連記事:少年野球は普通の野球とどう違うの?親も覚えるべきルールは?グラウンド規格を解説

練習の頻度はどのくらい?

A.土日に練習するところが多いですが、平日朝や学校終わりの夕方に集まるチームもあります。

バンバータを例にすると、土日のみで平日はなし、基本的には週2回です。雨天中止の場合もあります。時間は半日程度(3~4時間)。大会等で公式戦が入ると拘束時間が多少長くなることはありますが、基本は半日です。チームによって違いますが、土日は朝から夕方までやるところも多いです。

半日くらいの練習で十分なの?

A.小さな子は短時間でぱっとやるほうが効率は良いです。

小学校低学年は心も体も未発達です。集中力がなく遊び出すときもあります。長時間となると収集がつかなくなる場合もあります。

A.友だちや家族と過ごす時間も大事です。

野球に限らずですが、中学・高校と続けていくと、家族旅行に行きにくくなることがあります。小学生の時は余暇も必要です。それによって社会的な気づきもあります。朝から夕方までやるチームもありますが、日曜日だけのところもあります。半日が推奨されています。

A.詰め込み型の練習は、親子共に負担が大きくなりやすいです。

練習量が必要なことは確かですが、小1からやる必要のないことをやったり、保護者の負担が大きくなったりすることが、野球離れに繋がっているということもあります。そのバランスだと思います。

指導は厳しい?

A.チームカラーによって様々だと思います。

バンバータは、子どもが指導者を呼ぶ時に、監督やコーチではなくニックネームで呼んでもらうなど、できるだけフラットな関係で一緒に野球を楽しもうという姿勢で取り組んでいます。指導も、注意は怒鳴らないようにすることを統一しています。チームによってもカラーがありますが、厳しいところはだんだん減ってきています。

A.応援の声は大きくなりやすいので、ポジティブな声掛けを心がけています。

練習試合や大会で少し高圧的な言い方をするチームを目にすることもあります。応援すると大きな声にもなりやすいため、声の出し方もすごく重要かなと思っています。野球はミスがわかりやすいスポーツなので、ポジティブな声がけを心がけています。仲間を大切にすることや、ものの扱い、言葉遣い、大人への対応などは丁寧に指導しています。

A.無料体験などで、チームカラーを確認しましょう。

相性もあると思います。子ども自身が厳しい指導のなかで鍛えたいと言っているのであれば良いと思いますが、自発的に努力をすることが一番上達しやすいと思います。

身体能力、社交性、考える力が身につく

画像提供:東京ヴェルディ・バンバータ

野球だけに限らず、スポーツは指導者から努力する姿勢や成長するための考え方を学べるところが重要なポイントです。その延長として様々な身体能力が育まれ、チームスポーツならではの社交性も身につきます。魅力を4つ紹介します。

①指導者から「成長する考え方」の基礎を学べます。

どんなスポーツも有能感が大事です。その成果を得るためには、努力すれば成長できると思える精神構造や、参加する姿勢の基礎を築く必要があります。野球に限りませんが、指導者はその考え方を身につけてもらうことに注力しています。

②俊敏性、空間認識能力、反射神経などが鍛えられます。

ボールの動きを捉え、落下地点を予測しながら、走り、投げ、バットを振りますので、全身の運動能力や空間認識能力、反射神経が鍛えられ、俊敏性が身につくでしょう。

③社交性や多様性、コミュニケーション能力が身につきます。

試合や大会を通じて色々な人と出会い、コミュニケーションを取る機会に恵まれるでしょう。将来どんな大人になりたいかを話し合う友だちができたり、学内に収まらない関係で同じ目標を目指したりすることは、チームプレーをするスポーツならではの環境です。小1から学外の友だちと接する環境があるかないかは大きな差と言えます。

④野球は、考える時間が豊かなスポーツです。

野球は27個のアウトをどうやって取るかという中で戦略を練るスポーツです。そして、一つひとつのプレイに間があり、一回一回止まって考えます。サインが出て、その作戦の中で自分はどうプレイするのかなどを考える時間が豊富にありますから、考える力が身につくでしょう。

道具を揃えるのは小学3年生からでも遅くない

画像提供:東京ヴェルディ・バンバータ

野球を始めたばかりのときは、チームが所有している道具を借りることもできます。本格的な道具を購入する場合は、試合や大会への出場が増えてくる小学3年生くらいからでも遅くありません。

どんな準備が必要なの?

A.小学1年生くらいなら、帽子と運動靴を用意すればチームの道具を借りて始められることもあります。

バットやグローブは、チームが所有しているものを借りられることがあります。熱中症対策に帽子はあると良いでしょう。手ぶらで行ってもプレイできるところはありますが、子ども本人が欲しくなって道具を買うことは多いです。練習は半袖・短パンでも大丈夫です。熱中症対策もあり、ユニフォームを着ずに練習することも多いです。

A.小学3年生くらいから、バット、グローブ、ユニフォーム、シューズが必要です。

小学校1~2年生は、指の長さや握力が足りないため、グローブや野球のボールを使わずに、ティーボールというウレタンのボールやテニスボールで練習することもあります。3年生くらいになり試合に出始めると、道具が必要になってきます。チームによっては、最初からスパイクを用意する必要がある場合もあります。

費用はどれくらいかかるの?

A.入団金や月会費がチームによってバラバラです。

バンバータは、入団金が5000円、小学2年生以下の月会費は8000円です。

<編集メモ>
月会費は2000~3000円のところが多く、チームによっては入会金・入団金があるところもあります。そのほか大会参加費や、合宿費が必要になることもあります。

A.ジュニア用でそれぞれ、グローブ・バットは5000~2万円、スパイクは5000~1万円程度です。

最初に選ぶシューズは、だいたい5000円前後のものが多いと思います。バットも初めは3000~5000円くらいの安いものから始めることが多いでしょう。小学5~6年生で先を意識している子は、一番高いランクを検討します。

父母の負担はどのくらい?

A.チームによっては、当番や、世話役、練習の手伝いなどをするケースもあります。

チームにより様々です。当番制の作業がある場合もあります。バンバータは、当番やグラウンドにいてもらう必要はなく、現地集合・現地解散です。送迎だけする保護者もいますし、野球経験者の方は積極的に練習などを手伝っていかれる場合もあります。

野球教室選びは「チームカラー」が重要

指導方針は、チームによってバラバラです。優しい雰囲気のところが良いか、厳しいところで揉まれたいかによっても変わります。自宅からの距離が近ければ保護者の負担も少なく、大所帯のチームなら視野が広がるメリットもあるでしょう。

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チームはどう選べばいいの?

A.指導方針、チームカラーをよく確認しましょう。

親子によって、楽しむことを優先するか、厳しい指導の中で揉まれたいか、目的が違います。チーム全体や、指導者のカラーをよく見ることをおすすめします。それから、自宅から近いのは負担が少なく魅力的です。野球は多くの地域でチームを見つけられることも良いところです。

A.大所帯のチームなら、競争心や多様性が身につきます。

色々な年代の選手と野球をすることで、プレイの仕方や考え方など、視野が広がります。

都市部の強豪チームに通ったほうが良い?

A.今の時代は、地方にいるからといって埋もれることはありません。

昔と違い、地方でも目立っていたら注目されます。自分の地域でしっかり頑張るのが良いと思います。良い指導者、良い選手、良いチームの話題はどこにいても届きます。昔はそこに行かないと情報もなく会えませんでしたが、今は島にいても一流の情報が入ってきます。無理する必要はありません。

どんな指導者が良いの?

A.良い指導者は指導方法をマイナーチェンジし続けています。

結果が出ない人ほど、昔の成功体験を引きずっていることが多いです。その影響で休む勇気がない人もいるでしょう。世の中は変わり続けているため、変える勇気がないと難しい部分があります。若い指導者ほど新しい方法にチャレンジしやすいということはあるかもしれません。

保護者は「健康的な生活」を見守ることが大切

大切なのは、子どもが健康的な生活を維持して、楽しく野球を続けられるようサポートすることです。詰め込み型になる必要はありません。過度なプレッシャーを与えないように注意しましょう。

どんなことに注意するべき?

A.SNSへの投稿に要注意。

保護者が自分ごとにしすぎて「今日は勝てなかった」「打てなかった」とSNSに投稿することがありますが、単純に応援してあげるとか、見守ってあげるのが良いと思います。親が結果に介入しすぎたことで、中学校では野球をやらないと決めた子もいました。見守ってあげるのが一番ですね。

A.子どもへのアドバイスはほどほどに。日々の生活を大切にしましょう。

発育段階で過度な負荷をかけないように注意しましょう。野球メインの生活を強いることで、けがをしやすくなったり、燃え尽き症候群になったりすることがあります。親の顔色を伺うように野球をすることがないようにしてあげてください。子どもたちが主役です。日々の生活や食事に気をつけてあげてください。

A.情報収集の手伝いは積極的にサポートしてあげてください。

夢中になってくると子どもの質問が変わってきます。「あの選手ってなんでこんなプレイをするの?」と聞かれた時に、YouTubeや書籍に手を差し伸べてあげるのは良いことでしょう。

A.試合で着るユニフォームは、新しいものをおすすめします。

10年前の素材やデザインを使い続けるチームもありますが、重く、暑くなりやすく、熱中症の原因になることもあります。本物を着させることが大事ですし、格好良さがモチベーションにも繋がりますので、バンバータでは大人と同じレベルの高品質なユニフォームを購入してもらっています。

A.トレーナーさんの練習方針をよく理解しましょう。

主体性を子どもに任せるプログラムはまるで遊んでいるように見えます。これって指導なの?という不安や、もっと管理してほしいという要望を親世代は抱きがちです。コーチやトレーナーと、よくコミュニケーションをとって、練習方針を理解すると良いでしょう。

【プロフィール・島田達二(しまだ・たつじ)さん】

画像提供:東京ヴェルディ・バンバータ

4度の全国大会優勝経験がある「東京ヴェルディ・バンバータ」は、U-15の軟式・硬式チームのほか、学童軟式野球チームがある野球クラブ。島田達二さんは、軟式・硬式両方のヘッドコーチです。子どもたちが野球を好きになり、週末の練習が楽しみで自らアクションして上手くなる新しい学童野球の在り方を追求し、小学生向けにも科学的知見を取り入れた練習を実施中。

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小川真吾
小川真吾

1985年生まれ。千葉県出身。ウェブメディア運営企業で、編集ディレクターやクリエイティブディレクターを経験した後、2019年に朝日新聞社へ入社。小学生のころは山遊びやサッカーに夢中でした。趣味は、音楽、映画、写真、料理などです。

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