2021.05.24
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英語学童とは?放課後を活用するアフタースクールで英語学習をする効果・メリット

英語学童とは何なのか?放課後を活用して英語学習に取り組む「英語学童」について取材しました。インターナショナルスクールとの違い、一日の過ごし方や英語プログラムの内容、選び方や利用上の注意点、料金相場など盛りだくさんです。英語学童での学習効果を左右する家庭で取り組むべきことも紹介します。

英語学童とは何をするところ?

英語学童は「英語に特化した民間の学童施設」のことです。子どもの監督・指導をネイティブ・バイリンガルの先生(講師・スタッフ)が行うことで、預かり保育を受けながら英語を同時に学べます。

子どもたちが学童保育所にいる時間は想像以上に長くなる場合があります。学校がある日に1日3時間半、夏・冬・春休みは朝から利用して8時間半利用した場合、年間で278日、合計1650時間にも及び家庭に代わる毎日を過ごす「生活の場」です。

一方で、小学校内で過ごす時間は、小学生低学年の子どもで年間1140時間ほど。学童で過ごす時間の方が圧倒的に長くなる場合があります。この時間を英語漬けの環境で過ごしながら、子どもの英語力を伸ばします。

英語学童の特徴 学習内容 一日の流れ

子どもたちのタイムスケジュールの呼び方は各英語学童によって様々ですが、概ね一日の流れは決まっています。

  • 14:30 入室&自由時間(宿題も可能です)
  • 15:30 おやつ
  • 16:00 プログラム1~3(40分程度×2-3プログラム)
  • 18:00 お帰りの会&今日やったことを発表
  • 18:30 バス送迎での帰宅

英語学童は様々なスクールがありますが、各英語学童には16時前後から開始される「プログラム」があります。

低学年のうちは、英語で学ぶことが好きになるように、楽しいアクティビティを取り入れたプログラムを通じて英語で楽しく学ばせる、その考え方は各スクール共通のようです。

前半は、アート&クラフトやダンス&ミュージックを楽しんだり、公園に行ったりと、ネイティブ講師との遊びが中心の学童もあれば、理科実験やアートなどの日替わりプログラムを選択参加できる英語学童もあります。

後半は、テキストを使ったリーディング、ライティング、フォニックス等の読み書きや正しい発音の練習を行います。

インターナショナルスクールとの違いは?

インターナショナルスクールと英語学童は全く異なります。

インターナショナルスクールとは

インターナショナルスクールは、主に外国籍の子どもたちのための保育施設・小学校・中学校・高校です。さまざまな国籍の生徒たちがコミュニケーションをとるため、使われる共通語は「英語」です。日本人の入学が認められている施設も増えていますが、一定レベル以上の英語力が入学資格として必要なことがほとんどです。文科省によると、国際的に通用する大学入学資格を取得できる国際バカロレア認定校は、国内に130校あります。

英語学童とインターナショナルスクールの違い

英語学童は、小学校下校後の子どもの放課後の時間を「学び・遊び・生活を英語のコミュニケーションで行う預かり施設(保育施設)」です。大半の子どもが、全くの英語初心者からスタートしています。小学校入学前の未就学児も、同じ施設内でインターナショルスクールを受験する前に利用することがあります。教室見学でとても小さな子どもがいることに驚くかもしれませんが、実際の学童保育の時間では、それぞれの年齢の子は別々の教室で過ごします。

英語学童のメリット・デメリット

6歳の子どもを英語漬けの環境で育てることや、子どもの早期英語教育を行うメリットやデメリットについては、学術的にも様々な議論があります。ここでは、代表的な意見と学童保育ならではの問題について紹介します。それぞれの家庭で足りないところを補うことができれば、豊かな英語学童生活を送ることができるでしょう。

【メリット①】英語耳が育つ

言語の習得には臨界期があるため、英語学習が遅くなればなるほど、第2言語としての英語の習得は難しくなります。「英語」を聞き分けることができる能力を「英語耳」と呼び、この能力は大人になってからでは身につけるのが難しいと言われています。

例えば、「RとLの発音」「子音で終わる単語」の聞き分けといった、日本人が慣れていない音に対しては、早期英語教育が大事になります。日本語と英語は、使用する周波数帯が異なり、幼少期に英語に触れたことのない日本人にとっては、英語の音を聞き取ることが大変です。英語学童は、放課後を過ごす長い時間を英語漬けの環境で過ごすことで、子どもの「英語耳」を育てるメリットがあります。

【メリット②】英語表現の感覚を学べる

英語と日本語には、TPOに合わせた感情表現や意志表示の仕方、慣用句、ジョークなど、直訳できない多くの違いがあります。子どものうちに、こういった英語感覚を理解しておくと、海外の方と人間関係を築くことも簡単になるでしょう。理解するだけではなく、日常生活で使いながら体得していけることも、英語学童の魅力のひとつです。 

【デメリット】日本語のフォロー体制がない場合がある

確認すべきことで盲点となりやすいのは、宿題などの学習面におけるフォロー体制です。日本人スタッフが行う体制があるかどうかを必ずチェックしましょう。

アメリカ合衆国国務省によると、日本語は英語を母語とする人々にとって最も習得が難しい言語の一つです。日本人の大人であれば簡単にフォローできる国語の宿題のサポートは、母語が英語のバイリンガル講師では難しい場合もあります。

学習面でのフォローを期待するのであれば、子ども10名に対して日本人スタッフ1名を目安に検討をすると良いでしょう。これ以上の人数を担当する場合、宿題のフォローは期待できません。学校の宿題はご家庭でやると決めて、学童保育を利用する必要があるでしょう。

英語学童では全てのカリキュラムを、英語でコミュニケーションをとりながら行います。質問・発言はすべて英語でしなくてはならないため、語彙力・文法力に自信がない子や恥ずかしがり屋の子は「意思を伝えること」を恐怖に感じて、諦めてしまうこともあります。そのような場合、子どもとネイティブ講師とのコミュニケーションをサポートする日本人スタッフのフォロー体制は不可欠です。

英語学童の学習効果は?

「英語学童に通って英検準2級に合格した!」といった、高い学習効果を得た人がいる一方で、「海外旅行での挨拶程度はできるようになったが、英検5級の内容も理解できていなかった」という口コミも多く目にするようになりました。その差はどこにあるのでしょうか?

英語学童の学習効果を得るには日本語能力も必要

一般的には、母国で暮らし、母国語を中心に使って生活をしている限り、第2言語が母国語以上に発達することはありません。そのため、まずは母国語で思考する能力を身につけなくては、第2言語の発達も見込めないという考えもあります。

小学1年生くらいの子どもは、母国語での表現も未発達で発達中の段階です。低学年の間は英語を身につけさせることよりも、まず母国語の語彙や表現力を身につけることが大切だと考える方も多いため、日本語能力を身につけることに注意した上で英語の学習をする必要があるでしょう。

英語学童の通う頻度や教育方法、講師、家庭でのフォローの違いの前に、日本語での論理的思考能力によって、大きな差がつく可能性があります。

日本語の論理的思考力を高めるためには?

経済協力開発機構(OECD)が2018年に実施した国際学習到達度調査(PISA)で、日本は「読解力」の成績が落ち込み、2012年世界4位、2015年世界8位、2018年は15位へと落ち込みました。『AIに負けない子どもを育てる』の著書で知られる、国立情報学研究所教授の新井紀子さんは、プレジデントオンラインの記事で「残念ながら、日本の子供の大半が教科書を読めていません。小学生でいえば、全教科の内容を正確に読めているのはクラスの2、3人でしょう」と日本人の読解力の低さを指摘しています。

①読書と対話で日本語力を育もう

推奨したいのは、家庭でたくさんの本を読むことです。本には書かれていない主人公の気持ちを探ったり、物語の続きを一緒に考えたりして、親子で対話しながら英語力を学ぶための土台になる「日本語の論理的思考力」を地道に育むことです。この時間を確保をした上で、英語学習をするかどうかを考えましょう。

②今日は何したの?親子の会話で学習効果をアップ

時間が経つにつれて、人は物事をどれくらい忘れるのかを研究しグラフ化した、ヘルマン・エビングハウスの「エビングハウスの忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)」によると、研究結果は下記の通りでした。

  • 20分後に、全体の42%を忘れる。
  • 1時間後に、全体の56%を忘れる。
  • 1日後に、全体の74%を忘れる。

つまり、せっかく覚えても1〜2日後には、覚えたことの約75%を忘れてしまうのです。

しかし、復習をすることで記憶は復活、強化することができます。復習を繰り返せば、なかなか忘れにくい強い記憶にすることができます。

英語学童から帰ってきた日は、子どもに「今日はどうだった?お母さん(お父さん)にも、勉強した英語を教えて」と話しかけて、日本語で会話を続ける意識をしましょう。

記憶の強化はもとより、学んだことをお母さんに教えることができて、かつ褒められる体験も積み重なれば、子どもの英語を学ぶことに対する自己効力感はますます高まり、日本語の会話能力と同時にさらなる英語学習効果を期待できるでしょう。 

英語学童の選び方

学童にも、公設学童や民間学童など、様々な場所があります。ここでは、既に英語学童を利用したいと決めている方が、どの英語学童を選んだらいいのかを決める場合のポイントを4つ紹介します。

英語学童がいいのかどうか?を迷っている方は、学童保育の記事中の「学童の選び方に迷った際はどうするべき?」をご参考になさってください。 

①立地 家、学校、自宅の導線に無理はない?
②ネイティブ講師の質と配置人数は十分?
③日本人のフォロー体制はある?
④料金は?

それぞれの軸で説明します。

①立地、家、学校、自宅の導線に無理はない?

英語学童を検討する場合には、家と学校、自宅からのそれぞれの導線に無理がないかを確認してください。英語学童では送迎サービスを実施しているところも多いですが、大型車での集団送迎の場合は、実際の運営状況を慎重に確認してください。下校時間から1時間後に迎えに来る、家に帰るまでに1時間送迎車に乗る、等であれば、1年間通うには無理があるでしょう。

②ネイティブ講師の質と配置人数は十分?

英語学童全体のネイティブ講師の質を体験イベントだけで見極めることは難しいでしょう。なぜなら、その英語学童の中で、最もプレゼンテーション能力が高い講師が、体験イベント要員として配置されている可能性があるからです。

判断基準のひとつは、ネイティブ講師全員の母語が英語か否かです。ネイティブ講師の採用・育成に力を入れている英語学童は、母語が英語である講師を揃えています。

ネイティブ講師が担当する人数が、一人当たり何人かも必ず確認しましょう。10人前後が理想です。それ以上であれば、せっかく英語学童に通っても、子どもがネイティブ講師と英語を話す時間が1日に5分もないということにもなりえます。

③日本人スタッフのフォロー体制はある?

日本人のフォロー体制が重要な理由は、大きく2つあります。

1つは、小学校の宿題等の学習面でのフォローです。

国語の宿題サポートは、母語が英語のバイリンガル講師にとっては難しいでしょう。学習面でのフォローを期待するのであれば、子ども10名に対して日本人スタッフ1名は必要です。これ以上の人数を担当する場合は、宿題のフォローは期待できません。

2つめは、コミュニケーションサポートです。

英語学童では、全てのカリキュラムを英語でコミュニケーションをとりながら行います。質問・発言はすべて英語でしなくてはならないため、語彙力・文法力に自信がない子や恥ずかしがり屋の子などは「意思を伝えること」を恐怖に感じて、諦めてしまうこともあります。

そのような場合には、子どもとネイティブ講師とのコミュニケーションをサポートする日本人スタッフのフォロー体制は不可欠です。体験イベントでは、日本語スタッフのチェックも忘れずにしましょう。

④料金は?

ここでは、英語学童の料金がどうやって決まっているのかをお伝えします。英語学童の個別の事情と、英語学童に通わせる目的と料金に見合ったサービスが期待できるかを、ご自身で判断してください。

料金の内訳は下記の通りです。

  • 施設費
  • ネイティブ講師給与
  • 日本人スタッフ給与
  • 車両費
  • 本社費

・施設費

駅前の大型ビルや商業施設は、同じエリアにある一般的な事務所物件と比べると、賃料は坪あたり1.5倍以上です。施設のグレートや広さは、その分料金の高さ、一日当たりの子どもの人数の多さ、スタッフの人件費、などに影響します。

例えば、料金が多少高くても綺麗で便利な施設に通わせたい人や、大勢の中にいても気にならないタイプの子どもであれば、駅前の大型ビルや商業施設での英語学童をおすすめします。

・ネイティブ講師給与

母語が英語で、子どもの教育歴がある優秀な講師の給料は高いです。英語専門塾が運営している学童は、料金は一見割高に思えるかもしれませんが、料金にあった質の高い効果が期待できるでしょう。

講師1人で担当する子どもの人数によって、料金に差がつきますので、料金が相場よりも安い英語学童では、講師の配置人数をチェックしましょう。 

・日本人スタッフ給与:

スタッフ1人で担当する子どもの人数によって、学習フォローや学びのサポートが大きく変わりますし、料金にも差がつきます。一般的な民間学童では、スタッフ1人で子ども10名が標準です。

・車両費:

送迎がある会社は、車両費、駐車場代、ドライバー給与、送迎アシスタント給与がかかります。英語学童は1日40人~60人の子どもが通う大規模施設が多いため、車両費の考え方に差はないとは思われます。

・本社費:

全国で急拡大している会社は、英語学童に限らず、開発部隊・営業部隊の人件費がそれなりに料金にのっています。宣伝広告もよく見かけるのであれば、本社人件費と宣伝広告費は、料金の2割以上を占める、と考えて良いでしょう。学童では稀ですが、他社からの乗り換えキャンペーンのような販促をしている施設では、こうした費用も皆さんがお支払いされる料金に上乗せされている可能性があります。

英語学童を選ぶ際の注意点

上で紹介した英語学童の選び方を検討したうえで、実際の子どもを学童に預ける際に、さらに親が確認・注意すべき点を紹介します。

  • 怪我の処置や安全対策は?
  • 毎日の様子をどうやったら知れる?

怪我の処置や安全対策は?

英語学童は、英語での学びが売りですが、1年生は放課後平均6時間を過ごす生活の場です。安全・安心で快適な環境が提供されることが、長く利用するうえでは最も大切です。

残念ながら、公設学童での死亡事故や30日以上かかる負傷事故は、2019年は年間1641件、うち9件は死亡事故です。英語学童は厚労省の管轄外ですので、預ける側の親が慎重に確認をしてください。選ぶ際には、実際に施設に子どもと一緒に足を運び、体験イベントに参加をして、ご自身の目で直接確認してください。

説明会で質問をしたときに具体的な回答がなく、毎日の様子のフィードバックがない施設は、注意が必要です。

英語学童の料金の目安

英語学童の多くの施設は、ホームページ等で公式な料金プランを掲載していません。関連する様々なブログを読むと、料金プランは体験会や見学に行った先で、保護者にプリントで配られていることが多いようです。

料金の目安を、ママさんブロガーさんからの口コミを元にご案内すると、大手英語学童の都内での料金相場は、往復送迎で週2日3万3000円~週5日6万6000円強が目安となります。これ以上安い、または高い場合は、その理由が何なのかを納得するまで確認したほうがよいでしょう。

まとめ

放課後を活用して英語学習に取り組む「英語学童」について、一日の過ごし方や、英語プログラム、選び方や利用上の注意点、英語の学習効果を高める方法などをまとめました。

同じ英語学童でも、地域や施設によって評判にも差があります。あなたの住む町にある英語学童は、どんな施設でしょうか。ぜひ、体験や説明会に足を運んでみてください。

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