2021.06.25
習い事Q&A 小川真吾

子どものサッカースクールは何歳からがおすすめ?練習、服装、セレクションなどを解説

何歳から始めればいいの?初期費用はどれくらいかかるの?創設30年超、現在約2500名の会員が在籍する歴史あるサッカースクール「マリノスサッカースクール」で、30名以上のプロサッカーコーチを統括するスクールヘッドオブコーチングの和田武倫さん(58)にお話を聞きました。

今日のポイント

  1. サッカーは4歳くらいから始めるのがおすすめ
  2. 最初は鬼ごっこから始めることもある
  3. オープンスキル、身体操作性、協調性などが身につく
  4. サッカーボールと運動靴があれば始められる
  5. チーム選びは方針確認と体験が必須
  6. セレクションでは応援のしすぎに要注意
  7. 保護者は子どもの話を肯定してほめてあげよう

サッカーは4歳くらいからがおすすめ

サッカーは片足で立ち、片足でボールをコントロールする必要があり、バランスを保てる筋力が必要です。小さくてもボールを蹴って走ることができれば始められますが、4歳になり幼稚園に入ってから始めるのがおすすめです。

何歳から始められるの?

A.2歳から始められるスクールもあります。

幼稚園年代からスクールを行っているところも多いです。マリノススクールでは、3、4歳向けの短期スクールも開催しています。

早く始めたほうがいいの?

A.運動神経の開発を考えればなるべく早いほうが良いでしょう。

ゴールデンエイジと呼ばれる小学生の間にスポーツを始めることは、運動能力を開発する上では大事です。

何歳から始めるのがおすすめ?

A.4歳くらい、幼稚園に入ってからがおすすめです。

サッカーは、片足で立つことや、ボールの上に片足をのせて踏み変えることなどが必要です。小さすぎると筋力のバランス的に難しいことがあります。ボールを蹴って走ることができれば始めても良いでしょう。おすすめは幼稚園に入ってからです。

女の子もできるの?

A.女の子もできます。

小学校4~5年生くらいまでは体力差も少なく、技術練習などでは女の子の方が上手なケースもあるので、それほど意識せずとも男の子と同じようにプレーできるでしょう。性別関係なく練習することが大切です。男の子のチームで一緒にやっている子が多いですが、女の子だけでプレーしたいという要望もあり、最近は女子だけのチームやスクールも少しずつ増えてきています。

鬼ごっこから始めて、少しずつボールに慣れていく

子どものころは様々な動きを経験することが大切です。最初はボールを使わずに、鬼ごっこやかけっこから始めることもあります。徐々にボールに慣れ、サッカーで使う身のこなしを覚え、キック、ドリブル、パスなどの基本的な動作の練習に入っていきます。

最初はどんなことから始めるの?

A.ボールを使わずに鬼ごっこから始めることもあります。

サッカーボールを足で扱うのが近道ということでもありません。蹴るという動作だけでなく、走る、跳ぶといった運動、歩行の仕方を整えることから始め、後々サッカーで使う身のこなし、身体の操作性を高めていきます。初めからサッカーらしいことばかりに取り組むのではなく、鬼ごっこなど、色んな要素を含めてトレーニングすることが大事です。最初はボールを手で扱うこともあります。

A.徐々に、ボールを強く蹴るためにはどうすれば良いのかや、踏み込み方、蹴らない方の足をボールの横に置くことなどを教えていきます。

強く踏み込んだほうがより力が出る、ボールを蹴るときに足首をしっかりと固める、などのように、テクニックを細かく分解してコーチングしていきます。踏み込みが遠くないか、足の面が固定されているか、スイングができているか、などを伝えていきます。

A.テーマ別にキックやドリブル、パスなどのトレーニングをしていきます。

サッカーの動作には、ボールを止める(ボールコントロール)、蹴る(キック・シュート・パス)、運ぶ(ドリブル)、受ける(パス)、ボールを奪う、などがあります。マリノスのサッカースクールでは、これらをテーマ別に練習していきます。例えば、ゴールを決めるというテーマのなかで、何をすればいいのかを考え、シュートの練習などを行います。徐々にそれぞれの動作の高度な練習へと移っていきます。

A.小学4年生くらいから徐々に戦術を考え始めます。

ボールがないときにどう準備するかを「オフザボール」と言い、ポジションの取り方やタイミングの合わせ方などを覚えていきます。高学年になってくると、4対4でボールポゼッション(ボールを保持する)をするときにどのようなポジションに立てば良いのか、どこに行けば良いのか、マークされたときにどのタイミングではがせば良いのか、などを考えます。パスやコントロールの質だけでなく、先を読む力が問われてきます。

どんな練習が人気なの?

A.シュート練習や、相手を抜く1対1など、目的や勝ち負けがある練習は集中力が高まります。

反復練習は集中力が続きにくい傾向があります。コーチ陣は、飽きさせない工夫や、レベルに合わせた練習内容を常に考えています。近年、様々なスクールやクラスがあり、ドリブルに特化したクラスや、点数を取られなければ負けないという方針でデュエル(1対1)に特化するところもあります。マリノスは、ジュニアで基礎となる土台を作って積み上げたものが生きるよう「止める・運ぶ・受ける・奪う」に注力しています。

練習頻度はどのくらい?

A.マリノスのスクールは週に1回が基本、多くても週2回です。プライマリーという選抜チームは土日を含めて週4回程度です。

サッカースクールの活動は基本的に週1回のところが多いでしょう。スクール以外に所属しているチームがある場合は、チーム活動と含めて週に3~4日練習している子もいるでしょう。全体的な傾向としては、高学年になるとチームの試合が増え、チームに専念する子が多いです。ちなみに、ドイツでは家族や友だちとの時間が大事だということで、週3日程度が適当ではないかと考えもあるようです。

指導は厳しい?

A.厳しくありません。サッカーを始める子どもには、楽しさを伝えることが大事だと話し合っています。

我々のスクールでは、子どもたちがポジティブにサッカーに取り組めるように、その子に合わせた課題を与えたうえで、前向きな言葉をかけるように意識しています。ほめる、励ます、といったことが小学生にはとくに大事です。

A.日本では90年代後半から指導者育成が進み、当時の状況からは大きく改善されました。

昔は、コーチが思い描くプレーを子どもに強いる傾向がありました。今はその子の能力をいかに伸ばすか、その子が選んだ手段を尊重しながら、もっと良い方法がなかったかを考える導き方に変わりました。今、だんだん高校サッカーの成績は地域差がなくなってきています。それは指導者への指導が行き渡り、変わってきていることの現れでもあります。

オープンスキル、身体操作性、協調性などが身につく

サッカーは、ボールと身体を同時にコントロールする能力が鍛えられ、様々な状況に合わせて臨機応変に行動する判断力などを身につけることができるスポーツです。練習を通じて学ぶ協調性やサッカーを習う魅力などについて、ポイントを5つ紹介します。

①「オープンスキル」が身につきます。

サッカーは、場面場面で判断が求められ、同じ条件下で行動することがありません。今、自分が置かれている条件下で、適切なプレーを抽出して実行に移す、外的要因に対応する力が身につくでしょう。ひとつの場面でコーチが「ああしろこうしろ」と大人の思うプレーをさせても子どもの能力は高まらないと考えます。考えて判断する力を身につけて自立した判断を行えるようになることを一番に掲げています。

②俊敏性、運動神経が磨かれ、身体の操作性が高くなります。

俊敏性を磨くことはアジリティトレーニング、運動神経を磨くことはコーディネーショントレーニングと言われます。テクニックの向上と判断力を養い、遺憾なく発揮するためには、身体の操作性は切っても切り離せません。サッカーではボールを操作することだけではなく、状況判断に応じて素早く行動するための身体能力を身につけることができます。

③団体種目の中で、協調性、社会性も身につきます。

スポーツ全般に言えますが、挨拶や準備などにも子どもたちの自立へつながる要素があります。単純に持ち物を整理整頓したり、トレーニングシューズやスパイクに履き替えたりすることもそうです。最初はできなくても続けることで習慣となっていきます。また、団体生活の中で多くの学びがあります。仲間が自分の思い通りに動かなかったとしても相手を尊重できる協調性や振る舞いなどが身につくでしょう。自分を尊重してもらうことと同時に相手を尊重することがチームプレーです。

④すぐ始められます。どこでも遊べます。大人になってもずっと楽しめます。

マリノスでは大人のサッカースクールを2年前に始めました。平均年齢は40歳。社会に出てからプレーする時間や場所を失いサッカーから離れていたけれど、プレーできる機会を求めていたという人が多かったことに驚きました。生涯スポーツとして、ご自身のレベルに合ったところで場所を見つけてやり続けてほしいです。サッカーはルールがシンプルで、ボールが一つあればいつでもどこでもすぐに始められます。

⑤想像したプレーがうまくいった時の喜びは最大の魅力です。

ゴールを決める、相手を抜く、ボールを奪う、それぞれポイントがありますが、思い描いたプレーがうまくいったときの喜びはサッカーの最大の魅力です。そして、サッカーは観るだけでも楽しいものです。観戦で想像もしなかった美しいプレーに出会うことも魅力のひとつでしょう。ひたむきに試合に望む選手を見る楽しさも、サッカーやそのほかのスポーツに共通して言える魅力です。

サッカーボールと運動靴があれば始められる

サッカーは始めるのが簡単です。サッカーボールがひとつあり、運動靴さえあればいつでもどこでも始められます。

初期費用はどのくらい?

A.サッカー自体は、サッカーボールと運動靴があれば始められます。トレーニングシューズを買っても1万円以下でボールと靴は揃います。

最初に必要な道具は、サッカーボールと運動靴です。ボールは未就学児なら3号球、小学生なら4号球のサイズで、どちらも4000円前後から購入できます。運動靴は走りやすいものであれば良いでしょう。小学生になってからトレーニングシューズを買うことが多いですが、3000円前後から選べます。

サッカースクールにかかる費用は?

A.スクールやコート、練習回数やクラスによって変わります。

入会金、年会費、月謝、ウェア代などがかかる主な費用です。個人レッスン型など、様々な形のスクールもあり、費用はスクールやチームによって変わってきます。そのほかに出費がかかるものは、休日に練習するときにお弁当や飲み物が必要になる程度でしょう。場所によっては食育指導があるところもありますし、月謝だけということもあるでしょう。

(編集メモ)
月謝は、クラブチーム、スクールによってそれぞれ変わります。地域のクラブチームは月3000円前後で参加できるところも多いですが、有名チームやスクールでは高額ながらも整った設備やプロのコーチングを受けることができる場合があります。月謝以外に入会金・年会費などが設定されている場合があるため、問い合わせでよく確認しましょう。

学校や地域のチームとスクールはどう違うの?

A.各チームにはそれぞれ団体としての活動があります。スクールは習い事の要素が強く、補足的に利用する場合があります。

学校や地域のクラブチームは、チームとして活動しますので、大会などにもチームで出場します。気心が知れている友だちと練習し、友だち同士の予定も合わせやすく、長い時間を一緒に過ごします。スクールは習い事の要素が強く、生活圏の違う友だちとの出会いがあるでしょう。学校外のチームやスクールの友だちは、なかなか会えない一方で良い刺激になるでしょう。

A.スクールには、専門的なトレーニングを行える環境があります。

中学校に入ると、部活に専念する子、スクールに行く子、様々な子がいます。部活は練習日数が多い一方で、顧問の先生が教師としての業務のために参加できないことも珍しくなく、サッカーに専念できない部分がどうしてもあるため、部活やクラブチームの活動に参加しながらより専門的なトレーニングを求めてスクールに通う子もいます。

当番制で保護者が担う役割はある?

A.マリノスでは保護者の当番などはありませんが、チームによって異なります。

チーム活動をしている団体などでは、保護者会のような形で当番を決めてやっているところはあります。スクールはないところが多いでしょう。

送迎などのサービスはある?

A.バスで送迎があるところもあります。

団体によってはバスでの送迎サービスなどを行っているところもあります。小さい子は親子で来ますが、小学3年生くらいになると、電車や自転車で友だちと一緒に通う子が増えます。今は共働きの家庭が多いので、保護者の方にとって平日の送迎は難しく、当番も対応できないことが増えました。マリノスではこれまで平日にしか開校していなかったのですが、土日にもクラスを新設し、多くの方に参加いただいております。

チーム選びは方針確認と体験が必須

チームやスクールを選ぶときは、ホームページでチームの方針を確認し、子どものやりたいことに合わせて体験を申し込むのがおすすめです。小さい子ほどその日の状況によって印象が変わりやすいため、体験して子どもが楽しめたかどうかをよく確認して選びましょう。

選び方はどうすればいいの?

A.一番大事なのは、そのチームの方針や考え方を知ることです。

スクール生の保護者から「今はマリノスにしか通っていないけれど、3年生になったらクラブチームに入りたい」と相談されることはあります。子どもたちに合うか合わないかはそれぞれですので、ホームページ等で紹介されているコンセプトや指導方針を見て、見学や体験をして、指導、練習、環境などを見て決めたほうが安心です。

A.練習環境が土なのか、人工芝か、広さは十分か、などを見ましょう。

学校の校庭など、土のグラウンドで活動しているチームも多いでしょう。フットサルコートでやっているスクールも多くありますが、最近は人工芝のところが増えてきました。体育館を使うスクールもあります。

A.車で送迎できるか、駅から近いか、を確認しましょう。

いつか一人で通わせることになったときに、駅から遠い、乗り継ぎが難しい、といった立地の問題が負担になることもあります。通いにくいと長続きしづらくなる場合もあるので自宅と練習会場との距離も確認するようにしましょう。

チームの規模や種類はどう影響するの?

A.チーム選びは、本人のやりたいことに合うところを選びましょう。体験で、「サッカーしてみて楽しかった」、「ユニフォームが格好よかった」、「いきなりスッと入っていけて楽しく終われた」、というところが良いでしょう。

本人の性格もありますが、その日の状況によって子どもが受ける印象は大きく変わります。年齢が小さいと当たり外れも大きいです。マリノスでは、必ず体験をしてから入会していただいています。小さな年代では、みんなおそろいのウェアを着ているなどの理由で、体験時に不安になってしまう子もいますが、実際に体験してみて、子どもがまた行きたいと思えたところが良いでしょう。

セレクションでは応援のしすぎに要注意

もし子どもが強豪チームに入るためのセレクションを受けることになったら、注意するべきは子どもが感じているプレッシャーです。なるべく、焦らせないように配慮することが大事でしょう。

セレクションはどうすれば受けられるの?

A.Jリーグのチームは、そのクラブのHPで募集をかけることが多いです。

セレクションの時期が来ると、HPに「◯年度のジュニアユースセレクションを行います」とニュースが出て、案内と申込方法が表示されますので、そこに申し込むことが多いと思います。

(編集メモ)
ジュニアユースチームのセレクション時期はチームによってバラバラです。気になるチームのHPを確認し、何月に行われているかをチェックしておくと良いでしょう。

どんなことをするの?

A.試合、体力測定、チームによっていろいろなやり方があります。

マリノスの場合は、ゲームが中心です。現時点では、その子が選んだプレーの精度や、アイデアなど、光るものがあれば加点していくような見方をしています。

セレクションに向けて保護者はどんなことに注意したら良いの?

A.プレッシャーをかけすぎないように、ということでしょう。

本人は相当緊張しているはずです。ですから、いつもどおりの実力を発揮できるようにしてあげることが一番です。保護者が子どもに高いレベルを求めすぎて「頑張んなさい!」とか「明日だよ!」とか、言い過ぎるのは良くありません。気軽に励ますくらいで十分でしょう。

保護者は子どもの話を肯定してほめてあげよう

サッカーを習う子どもとの接し方で気をつけておくべきポイントは、的確なアドバイスよりも、子どもの話したいことを肯定的に聞くことでしょう。

サッカーを習う子どもの保護者はどんなことに注意したほうが良いの?

A.アドバイスに要注意。子どもが話したいことを聞いてほめてあげてください。

子どもが、自分が一生懸命やっていることに関して話したときに肯定的に聞いてあげることが大切です。もう少しこうしたらいいんじゃない?と言いたくなりますが、子どもはそこに反発するということをよく聞きます。話をたくさん聞いてそのなかで励ますことが一番です。

A.良い食事と休養できる環境、生活のサポートをしてあげてください。

選抜チームでは栄養の話もします。良いトレーニングをしていても、良い食事、休養がなければいけません。規則正しい生活や、オンとオフの切り替えといった、練習と練習以外のことのバランスを取ってあげると良いでしょう。学業や友だち関係もおろそかにならないように意識して見守ってあげてください。

A.運動能力も大事ですが、スポーツに対する姿勢や意識のほうがより大事だと考えています。

例えば、中村俊輔は中学生の頃、テクニックがあっても身体の成長が追いつかず、なかなか試合に出られませんでした。しかし、熱心に遅くまでボールを蹴って練習していました。上り詰めた子は、スポーツにかける気持ちや意気込みが違います。子ども自身の意思を大切にしてサポートをしてあげてください。


【プロフィール・和田武倫さん(58)】

創設30年超、現在約2500名の会員が在籍する歴史あるサッカースクール「マリノスサッカースクール」で、30名以上のプロサッカーコーチを統括するスクールヘッドオブコーチング。「Players First」を大切にし、幼児~中学生までの体力作り・サッカーの技術向上だけではなく、マナーや協調性、自主性を養い、心身の成長を促し、地域に貢献できる人材を育成。大人のスクールは55歳まで入会可能で、50代になってからサッカーに目覚めた選手もいます。

画像提供:マリノスサッカースクール

みらのび掲載中のサッカー教室一覧

関連記事:サッカーノートの書き方を小学生~中学生向けに解説!目標の立て方や上達方法も

小川真吾
小川真吾

1985年生まれ。千葉県出身。ウェブメディア運営企業で、編集ディレクターやクリエイティブディレクターを経験した後、2019年に朝日新聞社へ入社。小学生のころは山遊びやサッカーに夢中でした。趣味は、音楽、映画、写真、料理などです。

関連記事 Related articles

新着 New!

お住まいのエリア・ジャンル・対象年齢から検索!
習い事教室を探す