2021.06.14
習い事Q&A 小川真吾

子ども・幼児向けかけっこ教室に通うメリットは?速く走るための準備やコツを解説

どうすれば速く走れるようになるの?かけっこって習えるの?東京都内3カ所で少人数制のかけっこ教室を運営している「かけっこ塾.COM」のヘッドコーチ、高橋悠(たかはし・はるか)先生(26)にお話を聞きました。

今日のポイント

  1. 学校では教わらないかけっこの基礎を学べる
  2. かけっこ教室に通うのは4歳位からがおすすめ
  3. かけっこ教室で習うのは「ジャンプ」から
  4. かけっこ教室では基礎体力が身につき、運動が好きになる
  5. 普段、運動するときの格好で始められる
  6. かけっこ教室は単発イベントより、継続がおすすめ
  7. 「できるようになる嬉しさ」が大切

学校では教わらないかけっこの基礎を学べる

「走る」ことは、誰にも習わずにみんなができるものと思われがちです。学校でも詳しい走り方を教わるわけではありません。「走る」基礎となる「かけっこ」を子どもたちにレクチャーすることで、走ることに対する苦手意識の克服へとつなげていきます。

みらのび掲載中のかけっこ教室一覧

かけっこ教室とは?

A.学校では教わらない小さなコツなどを学べる場所です。

かけっこは当たり前にできることだと思われています。学校で速く走るための方法を詳しく教わる機会は多くありません。かけっこ教室自体も数年前までは珍しく、どちらかと言えば陸上競技クラブと名前がついているような得意な人向けの教室がほとんどでした。今は、苦手な子向けの教室も増えています。

かけっこ教室にはどんな目的で通う人が多いの?

A.走るのが苦手で克服したいという子をはじめ、子どもが運動する機会を増やしたいという目的が多いです。

もともと速い子は陸上クラブなどに行けばそのまま走れますが、都内は体を動かす場所が少ないため、走れない子はずっと走れないままになってしまう可能性があります。校庭で走る時間も限られており、その代わりにかけっこ教室に通う場合があります。

A.ほかのスポーツを習っていて、もっと速く走れるようになりたくて通う子もいます。

例えば、野球をやっているが走れない、サッカーをやっているがボールや仲間に追いつけないという場合があります。走ることはすべてのスポーツや動きに繋がります。その基礎を学ぶことができるのがかけっこです。

かけっこ教室はどんな場所で習うの?

A.目的によって変わりますが、50mのタイムが測れる広さがある屋外で練習をすることが多いです。地面の種類も意識しています。

運動会で走る環境に適応する必要もあるため、校庭が土なのか、芝生なのか、競技用のタータンコースなのか、を意識して選んでいます。かけっこ塾.COMでは、公園のグラウンドや、タータンコースのある場所を選んでいます。

どんなところで成果が見えるの?

A.フォームやタイムが大きく変わります。運動会の順位も上がります。

正しい体の動かし方を練習すればするほど、走るフォームは整い、タイムは短くなります。しっかり練習すれば、前回の運動会より良い結果が出るでしょう。また、走ることは多くのスポーツで求められる能力なので、走り方を知り、自信がつくことで運動やスポーツそのものへの抵抗感が薄れたりもします。

A.完走すらできなかった子が、入賞するまで速くなったこともあります。

小学校最初の運動会でかけっこが最下位、冬のマラソン大会は完走すらできなかったという子が練習を重ねた結果、3年生で上位入賞するまでに至ったことがあります。運動会で1位を取るようになる子は多いのですが、最初はスキップもできなかったような子が上位入賞にまで至ったことに感動したことを覚えています。

かけっこ教室に通うのは4歳位からがおすすめ

子どもが走れるようになったり、かけっこ自体ができるようになったりするのは、2歳半位から。しかし、発育・発達の個人差も多く、集中力が続かないこともあります。

かけっこ教室は何歳から始めると良いの?

A.おすすめは4歳位からです。

基礎を作ることを考えれば早いほうが良いのですが、練習にはある程度の集中力や体力が必要です。小さい子が教室に通う場合は、練習が成立しないこともあります。かけっこ塾.COMは、4歳の子どもをパーソナルレッスンで見ており、グループレッスンは5歳からを対象としています。始めるのはその位からが良いでしょう。

A.各家庭内で走りはじめること自体は、早くても良いでしょう。教室に通い始める年齢が小さすぎると、慣れない環境に子ども自身がつらくなってしまう可能性があります。

走る動作自体は2歳半位になるとできますが、3歳位ではまだ月齢による個人差も大きいです。そのため、教室で習う場合は4歳位になってからがおすすめです。教室では、ほかの子と関わり、順番を守ったり、競争したりすることがあります。それらが苦手な子もおり、個人レッスンでじっくり見てほしいという要望もあります。

かけっこ教室は保護者も一緒に練習するもの?

A.かけっこ塾.COMに親子参加型のレッスンはありません。ほかの教室では親子参加型のイベントを行っているところもあります。

短距離走は、大人と子どもとで体力や筋肉のしなやかさの違いが大きいため、同じレベルで一緒にやろうとするときは、成人の身体がついていかないこともあるので気をつけてください。短距離の親子参加型が悪いわけではありませんが、最初は長距離走など急激な負荷をかけない距離の競技のほうが長く一緒に楽しめるでしょう。親子マラソンも多く開催されています。

かけっこで速くなる秘訣は「ジャンプ」

かけっこは、先に基礎体力をつけてから、腕振りなどのテクニックを身につける必要があります。

かけっこで速く走るコツは?

A.テクニックより先に、まずはジャンプできる力が必要です。

走るときのことを想像しましょう。片足で地面を蹴り、片足で着地して、その足でもう一度地面を蹴って飛ぶ、これを繰り返します。つまり、足は常に陸から離れています。浮いている時間が長いのです。そのため、レッスンでは、ジャンプやけんけんなどで跳ねる力を身につけていきます。

カリキュラムは、フォーム調整やジャンプ練習から、スタートやカーブの走りかたへ

A.まずは走るためのフォームを身につけます。

体力の有無に関わらず、まずは正しい体の使い方、走るフォームを身につけていきます。正しい体の使い方とは、自分の体の構造を理解し、イメージでき、動かせるようになることです。

A.ジャンプやけんけんの練習をしながら走る動作に慣れます。

走る動作に慣れていない子は、基礎体力づくりのためにジャンプやけんけんをしたりしながら、走ることに慣れていきます。身体を動かしたいと考えたときに、思い通りに身体が動かなければ、力が強かったとしてもバタバタと動くだけで無駄が多くなります。頭と体の神経をつなげる練習が重要です。

A.基礎体力が身についてきたら、細かなテクニックを学びます。

スタートダッシュ、足の着地の仕方、腕振りの仕方、カーブでの体重移動や走り方、歩幅間隔の広げ方、足を速く回すコツ、などの細かなテクニックを意識しながら練習します。マラソン大会が近ければ、持久力をつける練習などを取り入れます。季節によってメニューを変え、子どもが飽きないように意識しています。

かけっこ教室のカリキュラムは始める年齢によって変わる?

A.年齢だけではなく、一人ひとりの身体や心の状態に合わせたレッスンスケジュールで行うことが何より大切だと考えています。

小学1年生でも外で遊んでる子はできることが多い一方で、小学5~6年生でもインドアな子であれば、スキップで手と足が同じ動きになってしまうことも珍しくありません。個人差は大きく、年齢区分だけでカリキュラムを変えてしまうと、人によっては無理やり感や物足りなさを感じ、モチベーションを維持することが難しくなります。

かけっこは年齢によってどんな目標の違いがあるの?

A.幼児は基礎体力の向上が主な目標です。小学生になるとタイムの縮め方や勝ち方を目標にするようになります。

小さな頃は、勝ち負けがわからなかったり、タイムを測ってもそれが速いのか遅いのかわからないこともあります。わーっと走ってゴールしてわーい!と楽しむ位が正しいと思います。時間の概念ができて、他人の存在を意識する社会性が出来ると、タイムを縮めたり、他の子に勝つためにどうするかを考えるようになります。

かけっこ教室には何歳まで通うもの?

A.小学6年生で卒業する子が多いですが、高校生や大学生もいます。

中学生になって部活に集中する子が多いです。かけっこから陸上部へ進む子や、逆に陸上競技・野球・サッカーなどをやっていて、走るスピードを上げるために専門的なトレーニングを受けに来る高校生や大学生もいます。

かけっこ教室のレッスンは年齢別で受けるもの?

A.年齢よりも、レベルや雰囲気に合わせてクラスを案内することが多いです。

かけっこ塾.COMでは、問い合わせや体験レッスンのときにヒアリングを行い、なるべくその子どものレベルに合っているクラスや、性格に合っている雰囲気のクラスへと案内しています。希望のスケジュールや、通える曜日などによって、レベル差が発生することもありますが、まずは楽しく通えるようなクラスを案内しています。

かけっこは、基礎体力全般が向上し、運動が好きになる

かけっこは、あらゆる運動に繋がる体力をバランス良く鍛えられます。すべての運動の基礎であるため、苦手意識を克服することで得られる自己肯定感も大きいです。その魅力を5つ紹介します。

①基礎体力をバランス良く向上できる

かけっこ塾.COMでは、ジャンプ力や走り方のコツのほかに、立ち幅跳びや反復横跳びなど学校の体力テストで行う運動も練習しています。かけっこは、50mなどの短距離だけでなく、長距離の走りかたも学べるため、ジャンプ力、敏捷性、持久力といった基礎体力をバランス良く向上できます。

②平衡感覚や自重を操作する感覚が身につく

かけっこ塾.COMを運営する株式会社アクアは、体育・かけっこ・水泳の3本柱で教室を運営しています。体育は体全体の基礎。水泳は重力から開放された中で身体を動かします。かけっこは自重を操作するスポーツです。この3つができれば、どんな動きにも応用できると考えています。そのなかでかけっこは、平衡感覚などを鍛えられる、道具や環境による制約がほとんどないスポーツです。

③自己肯定感や達成感、身体を動かす楽しさに気づく

苦手意識があると性格が明るい子でも「どうせ勝てない」と思い込んでしまいます。苦手意識を取り払えれば、全力で走る楽しさや身体を動かす楽しさに意識が向くようになります。体を動かすことの理解度があがることで「やればできる」という自信がつき、苦手なものへの取り組み方が変わってくると考えています。

④子どもの選択肢が増えて前向きになる

サッカーを習っていて、足が遅くてボールに全く触れなかった子がかけっこを習いにきました。かけっこのタイムが縮んでくると、保護者に「走るのは得意だ」と言うようになりました。残念ながらサッカーはやめてしまいましたが、こうしてほかに得意なことが見つかる可能性もあります。運動そのものに自信がなかった子が、走ることに慣れたあとにほかのスポーツに興味を持つこともよくあります。

⑤「走る楽しさ」はタイムや他人の評価に縛られない

かけっこは相対評価ですが、「走る」ことそのものは最低限の道具や条件でできる基本運動・全身運動であり、自分ひとりで完結できます。タイムや他人の評価に縛られなくても良いのです。1秒で終えても良く、長く走っても良い。かけっこが好きになれば、たった数秒で爽快感や自己肯定感を得られるようになります。

動きやすい服装と靴があればかけっこは習える

かけっこの習い事にかかる費用は、基本的には入会金と月謝だけです。動きやすい格好であれば、特別な靴を買う必要もありません。

かけっこ教室の初期費用はどれくらい?

A.月謝は5000~1万円位のところが多いでしょう。そのほかに、入会金や大会出場費、年会費、遠征費がある場合があります。

かけっこ塾.COMの入会費は1万1000円です。月謝はコースによって変わりますが、週1回の場合は月9445円からです。陸上クラブを運営している教室だと、大会や遠征などの費用、年会費が発生する場合もあります。単発のイベントは、2000~3000円位で受けられることが多いでしょう。区民団体が開催しているものでは、無料の場合もあります。

かけっこ教室では靴は買わなくてもいいの?

A.普段、運動するときの格好で来ていただければ大丈夫です。

カチカチのデニムや革靴では厳しいですが、履き慣れた動きやすい格好なら大丈夫です。モチベーションを上げるために好きなデザインやメーカーのシューズを買う人もいます。靴紐かマジックテープかなどで多少履き心地は変わりますが、どれが良いということはありません。

購入するならどんな靴がおすすめ?

A.おしゃれとしてではなく、運動に適したもので、履き慣れた靴が一番良いです。

まずは試着ができるお店で、履き心地のよいもの、耐久性のあるものを選びましょう。もし、陸上競技でスピードを目指すなら、アシックスやミズノなど、競技用の製品を選びましょう。初めてであれば足を測ってくれるお店で購入するのがおすすめ。競技でなければ耐久性の良いものを。一見、軽いほうが良さそうに思えるかもしれませんが、カーブなどで劣化しやすい場合もあります。

かけっこ教室の選び方は、単発イベントを避け、相性の良いコーチを探すことが大切

かけっこに限らず、スポーツは1~2回の練習では身につきません。コンスタントに継続して練習できるところで、目標に合わせた練習を考えてくれる相性の良いコーチを探しましょう。

みらのび掲載中のかけっこ教室一覧

かけっこ教室の選び方は?

A.継続的に練習できる教室を選びましょう。

スポーツは単発の練習では身につきにくいです。やった感は出ても、関節などは自己回復力で元の状態に戻りやすく、その時走れたイメージを忘れてしまうので脳と身体が結びつきません。運動会が近い、野球サッカーの試合が近い、などを理由に補足的に利用する場合は、単発レッスンでも良いかもしれませんが、長期的に身体の基礎を作ったり、かけっこでうまく走れるようになりたいということであれば、継続が大事です。

A.教室の方針が、「かけっこ的」か「陸上競技クラブ的」かを確認しましょう。

教えている内容が、陸上競技クラブの初心者向け版に近い場合は、トレーニング中心になる場合があり、運動が苦手な子は入りにくいこともあります。走ることを好きになったり、運動会で走ったりすることを目的にしているときは、かけっこに特化した教室を選びましょう。都内は選択肢も増えているため、目的とご家庭の教育方針が合うかどうかを見ましょう。

A.考えや思いの方向性を合わせてくれるコーチとの出会いが大切です。

子どもとコーチの考えや思いの方向性が合わないと、求めている結果と指導の内容にぶれが生じます。相性は、雰囲気や外見、喋り方のほかに、指導内容の統一感や教室の雰囲気にも現れます。体験などで、運営会社やコーチがどういう考え方で運営をしているのかを聞いてみましょう。

かけっこ教室では練習する会場は毎回違う?

A.定期的に通うレッスンと、単発のイベントで違いがあります。

かけっこ塾.COMは基本的に場所は固定です。夏休みなど、シーズンによってイベントの場所が変わることはあります。通う教室が、かけっこ専門の教室か、陸上競技クラブの延長で行うところか、イベント会社が有名選手を呼んで行う単発のイベントかなどによって違ってきます。

かけっこはオンラインレッスンで学べるの?

A.かけっこ塾.COMでは、検討した結果オンラインレッスンを行っていません。

オンラインでは、その場の状況を直接修正できないという事実があります。一定距離を走る姿が見れなかったり、体の動かし方を手取り足取り教えることもできません。的確な指示ができても、まだ体のアンテナを立てている段階の小さな子にとっては理解が難しく、間違って動いてしまう可能性が高いでしょう。誤った体の使い方は怪我にも繋がりますので、当塾ではオンラインレッスンは実施しておりません。

「心身の成長」を大切にしてサポートしよう

かけっこは基礎体力やメンタルの成長をサポートすることが大切です。一緒に外で遊んだり、体を動かしてコミュニケーションを取る習慣をつけることをおすすめします。

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保護者はどんなサポートをするのがおすすめ?

A.幼児や小学校低学年は、身体を動かして遊ぶ習慣を作りましょう。

週1回の習い事や学校の体育でしか動かない子は、外でよく遊ぶ子と比べて様々な動きの習得スピードが違います。かけっこ塾.COMは、足が速くなるだけでなく、基礎体力づくりや、メンタルの成長サポートを大切にしています。テクニックはレッスンで見ますので、家庭で身体を動かす機会を作ってあげてください。

A.身体を動かすときに「自分でやった感」を大切にしてあげてください。

アスレチックなどではつい手を添えてしまうものですが、怪我は心配でも親は安全を確認して手を離す勇気が必要です。そうでなければ、子どもは「自分の力でやった感覚」を得られません。すべり台は、階段を自分で登るから楽しいわけです。親に抱き上げられて登っても、風を受けた楽しさや親に触れられた温かさしか感じられません。自己肯定感は「自分が選択して、考えて、始めて、終わる満足感」で育つと考えています。私たちコーチはその道筋を順立てて教えることが役目です。

A.べた褒めやダメ出しではなく、一緒に考える姿勢で子どもと接しましょう。

声がけは大事ですが、子どもは想像以上に頭が良く、親の気持ちにも敏感です。走ることに関しては、子どもという「別人」がやっていることなので、出来ないことに怒ったりせずにどうしたら出来るか一緒に考えてあげることが大切です。

A.生活のバランスを整えてあげてください。

日常の繰り返しが、お子様の人生を創り出します。最近は、塾や習い事などで夜ふかしになってしまったり、室内遊びに長時間ゲームをする機会も増えていますが、ちゃんと食べて寝る、ということ大切にしてあげてください。子どものうちは体を大きくする大切な期間なので、まずは大人が生活習慣を整えることが大事です。

A.タイムを縮めるだけでなく「できるようになる嬉しさ」を経験できるように意識しましょう。

子どもたちには「できるようになる経験」をしてほしいと考えています。ぎこちなかった動きが自然になってきたとか、そういう小さなところで得られる嬉しい気持ちを感じてもらいたいです。

【プロフィール・高橋 悠(たかはし・はるか)】

玉川大学リベラルアーツ学部リベラルアーツ学科を卒業後、現在は、株式会社アクアが運営する少人数制のかけっこ教室「かけっこ塾.COM」のヘッドコーチを務めています。玉川大学在学時は、陸上競技部の元主将で、短距離が専門種目でした。

小川真吾
小川真吾

1985年生まれ。千葉県出身。ウェブメディア運営企業で、編集ディレクターやクリエイティブディレクターを経験した後、2019年に朝日新聞社へ入社。小学生のころは山遊びやサッカーに夢中でした。趣味は、音楽、映画、写真、料理などです。

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