2021.07.12
習い事Q&A 古川有紀子

バイオリンを始める前に押さえたい「練習メニュー・練習場所・練習時間」などを解説

初心者向けのバイオリン練習メニューや、練習場所の選び方、練習時間の目安などをご紹介。4歳からバイオリンを始め、日米を行き来しながら音楽やリトミック教育を学び、CMや映画のサウンドトラックに多数参加するほか、講師としての経験も豊富なバイオリニスト、古川有紀子さんが写真付きで詳しく解説します。 

今日のポイント

  1. バイオリンを始める時の注意点は?
  2. 最初は何から始めればいいの?
  3. 初心者向けの基礎的な練習メニューは?
  4. 中級以上の練習メニューは?
  5. 曲が弾けるまで、どれくらいの時間が必要?
  6. 低〜高学年向けコンクールに出場するには?
  7. バイオリンの練習音は騒音になる?
  8. 練習に最適な時間帯は?
  9. 練習がつらい!きつい!と困ったときの対処法は?
  10. まとめ

バイオリンを始める時の注意点は?

ここでは、何歳から始めればいいのかや、費用や練習場所・環境、ほかの習い事との両立などについて解説します。

バイオリンを始めるなら何歳からがおすすめ?

お子様がバイオリンを始める適齢期は3歳~5歳頃と一般的に言われています。もっと早い時期から始めたい、という方にはリトミックなど身体を使ったリズム練習を取り入れながらバイオリンの習い事に移行していくことをおすすめします。

小学生になってからでは遅いのでは、と思う方もいますが、バイオリンを始めるのに遅すぎる年齢はありません。何歳から始めても本人のやる気次第で確実に上達します。

プロの演奏家を目指したい、と考えているようでしたら、早期教育で音感など感覚的なものを身に付けておく事が重要だと考えます。

中学生や高校生から始めても上達する?

中学生や高校生になり部活動などでバイオリンを始めるお子様もたくさんいらっしゃいます。中高生になると構え方や音符の読み方など、小さいお子様では少し時間が掛かることもすぐに理解し、早く上達します。

しかし、音感や表現力など感覚的に身につく能力は、小さい頃から始めているお子様に比べるとなかなか身につきにくい傾向があります。

プロの演奏家を目指したり、コンクールなどに出場するにはかなりの努力と練習量が必要となってきます。 

費用はどれくらいかかるの?

まずは楽器の準備に費用がかかります。

値段には幅がありますが、一般的に5万〜8万程で、楽器とその他備品(弓、ケース、肩当て、松脂)のセットが販売されています。続けられるか不安な方には楽器レンタルという選択肢もあります。

習い事にかかる費用は音楽教室や先生によって幅がありますが月々1万〜2万円程でレッスンを展開している教室が主になります。

練習場所・環境はどう整えればいいの?

バイオリンは、譜面台を置き、十分に腕が伸ばせるスペースがあればどこでも練習が可能です。

おすすめの練習場所はある?

お子様の分数楽器は、大人の楽器に比べて音がはるかに小さいので、自宅でも音量はあまり気にせずに練習できます。練習時間も確保しやすいでしょう。

しかし、あまり狭い空間で練習を重ねていると音の響を感じにくく、美しい音色を出すことや正しい音感を聞き取ることができません。例えばリビングなど、自宅の中の一番広くて天井が高いスペースで、のびのびと音を出すことをおすすめします。

野外でも練習できる?

野外練習には要注意です。

バイオリンは湿度や気温に敏感な楽器なため、日々の練習場所としてはおすすめしません。

お友だちに披露したい、公園で弾いてみたい、という場合には、野外で弾く楽しみもありますので、程々に楽しむことを意識しましょう。

スポーツの習い事と両立はできる?

普段の生活の中で気を付けないといけないことは指の故障です。突き指や骨折はバイオリニストの天敵です!だからと言って、スポーツの習い事をしてはいけないということではありません。

発表会やコンクールの前に球技を控えることでケガのリスクを減らすことは必要でしょう。 

最初は何から始めればいいの?

バイオリンを始めるときに最初に覚えるのは、楽器の構え方や弓の持ち方です。写真付きで詳しく解説しましょう。 

まずはバイオリンの構え方から覚えよう

バイオリンを始めるときに最初に覚えるのは、楽器の構え方や弓の持ち方です。

正しいバイオリンの構え方を身に付けることは楽器を弾く上で最も重要です。初めは時間を掛けてしっかりと身体に定着するように練習を繰り返しましょう。


①楽器を右腕に挟みまっすぐに立ちます。左手でバイオリンのネックの部分をしっかりと持ちます。

②左足を斜め前に出し、左手で持っている楽器を自分の前に出します。

③楽器をくるりと右回転させて逆さまに持ち上げます。

④左肩の上に乗せ、頭と左肩でしっかりと挟み、固定させます。 

⑤楽器の構え方が安定してきたら左手を右肩に回し、しっかりと挟めている事を確認しましょう。

基本的な立ち方は、肩幅程度に足を開き、左足を少し前に出します。左足に重心がかかるようにして、しっかりと安定するように立ちましょう。

弓の持ち方を覚えよう

構え方ができたら、弓の持ち方をしっかりと確認します。鏡の前で自分の姿を確かめながら練習をするとより良いでしょう。最初は鉛筆などで試してみることをおすすめします。

右手でキツネの形を作り、親指をくの字に曲げます。キツネの口を開いて、弓をくわえましょう。安定して持てたら、キツネの耳を丸めて弓の上に添えます。

鉛筆で何度か試して慣れてから実際に弓を持ち、同じようにキツネを作るところから始め、弓を持ってみましょう。

【初心者向け】バイオリンの基礎的な練習メニューは?

構え方と弓の持ち方に慣れてきたら、具体的な練習方法に入っていきます。音出し、リズム、音階、などのポイントや、楽曲や難易度別の練習方法などについて解説します。

音出し リズム練習 音階練習

音出しの練習をしていきます。

初めは長い弓をすべて使って弾くことが難しいため、弓の全体を、①先弓、②真ん中弓、③元弓、の3カ所に分割して考え、②真ん中弓から練習することをおすすめします。

弓の動きに集中するために、左手は動かさずに開放弦で丁寧に取り組みます。右手の運弓に慣れてきたら開放弦でリズムをつけていきましょう。

次に左手をつけて音階の練習を行います。

音階を繰り返し練習することで、左手の正しい指の形、指の動きが身につきます。音階練習は面倒だなと感じるお子様が多いですが、音感を身に付ける上でもとても重要な練習なので、頑張って取り組みましょう。

ここまでの基礎練習で身体も温まり、左手の指の動きや運弓も安定してきます。最後にレッスンで指定されている曲の練習をします。「キラキラ星」や「チューリップ」などが初心者向けの練習によく使われます。

何度か繰り返し弾き、弾きにくい箇所やいつも間違えてしまう箇所があれば、部分的に練習を繰り返します。最後に通して曲を弾いてみましょう。

中級以上のバイオリンの練習メニューは?

中級以上になってくると、練習曲の難易度が上がってくるため、曲以外に音階と指練習の教本を使い、丁寧に取り組むことが必要になってきます。

特に入念な練習が必要となってくるのは「ポジション移動」と「重音奏法」です。

 曲の難易度が上がると、使う音域も広くなるため、バイオリンは左手でポジションを移動し、高い音域を弾きます。

「ポジション移動」の練習は、音階教本を使い、正確な音程と共に、左手の動きが滑らかになるように注意をして行います。 

「重音奏法」は、2つの音を同時に押さえて弾く奏法です。左手の正確な形、そして両方の音がクリアに出ている事を確認しながら行います。こちらは指練習教本で単音ずつ音を確かめながら行うと良いでしょう。

バイオリンの練習時間はどれくらい必要?

毎日一定の練習時間を取ることがもちろん理想的ですが、ほかの習い事があるなど、スケジュール的に難しい場合もあるでしょう。

ある程度の上達を見込むなら、週4回程の練習時間を確保することをおすすめします。

 練習時間はお子様の年齢や集中力に合わせて、3~4歳で10分~20分程度、4~5歳で30分程度、小学低学年で30分~45分程度が望ましいでしょう。

大事なのはバイオリンの練習時間が習慣化することです。気が乗らない日は、楽器を短い時間構えるだけでも良いでしょう。

曲が弾けるようになるまで、どれくらいの時間が必要?

バイオリンを始められる年齢によって、最初の1曲が弾けるようになるまでの時間には大幅に違いがあります。

3~4歳のお子様の場合、まず構え方と弓の持ち方を覚えるまでに1カ月程かかります。

お子様の集中力を見ながら、リズム練習や歌を歌うソルフェージュなども取り入れてレッスンを進めるため、最初のキラキラ星が仕上がるまでには半年程かかることが多いです。曲が進むのは遅いですが、音感やリズム感は確実に身につきます。 

小学生から始めたお子様の場合は、早ければ1〜2週間でキラキラ星が弾けるようになります。最初のレッスンである程度基本的なことを覚えて理解し、基礎的なことを反復しながら曲に取り組めるでしょう。

小学校低学年〜高学年向けのコンクールに出場できるレベルには、どれくらいの時間が必要?

コンクールにも様々なレベルがあります。

初級のコンクールでは、未就学児から参加できるものも多くあり、バイオリンを初めて1〜2年程で出場できるレベルの課題曲が設定されています。 

小学4年生頃から応募可能となる全国的に有名なコンクールになると、課題曲の難易度がかなり上がります。このレベルでは、幼少期から本格的にバイオリンに取り組んでいないと、出場は難しいと考えます。

バイオリンの練習音は騒音になる?

どうしても音が出せない環境ではない限り、時間や場所を選んで伸び伸びと音を出すことをおすすめします。

お子様の分数楽器は、大人のフルサイズの楽器に比べると音量も小さいため、意外と音が外に大きく漏れることはありません。できれば自宅で練習するのが望ましいでしょう。 

自宅にも様々な大きさの部屋があると思います。一番広く、天井の高い部屋で練習をするのが望ましいですが、2畳程のスペースがあればお子様の練習は可能です。

しかし、どうしても音出しが無理だというケースもありますので、いくつか解決策をご紹介します。

音量が気になる場合は「消音器」を使おう

画像のように、消音器をバイオリンの駒の上に取りつけ、弦を抑えることで音量を減らすことが可能です。音の振動を抑えるので、ビックリするほど音は響かなくなります。

欠点としては、視界が悪くなるため、弓の細かい動作が見えにくくなります。また、音の響きを抑えるので、正しい音感を感じにくく、細かい音程の違いに気付きにくくなる、などの難点もあります。

自宅練習が難しい場合は「カラオケボックス」や「スタジオ」を借りよう

大人の生徒様は自宅で音出しができない場合、カラオケボックスや時間貸しスタジオなどで練習をしています。移動などの手間を考えると、お子様が毎日場所を借りて練習をするのは非現実的ですが、どうしても無理な場合には、カラオケボックスやスタジオを借りることも検討して良いでしょう。

カラオケボックスは店舗にもよりますが、1時間500円程で借りられる店舗が多いです。最近ではカラオケで練習をされる大人の方が増えているため、譜面台などの用意があるお店もあります。スタジオになりますと少しお値段が上がり、1時間600〜1000円程します。カラオケボックスよりも広く、天井の高さがあるお部屋が多いのが特徴です。

自宅では、練習する時間帯を選びながら、消音器をつけて練習をし、週に1回程度、場所を借りて思う存分音を出すのも良いでしょう。

バイオリンの練習に適した時間帯はある?

練習する時間帯をどう選ぶかについては、バイオリンの練習時間が習慣化できるように考えることが理想的です。

3~4歳のお子様の場合は「疲れていない集中力が保てる時間帯」を選ぶことが最も大切です。

おやつを食べた後はバイオリンの時間だね、など練習する時間をパターン化してしまうとお子様もわかりやすく、1日のルーティーンとして組み込みやすくなります。

年齢によって違いはありますが、まずは1週間の大まかな練習スケジュールを作ることをおすすめします。

例えば、週3回は決められた時間に一定の練習に取り組む。後の1~2回は自分の好きな時間を選んで良い、などとお子様が負担にならない程度にメリハリをつけながら練習環境を整えることが大切です。

バイオリンの練習がつらい!きつい!と困ったときの対処法は?

プロのバイオリニストでも練習は時につらく、やる気が出ない日もあります。そんな時は気分転換をすることが重要です。

まずは、練習曲から離れ、好きな曲を弾いてみましょう。

大好きなアニメの曲や映画の曲、ゲームの主題歌など、お子様の気持ちがワクワクする曲を弾かせてみることです。好きな曲を弾いて音楽を楽しむことを再確認しましょう。

合奏をすることもおすすめです。

ひとりで練習を続けていると煮詰まり、つまらなく感じてしまうときもあります。楽器を弾けるご家族やお友だちと一緒に弾いてみたり、地域のオーケストラなどに参加したりするのもおすすめです。

どうしても気が乗らない、もう弾きたくない!というときは、しばらく弾かない、という選択肢もあります。

その場合には、期限を決めてあげることが重要です。好きなだけ休んでみよう、と1カ月完全に弾かないで過ごしてしまうと気持ちが離れてしまうこともあります。

程よく、息抜きをしながら続けられる環境を整えることが長続きの秘訣です。

まとめ

バイオリンの習い事を始める前に確認しておきたい練習環境や練習時間、練習メニューなどを具体的にご紹介しました。

まずは半年続けてみよう、この曲が弾けるようになりたいな、など目標を作って始められると、お子様のモチベーションも上がり楽しく続けられると思います。

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古川有紀子
古川有紀子

4歳よりバイオリンを始め、日本とアメリカを往き来しながら育ちました。これまでにバイオリニスト渡辺はるか、瀬戸瑶子、潮田益子に師事。ボストンのNew England Conservatory of Music卒業。リトミック研究センター認定資格取得。 クラシック音楽での演奏の傍ら、スタジオミュージシャンとしてCMやアーティストのレコーディングにも数多く参加しています。また、クロサワ音楽教室のバイオリン講師として後進の育成にも力を注いでいます(https://www.kurosawagakki.com/school/teacher/)。子どもの頃に夢中だった事は空想とダンス。自分の世界観で物語を作ったり歌ったりするのが大好きでした。

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