2021.07.19
習い事Q&A 北川サイラ

ゴールデンエイジとは?子どもの運動神経を鍛える方法を脳科学者にきく

「ゴールデンエイジ期を逃さないで」。そんな言葉を聞いたことがありますか。子どもの運動能力が伸びやすい時期のことだと言われていますが、どういうものなのでしょうか。幼児期に育てたい3つの運動の力とは。親が子どもに出来るのはどんなことでしょうか。「子どもの脳を育てる『運動遊び』」の著書で脳科学者の柳澤弘樹さんに、子どもの能力を伸ばす運動方法を年齢別に紹介してもらいました。

<今日のポイント>

  1. ゴールデンエイジ期とは子どもの神経が発達し、自己肯定感が芽生える時期
  2. 運動神経を鍛えるには、年齢や発達段階に適した運動をすることが大事
  3. 幼児期に育てたいのは、支持力、跳躍力、懸垂力の3つ
  4. 親ができることは、子どものために運動環境をつくること

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ゴールデンエイジ期とは子どもの神経が発達し、自己肯定感が芽生える時期

ゴールデンエイジ期とは何?

A. 一般的に0〜12歳ごろまでの幼少期を運動能力が伸びやすい「ゴールデンエイジ期」と呼んでいます。子どもの神経が急速に発達する時期で、様々な運動体験をすることで運動能力を向上することができるといわれています。

 ゴールデンエイジ期は、幼児教育の塾業界が商業目的に使いはじめた言葉だと思われます。生まれたヒナが初めて見る「動く物体」を母親だと思い込んで後追いする「刷り込み期間」のように、人間にも同様の「期間限定」があるだろうと。この時期の子どもたちは親のことが大好きで、「見て見て!」と頑張っている姿を認めてもらいたいのです。自己肯定感や達成感が芽生える時期でもあるので、運動能力を伸ばす上で好循環が生まれやすいです。

 (編集メモ)日本サッカー協会では8歳以下をゴールデンエイジ期にそなえる「プレゴールデンエイジ期」、9~12歳を動作が習得しやすい「ゴールデンエイジ期」と位置づけているなど、定義は諸説あります。

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ゴールデンエイジ期に神経はどのように発達するの?

引用:2013年文部科学省委託事業女性アスリートの育成・支援プロジェクト JSC「成長期女性アスリート指導者のためハンドブック」

A. 米国学者・スキャモンが提唱した発達発育曲線によると、神経の器官は一般的に4~5歳ごろまでに約80%、6歳ごろまでに約90%の発達が進み、12歳ごろまでに成長がほとんど完了するといわれています。ですので、幼少期に運動経験を積むと、早くその動きを吸収できる可能性があるといわれています。

しかし、神経が物理的に発達したとしても、何もしなければ子どもの運動能力は上がりません。また、子どもの成長には個人差があり、神経の発達の仕方も様々です。早く歩き出したからといって必ずしも足が速くなるとは言い切れません。その子の発達発育の段階にあわせて様々な運動をすることが大事だということを多くの親に知ってもらえればと思います。

 運動神経の良さとは?

A. 「運動神経の良さ」とは、運動能力が高いという意味です。子どものころに「走る」「蹴る」「投げる」など様々な運動体験がある人は、あらゆる動きに対応ができので、運動能力が高い傾向があります。

 一つの競技に絞って打ち込んだ方がいいと考える親も多いと思います。しかし、競技に専念するのは体が発達した中学生以降でも遅くありません。幼少期は体を回転してバランス感覚を養う体操をしたり、全身運動の水泳をしたり、様々な競技に挑戦した方が良いでしょう。大事なのは、動きを習得するために繰り返し練習をすること。そのためには子どもが楽しさを感じ、達成感を得られることが必要です。

運動神経と脳との関係は?

A. 神経は、「走る」などの情報を脳に伝えて、脳からの指令を体の各部位に伝える役割があります。この命令を伝えるまでの「回路」が運動神経の良さを決めます。

脳に指令の信号を送るうえで重要な働きをするのが「シナプス」です。シナプスは神経細胞と他の神経細胞と情報をやりとりするためのつなぎ目です。新しい知識や運動を覚えるとシナプスが増え、1本の神経が網状のようにネットワークをつくります。これが情報量の多い状態で、運動神経の良い人は、たくさんの運動体験が詰まっています。

運動神経を鍛えるには年齢や発達段階に適した運動をすることが大事

ではどんな運動をすると子どもたちの運動能力は向上するのでしょうか。ゴールデンエイジの発達段階にあわせてそれぞれの運動を紹介します。

なお、みらのびでは子どもの基礎運動能力や非認知能力を高められる教室への、無料体験レッスン申し込みが可能です。

・biima sports
URL:biima sportsの教室一覧
<以下、品川校の場合>
住所 : 東京都品川区八潮5-5-3(屋外)
コース&料金:年少~小3コース(レッスン時間や回数、エリアの都合によって、費用や受講日は違いがございます)
※詳しくは教室にお問い合わせください。

みらのび掲載中のbiima sports教室一覧

①0・1歳児:抱っこ遊びや握る遊び

子どもの首がすわったら、抱っこした状態で上下、左右などに体の位置を倒してゆらゆらしてください。逆さまになるように後ろ向きにも倒し、体の傾きを感じる感覚神経を刺激してください。子どもはドキドキハラハラが一番好きです。子どもが寝た状態で、親の親指を子どもに握らせ、軽く引っ張る遊びもいいです。

②2・3歳児:体を手で支える「クマさん歩き」や両足ジャンプ


二足歩行をする時期なので、ハイハイの時期と比べて手で体を支える機会が少なくなります。だからこそ腕で支える力を鍛えるために、あえて四つん這いの姿勢になって歩く「クマさん歩き」に挑戦しましょう(動画)。階段の最後の段から両足でジャンプして飛び降りる練習もしましょう。それができるようになったら、両足を「閉じたまま跳ぶ」、「開いて跳ぶ」を交互に繰り返して、足腰の筋力を育てましょう。

③4・5歳:縄跳びや片足跳び


両足ジャンプができるようになると、縄跳びで連続ジャンプしたり、片足ケンケンしたりして、体幹や足で踏ん張る力を身につけます。はしご状の「ラダー」を活用してジャンプ遊びをするのも楽しいです(動画)。

④5・6歳:ルールのある昔遊び

この時期には、「だるまさんが転んだ」「こおり鬼」など、ルールのある昔遊びを取り入れてください。友達と遊ぶと楽しさが倍増します。また、ルールを守ることで協調性や社会性、遊びながらルールを修正したり変えたりすることで創造性を養うことができます。

⑤6~8歳:逆上がりなど「できる」「できない」がはっきりわかる運動

小学校の体育種目でもある跳び箱や鉄棒などに挑戦し、「私は逆上がりができる」などという経験を積むことで運動意欲の向上につなげます。また、ラケットを使って打ったり、ボールを投げたりして、道具の使い方を体験しましょう。6歳未満の子どもでも自主的に道具を使って遊ぶ場合は良いのですが、骨の形成が未発達の段階で過度に手首に負担をかけると、けがの原因になるので注意する必要があります。

⑥8~10歳:心肺機能を高める運動

バスケットボールのような「走って止まる」を繰り返す運動で、心肺機能を高めましょう。またこの時期は肩などの関節がしっかり育ちます。逆立ちや側転など、腕に体重をのせるような動きをして、関節をよく使う運動をしてほしいです。またこれらの動きは、体が逆さまになり、普段と景色が変わるので、自分のまわりを把握する「身体周辺感覚」が伸びます。

⑦10~12歳:長距離走やスキルの高い運動

1キロメートルなど、長距離走に挑戦し、心肺機能をさらに刺激してください。この時期は、野球やサッカーなど狙いを定めて打ったり蹴ったりする技術的な動きも磨きましょう。運動能力全般の上達につながります。

ゴールデンエイジ期に育てたいのは、支持力、跳躍力、懸垂力の3つ

柳澤さんは、体育の授業でできないことが多くて、運動そのものを嫌いになる子もいるといいます。「体育で運動嫌いになるのは、もったいないこと。幼児期にたくさん体を動かして事前に対策しましょう」と話します。

ゴールデンエイジ期に特に身につけたいスキルは?

A. 腕で体を支える「支持力」、足でジャンプする「跳躍力」、ぶらさがる「懸垂力」の3つです。


「支持力」を養う練習法として、親が子どもの足を持ち上げて子どもに手だけで前に進んでもらう「手押し車」があります。「跳躍力」を伸ばすには、腕を振りながら両足ジャンプを繰り返し練習してください。手足の動きが連動していることが大事です。逆上がり対策には、子どもが大人の体に足をかけて体をまわす「タオル逆上がり」に挑戦してください(動画)。

親ができることは、子どものために運動環境をつくること

親が子どものためにできることは?

A. 体操、水泳、野球ダンスなど色々なスポーツをたくさん経験させる中で、「どれが楽しかった?」と子どもに聞いて、やりたいものや得意なものから挑戦させてください。

習い事をたくさん掛け持ちさせると子どもも疲れてしまうので、健康に無理のない範囲でやりましょう。親の中には、親自身が果たすことのできなかった「夢」を子どもに押しつけるように、無理にその競技を習わせるケースがありますが、カエルの子はカエルでも、そのカエルがどう生きるかはそのカエルが決めるわけですから。子どもの価値観を尊重することが大事だと思います。

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子どもが習い事をやめたいと言ったらどうすればいいの?

A. 習い事をやめるのも子どもが自分なりに考えた立派な決断です。

私の長女(小5)もバレエと水泳を辞め、今はキックボクシングに夢中です。一度やめたピアノをまた習い始めましたね。続けることに固執せず、やめたっていいのです。幼いころにこのような決断をすることは、将来人生の大きな決断をするための練習として大事な経験になります。そしてもし子どもがその習い事が嫌になったりけがなどでできなくなったりしたら、ほかの選択肢を準備してあげるのも親の役目です。

柳澤弘樹さんからのメッセージ

親にはまず、気軽に子どもと一緒に運動をやってみてほしいと思います。親が運動を楽しんでいなければ子どもも楽しくありません。親が子育てを楽しむことが、子どもの幸せにつながると思います。貴重なゴールデンエイジ期を親子で楽しみながら過ごしてもらえれば嬉しいです。

【プロフィール:柳澤弘樹(やなぎさわ・ひろき)】

1982年生まれ、長野県出身。3児の父親。こどもプラスホールディングス代表取締役。NPO法人運動保育士会理事長。2010年、筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了(体育科学)。身体活動と脳機能、高齢者の認知症予防、一般成人のうつ病予防、子どもの発達障がい児に対する運動の有用性などの研究を手がける。著書は「子どもの脳を育てる『運動遊び』」(日本実業出版社)など。

関連記事:「運動神経は遺伝するの?運動能力を伸ばす基本動作24と公園のおすすめ遊具3選を紹介」

みらのび掲載中のスポーツ関連の習い事一覧(無料体験受付中)

みらのびでは子どもの運動能力の向上に役立つ習い事の「無料体験レッスン」への申し込みが可能です。みらのびに掲載中の「マット運動」や「縄跳び」「かけっこ」などができる教室には「JJMIX」「biima sports」があります。

・JJMIX
URL:JJMIXの教室一覧(みらのび内のページに遷移します)
<以下、松ノ木スクールの場合>
住所:東京都杉並区成田東2-7 善福寺川緑地 子供の広場
コース:火曜日16:00~16:50
入会登録費 8300円(税込)
月会費   5550円(税込)
運営管理費 710円(毎月/税込)
更新費   8080円(税込)/継続の方のみ新年度切替時に更新費がかかります。
※詳しくは教室にお問い合わせください。

biima sportsは特定の運動に特化せず、サッカーから野球、ダンスまで幅広いスポーツを通じて総合的に基礎運動能力や非認知能力を高めることを目的としています。

・biima sports
URL:biima sportsの教室一覧
<以下、品川校の場合>
住所 : 東京都品川区八潮5-5-3(屋外)
コース&料金:年少~小3コース(レッスン時間や回数、エリアの都合によって、費用や受講日は違いがございます)
※詳しくは教室にお問い合わせください。

北川サイラ
北川サイラ

1992年生まれ、神戸出身。2016年に朝日新聞社入社。静岡、大津総局を経て、2020年10月から現職。小学生のころは器械体操に夢中でした。趣味は家庭菜園、寺社や銭湯めぐりなど。

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