2021.07.21
習い事Q&A 古田寛幸

【基礎・応用】サッカーのドリブル練習メニューを世代別に紹介。小学校低学年~高学年

子どものサッカープレー上達のために、ドリブル練習のコツを初歩から説明します。この記事では、北海道コンサドーレ札幌で活躍した元Jリーガーであり、現在はオンラインサッカースクール「HFアカデミー」の代表を務めている古田寛幸さんが詳しく解説。自主練ができるように、年齢別にメニューを紹介します。アカデミー用の動画も一部限定公開!

今日のポイント

  1. 【低学年・自主練向け】ドリブルの初歩的な練習メニュー例
  2. 【高学年・自主練向け】ドリブルの練習メニュー例
  3. 【低学年・チーム練習向け】ドリブルの初歩的な練習メニュー例
  4. 【高学年・チーム練習向け】ドリブルの練習メニュー例
  5. 【低学年向け】ドリブル上達のコツ
  6. 【高学年向け】ドリブル上達のコツ
  7. まとめ

【低学年・自主練向け】ドリブルの初歩的な練習メニュー例

ドリブルの具体的な練習の説明をする前に、意識して欲しいことから説明しましょう。

小学生、特に低学年の選手は、たくさんボールに触れることに重点を置いてトレーニングをすることが大切です。ボールに触れた回数の多さが、後々大きな差に繋がります。

具体的には、足の外側(アウトサイド)、足の内側(インサイド)、足の裏など、様々な部位でボールに触れる感覚を身につけることで、自由にボールをコントロールできるようになっていきます。

そのため、走りながらボールを操る練習をする前に、まずは「その場」でボールタッチをすることに慣れる必要があります。ドリブルの練習をするときは、まず「ボールタッチ」から始めて、コーンの隙間を縫ってジグザグとドリブルを練習する「スラローム」へ移るのがおすすめです。動画で実際の動きを見てみましょう。

その場で「ボールタッチ」をする練習例

※この記事で紹介する動画は、古田さんが代表を務めるオンラインサッカースクール「HFアカデミー」の動画を一部限定公開したものです。

これは「アウト・イン・左右」の練習です。

  1. 「左足のアウトサイド」でボールの右側をタッチして、左方向に大きく動かします。
  2. 「左足のインサイド」でボールの左側をタッチして受け、右方向に小さく動かします。
  3. 「右足のアウトサイド」でボールの左側をタッチして、右方向に大きく動かします。
  4. 「右足のインサイド」でボールの右側をタッチして受け、左方向に小さく動かします。

このように、左足のアウトサイド→左足のインサイド、右足のアウトサイド→右足のインサイド、のリズムで繰り返します。

ボールタッチを疎かにしてしまうと、練習や試合で動きながらドリブルをすることが上手くいきません。

ボールタッチに慣れたら、徐々にドリブルの複雑な動きを練習していきましょう。例えば、コーンやマーカーを使いながら、スラロームの練習をしていきます。

「スラローム」の練習例

ボールタッチやスラロームの練習では、意識したいポイントが3つあります。

①正確性

まずは正確なタッチ。初めからスピードは意識せず、とにかく足元からボールが離れないようにコントロールします。

②スピード

正確なコントロールができるようになってきたら、次にスピードを意識し、タッチ、スラロームをできるだけ速く行います。

③ルックアップ(顔を上げる)

試合では、顔を上げた状態でボールをコントロールしなければ、周囲の状況を把握することができません。ボールを見ずに動けるようになるためには、ボールがどこにあり、どう扱えばいいのかを感覚的に掴む「勘」を磨く必要があります。


つまり、3つ目の勘を磨くために必要なのが、ボールの正確なコントロールであり、そのために必要なのがボールにたくさん触れる経験値です。

どんな練習をするときも、家庭では、親子一緒にサッカーボールを触わる機会を増やしてあげると良いでしょう。この部分を低学年の時に身につけておくことで、ドリブルが上手くなり、よりサッカーの醍醐味を知ることができます。

まずはサッカーを楽しむことがスタートですが、上達してきたら発展型のスライドタッチにも挑戦してみましょう。

発展型「スライドタッチ」の練習例


・準備するもの
コーン、もしくはマーカー

・進め方
その場でのボールタッチに慣れる
慣れたらコーンやマーカーを使い、スラロームの練習をする

【高学年・自主練向け】ドリブルの練習メニュー例

小学校高学年になると、より複雑な動きができるようになってきます。

正確性に加えてスピードやルックアップ(顔を上げる)を意識し、周りを観ながらドリブルする癖をつけることができるようになります。

例えば、「身のまわりにあるものの色を口に出しながらドリブルする」などの練習によって、相手を抜き去る確率が格段にアップします。

この練習で意識したい3つのポイントは、低学年の子どもと一緒です。

  1. 正確性
  2. スピード
  3. ルックアップ

高学年になると、より正確に、より速く、より顔を上げてトレーニングすることが必要になります。イメージとしては、蹴ったボールの移動距離を約半径1メートル以内に留めてコントロールするよう意識し、常にボールが膝の下あたりを転がるようにドリブルをしていきます。

ドリブルは、スピードを上げすぎるとボールが前方に大きく出やすくなります。年齢と共に少しずつ走るスピードが速くなる分、コントロールは難しくなります。

ドリブル中のボール移動は半径1メートル以内で行う
常に膝の下あたりでボールを転がす

これらを強く意識し、スピードと正確性のバランスを取っていきましょう。

ドリブルの自主練は、反復作業のため飽きやすく、集中力が続かない選手も多いです。もし子どもが飽きているようであれば、「プロのサッカー選手でも反復作業をひたすら行っている」ということを伝えてあげることが大切でしょう。実際、わたし自身も、これらの練習を低学年、高学年の時に、毎日毎日繰り返し自主練していました。

ドリブルをしながら「青!」「緑!」「白!」など、目に映る色を口に出して、顔を上げることを意識しましょう。1人でもできます。家の庭から見える植物、車、電柱に貼られたポスター、家。グラウンドであれば友だちが着ている服、遊具、木……、目に映るすべての色が対象です。

・準備するもの
コーン、もしくはマーカー
・進め方
ボールが足元から離れたら最初からやり直し
スタートからゴールまでの時間を計測して成長を数字で可視化するなど、ゲーム形式を導入して飽きない工夫をすると継続に繋がる

【低学年・チーム練習向け】ドリブルの初歩的な練習メニュー例

チーム練習では、チームメイトがいることを上手く利用しながらトレーニングしていきます。1人の自主練ではできなかった、1対1のドリブル練習、中央やサイドでのドリブルなど、より試合を想定したシチュエーションでのトレーニングがしやすくなります。

相手をドリブルで抜く面白さ、ボールを奪われたときの悔しさ、相手がいることで様々な感情が芽生えてくるので、技術面、精神面、各方面を同時に向上させていきます。

小学校低学年なら、コーンの枠の中で、周りの選手たちとぶつからないようにドリブルしたり、ゴールの場所を決めて、相手を抜いてシュートまで向かえるようにトレーニングを設定します。

ドリブルはゴールを決めるまでの手段に過ぎません。ゴールを設定することで、「ドリブルの先にはゴールがある」という意識をつけることができます。

チーム練習では、意識を自分にだけでなく周りにいる選手にも向けなければならないため、ゴールのあるチーム練習をすることで、小学校低学年の選手に最も必要な「五感を刺激する訓練」ができるでしょう。

【高学年・チーム練習向け】ドリブルの練習メニュー例

小学校高学年になると、「ドリブルは1人だけで行うプレーではない」という認識を少しずつ持たせてあげると良いでしょう。

具体的には2対2のトレーニングや3対2、3対3のトレーニングを行います。1対1のトレーニングでは出てこない、相手に囲まれる状況や、味方へのパスをフェイントにして相手をドリブルで抜く発想など、コンビネーションや駆け引きを上手く使った高度なドリブルを求めていく必要があります。

具体的な練習方法を図解しましょう。

・ポイント

3人ずつ、敵と味方に分かれて、ゴール前でゲームをします。味方の位置、相手の位置、スペースを把握しながらドリブルで攻撃を仕掛けましょう。ドリブルとパスの判断を見誤ってしまうと、ディフェンスにボールを奪われてしまいます。常にベストなプレーの選択が求められます。

また、ゴールからの逆算でドリブルを行う必要があるため、相手を抜くだけで満足せず、最後にゴールを決めるところまで、こだわってプレーすることが重要です。

・効果

ゴールに繋がるドリブルをすることで、チームメイトやコーチからも信頼を得られ、自然とボールが自分のところへ集まってくるようになります。

綺麗なパス回しだけではディフェンスをなかなか崩し切れませんが、ドリブルを攻撃のエッセンスとして加えることで、不利な状況でも一気に180度有利な状況へ好転させることが可能です。

【低学年向け】ドリブル上達のコツは?

低学年向けのドリブル上達のコツは、ドリブルそのものに囚われすぎず、まずはボールに慣れることからスタートすることがなにより大切です。

いきなり難しいことを要求し過ぎると、サッカーが嫌いになってしまうこともあり得ます。まずはサッカーの面白さ、昨日できなかったことが今日にはできるようになっていた喜びを体感してもらうことを意識しましょう。

テクニックや技術の部分よりも、周囲が与える環境や精神的な部分に大きく上達の度合いが左右されるため、保護者やコーチが意識して、ボールに自然と触れ合う機会を増やすこと、上手くできたときに褒めること、一緒にサッカーをしてあげることなど、環境を用意してあげることも必要ですが、それらを前提としたうえで、上達のコツを3つ紹介します。

  1. 家でもできるだけ足でボールを触る
  2. 上手い選手のプレーをたくさん見る(試合観戦、動画配信サイトなど)
  3. 親子でドリブルの練習をする

子どもは、新しいドリブルを習得し、今までより上手く、そして速くコントロールできる自分に出会ったとき、そこで初めて「もっと上手くなりたい」という向上心が芽生えてきます。そうなれば、気づいた頃には親は熱心に子どもを応援し、子どもは無我夢中でドリブルする光景を目の当たりにするでしょう。

小学校低学年くらいの小さな頃は、家の中にサッカーボールを置いてあげたり、いっぱい褒めてあげたり、一緒になって遊んであげたり、子どもに寄り添ってサッカーを意識する機会を増やしてあげることが特に大切になってきます。

【高学年向け】ドリブル上達のコツ

小学校高学年になると、練習で習得したドリブルを試合で実践したくなるころです。最初は上手くいかないことも多いですが、チャレンジすることに意味があり、それが未来に繋がります。ドリブルにチャレンジしなければ、いつまで経っても上達することはありません。ミスを恐れず、積極的に仕掛けていって欲しいと思います。

練習で意識してほしいポイントを3つ紹介しましょう。

  1. チーム練習の前後に、毎回ドリブルの練習をすること
  2. ボールタッチのスピードを出来るだけ速く、正確に行うこと
  3. 恐れずチャレンジすること(ここが重要)

意外かもしれませんが、ドリブルにおいて一番の障害となるものは「メンタル」です。ドリブルはテクニックも去ることながらメンタルに非常に左右されるプレーなのです。

悩み、不安、自信、そういった心の充実度がそのままプレーに影響する選手は多いため、小さな子にとっても、プロサッカー選手のプレー動画などを観てモチベーションを上げたり、サッカーに没頭できる環境を整えることが大切です。

まとめ

ドリブルは、1人でも自主練で十分上達させられるスキルである一方、小学生のうちにある程度の型ができてしまうため大きくなってからの上達が難しく、小さな頃からどれだけボールに触ってきたかが大きく影響するスキルです。

高学年では、試合を想定したシチュエーションで、より複雑なトレーニングを増やしていきます。1対1、2対2、3対2など、周囲と連携を取りながら、いつ、どのタイミングでドリブルするか?まで考えてプレーすることが求められてきます。

この段階になると、「目の前の相手には絶対負けない」という強いメンタリティも必要でしょう。ドリブルはサッカーの醍醐味ですが、「ボールを奪われたらどうしよう?」「ドリブルには自信がない」という不安な気持ちが出てくることもあり、精神的な強さが求められます。

そのため、子どもがサッカーにのめり込んでいくには、相手を上手にかわしたときに保護者がしっかりと褒めて、自信を持たせる声掛けをしていくことが大きく影響します。

いきなり難しいことをする必要はありませんので、ここで紹介した練習メニューを参考にしながら、子どもの能力に適したボールのコントロールを求めていくことをおすすめします。親子一緒に、チームメイトと一緒に、コーチと一緒に、ぜひ楽しみながら練習に取り組んでください。

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古田寛幸
古田寛幸

オンラインサッカースクール「HFアカデミー」代表。8歳離れた兄の影響でボールを蹴り始め、地元のサッカー少年団に入った。中学、高校は北海道コンサドーレ札幌のアカデミーに所属し、世代別日本代表に選ばれ、海外遠征を何度も経験。当時チーム初の飛び級で高校3年生時にトップチームへ昇格。その後数々のチームを渡り歩き、J1、J2、J3全てのカテゴリーでプレーした。

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