2021.08.06
習い事Q&A 白根理恵

少年野球は普通の野球とどう違うの?親も覚えるべきルールは?グラウンド規格を解説

少年野球って一般の野球と何が違うの?少年野球特有のルールやグラウンドの大きさは?子どもに少年野球を習わせている、もしくは今後習わせたいと思っている親が覚えておくべきルールとは?東京都軟式野球連盟の牧野勝行専務理事に少年野球特有のルールなどについてわかりやすく解説してもらいました。(※ルールは2021年7月現在のもの)

<今日のポイント>

  1. 少年野球の試合のイニング数は七回まで
  2. 投手は投球制限やボークなど、ポジションごとに特有のルールを覚えよう!
  3. 少年野球のグラウンドや用具にも決まりがある
  4. 子どもが楽しく野球を続けるには親のサポートが必要

少年野球の試合のイニング数は七回まで

試合の基本的なルールは少年野球も中学生以上の一般の野球も同じですが、少年野球特有のルールも存在します。

 少年野球とはどんなスポーツ?

A. 少年野球は9人対9人の2チームで試合をして1点でも多く点を取るスポーツです。 

少年野球とは一般的に「小学生の野球」を指します。しかし全日本軟式野球連盟では小学生の野球を「学童野球」、中学生の野球を「少年野球」と呼びます。全国47都道府県の軟式野球連盟に所属している少年(学童)野球のチーム数は、1980年代の約2万8000チームをピークに2020年度は約1万1000チームに減少。スポーツの多様化や少子化のほか、スマホを使う時間が増えたことが理由だと考えられます。

※本記事では小学生の野球のことを「少年野球」として説明します。

そもそも軟式ってなぁに?

野球には軟式野球と硬式野球があります。大きな違いはボールの材質です。軟式野球のボールはゴム製ですが、硬式野球のボールはコルク、ゴム、毛糸や綿糸を革で包んだもの。小学生や中学生は軟式野球、高校生以上が硬式野球というイメージがありますが、小学生や中学生向けの硬式野球のクラブチームや、軟式野球の部活がある高校などもあります。

 勝ち負けはどうやって決まるの?

A. 高校野球は九回までですが、少年野球(小学生・中学生)は七回まで。七回終わったところで点数が多いチームが勝ちです。

同点の場合は最後に打席に入っていた打者を一塁に、その前の打者を二塁に置き、無死一、二塁の状態から始める「タイブレーク」が導入されます。タイブレークで九回までやっても勝敗が決まらなければ抽選で決めます。五回で7点以上点差があるとき、雨天や暗天のときは「コールドゲーム」となり、その時点で点が多いチームが勝利します。試合の制限時間を超えると、七回前でも打ち切りになることがあります。

※全国大会では得点差のコールドゲームを導入しておりませんが、都道府県の大会では導入しているケースがあります。

ポジションごとに特有のルールを覚えよう!

試合全体のルールのほかに、ポジションごとに個別のルールがあります。

投手のルールは?

変化球は禁止で、投球数は1日70球以内、4年生以下は60球以内の決まりがあります。投球するときや捕手を見るときは、必ず軸足を投手板につけます。投げ方は「ワインドアップポジション」と「セットポジション」のどちらでも大丈夫ですが、気をつけないといけないのが「ボーク」です。ボークとは走者がいるときの投手の反則行為で、10種類以上あります。

ワインドアップポジションとセットポジションの違いは?

ワインドアップポジションとは、軸足を投手板につけて、腕を振りかぶる投げ方。ポジションに入ったときは両足全体が投手板を越えないようにしましょう。セットポジションは、ボールを体の前でキープして腕を振りかぶらない投げ方。軸足を投手板につけた状態で、板に対し横向きに立ちます。反対側の足は投手板の前に置きます。

 ボークになる反則行為とは?

  • セットポジションに入ってから首下を動かす
  • 一塁や三塁への偽投(二塁への偽投は例外)
  • クイックピッチ(打者が構えていないのに投げる)
  • ボールを落とす
  • 打者の方を見ずに投げる

打者のルールは?

バッティングの際にバッターボックスから足が出てはいけません。カウントは三振でアウト、四球や死球で1塁に進みます。三振でも捕手が正しく捕球できなかったら、いわゆる「振り逃げ」といって一塁に走ることが可能です。ほかにも、打順を間違えたり、捕手の送球を邪魔したり(守備妨害)するとアウトになります。

少年野球にホームランはない!?

少年野球で外野フェンスを超えるホームランはなかなかありません。フェンスがある広いグラウンドでの試合が少ないのが理由のひとつです。そのため、地域によって独自のホームランルールを決めていることがあります。たとえば東京都の女子学童大会では、外野にボールを乗せたコーンを8m間隔で置き、打球がコーンをノーバウンドで超えたらホームラン扱いになります。打球が転がってコーンを超えたときは、代わりにコーンの上のボールを取って試合を続けます。

走者のルールは?

一塁、二塁、三塁、本塁の順に進みます。塁の踏み忘れや前の走者を追い越すとアウトです。前の走者が戻ってきて塁に2人いる状態になった場合、後の走者がアウトに。プレイ中は足が塁から離れても大丈夫ですが、ボールを持っている野手にタッチされるのもアウトです。フェアグラウンド内で打球に当たったり、相手チームの野手がボールを投げるときにぶつかったりすると、守備妨害でアウトになります。

走者が走り出すのは打球がグラウンドに触れてから 

走者は、ライナーやフライ(飛球)が捕球されたときに塁を離れていた場合、もともといた塁に送球されたりボールをタッチされたりするとアウトになります。飛球の場合は外野手がボールを取ったのを確認してから次の塁に向かって走ります。これをタッチアップといいます。

守備のルールは?

守備の位置は内野手も外野手もファウルラインの内側です。危険防止を含め、内野手は投手板より前に出ない位置で守備につきます。打球はきちんとグラブで掴まないと正しい捕球としてジャッジされません。走者が塁を踏み忘れたときは審判にアピールすることができます。

少年野球と一般の野球のルールは何が違うの?

  • 変化球禁止
  • 投球数は70球、4年生以下は60球
  • イニングは七回まで(※中学生も同様) 

少年野球のグラウンドや用具にも決まりがある

少年野球のグラウンドの寸法や用具・装具についてまとめました。

少年野球と一般の野球のグラウンドの違いは?

参考:全日本軟式野球連盟競技者必携


少年野球 一般の野球
投手本塁間16m(4年生以下14m)18.44m
塁間23m(4年生以下21m)27.431m
投手板縦13cm×横51cm縦15.2cm×横61cm
バッターボックス縦1m50cm×横90cm縦1m83cm×横1m21.9cm
ホームベースの幅38.1cm43.2cm

参考:全日本軟式野球連盟競技者必携

用具と装具についての決まりは?

用具決まり
ボールJ号(大きさ69mm 重さ129g)
バットJSBB公認
色の制限なし
ヘルメット
(打者、次打者、走者)
JSBB公認で製品安全協会が定める「SGマーク」つき
ピッチャー用グラブ白・グレーは禁止
キャッチャー用ヘルメット、マスク、プロテクター、膝下を守る「レガース」、急所を守る「ファールカップ」マスク、プロテクター、レガースはJSBB公認
ヘルメットはJSBB公認でSGマークつき
スパイク靴裏が金属製の金具のものは禁止

※JSBB:「全日本軟式野球連盟」

※キャッチャー用マスクは2022年からJSBB公認でSGマークつき

子どもが楽しく野球を続けるには親のサポートが必要

少年野球を習っている子どもの親はどのように子どもをサポートすればよいのでしょうか。

少年野球を指導する親にも資格が必要なの?

A. はい、必要です。全日本軟式野球連盟では、指導者に資格を取得してもらう「公認学童コーチ制度」を2019年に導入し、2024年からの義務化を目指しています。詳細は各都道府県の軟式野球連盟などに問い合わせてください。

2024年からは資格を持っている指導者がいなければ、そのチームは公式戦に参加することができなくなります。子どもたちが野球を楽しく続けるためには、チームの指導者の質を上げることが必要だからです。公認学童コーチの資格は少年野球の監督やコーチに携わっている保護者にも取得していただきます。資格を取るには、ボールの投げ方や子どもの肘や肩を守るための知識、子どもへの適切な声掛けを学びます。 

親が子どものためにできるサポートは?

A. 試合や練習で失敗しても家では叱らずに、親は子どもに「よく頑張ったね」などと褒めて、子どもの気持ちに寄り添ってあげてください。

監督やコーチをやっている親も家では指導者という立場を忘れ、親として子どもが頑張っている姿を応援してください。保護者にとっては練習や試合に付き添う必要もあり、大変なことも多いと思いますが、子どもたちと一緒に野球を楽しむということを忘れずに貴重な幼少期を過ごしていただけたらと思います。

牧野勝行さんからのメッセージ

野球はフェアプレイのチームスポーツで、子どもの心の教育と人間性の育成につながります。野球を通じて、自分のことだけでなく相手に対する思いやりを身につけてほしいです。そして「野球は軟式に始まり軟式に終わる」と言っても過言ではないぐらい、軟式野球は小学生から大人までずっと長く楽しめるスポーツ。もっと多くの子どもたちに野球の楽しさを知ってもらいたいと思います。

【プロフィール:牧野勝行(まきの・かつゆき)】

1944年東京生まれ。東京都軟式野球連盟専務理事。小学生から軟式野球を始め、中学では墨田区のクラブチームに所属し、区内で1位に。高校卒業後に入社した食品会社の野球部に入部。セカンド野手として活躍後、20年間監督を務める。高松宮賜杯の関東大会に出場した経歴も。59歳で東京都軟式野球連盟の審判部長に就任し、数々の公式大会で審判と務める。平成27年度に東京都スポーツ功労賞を受賞しました。

イラスト:カワチハルナ

関連記事:少年野球の審判はどうやるの?球審と塁審の役割やジャッジの注意点を解説

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白根理恵
白根理恵

本業は会社員の副業ライター。ジャンルを問わず、知らない世界にも無謀にチャレンジするのが唯一の強み。身につけたスキルはスキマ時間の活用能力。映画をこよなく愛する2児の母でもあります。

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