2021.08.04
学びをはぐくむ 八田吏

簡単!夏休みの自由工作のコツを「三菱みなとみらい技術館」に聞きました。科学編

子どもの夏休みの自由研究、どうしよう。大人の方が悩みがつきませんよね。多くの学校で今、夏休みの宿題は「自由研究」だけでなく「自由工作」も選択できるのをご存知ですか?子どもたちは工作が大好き。作って遊べるおもちゃだったら、楽しく取り組めそうです。三菱みなとみらい技術館(横浜市西区)の営業・渉外/広報担当の佐野麻季さんに、夏休みの「自由工作」にぴったりの、科学の力を使ったおもちゃづくりを教えてもらいました。

どうやったら高く飛ぶかな?ストローでロケットを作ってみよう

ストローロケット

「飛行機が飛ぶのはなぜ?」「潜水艦は、なんでもぐれるの?」ー。お子さんがもしそんな疑問をもったらぜひ行ってみてほしいのが、三菱みなとみらい技術館です。「陸」「海」「空」「宇宙」のテーマで、暮らしを支える技術の力や、技術のもととなる科学の原理について、さまざまな展示やワークショップで学べます。コロナ以降、オンラインワークショップも充実してきているとのこと。

「子どもたちにも大人気の、飛ぶロケットを作ってみましょう。作り方はとっても簡単!シンプルな分、遊び方を工夫して楽しむことができます。」(佐野さん)

用意するもの

  • 細いストロー
  • 太いストロー
  • スーパーボール
  • カラーテープ、折り紙など(飾り用)
  • はさみ
  • のり、セロテープ

作り方と遊び方

まとめ方

ロケットをより高く飛ばすには、どうしたらいいでしょうか?ロケットを落とす時の力の強さや高さを変えて、たしかめてみましょう。

科学の力をのばすヒント

「ロケットは燃料である水素と酸素を燃焼し、できたガスを噴出して、その反動で前に進みます。このストローロケットは、ガスによる反動の代わりにスーパーボールの弾性を利用しています。

低学年の時期にしてほしいのは、何よりも実体験。実際に自分の手を動かしながら力の働きやものの動き方を体感することが、その後の理科学習にもつながります」(佐野さん)

たくさん釣れる工夫を探せ!クレーン魚つりでつり名人になろう

クレーン魚釣り

「釣りざおにひと工夫した魚つりの遊びです。自由工作にも、夏休みのお友達との室内遊びにもぴったりです。図鑑を見ながらいろいろな魚を描いてみたり、想像の魚を描いてみたりするのも面白そうですね。」(佐野さん)

用意するもの

  • 牛乳パックやお菓子の空き箱など(ひらいたもの)
  • ストロー
  • タコ糸
  • ゼムクリップ
  • 磁石
  • はさみ
  • カラーペン
  • セロテープ

作り方と遊び方

まとめ方

「うまく釣れないなあ」「いっぺんにたくさん釣りたいなあ」。そんな時にはどうしたらいいでしょうか?磁石を増やしたり、クリップを増やしたりして、いろいろ試してみましょう。

科学の力をのばすヒント

子どもにもなじみ深い、磁力を使ったおもちゃです。磁石やクリップを増やすことでより強い力でくっつくので、理解しやすいと思います。

釣り竿のしかけには、タコ糸をつないだストローがリールの役割を果たしています。タコ糸を下に引っ張ると魚が上にあがってくるのは、子どもにとっては不思議なことのようです。科学館のワークショップでも、最初は釣竿ごと持ち上げたり、紐を上に引っ張ってみたりと、試行錯誤する子どもたちの姿がみられます。試行錯誤しながら、創意工夫する姿を見守ってあげてくださいね。

また、魚づくりにはいろいろな工夫ができそうです。

図鑑を見ながらいろいろな種類の魚をつくったり、セロファンを海藻に見立てたりして、イメージ豊かに海を表現してみてください。

この魚釣りは、佐野さんも子どものころに作ったことがあるそうです。

「釣り竿は、家にあった孫の手にお菓子を包んでいたリボンをくっつけました(笑)。  最初はリボンの先にテープを外側に巻き付けて、粘着力で釣ろうとしていましたが、最終的には磁石とクリップを使いました。家で飼っていた猫も一緒に遊んでくれたので、いい思い出です」。(佐野さん)

※作り方を動画でもご紹介しています


潜水調査船は、なぜ沈んだり浮いたりできるのか?浮沈子で確かめてみよう

ペットボトルの浮沈子

高学年になったら、「調べ学習」と「実験工作」の合わせ技にも挑戦できます。

「しんかい6500のような潜水調査船は、ふだんは海の上に浮いているのに、調査のために海中深く潜り、調査が終わるとまた浮いてきます。考えてみたら不思議ですね。水の中で浮いたり沈んだりするおもちゃをつくって、その仕組みを体験してみましょう」(佐野さん)

用意するもの

  • 魚のかたちのしょうゆ入れ
  • おもり用の小さいナット(サイズ:No.5)
  • 500mlのペットボトル

※しょうゆ入れは、魚のかたちでなくても代用できます
※小さいナットがない場合は、針金や安全ピンなどで代用できます

作り方と遊び方

まとめ方

ペットボトルを押した時、ゆるめた時、魚の中に水が入ってくる様子を観察してみましょう。

魚をいくつか入れてみると、さらに面白くなります。手順③で魚の中に入れる水の量に差をつけて、沈み方や浮き方にどんな違いがあるか、比べてみましょう。

もしかすると、うまく沈まなかったり、逆に沈みっぱなしになったりしてしまうものがあるかもしれません。その場合は、③で魚の中に入れる水の量を調節してみましょう。

科学の力をのばすヒント

「ペットボトルを押すと、水圧がかかって中の魚に水が入ります。すると入った水の分重くなり、浮力が小さくなって沈みます。ペットボトルを離すと、水圧が低くなって中の魚に入っていた水が出て軽くなり、浮力が大きくなって浮いてきます。

しんかい6500は、たくさんのおもりを載せることで深く沈み、おもりを切り離すことで浮いてきます。同じ仕組みを身近な物で体験できる実験です」。(佐野さん)

物体の重さと浮力の関係については、中学生になると「アルキメデスの原理」として学びますが、その予習にもつながりそうです。

折り紙なのに、重いものをを乗せてもつぶれない?ロケットと同じハニカム構造を作ってみよう

ハニカム構造

宇宙まで飛んでいくロケット。発射時の振動や熱に耐え、宇宙を旅するロケットは、いったいどんな素材からできているのでしょうか。

ロケットの最先端部には「フェアリング」という部分があり、中に衛星が搭載されています。フェアリングは、中の衛星を振動や熱から守るために、丈夫でなくてはならず、なおかつ、飛行するのですから軽くなくてはいけません。

フェアリングに使われている「ハニカム構造」を、折り紙でつくってみましょう。

用意するもの

  • 折り紙4枚
  • テープのり
  • はさみ

作り方と遊び方


※作り方を動画で もご紹介しています


まとめ方

  • さまざまな重さのものを載せてみましょう。載せる時には、軽いものからはじめ、だんだん重くしていきましょう。結果は表にまとめるとわかりやすいですね。
  • ハニカム構造は身近にもたくさんあります。探してみましょう。また、なぜそこに使われているかも、合わせて考えてみましょう。

電柱の数を数えることも研究につながる

佐野さんの自由研究の思い出

●佐野さんは小学生時代、どんな自由研究をしたのですか?

低学年の頃にしたのは、庭に来る虫の観察です。どんな種類の虫がどこにいるのか、どんな植物のそばにいるのかを発見してはまとめていきました。虫が大好きだったので、行動を観察して虫の視点になってみると、虫の気持ちや考えが分かるような気がして嬉しかったですね。近所の住宅地と街なかの電柱の数を数えて比較する研究をしたこともあります。観察してみると、電気を送電する電線の本数が、場所によって違うんですよね。電気がどうやって作られ、家まで運ばれてくるのか興味がわきました。

●夏休みの自由研究で、どんな力がつきましたか?

条件によってどんな経過や結果が出てくるのか、予想したり実験したり、試したりする力がついてきたと思います。まずは作ってみる、という行動から、試行錯誤して改良していく工程は、ものづくりの中では必須です。今、こうやって科学の面白さをご紹介する仕事の中でも、いろいろな場面で役に立っています。

工作をきっかけに、身近な科学を見つけてほしい

夏休みの宿題に悩む親子へのメッセージ

ロケットや船など、大きなものでも、それをつくるための技術や基本的な原理は、身近なものでも体験することができますし、お子さんでも楽しんでいただけるものが多いです。

工作は“こうしてみたらどうなるだろう?”というちょっとした疑問や工夫から発展的なものづくりができます。いま学校教育でも注目される、プログラミングの論理的思考にも役立つと思います。

コロナ禍ということもあり、今年の夏も実際に見に行ったり体験したりする機会は少ないかもしれません。でも、ご家庭の中や身近なところに、科学の種はたくさんあります。ひとつひとつおうち時間の中で発見したり、考えてみてください。

プロフィール 佐野 麻季(さの・まき)さん

三菱みなとみらい技術館 営業・渉外/広報担当
2004年入社。館内アテンド、広報、イベント企画、展示改装、インストラクター等を経て現職。
横浜生まれの横浜育ちで、みなとみらい地区等の街づくり設計に興味をもち、街の変遷とともに科学技術を幅広く紹介しています。宇宙産業や機械鉄工をはじめ、ものづくりと自然との調和にも興味あり。

三菱みなとみらい技術館

夏休みの自由研究と読書感想文の記事一覧

八田吏
八田吏

ライター mugichocolate株式会社 元中学校国語教師。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことをきっかけにライター、編集者として活動開始。幼い頃から無類の本好きで、小学2年で夏目漱石にはまる、やや渋好みの子どもでした。今でも、暇さえあれば本屋巡りをするのを楽しみにしています。

関連記事 Related articles

新着 New!

お住まいのエリア・ジャンル・対象年齢から検索!
習い事教室を探す