2021.08.06
学びインタビュー 黒澤真紀

簡単!水をテーマにした夏休みの自由研究4つを紹介!琵琶湖博物館の学芸員に聞く

私たちが生きていくのに欠かせない水。身近にありすぎて普段は見過ごしている水について、「これはどういうことなのだろう?」ときっと不思議に思うことがあるはず。その「なぜだろう?」こそが、子どもの自由研究の第一歩です。今回は、琵琶湖博物館の学芸員中井克樹さん(59)に「水」に関するおすすめの夏休みの自由研究を4つ紹介してもらいます。

※水辺へは、天気のよい日にお家の人と一緒に行きましょう。流れの激しい場所、深みのある場所には近づかないよう十分注意してください。 

水の自由研究4つ

  1. 1匹まるごと!魚の骨ってどうなってる?
  2. カタツムリとナメクジはどこがちがうの?
  3. 水辺のごみ調査
  4. 調べてみよう!日本一の湖、琵琶湖ってどんな湖?

1匹まるごと!魚の骨ってどうなってる?

準備するもの

  • 魚 ※大きい魚と小さい魚を比べるときは2匹用意
  • 大きめの鍋
  • 調味料

手順

  1. 魚を準備する。川で獲るのも、スーパーや魚屋さんで買うのも、どちらでも大丈夫。
  2. 魚を料理して食べる。焼くよりも煮るのがオススメ。
  3. 魚を箸で骨と身に分け、身はおいしくいただく。
  4. 骨だけを残し、骨の名称やはたらきを図鑑やインターネットで調べてまとめる。

まとめ方

魚の骨は、撮影するのも良いし、絵を描いてそのまま骨を貼り付けるときれいな仕上がりになります。複数の魚を比較した場合は、表にまとめるのも良いでしょう。 

分析ポイント

魚の骨をキレイに残すコツは、①頭から尻尾に向けて、背骨に沿って箸を入れる。②上の身と下の身を食べ、背骨をペリッとはがす。③裏返しにして同じように身を食べる。お湯をかけながら少しずつ身を取り除いても構いません。観察しやすいのは骨がしっかりしているタイ、アジなど。大きな魚と小さな魚の骨の数を比較することもできます。また、人間と魚は同じ脊椎(せきつい)動物だと知っていますか。体のつくりは異なりますが、魚の胸ビレは人間の手(前足)、腹ビレは人間の足(後ろ足)というように似ている部分もあります。人間と魚の共通点を探してみるのも面白いかもしれません。

カタツムリとナメクジはどこがちがうの?

準備するもの

  • カタツムリとナメクジを入れる透明の容器
  • ティッシュペーパー
  • ナメクジを直接触りたくない人用にわりばし 

手順

  1. カタツムリとナメクジをつかまえる。
  2. 容器の底に湿らせたティッシュペーパーを敷く。
  3. カタツムリとナメクジをそれぞれ入れて、エサの食べ方やはい方を観察する。

*ナメクジが隙間からはい出ないようにしっかり蓋をする。 

まとめ方

カタツムリとナメクジを比較するポイントは、①エサとふんの関係(にんじんを食べるとふんもオレンジ?) ②触角の長さや開いたときの角度比べなど。ナメクジは殻のないカタツムリと思われがちですが、殻がないのは進化の証拠。どのように〝ナメクジ化″が進んだのかを調べてみるのもいいですね。

分析ポイント

カタツムリもナメクジも梅雨の時期、アジサイの葉の裏にいるイメージがあります。実は、夏でも植物のある湿った場所で見つけることができます。石と石の間に隠れているので、雨が降っているときや夜に出かけると良いでしょう。コハクガイ、トクサオカチョウジガイ、チャコウラナメクジなど外来種のカタツムリは庭先で見つかりやすい種類。死んだカタツムリの殻を見つけた場合には、その殻が上から落ちてきたのかなど、どこから来たのかを考えてみては。そこがカタツムリのすみかかもしれません。

カタツムリがいなかった!という人へ

最近、カタツムリが少なくなったという話をよく聞きます。それは、市街化や宅地化が進み、カタツムリの仲間が一掃されてしまったから。図書館に電話をし「○○市○○町の古地図はありますか」と聞くと、住んでいる街の開発の歴史がわかります。今と昔で何が変わったのかを調べてみるのもおもしろいですね。

水辺のごみ調査

準備するもの

  • トング
  • 拾ったゴミを入れるゴミ袋またはバケツ
  • 軍手

手順

  1. 数カ所の川辺のゴミを拾う。
  2. 拾ったゴミを並べ、写真を撮る。
  3. ゴミの量と水の濁り具合・においを比較し、気づいたことをまとめる。

*川辺に下りられないときは、上からゴミを撮影しよう。

まとめ方

①場所によるゴミの量を比較してみましょう。人通りが多い場所の近くの川はゴミが多く、自然のそばの川は少ないのでは?②ゴミの量が多い川は水の濁りや臭いを確認しましょう。③ゴミの材質と種類(飲み物? 食べ物? 生活用品?)も調べましょう。気づいたことを書き出したら表にまとめるとわかりやすいです。

分析ポイント

ゴミは長時間にわたって蓄積されるので、短期間に複数回訪問してもあまり新しいゴミは発見できません。近くに海、湖、川がある人は、それぞれを調べるのもおもしろいですね。海岸の場合には、海外からの漂着ゴミも多いのに対して、湖や河川だと完全に国内で出たゴミです。環境問題について考えるきっかけになるでしょう。

調べてみよう!日本一の湖 琵琶湖ってどんな湖?

塩津上空からみた琵琶湖=中井克樹さん提供

準備するもの

  • インターネット
  • 図鑑

手順

  1. 琵琶湖について知りたいテーマを決める。
  2. インターネットや図鑑で調べる。
  3. 調べたことを画用紙やレポート用紙にまとめる。

まとめ方

琵琶湖の歴史についてまとめる、琵琶湖の水が人々の生活にどのように役に立っているかを調べる、琵琶湖にはどれほどの種類の魚が生息しているのかを調べる、どのような環境保全活動を行っているのか、など、自分が関心のあるテーマに沿ってまとめてみましょう。

分析ポイント

琵琶湖は約440万年前にできた世界でも有数の古代湖です。長年にわたって人々の生活とも密接に関わってきました。面積は滋賀県の6分の1で湖の中では日本最大、貯水量も日本一。最近、琵琶湖版SDGsの「マザーレイクゴールズ MLGs」を発表し、琵琶湖の保全にますます力を入れています。琵琶湖博物館では琵琶湖についてのさまざまな学びが体験できます。足を運んでみてはいかがでしょうか。コロナの影響で行けない人は、琵琶湖博物館のホームページを覗くだけでも楽しいですよ。また、琵琶湖以外にも「私の周りの日本一」を探してみるのもおもしろいですね。

※琵琶湖博物館に訪れる場合は現在ウェブでの事前予約が必要になります。

「カタツムリの研究に夢中でした」琵琶湖博物館学芸員・中井克樹さん

私は幼少時から生き物が大好きで、特にカタツムリの生態に興味がありました。自由研究という意識はありませんでしたが、近所でカタツムリを捕まえてきては、エサとうんちの色の観察をしたり、動きをじっくり眺めたりするのが好きでした。カタツムリははっているところにモノがあると、その逆に頭を伸ばします。人間はモノとの距離がわかって当たり前ですが、カタツムリはどうやってモノとの距離をはかっているのかが気になっています。

今回は、水に関するテーマで身近な生き物や事柄を対象に、観察や調査がしやすいものを紹介しました。「研究」を始めるのには敷居が高くないほうがいいのです。私の話を手がかりに、自分なりの不思議ポイントを見つけてみてください。 

プロフィール:中井克樹(なかい・かつき)

笑顔を見せる中井克樹さん。後ろにうつっているのは広大な琵琶湖=滋賀県草津市、北川サイラ撮影

大阪府豊中市出身。京都大学大学院理学研究科修了。琵琶湖博物館が1996年に開館する前の1992年から開設準備室員として勤務。外来種への対策、希少種の保全、水生生物の生態を専門に研究を進める。2006~2008年度、2014年度~現在、滋賀県の自然環境保全課を兼務。

イラスト:カワチハルナ

夏休みの自由研究と読書感想文の記事一覧


黒澤真紀
黒澤真紀

1977年生まれ。愛媛県出身。旧姓、井上。都内の学習塾に勤務した後、結婚、出産を経てフリーライターに。教育を専門に学びたいと、中学生と小学生の息子を育てながら都内女子大の修士課程を修了。大人になっても「学びは楽しい」と実感する。海と山に囲まれて育ち、虫が全然怖くない。子どもの頃は自然の中で遊ぶのに夢中で、得意だったのは押し花と走ること。

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