2021.08.04
学びをはぐくむ 高橋知寿

簡単!夏休みの自由研究のコツを「そなエリア東京」に聞きました。防災編

夏休みも半分以上すぎちゃったのに、自由研究のプランがない!コロナで帰省の予定がなくなり、自然観察もできないなど、少し焦り気味にテーマを探している親子も少なくないでしょう。短期間で準備できる、普段できないことを体験するという2点にしぼり、自由研究テーマをご紹介。今回は、「防災体験学習施設 そなエリア東京」(東京都江東区)の防災士・澤善裕さんに、夏休みの自由研究の工作にもなり、災害時にも役立つ知恵を教えてもらいました。小1からできて、短期間で取り組めるので、「間に合わないかも」と冷や汗をかき始めた親子はチェックしてみてくださいね。

ランタンを手作りしてみよう。ランタンの明かりで一晩過ごしてみる

災害が起きたときに、一番困るのは、電気が止まること。「そんな時は懐中電灯で灯りを取りますが、家にあるものを使って懐中電灯の明るさを、より明るくしたり、やわらかくしたりと調整することができます」。(澤さん)

懐中電灯を3つ用意して、そのままの明かりと、ビニール、ペットボトルを使って明かりを広げた場合との、違いを比べます。

「どちらも工程自体は本当に簡単!実際に家庭での生活シーンにあわせて、どちらの光の方が過ごしやすいかをチェックしてみてくださいね」。(澤さん)

用意するもの

  • 懐中電灯…2本
  • とって付のビニール袋…1枚
  • 水入りの500mlのペットボトル
  • テープ
  • はさみ

準備の仕方

1)1本の懐中電灯にビニール袋をかぶせ、口を縛ります。もし縛りづらい場合はテープや輪ゴムで留めてもOK

2)もう1本の懐中電灯の上に水入り500mlのペットボトルを載せます
(もし背の高いコップやかびんなどを用意できる場合は、その中に懐中電灯を入れると、安定します)

まとめ方

懐中電灯のみと、ビニールを被せた場合、水入りペットボトルを上に置いた場合で明るさがどう変化するかを写真と言葉で紹介します。

●懐中電灯のみ

懐中電灯のみ。懐中電灯を上に向けているので、向けた方だけ明るくなっています。

●ビニール袋をかぶせた場合

ビニールを被せたもの。懐中電灯だけの時に比べ、遠くまで見えるか、手元が明るく見えるかなどを比較してみましょう。

●ペットボトルを乗せた場合

ペットボトルを乗せて光らせたもの。同じように懐中電灯のみ、ビニール袋をかぶせた時と比べて明るさがどうなっているか、手元との明るさや遠くの明るさの比較などを確認してみます。

まとめ方に悩んだら、いくつか項目を決めて比較を

明るさの違いを1つの文章としてまとめるのが難しい、どうしても文章が長くなって読みづらくなりそうという場合は、
「1メートル離れた場所に何があるかを見る」
「テーブルで自分の名前の文字を書く」
「着替えをする」
「枕元において寝る」
などいくつか項目を設け、懐中電灯、ビニール、ペットボトルそれぞれで見えやすいか、見えにくいかを0~3などの数字で表してみるのもいいかもしれません。

(例:1メートル離れた場所に何があるかを見る⇒懐中電灯のみ:3、ビニール袋0、ペットボトル1。数字が大きいほどよく見える)

<注意>
白熱電球の懐中電灯はビニールやペットボトルを乗せると高温になる可能性があるので、使用不可。LEDの懐中電灯を使ってください。

学びのヒント

懐中電灯のみだと照らした先だけが明るくなります。そこから「光は真っすぐにしか進まない」ということを学びます。

その光を透明なもの(水入りペットボトル)と半透明なもの(ビニール袋)と組み合わせることで、「光が水やビニールにぶつかって反射し、その反射で、遠くよりも周りを明るくできること」を学びます。

「この光の性質を利用することで、災害時、停電になった際も懐中電灯を、何か他のものと組み合わせることで、手元をより明るく手照らすランタンのようにできます。逆に紙のように光を通さない物で覆うと、よりやわらかい光にでき、就寝用の間接照明風に使うことができます」。(澤さん)

知恵があれば物が不足した時、代替品を作って乗り切れることも

そなエリア東京で防災士として、災害時はどんな状況になるか、普段からどんな防災をすることが大切かなどを、来館者に解説している澤さん。今回の自由研究が、災害時にどう役立つかを聞いてみました。

「災害が起きた場合、地域にもよりますが救援物資が届くまでは数日かかります。この数日を乗り切るために、各家庭で防災グッズや食料の備蓄をしておきたいのですが、足りない物が出てくることがあります。

例えば今回のケースでいうと、電気がつかないときには、どうしたら良いのか、を考える訓練になります。懐中電灯しかない場合、

  • 光は本来真っすぐにしか進まない
  • 光を透明や半透明の者に通すと反射して光が広がる

という性質を知っていると、懐中電灯+光を反射させるものをくみあわせてランプの代替品をつくることできます。

物の性質を知っておくと、困ったときに、災害時にそのものずばりの物が不足しても、代替品を作ることができます。

代替品だったとしても、何もないよりは少しでもラクに避難生活を送れる。場合によっては、生き延びるかどうかにつながる場合もあります」(澤さん)。

懐中電灯生活で感じた 「困った」経験を活かして

もう1歩踏み込んだ自由研究

「光の性質を調べて自由研究でもいいのですが、より充実した自由研究にしたいなら、懐中電灯にビニール袋やペットボトルをのせて作ったランタンだけで、停電した時の予行演習として過ごしてみて欲しいです」。(澤さん)

  • 料理を作る
  • ご飯を食べる
  • ご飯の後片付けをする
  • お風呂に入る
  • 自由時間を過ごす(停電時はテレビ視聴やテレビゲームはできないので、代わりにどんなことをして過ごしたか、なぜそう過ごしたかを書く)
  • 夏休みの宿題をやる
  • トイレへ行く
  • 寝る

項目に分けていつもとどんなところが不便で困ったか、逆に良かった点もあったら書いておきます。

「この時の困ったことに注目してみてください。そしてどうすれば乗り切れるかを考え、まとめるのもいいでしょう。より内容の濃い自由研究にすることができ、さらにその経験が、万一の際に役立つと思いますよ」。

防災の知識は本でも仕入れることはできますが、実際にやってみることで、より使える知識として身につけることができるので、ぜひ夏休みを利用して停電生活の不便さを体験してみてください」。(澤さん)

ただし、停電時を想定した生活体験をする場合、熱中症の心配があるので、エアコンはつけておくようにしましょう。

自由研究を通して「親子で一緒に取り組む」時間を持って

澤さんに子どもの頃にやった自由研究の思い出を聞いてみました。

私はもともと美術系が好きで、実は美大出身なんです。だから子どもの頃から工作は大好きでしたね。親と一緒に板材を使って自動車を作ったこともあります。なかなかの作品に仕上がったのですが、親と共同で作ったこともあってか良く出来過ぎて変な目立ち方をしてしまって(笑)。

その経験があったので、確かその翌年は、木工用接着剤と割りばしを使って花びんにかぶせる木製のカバーという、地味めなものを自由研究で作っていった記憶があります。ちょっと想定外の目立ち方をしてしまった自由研究でしたが、親と一緒に何かをやることは子ども心にとても楽しかったです。

親にとってみても一緒にやることで子どもの新たな一面を発見できるなど、貴重な機会になります。

「今回の停電生活もぜひ親子で一緒にやってみてほしいですね。これをきっかけにして、親子で家の防災対策や食料備蓄が足りているかなど、防災について定期的に話し合ってもらえると、万一の際でもあわてずに行動できるようになるのではないかと考えています。」(澤さん)

【プロフィール:澤善裕(さわ・よしひろ)さん】

東京臨海広域防災公園 防災体験学習施設 そなエリア東京 防災士

2010年防災体験学習施設 そなエリア東京に防災士として勤務。館内にある災害体験をシミュレートできる「東京直下72hTOUR」の案内や、首都直下地震が起こった際にどのような行動したらいいか、被災した場合、身近なグッズを使ってどのような代替品が作れるかなどの解説や、子ども向けの防災に関するイベントを企画し、身近にわかりやすい防災の大切さを伝え続けている。

【東京臨海広域防災公園 防災体験学習施設 そなエリア東京】

利用時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで。公園内の開園時間は6:00〜20:00)・入館料:無料・休館日:毎週月曜(ただし祝日の場合は開館し、翌日休。新型コロナウイルスの感染状況により休館日が変更になる場合が有り。詳しくはHP参照)・住所:東京都江東区有明3-8-35・交通:東京臨海高速鉄道りんかい線「国際展示場」駅から徒歩4分、ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線「有明」駅から徒歩2分・HP:https://www.tokyorinkai-koen.jp/sonaarea/

夏休みの自由研究と読書感想文の記事一覧

高橋知寿
高橋知寿

子育て情報誌、不妊治療情報誌などをメインにライティング、ページ制作を行っている。そのほか、旅行情報誌、ライフスタイル情報誌などの編集、原稿制作も手がけている。自身も夫もひとりっこなので、戸惑いながらきょうだいの育児に奮闘中。子どものころに熱中していたのは、自分の新しい名前を考えること。最後に「子」が付く名前に憧れ、四六時中、考えていた。小学校低学年当時、自分で考えて気に入っていた名前は「ごだいごはなこ」。

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