2021.08.10
習い事Q&A 高橋知寿

小学生からスイミングをはじめるのは遅いの?レッスン内容や効果、費用を専門家が解説

東京2020オリンピックの競泳で大橋悠依さんが日本女子初の2冠を達成するなどますます益々注目が高まる「スイミング」。入江陵介選手や池江璃花子選手らに憧れて、「あんな風に泳げるようになりたい」と習いはじめる子も多いです。また、小学校の授業で泳げるために子どもをスクールに通わせたら良いか、迷っている親もいるのではないでしょうか。日本スイミング協会の指導力向上委員会副委員長を務め、「トップスイミングクラブ」(三重県)の目黒伸良さんにスイミングの5つの魅力とスクール選びについて伺いました。

 <今日のポイント>

  1. 小学生のスイミングの大きな目標は四泳法を各50m泳げること
  2. 本人がやりたいと思ったときがはじめどき
  3. スイミングの魅力は四泳法の習得、バランスよく筋力が発達することなど
  4. 通えそうなスクールがあったら必ず子どもと見学すること
  5. 子どもを叱咤激励よりほめて寄り添うことが大切

小学生のスイミングの大きな目的は四泳法を各50m泳げること

小学生からスイミングを習いはじめる際の目標としたいレベルなどについて教えてもらいました。

小学生向けのスイミングとは?

A. 小学校1~6年を対象にしたスイミングを「学童スイミング」と呼びます。

背泳ぎ、クロール、平泳ぎ、バタフライの四泳法を習得することが、学童スイミングの主な目的です。そのほか、水難事故から身を守ることや、友だちとレッスンを受けることで順番を守る大切さなど、社会のルールやマナーを身につける目的も担っています。

小学校でどのくらい泳げるようになるといいの?

A. まずは小学校の6年間で四泳法各50mを泳げると良いでしょう。

個人差はもちろんありますが、1回60分のレッスンを週1回のペースで通い続けると、早ければ4年生ぐらいで四泳法を各50m泳げるようになれます。また、泳げるようになれば、災害時などに備えて、続けて800m以上泳げる力を身につけてほしいと思います。

レッスンのカリキュラムや進級制度などを解説

小学生を対象にしたスイミングのクラス分けの方法やカリキュラムを解説します。

レッスンのクラス分けとカリキュラムはどうなっているの?

A. 学年関係なく泳力でクラス分けがされます。

私のスクールでは、初心者なら6~8人に1人、ある程度泳げる子なら約10人に1人のコーチがついて指導します。初心者は、プールサイドに腰をかけた状態で足をバシャバシャ動かして、水慣れするところからスタート。泳げる子は、ビート板を使ってバタ足の練習をした後、背泳ぎとクロールをします。顔を水につけることに怖さを感じる子もいることから、仰向けの背泳ぎから先に教えるようにしています。 

一般的に週何回通う人が多いの?

A. スイミング以外にも習い事や塾に通っている子が多いので、週1ペースで通う子が多いですね。

通えるのであれば、週2回通った方が早く泳ぎを習得することができます。私の実感値ではありますが、週2回通う子は、週1回通う子よりも約3倍早く泳ぎ方をマスターできます。

進級制度はどうなっているの?

A. 私のスクールでは、ジュニア15級(J15級)からはじまり、ジュニア1級(J1級)まであります。

進級制度は、子どもたちに「泳げた!」という誇りを持たせるのにとても有効なシステムです。スクールによって制度は異なります。私のスクールだと、ビート板を使ったバタ足25mのJ15級から、個人メドレー200mを泳ぐJ1級まで分かれています。また、日本スイミングクラブ協会には泳力認定の基準があり、全国の中で自分のレベルを確認することができます。

選手コースとはどういうもの?

A. タイムを速くすることを目指している子どもを受け入れているのが「選手コース」です。指導を受けながら市や県の大会などで優勝や入賞を目指します

私のスクールの場合、普通クラスで一番上のJ1級まで取得ができます。そして、スクールが求める泳力基準をクリアした子だけが「選手コース」に進めます。ジュニアオリンピックも参加標準記録をクリアした人のみが参加できます。

参考:2021年度のジュニアオリンピックの 参加標準記録

本人がやりたいと思ったときがはじめどき

今は赤ちゃんからプールに入る「ベビースイミング」や幼児からはじめる「幼児スイミング」を習っている子もいます。そんな中、小学校から習いはじめるのは遅くないのでしょうか…。小学生から習い始めるメリットなどについて解説します。

小学生から習いはじめるのは遅いの?

A. 本人がやりたいと言ったときがはじめどきですので、けして遅くはありません。しかし、幼いころからはじめると、その分早く上達します。

小学校から習いはじめるメリットはあるの?

A. 息継ぎについては、幼児期よりも小学生からはじめる子の方が短期間で習得できる可能性があります。

水中で息を吐き、顔をあげた瞬間に空気を吸うには、ある程度成長し、呼吸筋が発達している方が上手にできます。幼児や小学校低学年だと呼吸筋が充分に発達していないため、息継ぎを習得するまでに時間がかかる傾向があります。

「四泳法の習得」「バランスよく筋力が発達する」などスイミングの魅力を5つ紹介

スイミングの5つのメリットと親の負担について紹介します。

①四泳法をマスターし、命を守る術も習得できる

背泳ぎ、クロール、平泳ぎ、バタフライの四泳法をマスターできます。また、ターンや飛び込みを習得して四泳法を各50m泳げるようになるので、結果、800m以上の長距離を続けて泳げるようになります。水難事故に遭っても命を守るためのテクニックを習得できます。また、他人が溺れているときも助けることができます。

②友だちを思いやる心や社会のルールが身につく

ビート板などの道具につまずいてプールに誤って落ちると、大変な事故につながります。そのようなことが起きないよう、レッスンで使ったものをきちんと片づけるように指導しています。また、集団レッスンなので、友だち同士でコミュニケーションを取る中で、相手を思いやる気持ちや、友達が上手に泳げたときに相手を尊重する気持ちなどが芽生えます。

③体の筋肉を均等に発達させることができる

水泳の泳ぎは左右対称の動き。すなわち体の左右どちらの筋肉も均等に動かすことになるので、バランスよく発達させることができます。また、水には浮力があります。重力を感じない分、思い切り全身を動かせるので、ストレスを感じることなく筋肉を動かせるようになります。

④呼吸筋の発達を促すことができる

水の中で息を吐き、顔を水中から出している短い時間で息を吸うという水泳ならではの呼吸法をすることで、呼吸筋を発達させることできます。

⑤忍耐強くなる

泳ぎの上達が必ず停滞する時期が来ます。たとえばなかなか次の級に進めない、タイムが伸びないなどです。そんなときはじっと耐えながら日頃のレッスンをコツコツ続けることでやがて道が開け、また上達しはじめるようにになります。このような経験を積み重ねることで、忍耐強くなります。

親の負担は?

A. 送迎と持ち物の準備以外ないと思います。

スイミングの場合は、家で一緒に練習をすることも基本はありません。レッスンの内容について子どもに聞いて、今までできていなかったことができるようになっていたら、たっぷりほめてあげてください。

 通えそうなスクールがあったら必ず子どもと見学を

スクールはどうやって選ぶのがいいのでしょうか。スクール選びのポイントを聞きました。

スクール選びのポイントは?

A. 家から通いやすいところをいくつかピックアップし、必ず見学や体験授業を受けてみてください。コーチが子どもたちをほめながらアドバイスをしているか、ロッカールームの清潔さなども確認しましょう。

準備するものは?

A. 水着とゴーグルとタオル、帽子です。スクールによっては水着と帽子は指定されていることがあります。前もってきちんと確認をしましょう。

月謝の相場は?

A. 週1回、約60分で7000円~9000円前後です。

私が教えているスクールでは週1回で7445円です。このほか施設によって入会金や施設使用料などがかかることもあります。※全て税込み 

子どもを叱咤激励よりほめて寄り添うことが大切

進級テストに落ちてしまいました…どうしたらいい?

A. 叱咤激励よりも子どもの気持ちに寄り添って共感をしてあげてください。

親としては見ていて歯がゆいので、つい「何やってるの!」と言いたくなりますが、それはNGです。それよりも「大変だよね」「難しいよね」と、子どもに共感するような声かけをしてあげてください。子どもたちは自分のことをわかってくれたと感じ、それが泳ぎの自信につながります。

日本スイミングクラブ協会・目黒伸良さんからのメッセージ

スイミングは、できなかったことができるようになった!というのがとても分かりやすいスポーツです。昨日まで5mしか泳げなかったのに、今日は6m泳げたとなると、大きな自信になります。小学生だからって泳ぎはじめるのは遅くはありません!子どもが「スイミングをやりたい!」と言ったら、気持ちを受け止めてサポートしてくださいね。

【プロフィール:目黒伸良】

1952年生まれ、山形県出身。中央大学商学部会計学科卒業。トップスイミングクラブ(三重県四日市市)で子どもを教える傍ら、一般社団法人・日本スイミングクラブ協会指導力向上委員会の副委員長としてスイミング指導者の育成に取り組んでいます。著書に「ベビースイミング指導理論」(環境工学社)、「幼児と学童のための水泳指導理論」(松柏社)、共著に「水泳教師教本」(大修館書店)など。

関連記事:ベビースイミングを始めるなら何歳から?レッスン内容やメリット、教室を選ぶ基準も

関連記事:スイミングは何歳からはじめるべき?幼児スイミングのメリットは?スクール選びも解説


高橋知寿
高橋知寿

子育て情報誌、不妊治療情報誌などをメインにライティング、ページ制作を行っている。そのほか、旅行情報誌、ライフスタイル情報誌などの編集、原稿制作も手がけている。自身も夫もひとりっこなので、戸惑いながらきょうだいの育児に奮闘中。子どものころに熱中していたのは、自分の新しい名前を考えること。最後に「子」が付く名前に憧れ、四六時中、考えていた。小学校低学年当時、自分で考えて気に入っていた名前は「ごだいごはなこ」。

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