2021.08.25
習い事Q&A 吹奏楽作家 オザワ部長

吹奏楽のおすすめ&人気のかっこいい曲12選!コンクールや文化祭に最適な定番も

吹奏楽部で演奏する曲にはどんな曲があるの?かっこいい曲を教えてほしい! そんなあなたのために、おすすめの曲を紹介。吹奏楽作家として多数の著書があり、テレビ・ラジオ出演、CD選曲など幅広く活躍するオザワ部長さんが詳しく解説します! 

吹奏楽部や楽団で演奏をするとき、やっぱりシンプルに「かっこいい曲」だと練習も楽しくなりますよね。それに、コンクールや文化祭、定期演奏会といった本番で演奏したときに観客がノッてくれたり、演奏が終わった後に「ワーッ!」と盛り上がったりするのは嬉しいものです。

ということで、世界でただ一人の吹奏楽作家・オザワ部長がレベル別に「かっこいい曲」をご紹介していきます!

【初級】吹奏楽のおすすめ&人気のかっこいい曲3選

アルヴァマー序曲

●作曲

ジェームズ・バーンズ

●選定理由(ここがポイント!)

アメリカの作曲家、バーンズの曲は1980年代から日本の吹奏楽界で大ブレイクしましたが、最近また人気が盛り上がってきています。《交響曲第3番》《交響的序曲》《祈りとトッカータ》なども有名ですが、やはりオススメしたいのは《アルヴァマー序曲》。1980年代には現在の《宝島》のように「ほとんどのバンドが演奏している曲」でした。初めて聴く人でも楽しめますが、かつて吹奏楽部だった大人世代には非常にウケがいい曲です。

前半は低音が刻むリズムの上にゆったりしたメロディが流れる展開で、これが非常にかっこいい! 中間部は泣けるメロディが続くのもまた良しです。ただし、終盤には木管楽器に猛烈な高速パッセージ(いわゆる連符)が登場します。レベルアップのための試練だと思って取り組んでみてください。

●編成

大編成

ドラゴンクエストによるコンサート・セレクション

●作曲

すぎやまこういち

●編曲

真島俊夫

●選定理由(ここがポイント!) 

ゲーム音楽は、親しみやすくてドラマティックなのでコンサートでも観客に喜ばれますが、特に「ドラゴンクエスト」は子どもから大人まで遊んだことがある人が非常に多いタイトルで、たとえやったことがなくてもオープニングのファンファーレやメロディは知っています。そして、東京2020オリンピックの開会式で流れたことで、再び脚光を浴びています。

特に有名な「ドラゴンクエストI〜III」という初期3部作の音楽をコンサート用に編曲したこの《ドラゴンクエストによるコンサート・セレクション》は難易度が初〜中級で、《宝島》の編曲でも知られる真島俊夫の名アレンジも楽しめます。演奏時間は10分弱と長めですが、ぜひゲームの画面やモンスターを想像しながら演奏してみてください。

●編成

大編成

アフリカン・シンフォニー

●作曲

ヴァン・マッコイ

●編曲

岩井直溥 

●選定理由(ここがポイント!) 

野球応援の定番曲になっている《アフリカン・シンフォニー》は、比較的取り組みやすい曲でもあります。様々な編曲家がアレンジした楽譜がありますが(小編成向けもあります)、やはり原点である「吹奏楽ポップスの父」こと岩井直溥の編曲したバージョンは、アフリカの大地が目の前に広がってくるかのような打楽器の前奏から、象の鳴き声を思わせるホルンの音が響き、壮大さやワイルドさを感じさせます。

演奏の難度が低めにもかかわらず、コンサートでの観客のウケがいいため、効果の高いプログラムです。もちろん、演奏しているほうも自然と野生動物になったかのような気持ちで熱く演奏できます。ちなみに、原曲を作ったヴァン・マッコイはディスコミュージックで活躍した作曲家・音楽プロデューサーで、《ハッスル》という大ヒット曲もあります。ぜひ《アフリカン・シンフォニー》の原曲や《ハッスル》も聴いてみてください。

●編成

大編成

【中級】吹奏楽のおすすめ&人気のかっこいい曲3選

風紋

●作曲

保科洋 

●選定理由(ここがポイント!) 

1987年の吹奏楽コンクール課題曲だった《風紋》ですが、その素晴らしさから多くのバンドにコンサートで演奏され、また、コンクールの自由曲としても演奏されています(課題曲だったのに!)。

難度は中級で、中学校以上のバンドであればおおよそ演奏可能だと思いますが、噛めば噛むほど味が出てくる楽譜です。目の前に風紋(風によって砂の上に浮かび上がる紋様)が浮かんでくるような曲調は、演奏者にも感動を呼び起こします。

課題曲の歴史に残る名曲の一つです。なお、作曲者本人が改訂した《風紋(原典版)》もあり、課題曲版よりも演奏時間は長めになっています。

●編成

小編成〜

スペイン


●作曲

チック・コリア

●編曲

真島俊夫

●選定理由(ここがポイント!) 

アメリカのジャズピアニスト・作曲家であるチック・コリアが作曲した《スペイン》は、吹奏楽でも人気曲の一つで、無条件に観客のテンションを上げることができる曲です。アレンジも複数ありますが、オザワ部長が推したいのは真島俊夫編曲版。冒頭の哀愁漂うトランペットのソロから始まり、一気にアップテンポで畳み掛けるように曲が展開していきます。

サックスやホルンに目立つ見せ場があり、中間部にはアルトサックスとトランペットのオシャレでなかなか難しいソロがあります。ソリストの技量が必要とされる点、リズムが難しい点から、決して気軽に取り組めるアレンジではありませんが、ぜひチャレンジしていただきたいです。

●編成

大編成

セプテンバー

●作曲

M・ホワイト、A・マッケイ、A・ウィリス

●編曲

中路英明

●吹奏楽編曲

郷間幹男

●選定理由(ここがポイント!) 

アメリカのファンクバンド「アース・ウインド&ファイアー」の代表曲の一つ。「セプテンバー(9月)」というタイトルですが、歌詞は12月に9月の出来事を思い出すという内容です。ノリがいいダンスナンバーですが、少し大人でオシャレなテイストになっています。吹奏楽アレンジで強力にプッシュしたいのは、熱帯JAZZ楽団バージョンの《セプテンバー》です。

このアレンジはイントロに転調があるのですが、実は原曲にはありません。その転調にこれから始まる曲への期待感を一気に高める効果があり、めちゃくちゃかっこいいのです。なお、イントロや間奏はピアノがメインで、ピアニストを必要とします。また、全体を通じてサックスソロがフィーチャーされているため、サックス奏者に高い技術が要求されます。

●編成

中編成〜

【上級】吹奏楽のおすすめ&人気のかっこいい曲3選

ブリュッセル・レクイエム


●作曲

ベルト・アッペルモント

●選定理由(ここがポイント!) 

2018年の全日本吹奏楽コンクールで、北斗市立上磯中学校・精華女子高校・名取交響吹奏楽団という実力あるバンドが演奏してすべて金賞を受賞。なんと翌年の全日本吹奏楽コンクールでは計11団体が演奏するという大ヒット曲となりました。

冒頭は静かなクラリネットソロから始まり、ソリストには大きなプレッシャーがかかります。その後、静かな流れが続いた後、一転してジェットコースターのような展開になります。全パートに超絶技巧が必要とされます。中間部では、感動的なユーフォニアムのメロディ〜オーボエソロ(このあたりの流れはカットによって変わります)に泣かされ、終盤は再びジェットコースター。怒涛のようなエンディングになだれ込んでいきます。

演奏の難易度を表すグレードは最高レベルの6ですが、バンドの力をつけてぜひ挑んでいただきたい曲です。

●編成

中編成〜

ルパン三世のテーマ


●作曲

大野雄二

●編曲

星出尚志

●選定理由(ここがポイント!) 

1971年に初めてテレビアニメとして放映されて以降、今でも新作が作られ続けているロングヒットアニメシリーズ『ルパン三世』。それまでのアニメ音楽の常識を覆すクールなインストゥルメンタル(歌がない楽器演奏のみの曲)で、吹奏楽でも大人気です。数多くの吹奏楽アレンジが存在する中、イチオシなのは星出尚志編曲による「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」版の《ルパン三世のテーマ》。

はっきり言って、とっても難しいです。とにかく、冒頭からトランペットがハイトーンでぶちかまさなければなりませんし、他の楽器も楽譜がとても複雑。曲を聴いた感じで演奏すると楽譜どおりにならず、楽譜どおりに演奏するとかっこよくならない、というハードさがあります。

しかし、この曲を見事に演奏できるようになったときには会場も超絶盛り上がることでしょう!

●編成

大編成

エル・カミーノ・レアル


●作曲

アルフレッド・リード

●選定理由(ここがポイント!) 

「吹奏楽の神様」とも称されるアメリカの作曲家、アルフレッド・リードの曲にはぜひトライしていただきたいですが、中でもかっこいいのが「エルカミ」こと《エル・カミーノ・レアル》です。タイトルは「神の道」という意味で、実際にアメリカにはこの名前がついた通りがあります。曲は冒頭からハイテンションで突っ走ります。

曲のサブタイトルに《ア・ラテン・ファンタジー》とあるように、ラテン調のコード進行で進んでいくのですが、テンポが速いこともあって一筋縄ではいかない譜面です。

オーボエのソロが美しいゆったりした中間部も拍子が細かく変化するので気が抜けず、再びテンポアップするとノンストップでエンディングへ。半端なくエネルギーを必要とする曲ですが、会場は非常に盛り上がります。

●編成

大編成

【オザワ部長推薦!】吹奏楽のおすすめ&人気のかっこいい曲3選

ラ・フォルム・ドゥ・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ


●作曲

天野正道

●選定理由(ここがポイント!) 

ここまでに挙げた9曲はすべてハイテンションな曲でしたが、このフランス語のタイトル(「愛は万華鏡のように移り変わる」という意味)を持つこの曲は「美しさ」と「ロマンティシズム」という面でかっこいい曲です。

フルートソロやオーボエソロなどによって導かれる冒頭は、あたかも音楽の恋愛映画を見ているような気分にさせられます。その後、一転してホルンやトロンボーンが勇ましく吠える部分などもありながら、壮大で感動的なエンディングに至ります。

コンクールの自由曲としても人気ですが、難度はやや控えめ。ぜひ演奏してみてください!

●編成

大編成

ミュージカル「レ・ミゼラブル」より


●作曲

クロード=ミシェル・シェーンベルク

●編曲

森田一浩

●選定理由(ここがポイント!) 

吹奏楽では、管弦楽やオペラなど様々なジャンルの音楽を編曲して演奏しますが、ミュージカルもその1つ。中でもオススメなのは、『レ・ミゼラブル』です。革命期のフランスを舞台にした物語で、ヴィクトル・ユーゴーの原作をクロード=ミシェル・シェーンベルクの音楽でミュージカルにし、さらに映画化もされました。

吹奏楽では、森田一浩編曲版がオススメ。2013年の全日本吹奏楽コンクールで埼玉県立伊奈学園総合高校吹奏楽部が演奏して金賞を受賞しています。物語を彩る7曲がいわばメドレー調に登場しますが、それぞれドラマティックで、聴く者を飽きさせません。

《夢やぶれて》《オン・マイ・オウン》《民衆の歌》など、涙腺に緩ませる曲で客席を感動の渦に包みましょう。

●編成

大編成

吹奏楽のためのインヴェンション第1番


●作曲

内藤淳一

●選定理由(ここがポイント!) 

1983年の吹奏楽コンクール課題曲。オザワ部長が人生で初めて演奏した課題曲でもあります。華々しく重厚な序奏からスタートし、主題がクラリネットとサックスが優美に切なく絡み合いながら進んでいきます。

途中、リズミカルかつ勇壮な部分を挟み、アルトサックスの泣けるソロに導かれ、徐々に盛り上がりながらエンディングへと突入します。難度的には初〜中級で充分に演奏でき、演奏効果も非常に高い曲です。

3分30秒ほどの長さなので、吹奏楽に慣れていない聴衆にも飽きずに聴いてもらえるでしょう。曲全体にあふれている作曲者・内藤淳一先生の優しさもぜひ感じていただきたいです。

●編成

中編成〜

まとめ

コンクールの自由曲や課題曲、ゲーム・洋楽・アニメ・ミュージカルの編曲作品など様々なジャンルから12曲を選びました。

自分たちが演奏して「かっこいい」と思えるかだけでなく、観客にもそう思ってもらえる曲を選ぶには、観客の客層(年齢、性別、吹奏楽経験の有無など)を考えておく必要があります。また、「きっと楽しんでもらえるはず」と思っても、意外に反応が薄い場合もありますので、演奏するたびに「ウケているかどうか」を観察し、次のコンサートに生かすといいでしょう。もちろん、「自分たちはこれがかっこいいんだ! みんなにも知ってもらいたい!」と思い切って演奏してみることも悪くありません。

ぜひ「かっこいい曲」をたくさん演奏して、「かっこいいバンド」になっていってくださいね!

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吹奏楽作家 オザワ部長
吹奏楽作家 オザワ部長

世界でただ一人の吹奏楽作家。神奈川県出身。早稲田大学第一文学部卒。在学中は芥川賞作家・三田誠広に師事。『吹部ノート①②③』『みんなのあるある吹奏楽部』『美爆音!ぼくらの青春シンフォニー 習志野高校吹奏楽部の仲間たち』など著書多数。テレビ・ラジオ出演、CD選曲など幅広く活躍中。現役時代はサックス担当。

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