【初心者・子ども向け】テニスのサーブの上手な打ち方・フォームまとめ
サーブはどう構えて、どう打てばいいの?海外8カ国11都市を巡ってテニスのコーチングを研究し、直接指導や情報配信を行ってきた稲本昌之さんが、打ち方や動きかた、つまづきやすいポイント、練習メニューなどについて詳しく解説します!
今日のポイント
- テニスにおけるサーブの重要性とは?
- 【初心者・子ども向け】サーブの足の位置と正しいグリップ
- 【初心者・子ども向け】基本的なサーブの打ち方の流れ
- 初心者や子どもがサーブの打ち方の練習でつまづきやすいポイントと改善方法
- 【応用編】サーブのスピード・パワーを高める打ち方のコツ
- 自宅・室内でできるおすすめのサーブ練習メニュー
- まとめ
- サーブ練習におすすめの解説動画
テニス&非認知能力をダブルで磨く「プリマステラ テニススクール」
テニスにおけるサーブ練習の重要性とは?
テニスと聞いてまず真っ先にイメージするショットと言えば、かっこいいサーブでしょう。しかし、簡単そうに見えてつまづきやすいショットでもあります。ここでは2つの理由を紹介します。
①サーブはテニスで唯一の「クローズドスキル」
サーブは、テニスの中で唯一、相手のボールの影響を受けない、自分だけで打てるショットです。相手のボールに対応する、ストローク、ボレーなどの技術はオープンスキルと呼ばれる一方で、サーブは「クローズドスキル」と呼ばれます。
相手のボールの力を利用することができないため、テニスの中でも特別なショットと言えます。自分一人でタイミングを作り、自分の力でボールを飛ばし、狙ったところにコントロールするのは、簡単ではありません。
②苦手意識がつきやすいショット
身体の横でラケットを振るストロークと違い、サーブではラケットを上に振り上げます。ボールを投げる投球動作に似ているため、ボール投げ経験が男子に比べると不足しがちな女子選手などにとっては、苦手意識がつきやすい動きです。
また、練習の過程で、コーチにボールを出してもらったり、ラリーをしてもらったりと、上手い人にリードしてもらえない技術であるため、コツが覚えにくいショットでもあります。
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テニスをし始めた時から少しずつ取り組もう
サーブは、前述のようにテニス唯一のクローズドスキルであり、苦手意識がつきやすいショットでもあります。正しい指導を受けたからといって、すぐにできるようになるとは限りません。テニスを始めたときから少しずつ練習しておくことをおすすめします。
【初心者・子ども向け】サーブの足の位置と正しいグリップ
サーブはまず打つ前の構えが大切になります。うまくボールを飛ばすために、正しい足の位置、そして構えた時の正しいグリップの握り方を紹介します。
サーブの足の位置
足の位置は個性が出やすいところではありますが、まずは基本通りの形から始めてみましょう。
はじめに、身体が予め横を向くように立ちます。
打ちながら身体を前に向けていくので、前の足はベースラインに対して斜め45度ほどに傾けて前に出しておくと良いでしょう。後ろの足は、ベースラインと平行にします。
また、コート中央より右側のデュースサード、左側のアドバンテージサイドに関わらず、左足と右足の爪先を結んだラインが斜め30度くらいになる状態が理想です。
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正しいグリップを理解する
ラケットの握り方として「コンチネンタルグリップ」を覚えましょう。
コンチネンタルグリップは、包丁を持つ時のような握り方で握ります。ラケットを金づちのようにイメージし、フレームで釘を打つような動きができればOKです。
ラケットの打球面を表とした時に、グリップの裏側に手の平があまり当たらないように注意して、人差し指と中指の間隔を開けて握りましょう。
手のひらの大きさや、握る時の手首の角度によっても少しずつ違う握りになるため、コーチによく確認してもらうことをおすすめします。
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それぞれの許容範囲と絶対にやってはいけないこと
足の位置もグリップも、きっちりと教科書通りにする必要はありません。それぞれの打ちやすい形を優先して、少しずつ違って構いません。ただし、極端なものは修正しましょう。
特に、ひじから先だけを使ってボールにラケットを当てるように打つ、羽子板のような打ち方(猫パンチとも言われます)にならないように要注意です。
この打ち方は、コンチネンタルグリップよりも手が右周りに回った状態(グリップが厚い)でラケットを握ることが多く、悪い例の代表であり、羽子板サーブと呼ばれています。
羽子板サーブは、ボールには当てやすいのですが、その感覚を覚えてしまうとコンチネンタルグリップで肩を回してサーブを打つ動作を覚えにくくなります。
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【初心者・子ども向け】基本的なサーブの打ち方の流れ
正しい構えができたらボールを打っていきましょう。ここではトスアップ→トロフィーポーズ→スイングの順番でその流れを紹介します。
サーブのトスの上げ方(右利きの場合)
ボールを左手で持ちます。ボール全体が指の上と手のひらに半分ずつ乗るように置きます。力を入れ過ぎず、親指で軽く支えましょう。
ボールをトスアップする位置は、頭の上よりも少し右側でベースラインの少し内側を心がけます。
将来的に回転をかけるようになると、トスアップの位置も変わりますが、まずは無理なく、回転をかけないフラットサーブが打てる高さに投げましょう。方向は、選手の目線で見たときに、ネットに対して横向きになっているため、身体の左斜め前に上げるイメージです。ネットの方向を時計の12時としたときに、1時の方向にトスアップすると良いでしょう。
打ちやすい高さに上がるように、ボールが当たる瞬間をイメージしてラケットを振り上げて止めてみましょう。実際には、そのラケットの位置からさらにラケット半分〜1本分ほど上にボールを投げます。
トスアップのときは、左手が動くと同時に右手でラケットを持ち上げ始めましょう。両手で万歳するようなイメージで両手を動かしていきます。
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綺麗なトロフィーポーズを意識する
トスアップの後に、ラケットを担ぎ上げて一瞬静止する姿勢をトロフィーポーズと言います。トロフィーの一番上にこのポーズをした人がよく使われているため、そう呼ばれており、サーブを打つときの理想的な姿です。
トスアップであげた左手は、すぐに下げずに上方に残しましょう。身体の開きを抑える役割や、振り出しのタイミングを測ることにも役立ちます。
身体の3つの反りを意識しましょう
①後ろに反る
膝から曲がって後に倒れるイメージです。腰を反ると痛める恐れがるので注意です。
②横に反る
左腰を前に突き出すようにします。「く」の字になるイメージです。
③上半身をひねる
上半身をひねり胸を張ります。
上記3つの動きを同時に行うと綺麗なトロフィーポーズになります。
右肘、右脇が90度に固定するように意識します。角度が狭くなって肘が下がって腕が潰れるような形にならないように気をつけます。
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スウィング動作のポイント
スイング動作は、ボールを投げるときの「オーバースロー」をイメージします。身体を横向きから前向きにしながら腕を振り上げることで、無理なく腕が持ち上がります。
右手を上げるタイミングで左手を下げて、入れ替えるように使いましょう。スムーズな加速を生み出し、左手を下ろしたところで軽く止めるようにすると、身体の開きを抑えられます。おへそに当てても構いません。コンチネンタルグリップを使って上手くスイングできれば、腕は「プロネーション」と呼ばれる動きになります。
初心者や子どもがサーブの打ち方を練習するときにつまづきやすいポイントと改善方法
これまでに紹介した正しい構えからスイングまでを練習してみましょう。うまく打てない場合は、以下のつまづきやすいポイントをチェックしてみてください。両手のバランス、打点、ボールの軌道をチェックポイントに挙げてみました。
☓両手がバランス良く使えない
左手でトスアップしながら、右手はラケットを持ち上げる動きがスムーズにできない場合は、トスを上げる前に、先にラケットだけ持ち上げておいても良いでしょう。
慣れるまでは、先に右手でラケットを用意し、トスを上げます。打つことに慣れてきたら、もう一度、両手同時に動かせるように万歳するイメージでトスアップしましょう。
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☓打点が低くなる
打点が低くなり、腕だけでなく身体も縮こまってしまうケースがよくあります。まだボールが高い位置にあるうちに、自分から伸び上がって打ちにいくイメージで、打点を高く取りましょう。
☓直線的に打とうとしてしまう
サーブを高い位置から打ち下ろすように入れるためには、身長が2メートル以上必要だと言われています。特に小学生のうちは、打点が低いため、直線的な弾道では入りにくいでしょう。少し、山なりの軌道になるように意識しましょう。
では、どうしたら改善できるかを解説します。
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◎入るよりも気持ちよく振るを優先しよう
サーブを入れることを考えると、山なりの軌道が必要になり、正しいスイングが学べない可能性もあります。そのため、ベースラインの内側から打つ練習をして、打点を高く取り、正しく振ることを目標にすると、良いスイングが身につきます。
◎発育次第で無理なこともある 許容範囲を持とう
トロフィーポーズや肘を下げないポーズなどは、発育スピードによって筋力が足らず、いくら頑張っても上手くいかないときがあります。焦らずに身体の発育を待ちながらフォームを作っていきましょう。
サーブを入れようとすると中途半端なスイングになり、しっかり振ろうとすると今度はサーブが入らない……、最初は全員そのジレンマと闘います。根気よく練習しましょう。
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【応用編】サーブのスピード・パワーを高めるコツ
基本のフォームが身についたらスピードとパワーを求めていきましょう。ただ単に思い切り振るだけでは効果的ではありません。ここでは効果的にスピードとパワーを高められる方法をお伝えします。
ボールを下に叩きつけたり遠くに飛ばしたりする
鋭いスイングを身につけるために、わざと地面に叩きつけたり、わざとベースラインまで飛ばしたりと、枠に囚われずに思い切り打ちましょう。
そうすることでラケットを加速させるコツがわかります。また、入れることばかり考えずに、ネット上の白帯を狙って打ちましょう。
子どもの頃は、身長が低くてネットしやすいですが、身体の成長とともに入るようになります。まずは加速するスイングを学びましょう。
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様々なボールの投げ方を試して全身運動を身につけよう
サーブは全身運動です。下半身から上半身へ力を伝える動き、そして、その力を腕に伝える運動連鎖が必要です。
その連鎖を育むために、様々なボールの投げ方を試すと良いでしょう。片手でボールを投げるだけでなく、ドッチボール大の大きさのボールを両手で上から遠くに投げたり、上から下へ地面に叩きつけたりすることもおすすめです。
蹴り上げを意識しよう
打ち終わった後に、後足が大きく蹴り上がるように心がけましょう。下半身の力をしっかりと使えたかどうかの目安になります。野球のピッチャーの投球後をイメージするとわかりやすいでしょう。
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自宅・室内でできるおすすめの練習メニュー|サーブの打ち方
テニスができない日や雨の日など練習できるように室内の狭いスペースでも可能な練習法ほうをいくつかご紹介します。実際にボールを打つことはできなくても、身体に感覚を覚え込ませることで、次にコートでボールを打つ時に役立つ練習を紹介します。
タオル、うちわ、めんこで腕の振りを練習
タオルやうちわ、めんこを使って室内で腕の振りを練習します。タオルは横向きから前向きの身体動作と肩の回転の連動を意識しやすいです。
うちわを使うと、プロネーションの動きがイメージしやすいです。コンチネンタルグリップで持って、自分を仰ぐようにしましょう。また、メンコはひじの動きをマスターするのに適しています。
腕が内旋と呼ばれる動きから一気に外旋→内旋と動いて加速するイメージが作りやすいです。
トスアップの練習はひざをつけば室内でできる
トスアップは膝をついてや正座して行うと室内でもできます。ハンカチなどを置いて、落とす位置を決めて練習しましょう。
テニス&非認知能力をダブルで磨く「プリマステラ テニススクール」
トロフィーポーズの3つの反りを確認
壁に頭、左腰、右ひじを当てて、トロフィーポーズを作る3つの大きな動きを確認しましょう。
後に倒れる動きは、壁に頭をつけるようにして行います。
左腰を突き出す動きは壁に左腰だけ届くようにします。
捻る動きは、適度な距離をとって右肘で壁にタッチしましょう。
これら3つの動きを確認した後、トロフィーポーズを作れば、正しい形がイメージしやすくなります。
まとめ
サーブは、相手の影響を受けずに自分一人で打てるショットです。それだけに正しいフォームを習得しなければ、綺麗にボールを飛ばすことができません。正しいフォームを身につけて、正しくトスアップできるまでは、気持ちよく打つこともできません。
サーブの打ち方の習得には時間がかかるため、テニスを始めたときから少しずつ練習しておくことをおすすめします。ストロークが打てるようになってからやろう、などと思っていると上達が遅れてしまいます。
また、最初からフォームにこだわり過ぎたり、入れることにこだわり過ぎると、強いストレスがかかり、のびのびとしたフォームが習得しにくくなります。ボールを投げる動作を練習したり、入れることにこだわらずに大きく打ったりしながら、全身を使った大きな振りを学んでいきましょう。
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サーブ練習におすすめの解説動画
こちらは私がYouTubeにアップした基本のサーブの動作を網羅した動画になります。構えから始まってトスアップ、トロフィーポーズ、スイングまで基本的な動作を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
テニスが学べるおすすめの習い事教室
ここからは、みらのび編集部がおすすめの教室を紹介します。
テニススクール プリマステラ
本格的にテニスを学びたいときは、スクールでの習い事がおすすめです。
「テニススクール プリマステラ」では、 初心者でもテニスの簡単な試合やラリーが楽しめます。もちろん、サーブをたっぷり練習したり、技術を磨く機会も提供されます。
3~6歳の未就学児クラス(キッズスクール)と小学生クラスがあり、テニスのスキルアップに加え、子どもたち同士の交流なども盛ん。サーブの練習ははじめはうまくいかないことも多いものですが「失敗しても大丈夫」という雰囲気があり、子どもたちは自然とチャレンジする姿勢も強めていきます。
週1回のレッスンで、月会費は8600円。スクールは東京、埼玉、神奈川、広島で展開されています。
様々な競技を総合的に練習するスポーツスクール「biima sports」(テニスあり)
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中学時代にテニスを始め、大学卒業後は江坂テニスセンターのコーチに。26歳でバルセロナへテニス留学。アンディ・マレーやスベトラーナ・クズネツォワなど、後に世界トップランカーとなる選手と練習を共にし、帰国後、留学経験を生かし江坂TCのキッズ・ジュニア育成を担当。2016年に独立。計8カ国11都市でコーチングを研究しました。「テニスコーチ.jp」で情報を発信しながらコーチングや留学サポートを行っています。