2021.08.07
習い事Q&A 白根理恵

少年野球のバッティングおすすめ練習法3つ!全国大会2連覇を成し遂げたチームに聞く

ここぞというときにヒットを打ちたい!もっと飛距離を伸ばしたい!バッティングのさまざまな悩みを解決するにはどんな練習をすればよいのでしょうか。打つためのコツを、30年以上指導を務め、2018年と2019年の高松宮賜杯全日本学童軟式野球大会で2連覇を成し遂げた多賀少年野球クラブ(滋賀県)の辻正人監督にお話を聞きました。

<今日のポイント>

  1. バットにボールを当てるために必要なのは正しいフォームと空間認知力
  2. バッティングのスキルを磨くには大きいボールを使うこと
  3. 筋力をつける練習、芯にあてる練習、ミート力をあげる練習がおすすめ
  4. 子どもが練習したいと思ったときに親も一緒に練習することが大切

バットにボールを当てるために必要なのは正しいフォームと空間認知力

バットにボールを当てるためには、正しいフォームを身につけることとボールとの距離感をうまくつかめるようになることです。まず、動画を見ながら正しいフォームをおさらいしましょう。

どうして打てないの?

A. 「正しい構え(姿勢)」「体重移動」「スイング」を見直す必要があるかもしれません。バットは頭の後ろに当たるぐらいの位置まで引いて、やや前かがみ気味に構えます。ボールを打つときには、軸足と反対の足を前に踏み込み、頭を固定したまま足から腰、肩の順番に体をひねります。左肘を後ろに引くように肩を回してバットを振ります。


バットが頭につくぐらい後ろに引く理由は、ボールまでの助走をつけて、飛距離を出すためです。逆にバットがボールに当たる「ミート」の確率を上げるには、バットを後ろまで 引かず助走を短くすることです。足を踏み込んだときから、頭を動かさずに固定しておくことがポイントです。頭が動いてしまうと、視界が揺れてストライクゾーンを見極めにくくなるからです。肩が回ってからバットが後から回るように、親がバットの先を持ってあげて素振りをする練習をするとよいでしょう。

実は子どもは左右どちらでも打てる!?

A.  体が未発達の小学5年生ごろまでは、右打ちと左打ちの両方を打てるように練習しましょう。両方で打たせるとバランスよく筋力がつき、体への負担も少ないです。5年生ごろになると、どちらかで打つか自分で決めるとよいでしょう。 

ボールとの距離感がつかめない…どうすれば?

A. 自分とボールとの距離をはかるための「空間認知能力」が育っていないからです。この能力がないと、ピッチャーが投げたボールが自分のところに届くまでの時間が分からないのでバットを振るタイミングがつかめず、空振りしてしまう原因になります。

バッティングをする前に、まずは転がってくるボールを捕る練習をしましょう。実は、バットにボールを当てるタイミングと、グラブでボールをキャッチするタイミングは同じなんです。ボールを捕る練習を3ヵ月程度続けると、だんだんボールとの距離感が身についてきます。そうすると、バットを振るタイミングも自然とわかるようになります。

バッティングのスキルを磨くには大きいボールを使うこと

バットにボールを当てるためにはどんな練習をすればよい?

A. 野球のボールの代わりに、ドッジボールやサッカーボール、ビーチボールなどの大きいボールを打つ練習からはじめましょう。

ボールをバットに当てるには、ボールとの距離感を身につけることが大切です。大きいボールを前から投げて打たせてあげる練習をしていると、バットを振り出すタイミングをつかめるようになります。風船を上から落として打たせてもよいです。うちのチームでは2~3歳の子どもにさせていますが、小学生でも2~3週間やるだけでだいぶ変わります。子どもが打ちやすいところにボールを投げてあげるのがポイント。

ストライクとボールを見分けられるようになるにはどうすればいい?

A. とにかくたくさんの球を打つことです。

たくさんボールを打っていると、だんだん打ちやすいボールが分かってきます。一球ごとに「今のはストライク」「今のはボール」と教えてあげるとよいでしょう。テレビで野球観戦をするのも役立ちます。打つときに頭を前後や左右に動かさずに固定することも、ストライクとボールを見分けるために大切です。

君もホームランが打てる!親子でできるおすすめトレーニング3つ

なかなか飛距離が伸びないというときのトレーニング方法を聞いてみました。

飛距離を伸ばすにはどうすればいいの?

A. ボールが飛んでくるのをぎりぎりまで待ち、一気にスイングして芯に当てます。

飛距離を伸ばすために必要なのは、バットの回転スピードを上げることです。回転スピードを上げるには、飛んでくるボールをできるだけぎりぎりまで待って力をためておき、かまえたところから一気にスイングします。バットを一気に振りぬくために筋力をつけることと、バットの先から10cmぐらいの芯に当てるための練習することが大切です。

①筋力をつけるための練習

1日になるべくたくさんの球を打つ。筋トレなど特別な練習をするより、試合で使うより長いバットや重いバットで打つなど、実際の野球の動きのなかで負荷をかけると効果的。

②芯にあてるための練習

バットの先から10cmのところに目印としてビニールテープなどを巻き、印をつけたところにボールが当たるようにティーバッティングの練習をする。きちんと印の部分にボールが当たっているか親が前から見てあげたり、動画を撮って子ども自身に確認させたりするとよいでしょう。

③ミート力をあげる練習

バドミントンの羽根や、新聞紙などを丸めて作ったボールを使ってティーバッティングする。羽根やボールを投げるときは、実際に球が飛んでくるのと同じように前から投げるのがポイント。

飛距離は「バット」で決まる!? 

飛距離がでる魔法のバットがあるという噂もあります(笑)しかし、まずは、バットを選ぶときは体の大きさや力の強さに合っているかどうかを考慮しましょう。ちなみに、バットは短いものよりも長い方が、軽いものよりも重い方が飛距離が出ます。

<目安>小学1・2年:78cm 小学3年:80cm 小学4・5年:82cm 小学6年:84cm

子どもが練習したいと思ったときに親も一緒に練習することが大切

親ができるバッティングのサポートや注意点についても解説します。

親が子どものためにできることは? 

A. ティーバッティングのボールを投げてあげたり、バッティングフォームの動画を撮ってあげたりしましょう。

素振りをするよりは、ボールや羽根などの「目標物」を使ったバッティング練習をしましょう。中学1、2年生ごろまでの子どもは骨が未発達なため、目標物なしでバットを振り続けると、体に無理な力が入り、腰椎の疲労骨折につながることがあるからです。逆に目標物があると、打つ瞬間だけに力を入れられるため腰への負担を軽減することができます。

子どもにはどんな声をかけたらいいの?

A. ネガティブな言葉や否定的な言葉ではなく、前向きになれる言葉をかけてください。

声のかけ方次第で子どもの成長の度合いは変わります。たとえば、「ボール球を打たないように」ではなく「ストライクゾーンを打とう」という言い方をしてみてください。子どもがボールを打ちたいという気持ちを育てることが大切です。飛距離を出したい子どもには、「前に向かって大きくスイングしよう」と言ってあげるのもよいでしょう。

辻正人さんからのメッセージ

子どものバッティング力を伸ばすには、どんなボールでも打とうとする気持ちを忘れさせないことが大事です。子どもの好奇心に蓋をしないように、否定的な言葉ではなく前向きな言葉で子どもを応援してあげてください。子どもががんばって練習をしているのを見ているだけでなく、ぜひお父さんやお母さんも一緒に練習に取り組んであげてほしいです。

【プロフィール:辻正人(つじ・まさと)】

1968年滋賀県生まれ。近畿大学法学部卒。近江高校の硬式野球部出身。20歳のときに多賀少年野球クラブ(同県多賀町)を結成し、現在も監督として指導を続けている。クラブの卒団生には、楽天イーグルスの則本昂大投手も。「子どもファースト」を掲げた野球スタイルで、2018年と2019年の高松宮賜杯全日本学童軟式野球大会で優勝。クラブには約70人が所属。中には多賀町の移住・子育て支援の制度を通して多賀町に引っ越して野球をしている子もいる。

写真・動画撮影:北川サイラ

白根理恵
白根理恵

本業は会社員の副業ライター。ジャンルを問わず、知らない世界にも無謀にチャレンジするのが唯一の強み。身につけたスキルはスキマ時間の活用能力。映画をこよなく愛する2児の母でもあります。

関連記事 Related articles

新着 New!

お住まいのエリア・ジャンル・対象年齢から検索!
習い事教室を探す