2021.08.12
習い事Q&A 稲本昌之

【初心者・子ども向け】テニスでラリーが続かない理由は?安定させるコツを解説

テニスでラリーをすることにはどんな目的があるの?上手に続けるにはどうすればいいの?海外8カ国11都市を巡ってテニスのコーチングを研究し、直接指導や情報配信を行ってきた稲本昌之さんが、ラリーの種類やその大切さ、練習方法などを解説します!

今日のポイント

  1. テニスのラリーの種類と練習目的
  2. テニスのラリーが続かない・安定しない人の特徴
  3. テニスのラリーを続ける・安定させるために必要なこと
  4. テニスのラリーの練習メニュー
  5. 【応用編】テニスのラリーの練習メニュー
  6. まとめ
  7. ラリー練習のおすすめ動画

テニスのラリーの種類と練習目的

ラリーとは、ボールを連続して打ち合うことです。テニスのラリーを指す言葉はいくつかの種類があり、大きく分けて3つに分類できます。

  • 「ロングラリー」「ショートラリー」(お互いの選手の距離の違いを指す)
  • 「クロスラリー」「ストレートラリー」(打つコースの違いを指す)
  • 「ボレー対ストローク」「ボレーボレー」(使うショットの違いを指す)

それぞれの違いについて解説しましょう。

ロングラリー・ショートラリー(ミニラリー)

2人の選手が、コート両端のベースラインにそれぞれ立って行うストローク同士のラリーを「ロングラリー」と言います。ラリーと言われて一番最初にイメージするのがこの「ロングラリー」でしょう。

対して、それぞれがサービスラインに立って短い距離で行うラリーを「ショートラリー」や「ミニラリー」と言います。距離が短くつながりやすいので、ウォーミングアップに用いられることが多いです。

クロスラリー・ストレートラリー

コートを斜めに使って交差するように行うラリーを「クロスラリー」。正面同士、サイドラインと平行に打ち合うラリーを「ストレートラリー」と呼びます。

上級者になると、片方がクロスに打ち、もう片方はストレートに打って、お互いに走りながら8の字をボールで描く「ストレートクロス」と呼ばれるラリーを行う場合もあります。

ストレートクロスの図

ボレー対ストローク・ボレーボレー

ラリーとは、ワンバウンドで打つストローク同士の打ち合いだけではありません。片方がボレーを行う「ボレー対ストローク」、両選手ともボレーを行う「ボレーボレー」と呼ばれるラリーもあります。

テニスのラリーが続かない・安定しない人の特徴

正しいフォームをマスターして、ボール出し練習で上手く打てるようになっても、いざラリーをするとなると難しく感じる方がほとんどです。では、なぜ難しく感じるのか?

ここでは、ラリーが苦手な人が注意できていないポイントを紹介していきます。

正しい準備(基本待球姿勢)ができていない

正しい構えが身についておらず、片手でラケットを持ち、体の片側に手がある状態のままにしているために、利き手の反対方向にボールが来たときにバックハンドへの対応が遅れたり、足がベタっと地面についているために素早く動けず反応が遅くなることもあります。

ラケットを持っていない手でもラケットを支えるように意識しましょう。両手打ちバックハンドの方は、両手打ちバックハンド時に握る位置で持ちます。片手打ちバックハンドの方は、スロートと呼ばれるラケット面とグリップの間の三角形の部分にもう片方の手を添えるようにして持ちましょう。

正しい構えは、ラケットの位置のバランスが大切です。軽く前傾姿勢をとって膝を肩幅に開き、ラケットを体の中央あたりに位置させてバランスを取りましょう。正しい構えについては、後段でさらに詳しく解説します。

打点がバラバラ

ボールの動きを予測することが意識できていないと、いつも同じように、打ちやすい場所で打つことができなくなります。距離感が上手く取れずに打点が身体から不規則に近くなったり遠くなったりします。

また、ボールのバウンドにタイミングを合わせられないと、跳ね上がったばかりの低いところで打ち、打点が後に遅れて詰まってしまったり、反応に遅れて地面スレスレまで落ち過ぎたボールをすくい上げようと、前のめりになったりします。

バウンド後のボールの動きが予測できていないと、いつも同じ打点で打つことができなくなります。ボールのバウンドに慣れて、打点が前後左右にぶれないように注意しましょう。

低くて速いボールばかり狙って打つ

ネットスレスレを通過する低いスピードボールばかりを打とうとすると、ネットミスが多くなります。また、強く打つイメージが強過ぎて、アウトばかりする選手もいます。ネットの高さの2〜3倍くらい上を狙って余裕を持って通過させましょう。

テニスのラリーを続ける・安定させるために必要なこと

ストロークの球出し練習では、綺麗なフォームで綺麗な弾道のボールを打つことを求められますが、ラリーになると、できるだけ長く続けるためにまた違ったことが求められます。

ここでは、ラリーをできるだけ長く続けるために必要な動きを、準備、足の動かし方など、実際の動作の順番で紹介します。

正しい準備(相手が打つ瞬間)

ラケットを構えるときは、身体の前(中心)に置いて、フォア側に来てもバック側に来ても素早く対応できるように構えましょう。両足を肩幅よりも少し広めに開いて、股関節を折り曲げる「パワーポジション」の形を意識します。

足を細かく動かす

かかとを少し浮かして、不安定ながらもバランスを取るように、両足同時に細かくジャンプしながら相手の打つところを見ることができれば、ボールに素早く反応できます。

足を動かす時に、両足の位置(スタンス)が狭くなってしまわないように気をつけましょう。慣れるまでは足踏みをするような動かし方でも構いません。

スプリットステップ

スプリットステップとは、小さくジャンプして着地したときの反動を利用して、次の移動動作に勢いを付ける予備動作です。相手がボールを打つ瞬間に合わせてよく行います。

スプリット(分ける)という言葉の意味通り、両足をさらに広げるように開いて左右を分かつように飛んで着地します。基本の動きは両足同時の着地になりますが、実戦では空中でどちらにボールが来るのかを判断できるため、次に移動する方向と反対の足から着地することが多くなります。

その片足着地の応用的なスプリットステップは、セレクティブステップと言います。

打つ構え

相手の打球に対して、フォアとバックどちらで返すべきか分かった時点で、打つための構えを作りましょう。構えを作ってから走り出すよう意識しましょう。走り出してから構えると振り遅れの原因になります。

手の位置やラケットの形は、グリップやその選手のレベル、身体的特徴によっても変わるので、現場のコーチに尋ねるべきでしょう。ただし、素早く肩越しにボールを見るように上体を捻って動き出すところは全員共通です。

ボールが来る位置の予測

初心者の頃から正確にボールのバウンドを予測して動き始めるのは困難です。経験が必要になります。まずは、2バウンド目を予測して早めに移動し、そこから足を動かして前に入り、適切な打点を取ることから始めてみましょう。

そうやって動くと、たくさん足を動かすことになります。打つ前にしっかり動く癖をつけて反復練習を積み重ねれば、次第にボールが来る位置を正確に予測できるようになります。

自ら打点を選択する

ボールをただ待ってしまい、自分の横を通過するところで打っていては、なかなかラリーは安定しません。自分が打ちやすいところを選択できるように意識する必要があります。

まずは、2バウンド目の頂点から少し落ちてきたところ、自分の身体のおへそから膝くらいの高さが打ちやすいでしょう。

ボールが上から下に落ちてくるところを、下から上にスイングしていくイメージです。

難しくないボールの通り道を見つける

初級者の頃に打ちやすい高さは、ネットの高さよりも低くなります。そこからネットの2〜3倍上を通して、サービスラインとベースラインの真ん中付近に落とそうとすれば、山なりの軌道になります。

ネットスレスレのライナー性の軌道では安定しません。まずは簡単にコートに入る軌道を瞬時にイメージできるようになりましょう。

協力することを学ぶ

ラリー練習で重要なことは、練習相手と協力し合って回数を続けることです。どちらかが勝手に強いボールを打っては、長くラリーを続けることは難しいです。

相手のボールが少し左右に外れても、少し位アウトしても、返せる限りは返してラリーを続けましょう。

お互いに相手の打ちやすいところにコントロールして、お互いに協力し合って続けます。そうすることでラリー力がついていきます。

テニスのラリーの練習メニュー

いきなりラリーをしても難しすぎると感じる方は、以下のような練習から楽しんで取り組んでみましょう。ラリーが続くペースを掴むことができれば、易しく感じるようになります。

反応を鍛える

ボールへの一歩めの反応がよくなるようにスプリットステップを覚えましょう。反応が良くなることが大切です。

ショートラリーでスプリットステップを入れる練習だけしても構いません。慣れてきたら、相手が打つ瞬間に、ジャンプして空中で1回転するなどして負荷を上げましょう。

面白がってボールを追いかけているうちに反応速度が上がっていきます。

キャッチボール

ボールの軌道のイメージを作るのに効果的なのがキャッチボールです。ラリーと同じようにネットを挟んで行いましょう。遠くへ投げられない場合は、ショートラリーの距離でも構いません。

まずは、斜め上に向かって投げないと距離が出ないことを学び、適度なところで弧を描いて落ちるボールが有効であることを学びます。そういうボールは滞空時間が長く感じられ、低くて速い滞空時間が短いボールではダメだという、イメージを持つことにもつながり、効果的な練習になります。

打つ vs キャッチボール

片方がラケットで打って、片方は手でキャッチして投げ返すラリーもおすすめです。ラケットで打つ側の選手も、ボールを手で投げる選手の山なりの軌道を真似やすくなります。

ラケットで打つ人は、取る人のことを考えて適度に力を抜いて打つことで、お互いに協力してラリーを続けるための力加減のイメージもつきます。

後ろに下がる練習

初級者の頃は、左右の動きはできても、前後の動きは苦手です。特にコートの後ろのほうまで伸びる深くて高い弾むボールが来たときに、足が動かずうまく対応できなかったり、のり遅れたりします。

上級者が相手をして、ゆっくりの山なりのボールを送って後ろに下がるフットワークを練習しましょう。打ったら必ず、ベースラインの少し後の定位置に戻る動きもセットで覚えましょう。

【応用編】テニスのラリーの練習メニュー

ある程度、ラリーを続けられるようになったら、回転をかけたり、コースを狙ったりして、打球の質を上げていきましょう。

いくつかの練習方法を紹介しますが、ボールのスピードを上げることばかり意識してミスが増えてはいけません。あくまでラリーを続けながらメニューをこなしていくことが大切です。

  1. 回転をかける 
  2. ショートラリーの位置に立つ
  3. コンパクトなテイクバック(打つ前にラケットを引く予備動作のこと)で下から上のスイングを意識する
  4. 回転をかけて打ち返す
  5. できるだけ長くラリーを続ける

ロングラリーだと、ボールを飛ばすことも考えないといけないので、ついつい強く当ててしまってスピンがかかりにくく、フラットなあたりになってしまいます。短い距離で行うことで、回転をかけるイメージを掴みやすくなります。

センターに戻りながらのクロスラリー

コートの対角線上にクロスして立ちラリーを開始します。打つときはフォアでもバックでも構いません。

打った後はその場に残らず、センターマーク(ベースラインの中央位置)の位置を目指してサイドステップで戻ります。

できるだけ長くラリーを続ける

これらは、シングルスの試合に出るようになると必要な動きになります。特に打った後は油断して足が止まる選手が多いので、癖をつけておきましょう。

  1. フォアとバックを交互に打つと条件をつけて練習
  2. 予めフォアとバックは交互に打たなければならないとルールを決める
  3. ルール通りにラリーをする
  4. できるだけ長くラリーを続ける

制限を加えることで、運動量が上がります。また準備を早くしないと間に合わなくなるので、早い準備にも効果的です。フォア側に来たボールを無理やりバックで打つケースもあり、身体の入れ替えや、そのためのフットワークなど難しい要素が増えて良い練習になります。

  1. 軌道が高いボールと低いボールを交互に打つ
  2. 軌道が高いボールと低いボールを交互に打たなければならないとルールを決める
  3. ルール通りにラリーをする
  4. できるだけ長くラリーを続ける

あえて2種類の軌道を打ち分けることで、スイング軌道の使い分けを学びます。また、うまく使い分けるには、余裕を持った準備の早さが必要になります。低くて速いボールを打てば、相手の返球のタイミングも早く返ってくるなど、試合中の応用的な反応も学ぶことができます。

ノースタンスを学ぶ

上の写真は、左からオープンスタンス、スクエアスタンス、クローズドスタンスの順の並んでいます。

テニスのスタンス(両足の位置)には、軸足(後ろ足)と踏み込み足(前足)が、狙っている方向に一直線になるスクエアスタンス(真ん中の写真)を軸に、踏み込み足をより後ろに引くオープンスタンス(写真左)、より踏み込み足が前に出るクローズドスタンス(写真右)があります。

ノースタンスとは、どのスタンスだけを使うと決めるのではなく、その時々で止まった時のスタンスで打つことです。

  1. ラリー中にオープンスタンス、スクエアスタンス、クローズドスタンスを使い分ける
  2. 特に意識せずに止まった時のスタンスで打つようにする
  3. できるだけ長くラリーを続ける

ラリーになると、ボール出し練習のように、いつも決まったスタンスでは打てません。どのようなスタンスでも軸足(後ろ足)に力を溜めて打てるように、また、どんなスタンスでも正確に打てるように練習します。

まとめ

ラリーはテニスを楽しむ上でも、試合に出る上でもとても重要な練習になります。ボールだし練習では、ある程度正確にボールが打てるようにフォームが固まっても、ラリーになると全く上手く打てない、全く続かないというケースはたくさんあります。

テニスは対応力がものを言うスポーツです。相手からの返球はいつも違います。そのボールに素早い準備で対応し、打ちやすい打点でとらえて、入りやすい軌道で打つ。そしてその動きを繰り返す。これがラリーを続けるコツです。

また、競争が好きなほどラリー練習と試合を混同してしまいがちですが、ラリー練習と試合の大きな違いは、お互いが協力し合うかどうかです。ラリー練習ではお互いが、足を動かしてペースを保って、相手のミスをカバーし合って取り組むことで力がつきます。

速いボールを打てた選手がうまくなるわけではなく、自分の動きを注意しつつ、相手と協力して、「質の高いラリー練習」を行った選手に実力がついていきます。必然的にラリーが続けば続くほど、レベルアップしていくということになります。

ラリー練習のおすすめ動画

この動画では、ラリーでミスをしないためのコツをより詳しく紹介しています。お子様から保護者まで参考になる内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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稲本昌之
稲本昌之

中学時代にテニスを始め、大学卒業後は江坂テニスセンターのコーチに。26歳でバルセロナへテニス留学。アンディ・マレーやスベトラーナ・クズネツォワなど、後に世界トップランカーとなる選手と練習を共にし、帰国後、留学経験を生かし江坂TCのキッズ・ジュニア育成を担当。2016年に独立。計8カ国11都市でコーチングを研究しました。「テニスコーチ.jp」で情報を発信しながらコーチングや留学サポートを行っています。

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