2021.08.12
習い事最前線 菅野浩二

初めての箏(こと)で「さくら」を完奏「江戸東京の芸能~DISCOVER TOKYO」

PR by 芸団協

夏休みに東京・両国の江戸東京博物館で「江戸東京の芸能~DISCOVER TOKYO」が開かれました。日本芸能実演家団体協議会(芸団協)が主催、日本三曲協会などの協力、江戸東京博物館と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が共催するイベントで、子どもたちに日本の伝統芸能に接してもらうことを目的としています。小中学生を対象とした体験プログラムも実施され、2021年8月1日には子どもたちが箏の演奏に挑戦しました。

箏の基本を知るところからスタート

20面(箏は1面2面と数えます)の箏が日本古謡の「さくら」を合奏します。しなやかでのびやかな音の一つひとつによって、一世紀以上も前の日本にタイムスリップしたかのような感覚にさせられます。 

東京・両国の江戸東京博物館の会議室で、奈良時代から続く楽器を鳴らすのは年齢も学校もさまざまな子どもたち。2021年7月31日~8月1日、芸団協が主催する「江戸東京の芸能~DISCOVER TOKYO」の一環として、日本三曲協会の協力により、箏の体験プログラムが実施されました。

現役奏者が丁寧に指導するプログラムは、箏の基本を知るところから始まりました。昔から箏は龍にたとえられており、演奏する際には箏の右端の方の龍角という部分に正座すること。一般的には13絃からなり、演奏者から遠い糸から順に、一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、斗(と)、為(い)、巾(きん)と呼ぶこと。右手にはめる箏爪は流派によって異なり、この日学ぶ生田流は先が四角になっていること。箏爪は右手の親指と人差し指と中指にはめること。ほとんどが箏を見るのが初めてということもあり、龍角の前に正座した子どもたちは講師の話に真剣に聞き入っていました。

「今日は1時間で『さくら』を演奏できるように挑戦しましょう」。講師の呼びかけに、子どもたちはじっと耳を傾けています。実は「さくら」は左手は添えるだけの、比較的簡単な楽曲だといいます。生田流三ツの音会の三代目家元であり、日本三曲協会では常任理事を務める福田栄香さんは次のように教えてくれました。

「作者不詳の『さくら』は、右手で糸の並び中に沿って行ったり来たりすると、自然にメロディーになります。大昔、それとはなしに箏を鳴らしているうちに、曲として仕上がったのが『さくら』だという説もあります」

目標があるので、休み時間にも自主練に取り組む

今回の体験教室では、箏の七の糸に赤く目印がされており、先ずその糸に親指の爪を置く所から演奏が始まります。「間違えてもいいのでゆっくりと弾きましょう」という講師の前向きな言葉に後押しされ、子どもたちは積極的に挑戦していきます。「右手は卵を包み込むように柔らかく」というアドバイスも手伝い、スタートから15分ほどで「七七八」「七七八」という最初の2小節が弾けるようになりました。

次の3小節目から6小節目までと、7小節目から10小節目までは全く同じ。「七八九八」「七八七六」と続く演奏に、子どもたちは本気で取り組んでいきます。「弾くときはきちんと姿勢を正しましょうね」と講師が声を掛けると、背筋をぴんと伸ばし右手で糸を弾き続けていきます。

慣れない正座で足がしびれるため、何度か短い休憩時間がとられました。けれども、ゆっくり休む子どもはほとんどいません。休み時間にも箏の音が鳴り響きます。「1時間で『さくら』を演奏できるように」という目標があるので、みんな一心不乱です。夢中な様子で、時間を惜しむように右手の爪で糸を弾いていました。

自主練のかいもあって、開始から40分ほどたつと、講師のアドバイスなしにひと通り演奏できるようになりました。講師は「上手になりましたね。でももっと上手く弾けるはずです」と言って、「予定より早く仕上がったので、少し難しくしましょう」と演奏の最後に、楽譜にはない音を追加しました。少し背伸びする挑戦を前に、子どもたちの意欲はさらに高まったように見えました。

正座した子どもたちがおじぎをして、20面の箏が日本古謡の「さくら」を3度続けて演奏します。最後の音の余韻とともに、会場は大きな充実感に満たされました。

「また同じようなプログラムがあればぜひ参加したい」

体験プログラム後、福田栄香さんは「箏という楽器を自然に体感できるような指導を心がけました」と話し、こう続けました。「1時間で『さくら』という曲が弾けたな、という達成感を味わってもらいたいというねらいもありました。日本の伝統文化は礼に始まり礼に終わるので、練習や演奏のなかでもそういった礼節や所作を少しでも理解してもらえていたらうれしいです。今回の体験をきっかけに、箏をはじめとする伝統文化は格式が高いものと距離をとるのではなく、機会があればまた気軽に触れてもらいたいですね」


東京都の大塚さんはきょうだい二人で参加しました。日本舞踊や落語、三味線といった選択肢があるなかで箏を選んだのは、子どもたちが一番やってみたいと興味を示したからだといいます。中学1年生の朱莉(あかり)さんは「今まで触ったことがない楽器で一曲演奏できるようになったのがとてもうれしいです」と笑顔を見せてくれました。「正座が大変だったけど、隣で教えてもらえたし楽しかった」と話したのは小学3年生の煌太(こうた)くん。お母さまの美沙緒さんも満足げの様子でした。「子どもたちが楽しそうでしたし、また同じようなプログラムがあればぜひ参加したいです」

撮影:篠田英美

芸団協は子ども向けに伝統芸能の体験や素養を身につける以下のプログラムを実施します。日本の伝統文化とじっくり向き合う経験は、お子さんの感性や表現力を磨いてくれるに違いありません。

日本舞踊、三味線、落語も体験できる伝統文化総合コース「芸能花伝舎クラブ」第1期生募集中

実施日

10月~3月の毎週火曜日
21年10月5日、12日、19日、26日、11月2日、9日、16日、30日、12月7日、14日、22年1月11日、18日、25日、2月1日、8日、15日、3月1日、8日(予備日)、15日(予備日)
*上記日程は、芸能花伝舎で行う講座17回の予定日程です。このほか、都内劇場にて公演鑑賞ツアー等を実施予定です。

時間

16時20分~17時20分 

場所

芸能花伝舎(東京都新宿区西新宿6-12-30)
※地下鉄丸の内線西新宿駅、大江戸線都庁前駅下車

料金

25,000円(税込)
※一期分(2021年10月~2022年3月)の参加費です。別途費用はございません。
※お支払いは、原則として一括前払いとなります。
※お稽古は、各自、お手持ちの浴衣、足袋でご参加ください。
詳細は参加登録の際にご案内いたします。

対象

小学校4年生~6年生

申込締切

2021年9月10日(金)
*申込み多数の場合は抽選になります。参加可否の結果は、お申し込み時に入力いただいたメールアドレス宛てに、9月14日(火)頃にお送りします。

申込方法・詳細

こちらからお申し込みください。

【主催】
公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)
※多様な実演芸術の創造と享受機会の充実により、心豊かな社会をつくることを目的に俳優、歌手、演奏家、舞踊家、演芸家、演出家、舞台監督など実演家の70団体で構成されている公益法人です。

【本件に関するお問い合わせ】
芸団協・実演芸術振興部内 「芸能花伝舎クラブ」係
〒160-8374 東京都新宿区西新宿6-12-30 芸能花伝舎2F
TEL:03-5909-3060(平日11:00~16:00)
※メールでのお問い合わせは、こちらのお問い合わせフォームよりお願いします。「お問い合わせ内容」の欄に、「芸能花伝舎クラブ」に関する問い合わせであることを明記してください。

【備考】    
*新型コロナウイルス感染症や天災事変等の影響により、内容を変更または中止する場合があります。 
*送迎の用意はございません。稽古場等への往復途上での事故等については、主催者は責任を負いません。
*本事業にかかわる以下の広報等の活動に協力いただく場合がございますので、予めご了承ください。
・主催団体や主催団体の認める者による報道・記録・広報を目的とした取材・撮影
・本事業に関し、制作・発行される媒体への写真・映像の掲載(テレビ、新聞、雑誌、WEB、SNS等の媒体を含む)
*参加者等から取得した個人情報は、本事業を実施するために必要な範囲で使用いたします。個人情報の取り扱いについては、法令その他の規範を遵守いたします。
*所定の参加人数に満たない場合、開講しないことがあります。

菅野浩二
菅野浩二

ライター、編集者、株式会社ナウヒア代表取締役。教育やビジネス、カルチャーやスポーツなど幅広いジャンルで取材、執筆、編集を行い、ホームページの制作も請け負う。子どものころの習い事は習字、そろばん、サッカー、英語。趣味は海外旅行。二児の父であり、娘の習い事歴はピアノとチアダンス、息子は絵画とサッカー。

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