2021.08.30
学びをはぐくむ 曽田照子

子どもの課題発見力を身につけたい。親のNGワードとOKワードは?

第6回:課題発見力をつぶす言葉、伸ばす言葉

課題解決力の大切さはずっと言われてきました。でも実はもっと大切な力がありました。それは「課題発見力」つまり課題を“発見する”力です。
「あれ? おかしいな」と現状の矛盾に気付いたり「本当にこれでいいの?」と改めて問い直す力は、もしかしたら、今の日本人に一番欠けているものなのかもしれません。
子どもの「課題発見力」を伸ばすにはどうしたらいいのでしょうか。

①大人の話に口をはさんでくる子どもに対して……

NGワード:「子どもは黙っていなさい」

大人同士で話しているのに子どもが「お母さん、僕はこう思うよ」「私はこうしたほうがいいと思う」なんて口をはさんでくることがありますよね。

たまにならかわいげがありますが、しょっちゅうだとイライラして「子どもは黙っていなさい!」なんて言いたくなります。

でも、あまり言わないほうがいいですよね。

大人の話に口をはさんでくるのは、そこに子どもが何か気付いて発信したいと思っているから。それこそ「課題発見力」が育っている証拠です。

状況が許すかぎり、話を聞いてあげて

それを「子どもは黙っていなさい!」なんて言葉で押しつぶしてしまうと、子どもは「自分なりの意見を言うのはよくない」「自分の意見を持ってはいけない」というメッセージになります。

これでは、せっかくの課題発見力の芽が伸びないまま、しおれてしまいます。

そうならないように、多少は融通を利かせて、子どもが口をはさむのを許してはどうでしょうか。

OKワード:「あなたの意見は?」

しかし、相手と話題によっては大人同士の話に子どもが口をはさんでくるのはちょっと……ということもありますよね。そういう場合は「あとで」でよいと思います。

OKワード:「あとで聞かせてね」

当然ですが、「あとで」という約束をちゃんと守ることが大前提です。

普段から「あとで」が守られていれば子どもは待てますが、親に「あとで」を忘れられることが多い子にとっては「今」しかありません。待つことが難しくなってしまいます。

② しつこく「なぜ?」「どうして?」を聞いてくるとき、ついイラッとして……

NGワード:「そういうものなの」

「なぜ?」「どうして?」は子どもの課題発見力そのものです。大切にしたい……。

でも、何度も同じことを聞いてきたり、答えようのないことを聞いてきたり、子どもの「なぜ?」「どうして?」攻撃にイライラしてしまうことありますよね。

あまりしつこいと「そういうものなの!」とバシッと切り捨てたくなってしまうのも、わかります。

言ってしまったあとに「あーキツい言い方しちゃった」と落ち込んでしまったこと、私も何度かありました。

「そういうものなの!」なんて冷たく切り捨てたくない、子どもの疑問には丁寧に向き合ってあげたいのに……。

イライラするのはちゃんと応えてあげたいから

でもね、こう考えられないでしょうか。

分からない、答えられないことを聞かれてイライラするというのは、ちゃんと答えを返してあげたいという誠実な気持ちの表れなんだ、と。

「ああもう、この子ったら、何度も同じことを聞いてきてしつこいな」とイラッとしたとき、一瞬でいいのでこう考えてみてください。

「私はこの子に誠実に向き合ってあげたいけど、うまくできなくてイラついているんだな」。

できればさらに「誠実に向き合ってあげたいと思う私ってなんて素晴らしい親なんだろう」と心の中で自分をほめてあげてください(無理にほめなくてもいいですが、実際、素晴らしいことだと思います)。

自分をイライラさせているのが自分自身の心の持ちようだと気付けば、少しはイライラが収まるのではないでしょうか。

質問返し&調べる、で他の力を伸ばすきっかけに

気持ちが収まったところで、子どもの課題発見力を伸ばすために、こんな「返し」をしてみましょう。

OKワード:「なんでだろうね?」「どうしてだと思う?」

質問に質問返しすることで、子どもは「親が全ての答えを知っているわけではない」ということに気がつきます。

安易に「なんで?」「どうして?」と答えを求めるのではなく「自分の頭で考えてみる」という方向にシフトさせることができれば、子どもの課題発見力だけでなく、思考力、課題解決力などの力も伸ばしていくことができます。

しかし、子どもは「分かんないから聞いてるんじゃん」と答えるかも知れません。そんなときは、こんな言葉もいいでしょう。

OKワード:「いっしょに調べてみようか」

今の時代、何を調べるのにも、インターネットで検索する、図書館で本を見る、現地に行く、など、さまざまな方法がありますが、どんな方法で調べるにしても、最初は大人が「調べ方」を教えてあげる必要があります。

小学校3、4年生くらいまでは大人と一緒に調べることで、調べ方を学びます。

また、調べたら分かった、という体験が「もっと知りたい」という学習意欲につながります。

高学年になったら「お母(父)さんも分からないから、調べて教えてくれる?」と調査を丸投げするのもおすすめです。

このとき投げっぱなしにするのではなく、子どもが調べてきた結果は、興味を持って聞かなければなりません(無理する必要はありませんが、やはりある程度は)。

親に対して説明することで、調べた知識が定着するだけでなく、要点をつかんで要約する力や表現する力のトレーニングになります。

「その言い方NG?OK?子育てのコトバ 曽田照子」の記事一覧

曽田照子
曽田照子

ライター。広告制作会社を経て20代前半でフリーに。「親から子への言葉かけ」をメインテーマに、書籍やWEBで書いています。小学5年生で手芸クラブに入部、フェルトをちくちく縫ってマスコット人形を作っては周囲にプレゼントをしていました。今は和裁を習っています。娘3人+猫の母親です。

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