2021.08.16
学びインタビュー 菅野浩二

「伝統芸能に接すると感受性や日本人としての素養も育まれる」芸団協参与・大和滋さん

PR by 芸団協

芸団協参与・大和滋さん(撮影:篠田英美)芸団協参与・大和滋さん(撮影:篠田英美)

2021年の夏休み、東京・両国の江戸東京博物館で「江戸東京の芸能~DISCOVER TOKYO」が実施されました。子どもたちに伝統芸能に接してもらうイベントを主催したのは日本芸能実演家団体協議会。「芸団協」という略称のもと、日本の演劇、音楽、舞踊、演芸、伝統芸能の振興に関わる公益社団法人です。2021年10月からは小学生を対象とした「芸能花伝舎クラブ」を開催する芸団協において、参与という立場から主に伝統芸能や日本文化の普及活動に携わる大和滋さんにお話をうかがいました。

伝統的な文化を若い人たちに受け継いでいくことは重要

「江戸東京の芸能~DISCOVER TOKYO」筝の体験の様子(撮影:篠田英美)

――まずは大和さんが所属する日本芸能実演家団体協議会について教えてください。「芸団協」という略称で知られていますね。

芸団協は1965年に設立されました。文化芸術の社会的認識や価値を高めるためにさまざまな取り組みを行っています。俳優、歌手、演奏家、舞踊家といった団体を正会員とし、最近では特に日本の伝統芸能の普及活動に力を入れています。

――2021年の7月から8月にかけて東京・両国の江戸東京博物館で開かれた「江戸東京の芸能~DISCOVER TOKYO」というイベントもその一つですね。

そうですね。日本舞踊、長唄、演芸、三曲の舞台公演を行うと同時に、小中学生を対象に体験プログラムも実施しました。日本舞踊を踊ってもらったり、長唄三味線や箏(こと)を演奏してもらったりと、長く続く日本文化に親しんでもらう機会を用意しました。特にコロナ禍の現在は、どうしても芸術は不要不急と思われがちですが、やはり伝統的な文化を若い人たちに受け継いでいくことは重要だと考えています。

「キッズ伝統芸能体験」お稽古の様子(提供:「キッズ伝統芸能体験」事務局、撮影:菅原康太)

――芸団協の取り組みとしては、伝統芸能を通した情操教育のような部分もあるのでしょうか。

もちろん、長い歴史のなかで培われてきた日本文化の核のような部分は感じてほしいと思っています。日本舞踊、長唄、落語、三曲といった伝統芸能には日本人の身のこなし、所作、日本人ならではの旋律とリズム、あるいは言葉などが凝縮されています。文部科学省が2002年に学習指導要領の改訂を行ったのですが、その際に音楽の授業に和楽器の指導を加えています。国として伝統文化の見直しを行おうというなかで、芸団協としては伝統芸能にフォーカスを当て、多様な実演芸術や体験事業を通して豊かな社会づくりに貢献したいと思っています。

日本の伝統文化を総合的に学べる「芸能花伝舎クラブ」

「キッズ伝統芸能体験」お稽古の様子(提供:「キッズ伝統芸能体験」事務局、撮影:武藤奈緒美)

――子どもたちに伝統文化と接してもらううえで心がけていることはありますか。

全国公演や鑑賞教室、あるいは体験プログラムを行う際は、基本的には現代風にアレンジしたりせず、なるべくありのままの伝統芸能を提示するようにしています。子どもたちにとってはなかなか理解しにくい部分もあると思いますが、それでも何か心を動かされたといった経験を大事にしたい。その感動こそが日本人としてのアイデンティティーであり、日本文化のエッセンスに他ならないからです。

――2021年10月から始まる「芸能花伝舎クラブ」は新たな取り組みですね。

「芸能花伝舎」は東京・新宿にある芸能文化の拠点で、もともとは小学校だった建物を利用しています。「芸能花伝舎クラブ」の特徴は、日本の伝統文化を総合的に学べる点です。全18回のカリキュラムを設けており、日本舞踊、長唄の唄と三味線、落語のレッスンを受けられます。楽しみながら伝統文化の素養を育んでほしいという思いから立ち上がったプロジェクトで、第一期生は小学4年生から6年生を対象としています。

「キッズ伝統芸能体験」発表会の様子(提供:「キッズ伝統芸能体験」事務局、撮影:武藤奈緒美)

――2022年3月までと、期間は6カ月となっています。

そうですね、半年間かけて日本の伝統文化を総合的に体感できる場という位置づけです。単発ではなくて継続してもらうことで、伝統芸能の魅力を感じてもらえたらと考えています。今回のクラブの第一期生は小学生が対象ですが、今後は中学生や高校生向けに発展させることも検討しています。

まずは気軽に、伝統芸能に接してみてほしい

「キッズ伝統芸能体験」お稽古の様子(提供:「キッズ伝統芸能体験」事務局、撮影:武藤奈緒美)

――伝統芸能に一定期間ふれる人が増えれば増えるだけ、日本文化の良さを伝えられる人間が増えていきますね。

おっしゃるとおりで、そうなることで伝統芸能が継承されていくという期待もあります。私たちの活動を通じて鑑賞の機会が増えればありがたいですし、あるいはプロをめざしたいと思ってくれたら、それは本当にうれしいです。実際、「芸能花伝舎クラブ」と似たような「キッズ伝統芸能体験」(主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会[芸団協])というプログラムを経験したあと、弟子入りして長唄のプロになった人がいます。

――伝統芸能というと、どうしてもハードルを高く感じてしまう部分があると思います。

確かに完全に理解するのは難しいかもしれませんが、実際に鑑賞したり、演奏したりすると印象が変わると思います。たとえば小学生に落語を見てもらうと、笑わせる部分でちゃんと笑い声が上がります。学校で三味線や箏の体験を行うと、先生から「こんなに真剣な姿は見たことがないです」という意見も聞かれます。古くさいからというだけで距離を置くのではなく、まずは気軽に接してみてほしいですね。

「キッズ伝統芸能体験」発表会の様子(提供:「キッズ伝統芸能体験」事務局、撮影:武藤奈緒美)

――先ほどおっしゃられていたように、伝統芸能には日本人としてのアイデンティティーや日本文化のエッセンスが詰まっている点は重要ですね。

――グローバル文化が加速する現代においては、特に日本人とは何か、あるいは日本文化とは何かを知っていることはとても大切です。海外に行くと、自分の国について尋ねられる場面が多いからです。そのときに日本や伝統文化について語れるか語れないかで、教養があるかないかを判断されます。そうした意味では、子どものうちに伝統芸能に接することは、感受性だけでなく、日本人としての素養も育むものだと考えています。少しでも興味があれば、ぜひ「芸能花伝舎クラブ」など、私たち芸団協の取り組みに参加していただきたいですね。

【プロフィール:大和 滋(やまと しげる)さん】

芸団協 参与

1950年東京都生まれ。芸団協主催公演の制作担当、芸能に関する基本的な諸問題、文化政策の調査研究、文化芸術振興基本法の提言活動などの仕事に携わってきた。東京都芸術文化評議会文化政策部会委員も務める。

芸団協 https://geidankyo.or.jp/

芸団協は子ども向けに伝統芸能の体験や素養を身につける以下のプログラムを実施します。日本の伝統文化とじっくり向き合う経験は、お子さんの感性や表現力を磨いてくれるに違いありません。

日本舞踊、三味線、落語も体験できる伝統文化総合コース「芸能花伝舎クラブ」第1期生募集中

実施日

10月~3月の毎週火曜日
21年10月5日、12日、19日、26日、11月2日、9日、16日、30日、12月7日、14日、22年1月11日、18日、25日、2月1日、8日、15日、3月1日、8日(予備日)、15日(予備日)
*上記日程は、芸能花伝舎で行う講座17回の予定日程です。このほか、都内劇場にて公演鑑賞ツアー等を実施予定です。

時間

16時20分~17時20分 

場所

芸能花伝舎(東京都新宿区西新宿6-12-30)
※地下鉄丸の内線西新宿駅、大江戸線都庁前駅下車

料金

25,000円(税込)
※一期分(2021年10月~2022年3月)の参加費です。別途費用はございません。
※お支払いは、原則として一括前払いとなります。
※お稽古は、各自、お手持ちの浴衣、足袋でご参加ください。
詳細は参加登録の際にご案内いたします。

対象

小学校4年生~6年生

申込締切

2021年9月10日(金)
*申込み多数の場合は抽選になります。参加可否の結果は、お申し込み時に入力いただいたメールアドレス宛てに、9月14日(火)頃にお送りします。

申込方法・詳細

こちらからお申し込みください。

【主催】
公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)
※多様な実演芸術の創造と享受機会の充実により、心豊かな社会をつくることを目的に俳優、歌手、演奏家、舞踊家、演芸家、演出家、舞台監督など実演家の70団体で構成されている公益法人です。

【本件に関するお問い合わせ】
芸団協・実演芸術振興部内 「芸能花伝舎クラブ」係
〒160-8374 東京都新宿区西新宿6-12-30 芸能花伝舎2F
TEL:03-5909-3060(平日11:00~16:00)
※メールでのお問い合わせは、こちらのお問い合わせフォームよりお願いします。「お問い合わせ内容」の欄に、「芸能花伝舎クラブ」に関する問い合わせであることを明記してください。

【備考】    
*新型コロナウイルス感染症や天災事変等の影響により、内容を変更または中止する場合があります。 
*送迎の用意はございません。稽古場等への往復途上での事故等については、主催者は責任を負いません。
*本事業にかかわる以下の広報等の活動に協力いただく場合がございますので、予めご了承ください。
・主催団体や主催団体の認める者による報道・記録・広報を目的とした取材・撮影
・本事業に関し、制作・発行される媒体への写真・映像の掲載(テレビ、新聞、雑誌、WEB、SNS等の媒体を含む)
*参加者等から取得した個人情報は、本事業を実施するために必要な範囲で使用いたします。個人情報の取り扱いについては、法令その他の規範を遵守いたします。
*所定の参加人数に満たない場合、開講しないことがあります。


菅野浩二
菅野浩二

ライター、編集者、株式会社ナウヒア代表取締役。教育やビジネス、カルチャーやスポーツなど幅広いジャンルで取材、執筆、編集を行い、ホームページの制作も請け負う。子どものころの習い事は習字、そろばん、サッカー、英語。趣味は海外旅行。二児の父であり、娘の習い事歴はピアノとチアダンス、息子は絵画とサッカー。

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