2021.09.02
習い事Q&A 古田寛幸

【基礎・応用】サッカーの練習メニューを目的別・世代別に紹介。低学年~高学年まで

子どもの年齢や目的に合わせたサッカーの練習にはどんなメニューがあるの?この記事では、北海道コンサドーレ札幌で活躍した元Jリーガーであり、現在はオンラインサッカースクール「HFアカデミー」の代表を務めている古田寛幸さんが小学生向けに解説します。

今日のポイント

  1. 【低学年向け】ドリブルの練習メニュー例
  2. 【低学年向け】パスの練習メニュー例
  3. 【高学年向け】ドリブルの練習メニュー例
  4. 【高学年向け】パスの練習メニュー例
  5. 【体幹・フィジカル編】サッカーの練習メニュー例
  6. 【ポゼッション編】サッカーの練習メニュー例
  7. 【トランジション編】サッカーの練習メニュー例
  8. まとめ

サッカーにおける練習メニューは何通りもあります。どのスキルを伸ばしたいのか?その練習の意図は何なのか?など、目的を明確にする必要があります。

また、小学生であれば年齢によっても練習メニューが変わります。低学年にとっては、難しすぎる練習メニューではついていけず、高学年にとっては、簡単な練習メニューだとつまらなくなってしまいます。

ここでは目的、年齢に合った練習メニューを紹介します。

【低学年向け・ドリブル】サッカーの練習メニュー例

小学校低学年であれば、ボールを1人1つずつ持ち、コーンとコーンの間をスラロームしていく練習メニューがおすすめです。

低学年は、まずボールに触れる感覚を養うことが大切です。スムーズにスラロームしていくためには、足のどの部分でボールに触れればいいのかがわかるようになるよう、シンプルなドリブル練習で感覚を磨いていきます。

少しずつ技術を身につけていけるよう、反復練習を重ねましょう。

・重点的に伸ばしたい項目
足元の技術、ボールの感覚、スムーズにコーンをかわす面白さを体感する

・準備するもの
コーン、4号級のサッカーボール

・進め方
コーンを2メートル間隔に、ペナルティーエリアのサイドラインからサイドラインへ均等に配置する
1人1個ボールを持ち、前の選手が4つ目のコーンに差し掛かったら次の選手がスタートする
コーンを左右ジグザグにかわしていく
左右の足のインサイド・アウトサイド、足の裏などを使い、細かくボールをタッチしていく
最後のコーンまで行ったら、帰りはコーンを使わずにまっすぐスタート地点までドリブルして戻る

・コーチングポイント
まずはスピードなどは求めず、正確にスラロームできるよう、焦らせないことが重要
反復練習はつまらなく感じる子どもが多いため、淡々とこなせるよう毎日の練習メニューに組み込む
慣れてきたら少しずつスピードを上げ、顔を上げてドリブルするよう意識

【低学年向け・パス】サッカーの練習メニュー例

パス練習は1人でもできます。しかし、やはり相手がいると上達させやすい練習メニューの1つです。コーンを上手く使ってパス練習を行っていきましょう。

コーンを相手に見立てて、味方の動きに合わせてパスを出すことが重要になっています。ここではスクエアパスを紹介します。

・重点的に伸ばしたい項目
パスの正確性、トラップの技術、コミュニケーション、動き出しのタイミングへの意識

・準備するもの
コーン、4号級のサッカーボール

・進め方
コーンを等間隔に四角形に配置させ、左回り、もしくは右回りにパスを回す

・コーチングポイント
相手に向かって正確にパスを出すことを要求する
弱いパスだと相手に取られてしまうため、強いパスを出すよう促す
正確なパスを出すにはどこでトラップすれば良いのか?を考えさせる
ボールを受ける前は声を出し、パスを出して欲しい場所がどこなのかを要求させる
味方がパスを出す瞬間にコーンから離れるよう促す

【高学年向け・ドリブル】サッカーの練習メニュー例

高学年になってくると、コーンだけではなく、相手と対峙するドリブル練習も必要です。

止まっているコーンをかわすのと、動く相手をかわすドリブルは、難易度がまるで違います。

ここでは迫りくるディフェンダー(DF)と1対1で向かい合い、コーンとコーンの間のゲートを潜り抜けてシュートまで持っていく練習メニューを紹介します。

・重点的に伸ばしたい項目
ドリブルのフェイント、ドリブルの緩急、DFとの駆け引き

・準備するもの
コーン、4号級のサッカーボール、ゴール

・進め方
正面、左サイド、右サイドの3方向から1対1を行う
3方向で攻撃し終えたら、次は3方向で守備側に移り守る
それぞれのゲートを潜り抜けてシュートまで持っていく
守備側のときは相手に抜かれないようプレーする

・コーチングポイント
目の前の相手に絶対に負けないようデュエル(1対1)を促す
デュエルを繰り返しながら、相手を抜くためにはどのようなフェイントがあるか?のアイデアを出させる
どのコースでドリブルをされたら嫌か、1対1が終わった後にDFとコミュニケーションを取りながら進める

【高学年向け・パス】サッカーの練習メニュー例

パスも同様、高学年になったら、コーンを相手に見立てるだけではなく、実際に選手をつけて行っていきましょう。

相手がいる状態でのパス練習は、正確なパス、パススピード、コミュニケーションを疎かにすると、ミスも増えます。

全ての要素をしっかりと意識し、より高度なパス練習を行っていきましょう。

・重点的に伸ばしたい項目
パスの正確性、パススピード、ポジショニング

・準備するもの
コーン、4号級のサッカーボール、ビブス

・進め方
攻守にわかれ、4対4+1(フリーマン)の合計9人でパス練習を行う
ポゼッションではなく、パス練習に重点を置く
攻撃チームはパスを回し、守備チームはパスを阻止する
フリーマンは、パスを回す攻撃チームの味方となり、人数で有利な状況を生かしてボールを回す
守備チームは相手からボールを奪わず、プレッシャーを与える程度に留める
攻撃チームは守備側の動きをよく見ながら、パスの正確さ、スピード、ボールを受けるポジションを意識
30本パスを繋いだら攻撃チームと守備チームを入れ替える

・コーチングポイント
守備チームはダミーで守りを行うが、試合を想定したパス回しを要求する
ボールを貰う前に首を振って周りを観ることを意識させる
コートいっぱいに幅を取って、5人(フリーマン含む)のバランスを意識させる

【体幹・フィジカル編】サッカーの練習メニュー例

サッカーでは技術だけではなく、フィジカルも非常に重要な要素になってきます。特に幼少期は重い器具などを使ってのフィジカルトレーニングではなく、身体の軸を意識した体幹トレーニングを中心に行うことが大切です。

フィジカルが強化されれば、身体のバランスが整い、ドリブル、パス、全てのプレーに安定感をもたらしてくれます。上半身、下半身、バランスよく鍛えれば、プレーのパフォーマンス向上のほか、怪我予防の効果もあります。

ここでは身体のコア、体幹を意識したトレーニングの様子を紹介します。

※この動画は、古田さんが代表を務めるオンラインサッカースクール「HFアカデミー」の動画を一部限定公開したものです。

・重点的に伸ばしたい項目
バランス感覚、体幹の強さ

・準備するもの
ヨガマット、ボール、チューブ

・進め方
体幹トレーニングでは呼吸を大切にし、腹式呼吸を意識しながら筋肉を刺激する
常に丹田(おへその下辺り)に力を入れながら腹筋などのコアトレーニングを行う

・コーチングポイント
力を入れる時には常に呼吸を止めないように意識させる
刺激を与える筋肉の状態を意識させる
初めは効いている箇所を手で触れながらトレーニングするのもおすすめ

【ポゼッション編】サッカーの練習メニュー例

ポゼッション練習ではサッカーにおける全ての要素が入ります。

これまで紹介してきたパス、ドリブル、ポジショニング、周りを観ることなど、複数のスキルを同時に要求されるのが、ポゼッション練習です。

ここでは4対4+2サーバーのポゼッション練習を紹介します。サーバーとは、コーンとコーンのライン上で動くフリーマンのことです。

・重点的に伸ばしたい項目
周りを観ること、ポジショニング、状況判断力

・準備するもの
コーン、ボール、ビブス

・進め方
4対4+2サーバーで配置する
サーバーはライン上しか動けなく、攻撃側はサーバーを上手く使いながらポゼッションをする
サーバーはダイレクト(1タッチパス)に限定をする
中の選手は3タッチ以内に限定する
10本パスが繋がったら1点など、加点方式で行う

・コーチングポイント
タッチ制限がある中でのポゼッションなので、ボールが来る前に周りを観ておくことの重要性を伝える
常に攻撃方向を意識して、反対側のサーバーにボールを運んでいくイメージを持たせる
中の4人が止まることなく流動的に動きながら常にパスを受けられるポジションを取り続けるよう促す

【トランジション編】サッカーの練習メニュー例

サッカーにおいてトランジションはとても重要です。トランジションとは「切り替え」のことで、守備から攻撃、攻撃から守備、へ切り替えることを言います。

攻撃から守備へのトランジションが速いチームは、たとえボールを奪われても、すぐに奪い返しにかかるので、ボールを保持している時間が長くなり、試合を支配することができます。

また、守備から攻撃のトランジションが速いチームは、相手陣形が整う前にゴールまで迫ることができるので、カウンターをかけやすく、多くのチャンスを作ることができます。

ここでは6人1組、3色のビブスに分かれて、トランジションの速さにフォーカスした練習メニューを紹介します。

・重点的に伸ばしたい項目
トランジションのスピード、ポジショニング、状況判断

・準備するもの
コーン、ボール、ビブス

・進め方
6人1組の3チームに分かれてポゼッションを行う
青色と赤色がボールを保持しているときは黄色が守備となり、12対6のポゼッションとなる(図を参照)
赤色の選手が黄色の選手にボールを奪われたら、瞬時に赤色の選手は攻撃から守備へのトランジションでボールを奪い返しにかかり、逆に黄色は守備から攻撃へとトランジションし、青色と黄色でポゼッションを続ける
これを繰り返し行い、トランジションの意識を植え付ける

・コーチングポイント
トランジションの意識を強く持たせるため、「切り替え!トランジション!」などと、外から選手たちに声をかける
トランジションを意識したトレーニングをすると、ボールポゼッションが疎かになりやすいので、しっかりポジションを取り、正確なパスを通す意識が薄れないように注意する
ボールウォッチャー(ボールばかりをずっと見てしまう状態)になりやすいので、常に首を振って周りを観ることを選手たちに促す

まとめ

サッカーは様々なスキルの集合体で成り立っています。ドリブル、パス、フィジカル、運動量、トランジション、コミュニケーション……。例を挙げればきりがありません。日々の練習で、「この練習の目的は何なのか?」をしっかりと選手たちに認識してもらった上で練習を進めなければ、上達は見込めません。

コーチが分かりやすく練習メニューの内容、意図、意識するポイントを明確に伝え、ヒントを与えてあげることが重要です。

同じ練習をしていても意識して取り組む選手とそうでない選手との差はどんどん開いていきます。そのために低学年には低学年、高学年には高学年に適した練習メニューを組み、その他サッカーにおいて必要な要素のフィジカル、ポゼッション、トランジションを重点的にトレーニングしていきましょう。

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古田寛幸
古田寛幸

オンラインサッカースクール「HFアカデミー」代表。8歳離れた兄の影響でボールを蹴り始め、地元のサッカー少年団に入った。中学、高校は北海道コンサドーレ札幌のアカデミーに所属し、世代別日本代表に選ばれ、海外遠征を何度も経験。当時チーム初の飛び級で高校3年生時にトップチームへ昇格。その後数々のチームを渡り歩き、J1、J2、J3全てのカテゴリーでプレーした。

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