2021.09.09
習い事Q&A ジュミック今井

6歳までに身につけたい「プリフォニックス」とは?親子でできる英語の音遊びも紹介

子どもが小さいうちは、英語を英語のままで吸収することができます。英語の音やリズムを身につけるために役立つのが「プリフォニックス」です。プリフォニックスとは、英単語を発音するためのルール「フォニックス」の導入にあたる学習のことで、6歳ごろまでに身につけた方が良いと言われています。 英語書籍作家で子ども向けの英語教室を運営しているジュミック今井さんに、プリフォニックスについて詳しく解説してもらいます。『英語って楽しい!』と感じられる英語の音遊びや活動についても触れています。

<今日のポイント>

  1. プリフォニックスとは6歳までに身につけたい英語の音遊び
  2. プリフォニックスの基本はアリタレーションとライミング
  3. 家でプリフォニックスを学習するときは早口言葉や絵本などを活用しよう

プリフォニックスとは6歳までに身につけたい英語の音遊び

プリフォニックス学習に励む子ども=ジュミック今井さん提供

プリフォニックスってなに?

A. プリフォニックスは、英語の音に慣れ親しむ音遊びや活動のことです。

preには「前もって」という意味がありますので、pre-phonicsはまさにフォニックスの導入期にあたります。英語のさまざまな音やリズムに耳を慣らしておくことで、スムーズにフォニックスの学習に進むことができます。

プリフォニックスにはどんなものがあるの?

A. プリフォニックスには、アリタレーション(alliteration)やライミング(rhyming)があります。アリタレーションでは単語の始まりが同じ音、ライミングでは単語の終わりが同じ音を使って音遊びをします。

アリタレーションではp、ライミングでは-akeが同じ音ですね。このような韻を踏んだ単語を組み合わせて音読するのは楽しく、子どもたちは飽きるまで何度もチャレンジします。英語の耳を養うというのは、お子さんの「英語のセンス」を磨くということ。小さいうちであれば、英語を英語のままで吸収することができますので、そっくり真似れば発音もばっちり、英語アレルギーになるということはありません。

フォニックスとプリフォニックスは、どう違うの?

A. フォニックスの目的は、「単語が読めて書けるようになる」こと。プリフォニックスの目的は、「英語のモノマネ上手になる」ことです。

フォニックスは、文字と音の関連性を示したルールですので、bedであれば、b/e/d(ブ・エ・ドッ)の3つの音でできていることを教えます。文字が読めて書けるようになることが目標ですから、テキストやプリント教材を使います。プリフォニックスでは、単語を書いて暗記する、つづり字のルールを覚えるといったことはしません。口と耳を使い、ときには体を動かしながら英語の音に慣れることに時間を費やします。

プリフォニックスは何歳までに取り組めばいいいの?

A. 6歳ごろまでに身につけた方が良いでしょう。 

6歳ごろになると、論理的思考が発達しはじめます。高学年では「主語の次には動詞がきて、そして目的語が…」というように、日本語のフィルターを通して英語を理解しようとします。これでは英語を英語のまま理解するのが難しくなってしまいます。小さいうちに様々な音を受信できるアンテナを残し、英語を雑音として捉えない。英語のままで理解する受け皿を作っておくことがプリフォニックスの狙いです。

 プリフォニックスの基本はアリタレーションとライミング

では、プリフォニックスで取り組む「アリタレーション」と「ライミング」について詳しくみていきましょう。

アリタレーションとは?

A. アリタレーションは、語頭が同じ音で始まる単語を使った音遊びです。同じ音が繰り返し登場しますので、ターゲットの音にとても敏感になります。例えば、rをしっかり学んでおけば、rice(お米)とlice(シラミ)を聞き間違えることはありません。イラストはrの音で始まる単語のグループです。

はじめてのフォニックス①ジュミック今井(著)

自宅で練習するときはまず親がお手本として、ターゲットのrの音(ゥル)を言いましょう。子どもはrの音を3回繰り返します。次に、rの音で始まる単語を3〜5個を使ってリピート練習。このときにリズミカルに音読するのがポイントです。慣れてきたら単語の順番を入れ替えて言ってみるのもよいでしょう。

アリタレーションを使って練習してみよう!

下の表は同じ音で始まる単語のグループです。なお、つづり字の音の箇所は「フォニックス読み」にあたります。子どもたちに「へぇ、英語にはこんな音があるんだ!」という発見があればしめたもの。その段階でアリタレーションの学習はすでに大成功です。

表の中の単語を、メトロノームのカチッカチッというリズムに合わせて音読する「フォニックサイズ」に挑戦してみましょう。※フォニックサイズ®︎は、「フォニックス」と「エクササイズ」をかけ合わせた造語で、当方が名付けたリズム音読です。

ライミングとは?

A. ライミングは、語尾が同じ音で終わる単語を使った音遊びです。すごいのは、単語を音に関連づけて覚えられること。I walk in space(宇宙を歩く). I love this place(この場所が好き).このように複数のaceの単語をがいっぺんに学べます。なお、ライミングは音にフォーカスした学びなので、文がヘンテコでも気にしないでくださいね。

はじめてのフォニックス② ジュミック今井(著)

親がお手本として、ターゲットの音をまず言います。子どもは-ace, -ase(「エィス」)を3回繰り返して言います。次に、-aceと-aseの音で終わる単語を3〜5個を使ってリピート練習。未就園児や赤ちゃんに英語の音をたくさんかけて聞かせてあげましょう。

ライミングを使って練習してみよう!

-aceはaが母音、cが子音です(語尾のeは読みません)。つまり、複数の音がひとつにまとまっています。下の単語はどれも同じつづり字で終わっていますが、main(主な)やmane(馬のたてがみ)のように、つづり字が異なるけど、どちらも「メイン」と発音するライミングもあります。では、メトロノームのリズムに合わせて言ってみましょう。


6歳からプリフォニックスをはじめた子どもの英語を聞いてみよう!

私の英語教室に通っている生徒さん(小5)に次のイラストの英文を読んでもらいました。6歳のころにプリフォニックスを習いはじめ、帰国子女の同級生に「発音がとってもいいね!」と褒められたのが自慢だそうです。

はじめてのフォニックス①② ジュミック今井(著)


プリフォニックスを教える上で気をつけていることは?

A. 小さいうちは、授業もときに脱線しがち。突然make make makeと連呼したり、メ、メ、メェィーーーク!と大きな声で言って、飛んだり跳ねたり。予想外のリアクションはよくあることですので、そこで訂正したり止めたりしないようにしています。プリフォニックスには正解も間違いもありません。自由な発想大歓迎。楽しく、伸び伸びと英語に触れることが大切なのです。

アリタレーションとライミングのまとめ

  1. アリタレーションは、単語のあたまの音を揃えた音遊び
  2. ライミングは、単語の終わりの音を揃えた音遊び
  3. 繰り返し声に出すことで、きれいな発音が身に付く
  4. 赤ちゃんや未就園児は、音声を聞かせるだけでも大丈夫

これなら親にもできる!子どもと楽しむアリタレーションやライミングを紹介

アリタレーションやライミングの音遊びは、難しいことは何ひとつありません。英語を聞いて、声に出す。単語をリピートしたり、物語を音読をしたり。ルールも決まりもありません。やることはただひとつ。なりきって英語のモノマネをする!それだけです。ここでは親子で取り組める英語の学びを紹介します。

①早口言葉

英語の早口言葉には、韻を踏んだものがたくさん多くあり、繰り返し声に出していうことで英語らしいリズムや発音が自然と身につきます。舌がとてもよく動くので、英語の発音練習にはもってこいなのです。ここでは、「ピーター・パイパー」と「貝殻売り」の早口言葉を紹介しますね。

1、2ともに続きがあるのですが、出だしの1行だけでも十分に楽しめます。1ではpが、2ではshとsが韻を踏んでいますね。なお、早口言葉はpeppers, pickled peppers, a peck of pickled peppers…のように、後ろから前に少しずつ読み進めるとうまく言えるようになります。shとsは、似ているようでいて全く異なる音ですので、注意しましょう。

② マザー・グース

音遊びといえば、やっぱりマザーグース。英語のわらべ歌ですね。有名なハンプティ・ダンプティなどをお子さんに読み聞かせしてあげてください。ハンプティ・ダンプティは卵を擬人化した四行詩で、その名は壊れて元に戻らないものの喩えとしても使われています。

歌にでてくるwallとfall、menとagainがそれぞれ韻を踏んでいます。なお、againの発音には「アゲン」と「アゲイン」があるのですが、men(「メン」)の語尾の音に合わせるかたちで「アゲン」で読みます。もし長いようでしたら、1行ずつ音読するかたちでも構いません。

③ おすすめ絵本・DVD3選

絵本の音声を聞いたり、読んだりしながら、単語をリピートしましょう。たいていの絵本では、文が韻を踏んでいますので、知らず知らずのうちにアリタレーションやライミングを覚えることができます。

  • 「Polar Bear, Polar Bear, What Do You Hear? 」 Jr. Martin, Bill (著)、 Eric Carle (イラスト)

英語のリピートがまさに上達のカギ、と思わせてくれる一冊です。各ページには”Lion, Lion”のように動物の名前を繰り返し言う箇所があるのですが、これがなんとも楽しいのです。ストーリーを通して、動物の名前もたくさん覚えられます。

  • 「Chicka Chicka Boom Boom」 Bill Martin Jr. (著)、 John Archambault  (著)、Lois Ehlert (イラスト)

アルファベットの音声が学べる絵本。ものすごいスピードのラップなので、授業で導入した際に、子どもたちがついていけるかどうか不安だったのですが、心配は無用でした。coconut treeという単語が繰り返し出てくるのですが、英語の発音は「コゥコナッ チュリィ」。「この単語が聞こえたら、手を上げて!」というゲームをすると、とても盛り上がります。

  • 「Superstar Songs 1 DVD 目と耳で歌って覚える英語シリーズ」 mpi松香フォニックス

プリフォニックス教材として、当方のお教室でも使っています。リズミカルな音楽からゆったりとしたものまで、さまざまな英語ソングが楽しめます。アニメもとてもかわいいので、生徒にも大人気。親子で英語の音に親しめるDVDです。

ジュミック今井さんからのメッセージ

リズムに乗った音遊びは、耳に馴染みがよく、本当に何度でも繰り返し言いたくなってしまうので不思議です。お子さんはもちろんのこと、大人でもワクワクしながら楽しく取り組めますので、ぜひともご家族でチャレンジしてみてくださいね。小さいうちに、アリタレーションやライミングの音にたくさん触れて、英語の耳をしっかりと養っておきましょう。

ジュミック今井
ジュミック今井

都内にて英会話教室を主宰、翻訳業及び語学書の執筆活動を行っている。「J-Shine小学校英語指導者」資格者。全米外国語教育協会に所属、ACTFL公認のOPI英語・日本語テスター。中国文化大学(台湾)にて日本語教師養成班を修了、日本語教師としても活動中。フォニックス関連、イギリス留学の経験を活かした書籍を多数執筆。児童向け近刊書は『はじめてのフォニックス』全5巻(Jリサーチ出版)。趣味はレース編み、台湾の穴場巡り。

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