2021.09.14
習い事Q&A 橋元良明

子どものスマホは何歳から持たせるべき?注意点やスマホを使うためのルールを紹介

 

スマホの個人所有率は小学生になると急速に増加し、中学生では8割近くに達します。なぜ子どもたちに親はスマホを持たせるのでしょうか。児童がスマホを利用する場合、親はどのような点に気をつけなければいけないのでしょうか。子どもがスマホを利用する際のルールなどについて、スマホ依存に詳しい東京女子大学の橋元良明教授に解説してもらいます。

<今日のポイント> 

  1. 小学生からスマホを持つ子どもが多い
  2. スマホは6歳まで持たせない方がベター
  3. スマホのデメリットはネット依存や知らない人とつながる恐れなど
  4. スマホのメリットは知識が豊富になりオンライン学習ができるなど
  5. スマホを使用する時間を決めるなど、家庭内でルールを設けよう

小学生からスマホを持つ子どもが多い

子どものスマホ普及率は?

A. 10歳で23.2%、13歳では78.6%です。

2019年の調査では10歳のスマホ利用率は23.2%(※1)。2020年の調査では13歳のスマホ利用率が78.6%でした(※2)。調査が異なるので数値を単純に比較することはできませんが、中学生に進学すると多くの子がスマホを所有するようになるようです。0歳児でも1歳児近くになると34.9%の子が親のスマホに触れているというデータもあり(※3)、今後スマホ所有の低年齢化は進んで行くと考えられます。

※1 2019年8月、3~10歳の母親1240人を対象に橋元らのグループが実施。※2 2020年1月、13~69歳の1500人を対象に総務省と橋元研究室が共同で実施した全国調査。※3 2018年10月、0~6歳までの子をもつ母親2272人を対象に橋元らのグループが実施。

 親が子どもにスマホを持たせるのはなぜ?

橋元教授から提供

A. 乳幼児は子守り代わりで持たせることが多いです。小学生以上は「友達がもっているから」との理由で持たせる親が多く、中学以上だと友人関係や安全上から必需品として持つ傾向があります。

乳児はアンパンマンなどのアニメのyoutubeに鋭く反応し、中には1、2歳で自分から画面をスワイプする子もいます。小学生以上になると自分専用のスマホを持つ子が増えていきます。おもに登下校や塾などで安全面から家族との連絡用に使われるほか、友人とSNSのやりとりをしたり、ゲームをしたりする子も出てきます。

スマホは6歳まで持たせない方がベター

子どもにスマホは何歳から持たせたらいいの? 

A. 6歳まではできれば持たせない方がベターだと思います。

スマホを乳幼児期から使わせる長所・短所については学術的にもまだ結論は出ていません。乳幼児期はやはり親とのふれあい、本を読む習慣、外で活動することが重要なことはいつの時代でも同じです。アップルの創業者のスティーブ・ジョブズやマイクロソフト創業者のビル・ゲイツもそうでしたが、IT企業のトップで子どもが小さいときはスマホなどの電子機器を使わせない人も多いです。乳幼児はスマホ利用について自分でコントロールするのが難しく、依存しやすい点もあります。

スマホを渡すときの注意点5つを紹介

①知らない人とつながる恐れ

LINEはID検索などの機能に年齢制限はありますが、友達とのやりとりは小学生でもできます。相手が年齢を偽って悩み事の相談相手をするなど、知らない人とつながってしまったり、危険な情報を交換したりするケースがあります。実際に会ってトラブルに巻き込まれる可能性もあるので注意しましょう。

 ②学習・読書への影響や暗記する習慣が減る

電子機器を通して入手する情報は、記憶が曖昧になって覚えにくいことや、情報が機器内やネット上のどこかに保存されていると脳が認識してしまうのであえて記憶に残そうとしなくなることから、知識の蓄積や構造化が進まないなどの研究がでています。また、読書にはそれなりのスキルが必要ですが、スマホでの情報収集に慣れてしまうと、読書習慣自体が根付きにくいとも言われています。

③大人向けの動画を見てしまう危険性

フィルターをかけていても、一つの動画の関連動画として、性的な動画や残虐な動画が子どもたちの目に現れるリスクがあります。インタビューでは「アニメなどを一度見ると検索で芋蔓式にでてきてしまう。変な声がするので何かと思ったらアダルト系動画を子どもが見ていた」という声もありました。

 ④ネット依存

だらだらとSNSをし続けたり、動画やゲームを長時間利用したりすると、ネット依存の傾向になりやすいです。日常生活が乱れたり、学業に支障がでたりする場合もあります。

⑤視力低下や親とのコミュニケーションの希薄化

デジタル機器に長時間接することで確実に視力は低下します。また、コンテンツによる興奮やブルーライトの影響もあって睡眠不足が引き起こされることがあります。また、乳幼児は、情緒面での成長のためにも親との対面でのコミュニケーションが不可欠ですが、親も子もスマホ画面を見つめるだけで相手に視線を向けないことで情感の発達に支障が出たり、長期的には共感性が欠如したりするという研究もあります。

子どもにスマホを渡すとこんな効果も!?メリット4つを紹介!

一方で、子どものころからスマホを使うことでいくつかのメリットもあります。

①知識が豊富になる

知らない言葉やことがらを検索でチェックすることにより知識が豊富になります。

 ②趣味が増えたり、学習の機会が増加したりする

ネットを通して未知の世界に触れて視野が広くなり、趣味が多様化します。また、オンラインで語学などが学習できたり、知育アプリで学習効率が向上したりすることも期待できます。

 ③人とのコミュニケーション

海外も含め、自分の住んでいる地域以外の人との交流が図れ、遠くに住むおじいちゃん・おばあちゃんと簡単に話ができます。普段、仕事で忙しい親ともオンラインでやりとりができます。また、ネットを通して、趣味を共有する新しい友達ができることもあります。

④自己表現力の育成

周りで発見したきれいな風景や草花の写真、自分で描いた絵や自分の言葉を、SNSなどを通して発信することで自己表現に積極的になり、表現力の育成が図れます。

子どもが健全にスマホを利用するためのルールを紹介

ここからは子どもが健全にスマホを利用するためのルールを紹介します。とくに自分で自分の行動を制御することが難しい小学生までの子どもの場合、親ときちんとルールを決めておくことは重要です。

 家庭内で使用時間などのルールを設ける

スマホを使っていい時間帯と使うべきでない時間帯、利用時間や料金の上限、家族そろっての食事時には使わないなど、スマホを使うルールを設けましょう。授業中や歩行中はスマホを利用しないなど外でのルールも決めましょう。

 勝手に知らない人とやりとりしたり、会ったりしない

子どもが親の知らない人とスマホでやりとりする際、必ず事前に親に了解を取るよう子どもに注意をしましょう。オンラインで知っているだけの人と2人きりで会ったりすることのないように取り決めを設けておくことも重要です。

 勝手にオンラインで買物をしない

親の承諾なしにオンラインショッピングをしたり、アプリで課金をしたりすることのないよう、日頃から子どもと話し合っておきましょう。それを防ぐためにも、親は子どものスマホの利用料金を常にチェックするよう心がけましょう。iPhoneなどではApp Storeからアプリ購入履歴を確認するしくみが用意されています。

安易にプライバシーは公開しない

子ども本人や家族のプライバシーを安易にオンライン上で公開しないよう、子どもに教えましょう。SNSではプライバシー設定がチェックできるので、親はときどき確認しておくのが無難です。子どもが自分の写真をアップすることにも気配りが必要です。知っている相手だけに見せたつもりでも、それが不特定多数の人に出回ることもあります。また、ネット上で人を誹謗中傷することは絶対にさけましょう。

 橋元良明教授からのメッセージ

10代後半から20代のスマホ利用率はほぼ100%の時代です。小学生に上がると、今後、益々多くの子がスマホを所有し、スマホを持たないことで仲間はずれになる、といった事態も生じてきています。そうした状況で、スマホ所持の低年齢化は避けられませんが、すでに述べたような心身上へのマイナス面やトラブルに巻き込まれる危険性を考えると、小学生に上がる前はできるだけスマホ利用を避け、使用させる場合は家庭内でルールづくりをするなどの対策をしましょう。

関連記事:1歳児の10%がスマホ依存!子どもがスマホ依存になる原因と対策4つを紹介 

橋元良明
橋元良明

1955年京都市生まれ。東京大学情報学環教授を経て2020年から東京女子大学教授。専門はコミュニケーション論、情報社会心理学。ネット社会における諸問題、メディアが青少年に及ぼす影響などについて、調査をベースした研究を続けてきた。これまで社会情報学会会長、BPO青少年委員会委員、総務省情報通信白書編集委員などを歴任。主な著書に、『ネオ・デジタルネイティブの誕生』(ダイヤモンド社)『メディアと日本人』(岩波書店)など。

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