2021.09.29
習い事Q&A 桜木奈央子

ダンスのリズム感を鍛えるには?子どものリズム感を育てるトレーニング方法

ダンスや音楽系の習い事でよく聞く「リズム感」という言葉。子どもにリズム感がないと感じたとき、親としてどんなサポートができるのでしょうか。そもそもリズム感とは何でしょうか。後天的なものでしょうか。リズム感に関するさまざまな疑問について、神奈川県でダンス教室を運営し、ストリートダンス協会の専門委員長を務めるのりんご☆さん(本名・前山善憲)に詳しく聞きました。

 <今日のポイント>

  1. リズム感は訓練で養えるもの
  2. 日常的にリズム感を意識することが大切
  3. 親子で一緒に楽しめば、リズムに対する感性が磨かれる

リズム感は訓練で養えるもの

そもそも、リズム感とは?

A. リズム感とは、リズムを感じ、それに合わせる動きのことをいいます。スキップが上手にできる・できないは、訓練している・してないの違いです。そういう意味では、リズム感は訓練で養うことができる後天的なものです。

一般的に「あの子、リズム感いいね」「うちの子、リズム感がなくて……」というような言葉をよく聞きますが、実は、リズム感のいい悪いは、錯覚かもしれません。というのも、うまく踊れているかとは別に、その子が内面ですごくリズムを感じていることもあります。しかし、一般的には、その子がうまく踊れていたり、うまく歌っていたりする、「外から見た状態」でうまく音楽に体の動きが合っていたら「リズム感がある」と言われます。

厳密にいうと、リズム感が外から見えにくい、または感じにくい踊りもあります。たとえば雅楽などに合わせて舞う日本の神楽や舞踏は「間」を大事にする踊りで、西洋の音楽やダンスのような拍子やリズムとは感じ方や見え方が違います。文化によってリズムに対する感性は異なるのです。ヒップホップでのリズム感を身に付けたいなら、ヒップホップの音楽に合わせたリズムで体を動かす、ジャズダンズならその音楽に合わせた体の動きの訓練というように、そのダンスの音楽に合わせた訓練が必要になります。

日常的に「リズム感」を意識することが大切

リズム感がいい人とそうではない人の違いは? 

A. 公園の砂場でバケツを一緒に叩いてそれに動きを合わせてリズムを楽しむなど、日常の中のリズムを見つけ、意識することが大切です。ダンスを踊れる人は、日常的に「リズム」を意識して体を動かしたり、ダンスが上手な人が身近にいて常にその動きをまねたりしていることがつながっていると思います。

人の会話にも声の強弱、抑揚、緩急などのリズムがあります。親子でリズミカルに会話することもリズムを意識することにつながるかもしれません。アフリカ系の人が踊っている動画に「さすが、アフリカ系の人たちはダンスがうまい」とのコメントがつくことがありますが、彼らも先天的にダンスが上手というわけではありません。日常の中で自然にリズムを感じ、それに合わせたリズム取りをする環境が身近にあるから、ダンスが上手な人がいるのです。

 ダンスのためのリズム取りをどうやって教えていますか?

A. まずは「8ビート」でひと区切りということから教えます。ダンスでいうリズムは、音楽では「拍子」といいます。音楽と合わせるダンスの場合、この拍子がとれるかどうかがカギとなります。

ラジオ体操などもそうですが、音楽で拍子をカウントすると8ビートでひと区切りですよね。私たち大人は無意識に学校教育の中でこれを習っています。でも、初めて音楽に合わせて体を動かす子は8ビートで区切りがあることに気づきません。そこを子どもたちに教えることによってリズムに意識を向かせます。

親子でできる!リズム感を鍛えるトレーニング方法 

それでは、実際にダンスのリズム感を鍛えるにはどうしたらいいのでしょうか。親子でできるトレーニング法を動画付きで説明してもらいました。

 【幼児〜小学校低学年】手で音楽の拍子をとるトレーニング


基礎編では、1~8の数字を数えながらメトロノームなどの拍子に合わせて手をたたきましょう。8ビートがひと区切りであることを覚えることができます。応用編では、親子で向かい合ってメトロノームなどの拍子に合わせて手をたたきます。そのときに、1、2、3、4の4と、5、6、7、8の8でお互いの手をタッチします。

【小学校中学年】歌に合わせて上半身を動かすトレーニング


「アルプス一万尺」ができるなら、その応用として「線路は続くよどこまでも」の歌に合わせて、上半身を動かしましょう。ポイントは、歌詞を数字に置き換えること。数字にすることで、より拍子を意識して体を動かすことができます。

 【小学校高学年】拍子に合わせて全身を動かすトレーニング


基礎編では、「けんぱけんぱけんけんぱ」のリズムに合わせて、手足を動かしましょう。リズムに合わせて全身を動かすことで感覚としてリズムを理解することができ、ダンスのリズム取りの基礎につながります。応用編では8の拍子にダンスの動きをつけましょう。

親子で一緒に楽しめば、リズムに対する感性が磨かれる

親が子どものためにできることは?

A. 親がどれだけ子どもが音を楽しめる環境をつくれるかが大事です。子どもの好きな歌や音楽を流してあげたり、歌ってあげたりして、そこに手遊びをつけるなどからはじめてください

日本の環境ではどうしても「静かにしなさい」と子どもに言ってしまうシーンも多いですよね。音を楽しめる環境を整えることができれば、子どもたちのリズム感は自然に育ちます。ご近所が気になるなら公園やキャンプなどの屋外で遊ぶときに、バケツなどなにかをたたくなどして音遊びを親子で一緒にやるといいと思います。

子どもが音に夢中になれるおすすめの遊びは? 

A. クイズなどで「音」で遊ぶことも良いでしょう。

子どもに目をつぶってもらって大人がなにかの音を出し、「これはなんの音でしょう?」とクイズにします。その音をリズミカルに出すとより楽しい気分が盛り上がります!子どもが騒いでいるのも、音であり、リズムです。それに合わせて大人が体を動かしたり、一緒に音を出したりするのもいいですね。これは精神的な余裕がないとできませんけどね(笑)

のりんご☆さんからのメッセージ

日常の中にたくさんの「音」があります。足音や冷蔵庫の音もそう。耳をすましてその音を見つけてみてください。リズム感は、体で習得していくもの。ダンスの練習も大切ですが、日頃から音に対する感性を磨いてください。子どもが音に合わせて跳ねたくなるような衝動を自由にのびのびと解放してあげられたらいいですね。

【プロフィール:のりんご☆(本名・前山善憲)】

神奈川県出身。小学生のときに見た、マイケル・ジャクソンのムーンウォークに衝撃を受けダンスをはじめる。マジック、ジャグリング、大道芸など、ダンスと大道芸を融合させたエンターテイナーで、ダンスチーム「FLOOR MASTERS・EAST-B」のメンバーとしても活動。日本テレビ「ウッチャンナンチャンのウリナリ、ダンス TENJIKU 全国大会」で優勝。ストリートダンス協会専門委員長、ダンス教育振興連盟JDAC 実行委員長、日本高校ダンス部選手権審査員も務める。ボカロPとして楽曲制作なども手掛けている。 

動画・写真撮影:桜木奈央子

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桜木奈央子
桜木奈央子

写真家、ライター。2001年からアフリカ取材を続ける。著書『世界のともだち ケニア』『かぼちゃの下で』。雑誌や新聞にフォトエッセイや書評を執筆。「cinema stars アフリカ星空映画館」代表。最近の趣味は息子2人のサッカー撮影。小学生の頃は本の虫、星野道夫さんに憧れ17歳でひとり旅に。

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