2021.10.25
習い事Q&A 秋音ゆう

フィンガーペインティングとは?子どもの自己肯定感と創造力を伸ばす遊び方と効果

子どもの心を開放する“遊び”として幼稚園などでも取り入れられている「フィンガーペインティング」。フィンガーペインティングとはどういうもので、子どもたちにどんな効果があるのでしょうか。お家で子どもが親と楽しめるフィンガーペインティングの遊び方などについて『ゆびえのぐ』などを発売している文具メーカー「ぺんてる」(本社:東京都中央区)で画材の開発担当の鎌田理沙さんに話を伺いました。

<今日のポイント>

  1. フィンガーペインティングは子どもの五感を刺激するアート遊び
  2. フィンガーペインティングは3歳ごろからはじめるのがおすすめ
  3. 絵の具は水で落としやすく、子どもに安全なものを選ぼう
  4. 版画遊びと手形スタンプに挑戦してみよう
  5. フィンガーペインティングの魅力は子どもの自己肯定感と創造力などが伸びること
  6. 汚れが心配なら風呂場や野外でフィンガーペインティングを楽しもう
  7. 作品に質問を投げることで、子どもの「好き」を見つけよう

子どもの五感を刺激する 心と体を育むフィンガーペインティング

フィンガーペインティングはそもそもどんな遊びなのでしょうか?フィンガーペインティングの疑問を解説します。

フィンガーペインティングとはどういうもの?

A.自分の手や指に直接絵の具をつけて自由に描く遊びのことです。子どもの五感を刺激し、創造力を豊かにする効果があるといわれています。 

日本ではあまり馴染みのない遊びかもしれませんが、その歴史は古く1930年代ごろにヨーロッパではじまったと伝えられています。小学校の図画工作のカリキュラムに取れ入れられていたり、子どもの心を癒やす「セラピー」や子ども同士が仲良くなるための「アイスブレイク」として用いられたりします。

フィンガーペインティングは何歳からできるの? 

A.なんでも口に入れる時期が過ぎた時期、3歳ごろからはじめると良いでしょう。

クレヨンや筆など道具を使わず握力が不要なので、赤ちゃんでも簡単に描くことができます。手指の神経は大脳につながっており、手指の運動は脳に刺激を与えるといわれています。幼児期から指先の感覚を刺激するのは大切です。

絵の具は水で落としやすく、子どもに安全なものを選ぼう

ぺんてるの「ゆびえのぐ」シリーズ(全8色)

 

子どもに安全に楽しんでもらうためには、安心できて使いやすい道具選びが重要です。どんな絵の具を選べば良いのでしょうか。

絵の具の選び方はどうしたらいいの?

A.直接体に触れるものなので、飲み込み防止のために苦味剤が入っているかどうかなど、子どもが誤って口にしても安全なものを選びましょう。また、水で簡単に落とせる絵の具を選ぶと後片付けが楽になるでしょう。

ぺんてるの絵の具「ゆびえのぐ」は水溶性で水でも落としやすく、欧州のフィンガーペイントの規格(EN71-7)に適合しており、安全性の高い防腐剤や材料を使用しています。このような安全面での基準をクリアしているかどうかも確認しましょう。また、「ゆびえのぐ」のように、マヨネーズのように絞り出しタイプの容器だと、子どもでも簡単に絵の具を出せるので手軽に使えます。

親子でできる!おすすめフィンガーペインティングの遊び方2つ 

ここでは準備するものや遊び方など、お家で子どもと親が気軽に楽しめるフィンガーペインティングの遊び方を2つ紹介します。

①フィンガーペインティングの版画遊び

準備するもの:絵の具、ビニール製のシート、汚れても良い服装、模造紙(または画用紙)、汚れを拭くタオルなど

遊び方:ビニール製のシートの上に、直接好きな色の絵の具を絞り出します。絵の具を直接触り、指で好きな絵を描いたりしましょう。フィンガーペインティングを遊び終えたら、絵の具が乾く前に上から模造紙を押し付けます。指の跡や描いたものを写し取ることができます。 

ポイント:ビニール製のシートはホームセンターなどで手に入りますが、用意が難しい時は大きなゴミ袋を切り開いて代用できます。つるつるした素材の上に描くと、絵の具の滑らかさをより感じられます。描いた絵を消したい時は手のひらでさっとなでると良いです。絵の具は出し渋らず、たっぷり使いましょう。

②手形スタンプ

準備するもの:フィンガーペインティング用の絵の具、画用紙、水性ニス

遊び方:絵の具を手のひらに塗り、画用紙に押し当てるだけ。子どもの力だけできれいにスタンプができないときは、少し多めに絵の具をつけてください。成長の記念に手形・足型を残すにもおすすめです。

ポイント:手形を長期に渡り残したい場合は、絵の具が乾いた後にニスを塗っておくと、ひび割れによる剥がれ落ちを防げます。何色もの手形を重ねてスタンプすると、まるでアート作品のような出来栄えに!完成した作品をお家で飾るのも良いでしょう。

フィンガーペインティングの5つの魅力・効果を紹介!

自由な表現が楽しめるフィンガーペインティング。フィンガーペインティングをすると、どんな効果やメリットがあるのでしょうか。ここでは、子どもたちに身につくスキルを5つ解説します。

 ①ゼロから創り出す力が伸びる

真っ白な紙と、絵の具だけで楽しめるフィンガーペイント。遊ぶときは、ぜひ絵のテーマなどを決めずに、子どもがやりたいように、自由に表現できる環境を整えてください。具体物を描くのも良し、ただ手でぐちゃぐちゃにするのも良し。偶然から生まれる発見や気づきが子どもの創造力(クリエイティビティ)につながります。

 ②色彩感覚が豊かになる

絵の具を使った遊びは、色彩感覚が豊かになります。子どもが好きな色を使ったり、色を混ぜ合わせ新たな色をつくったりして、体感的に色を感じて色彩の概念を学ぶことができます。いろんな色の絵の具を取り入れてみてください。

 ③手を動かすことで五感を刺激し、自己表現力を磨く

道具をうまく使ってものづくりや絵を描くことだけがアート力ではありません。直接手や指で、ひんやりつるつるした、非日常の感触を体験することも学びの一つです。五感を刺激し、指だからこそ表現できる線や跡をつけることで、自己表現力を磨いていきます。

④自己肯定感が育つ

感触が楽しいフィンガーペイントに、子どもたちはどんどん興奮していきます。自由な発想と表現で、すてきな作品が生まれるはず。作品ができあがったときは、親は全力で子どもを褒めてあげてください。全身で楽しんだ経験と無条件に褒められた記憶が積み重なることで、子どもの自己肯定感も高まります。

 ⑤他者理解や社会性が身につく

集団保育の場では、大きな模造紙を広げてグループでフィンガーペイントをします。個々に好きなものを描いたり、誰かと協力して描いたりできます。絵の具の貸し借りや、それぞれ描いたものへ感想を言い合うことで、コミュニケーションが生まれ、ゆずりあいの気持ちや協調性などの社会性を身につけることができます。ぺんてるでは新入社員のレクリエーションとしても取り入れました。

お風呂場でフィンガーペインティング!?部屋の汚れ対策を解説

ぺんてる茨城工場内で作っている絵の具

アート活動には片付けがつきもの。絵の具を使うので、気になる汚れ対策や洗濯方法について紹介します。

家の中だと汚れそう…どうしたらいいの?

A. 汚れが心配!と感じるなら、「お風呂場」の壁などに直接絵の具をつけてフィンガーペイントを試してほしいです。野外でもできます。 フィンガーペイントは楽しくなるとヒートアップして、絵の具が飛び散ることも。そこで叱ってしまっては本末転倒なので、室内でする場合は事前に家具をカバーするなどして対策しましょう。

浴室の壁はつるつるしているので、絵の具なめらかさを活かし、感触を楽しむことができます。水で落とせるタイプの絵の具を使用すれば、壁に汚れが残りにくく、思う存分アート体験ができます。絵の具が乾く前に洗い流すとお手入れが簡単です。排水溝がつまらないようにたっぷりの水で洗い流しましょう。子どもが浴室で足を滑らせないように親はきちんと見守ってくださいね。

洋服についた場合はどうやって落とすの? 

A.万が一洋服についた場合は、洗剤を溶かしたお湯(40〜50℃)につけ置きし、汚れたところをよくもみ洗いしましょう。衣類に合う漂白剤をぬるま湯に溶かして再度つけ置きした後、水で洗ってください。絵の具が乾ききる前に流水で洗うと落ちやすくなります。

遊ぶときは、汚れても良い服装や、スモックなどを着ると安心です。参考:水彩絵の具の落とし方(ぺんてるのサイト)

作品に質問を投げることで、子どもの「好き」を見つけよう

親が子どものためにできることは?

A.子どもが好奇心を持ってなにかをつくろうとしている時は、面倒だなと思ってもぜひ嫌がらずに興味を示してあげると良いでしょう。

できあがったものには大人の視点で決めつけず、「これはなあに?」「どこがお気に入りなの?」と子どもに質問してみてください。遊びのなかで自分の「好き」を見つけられれば子どもの自信につながります。

ぺんてる・鎌田理沙さんからのメッセージ

泥遊びや水遊び、絵の具を使った遊びなど、親が「汚れて後片付けも大変そう……」と思うことほど、子どもたちは喜びます。それは、本能的に自分で体感することで「知りたい」「学びたい」と思うからかもしれません。子どもの知的好奇心を大切に、ちょっと大変な遊びも一緒に楽しんでください。親も意外とフィンガーペイントによって心身ともに解放されるかもしれません!

【プロフィール:鎌田理沙(かまだ・りさ)】

クレヨンやサインペンでおなじみの文具・事務用品メーカー「ぺんてる」に2014年に入社。入社時より画材の製品開発に携わる。現在は絵の具の開発を担当。子どものころの習い事はピアノ、バレエ。

取材協力: 鶴見大短期大学部 非常勤講師 馬場千晶先生(武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒、銅版画作家、造形講師)

写真撮影:横関一浩

動画撮影:北川サイラ

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みらのび掲載中の「アート」の習い事一覧

秋音ゆう
秋音ゆう

専業主婦からライターへ転身。教育・絵本・多様性を軸に、子育てメディアを中心に執筆。自身の経験や3人の子育てで感じた想いから「みんなが生きやすい社会」を伝えたい。子どもの頃に夢中になったことは「お話作り」。「エルマーの冒険」のようなお話を創作してノートに書いていました。今では長男が絵本作りにハマっています。

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