2021.10.19
習い事Q&A 秋音ゆう

子どもの自己表現力が伸びるクレヨンの遊び方4選 子育てのヒントも紹介

大人もみんな、幼いころには「クレヨン」を使って遊んだ記憶があるでしょう。 はじめてクレヨンを手にしたとき、カラフルでかわいらしいビジュアルに、きっと誰もがわくわくしたはず。子どもの表現の幅が広がるクレヨンの遊び方4選とクレヨンを通して身につく5つのスキルを解説します。文具メーカー「ぺんてる」(本社:東京都中央区)で画材の開発を担当している三浦愛実さんに取材しました。

<今日のポイント>

  1. 安全基準をクリアしているクレヨンを選ぼう
  2. 鉛筆型のクレヨンは線描き、円柱型のパスは面塗りがメインの画材
  3. クレヨンを使うのは2歳からがおすすめ
  4. スケスケお絵かきやスクラッチなど様々な遊びに挑戦しよう
  5. クレヨンの魅力は「自己表現力が伸びる」「色彩感覚が育まれる」など
  6. 親は子どもの表現を認めてあげることが大切

進化するクレヨン!安全基準をクリアしているクレヨンを選ぼう

子どもとクレヨンは切っても切り離せない関係にあります。さまざまな種類のクレヨンがありますが、いったいどのようなタイプが使いやすいのでしょうか。

子どもに適したクレヨンとは?

A. 昔ながらの油性のクレヨンがおすすめです。油性クレヨンは紙以外にも書くことができるので、いろいろな表現ができます。 

クレヨンは色の素である顔料をオイルで練り、ワックスで固めたもの。油性クレヨンは、描き心地が水性クレヨンよりも柔らかいのが特徴です。月齢が低く、画面の外へはみ出てしまい家具を汚してしまうのが心配であれば、ぺんてるの「水でおとせるふとくれよん」など、水で落とせるクレヨンを使うと便利です。使用環境に合わせて上手に使い分けてください。

進化するクレヨン!どんなものがあるの?

A. 一般的には棒状のクレヨンが多いと思います。人間は本能的に棒状の筆記用具などをみると何か描きたくなるそうです。しかし、最近は子どもが握りやすいように持ち手が丸いクレヨンもでています。

さまざまな色が混ざったマーブルクレヨンや、折れにくいプラスチッククレヨンなどがあり、クレヨンの世界は奥深いです。ぺんてるでは、子どもの手にぴったりフィットする直径約8mmの「ぺんてるくれよん」と、強く握っても折れにくい直径11mmの「ずこうクレヨン」があります。

クレヨンとクレパスの違いは何?

A. ワックスが多いクレヨンは固めで、油分が多いパスは柔らかめなど、大きくわけて3つにの違いがあります。 

  1. 鉛筆型のクレヨンは線描き、円柱型のパスは面塗りを主に目的とした画材。
  2. クレヨンとパスの材料はほぼ同じだが、顔料、オイル、ワックスの配合が異なる。ワックスが多いクレヨンは固めで、油分が多いパスは柔らかめ。
  3. クレヨンはワックスが多く含まれるため、紙以外のペットボトルやビニールなどつるつるした素材にも描けるが、パスはそのような素材には描きにくい。

パスの一般名称は「オイルパステル」です。 昔のクレヨンはもっと描き心地が固かったのですが、今は柔らかくなってきているので、クレヨンで面塗りすることも難しくありません。明確な使い分けをせず、気に入ったものを取り入れましょう。

クレヨンを選ぶときの注意点とは?

A. 子どもがクレヨンを舐めたり、誤飲してしまう恐れがあるので、国際玩具安全基準ISO8124-3(重金属8元素の基準値)に適合しているかどうかクレヨンの箱の表記などを見て、確認しましょう。

クレヨンに、誤飲防止のための苦味剤が含まれているかどうかも調べましょう。ぺんてるのクレヨンは万が一飲み込んでしまっても、有害物質が体に吸収されないように開発されています。

クレヨンを使うのは2歳からがおすすめ

クレヨンで遊ぶのは何歳からが良いのでしょうか?

A. メーカーとして対象年齢は決めていませんが、目安としてものを口に入れなくなり、握力や手首の返しが強くなってきた2歳ごろからがおすすめです。

座って何かを両手で持つようになると、お絵かきをはじめられますよ。筆圧が弱くても描ける水性ペンなどから使いはじめ、力がついてきたらクレヨンを導入すると楽しみが広がります。

お絵描きをするときのポイントは?

A. はじめは、「何かを描く」というよりはクレヨンそのものの素材を楽しむことが大事です。 グルグル、ガキガキ、テンテン、手でこすって混ざった!など、のびのびと自由な使い方をしてみると良いでしょう。 

5歳ごろからモチーフ(形)などを具体的に意識しはじめ、好きなものを描いたり、思い浮かんだ情景を描いたりと、自分の世界を表現するようになっていきます。はじめから上手に描けなくても大丈夫。思いのままに手を動かしましょう。

親子で楽しめる!おすすめクレヨン遊び4選を紹介

クレヨンの遊び方といえば、紙でのお絵描きを思いつく人が多いでしょう。子どもの自由な表現を育むうえで「お絵描き」はとても大事な遊びです。ここでは、定番のお絵描き以外の「一歩進んだ」クレヨン遊びを4つ紹介します。

①スケスケお絵かき

準備するもの:クレヨン、透明のラッピングシートやOPPフィルム、野菜袋など丈の長いビニール袋、ティッシュ、セロテープ 

遊び方:机や床、壁や窓などに透明フィルムを貼って、お絵かきします。つるつるした素材にもきれいな発色でスムーズに描けるクレヨンの特性を活かした遊び方です。窓に貼ると、透けて見える風景を活かした表現もできますよ。視点が変わって楽しいです。丈の長いビニール袋にヘビなどを描いて遊ぶのもおすすめです。透明なシートに背景を描き、紙人形を使って劇遊びに発展させると、ストーリー性が生まれ、言語遊びにもつながります。


②フロッタージュ

準備するもの:クレヨン、コピー用紙などの薄い紙、写したいモチーフ

遊び方:身の回りにある、凸凹したものに薄い紙をかぶせ、動かないように押さえてクレヨンで軽くこすりましょう。すると、あら不思議!模様が浮かび上がってきます。葉っぱの葉脈やコイン、マンホールなどもモチーフになりますよ。外でする場合、親は必ず付き添いましょう。たくさんの模様を集めてみてくださいね。 


③スクラッチ

準備するもの:クレヨン、画用紙、竹串、アイスの棒、プラスプーン・プラフォーク・プラナイフ・画用紙の下に敷く新聞紙 

遊び方:画用紙全面をカラフルに塗りこみます。その上から、黒などの濃い色でカラフルな面が見えなくなるまで塗りつぶしましょう。竹串やプラスチックのフォークなどを使って上からひっかくと、はじめに塗りこんだ下地が出てきます。削る道具は鋭利な形です。怪我がないよう見守ってあげてください。削ると、クレヨンのカスが出て汚れやすいで、カスをふき取るティッシュを用意し、紙の下に新聞紙を敷いておきましょう。


④はじき絵

準備するもの:クレヨン、画用紙、水彩絵の具、画筆

遊び方:クレヨンで自由にお絵かきをした上から、水で溶いた水彩絵の具を塗り広げましょう。すると、クレヨンのところだけ絵の具をはじき、絵が浮かび上がります。夜空に浮かぶ花火や、海の生きものを表現すると楽しいですよ。はじき絵では油性クレヨンを使用してください。水性クレヨンの場合は絵が溶け込んでしまい、きれいに浮かび上がりません。 


「自分の世界」を表現できるクレヨン 身につく5つのスキルとは

はじめて手に持つ画材はクレヨンという子どもたちが多いでしょう。ここでは、クレヨンを使うことで身につくスキルを5つ紹介します。

①既存の正解に縛られない「自己表現力」が磨ける

日々新しい発見がある子どもたち。感じたことを手軽にアウトプットできるツールとしてクレヨンは最適です。いまの時代には、「自分なりの表現」ができる人が求められてきています。思いをすぐに形にすることで、既存の正解に縛られない、自由な自己表現力を育むことができます。

②色彩感覚を育む

クレヨンの巻紙や箱に色名が書かれているので、色名を覚えるツールとしての役割もあります。ぺんてるのクレヨンの色や色名は、日本の画材メーカーに対して一定の範囲で色を提供するように求める「日本工業規格(JIS)」をベースに決めています。「赤はこの色、青はこの色」と子どもが色の基準を持ち、ズレを生じにくくするための規格です。

③多角的な視点が身につく

クレヨンを使うと多様な表現ができるので、自然と気付きが生まれます。例えば、透明なシートにお絵かきをして窓の近くに持っていくと、光の加減で色の見え方が変わります。このようなアート体験を通して、物事にはさまざまな側面があることを知り、多角的な視点が身につきます。

④観察力が伸びる

「みどり」と名のついたクレヨンだけ使っても、自然の木々や葉っぱのみどりと同じ色が表現できるわけではありません。そのことに気づくと、子どもはどの色を混ぜたら、今見ている木や葉っぱの色に近づくのかと考えるようになります。このような体験を繰り返すと、ものを自然と観察する力が身につきます。

⑤「マイクレヨン」を渡すことで道具を大切にする

子どもは自分だけの箱に入ったクレヨンがあると、道具を大切にする気持ちが自然と育まれます。最初は、よく使う色が揃った12色や16色セットなどで十分です。

これでいいの?クレヨンで個性を伸ばす子育てのヒント

クレヨンにまつわる疑問などについてまとめました。 

うちの子は同じ色ばっかり使う…大丈夫なの?

A. 子どものあるある話のひとつです。例えば雲をピンクで描くなど、事実とは違う色を使うこともあります。でも子どもたちの表現には何かしらの理由があるはずなので、その色を選んだ理由を聞いてみてください。

その一色が特にお気に入りなのかもしれません。大切なのは、表現を認めてあげること。「こうあるべき」はあくまでも大人の考えです。子どもは多様な考えを持っているので、その考えを尊重することで個性が伸びます。実際と違う色を使っていてもそこまで心配しなくても大丈夫です。

お絵かきをしたがらない!どんな声かけをしたらいいの?

A. 真っ白な紙を渡されて「自由に描いてみて」と言われると、大人でも困ってしまいますよね。「こうしたらこうなるよ」と表現の見本や気付きのヒントを提示してあげてください。

最初はまねっこからでいいですよ!「クレヨンの使い方」なんてルールをつくったり、「上手に描きなさい」と言ったりすると、子どもたちも楽しめません。思い思いに描くと、次第に自分の描いた痕跡を意識し、「ママなの!」「ヘビだよ!」と楽しむようになります。親は子どもの話をうんうんと聞いて、子どもなりの表現を受け止めましょう。

巻紙ははがしてもいいの?

A. クレヨンの巻紙は手指の汚れ防止のためと色名を覚えてもらうためにつけています。紙をはがしてクレヨンの持ち手部分を使って面塗りをしても大丈夫です。

ぺんてる・三浦愛実さんからのメッセージ

正しい絵の描き方というのはありません。表現に正解も不正解もないので、思ったことを自由に表現する姿をぜひ受け止めて褒めてあげてほしいです。親もお子さんと一緒にクレヨンでワクワクする時間を楽しんでもらえたらうれしいです。

【プロフィール:三浦愛実(みうら・まなみ)】

2016年に文具・事務用品メーカー「ぺんてる」に入社。入社時より画材の製品開発に携わる。現在は固形描画材の開発を担当。子どものころの習い事は日本舞踊とピアノ。

取材協力:鶴見大短期大学部 非常勤講師 馬場千晶先生(武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒、銅版画作家、造形講師)

写真撮影:横関一浩

動画撮影:北川サイラ

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秋音ゆう
秋音ゆう

専業主婦からライターへ転身。教育・絵本・多様性を軸に、子育てメディアを中心に執筆。自身の経験や3人の子育てで感じた想いから「みんなが生きやすい社会」を伝えたい。子どもの頃に夢中になったことは「お話作り」。「エルマーの冒険」のようなお話を創作してノートに書いていました。今では長男が絵本作りにハマっています。

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