2021.10.12
学びをはぐくむ 曽田照子

その言い方OK?NG? 子育てのコトバ 第7回 「フィジカル」を伸ばす 曽田照子さん

第7回:フィジカルをつぶす言葉、伸ばす言葉

いまの子どもたちに特に伸ばしたいのが「フィジカル」の力です。コロナ禍で家に閉じこもりがちだったり、公園でボール遊びがしにくかったりなど、何かと運動不足になりがちなのが、現代の子どもたちです。いまの状況で、子どもの体を強くして、運動神経を伸ばすためには、どんな言葉をかけたらいいのでしょうか。

①せっかく始めたダンスなのに、家でぜんぜん練習をしない……

NGワード:「練習しなさい!」

フィジカルの力は遊び、スポーツやダンスなど、好きなことを楽しみながら自然な形で身につけるのが理想です。
だから子どもが「やりたい」というダンスを始めたのに、ぜんぜん練習をしない……困りますよね。

次のレッスンではちゃんと復習してきた他の子たちと差が付いてしまいます。
子どもが困る、かわいそう、というだけでなく、教室によってはやんわりと「お家の人が見てあげてくださいね」なんて先生から圧をかけられ、他の父母に冷ややかな目で見られることもあります。
ガミガミ言いたくないと思っていても、親としては「練習しなさい!」と言わざるを得ない現実もあるのですよね。

「ひとりで頑張る」がまだ難しいのかも?

何かを習得しようと思ったら練習は必要です。そんなことは分かりきっているのに、なかなか練習しようとしない子ども……スポーツに限らず、他の習い事でも、勉強でもよくありますよね。

口うるさく「やりなさい」と言っても効果がないときは、子どもと一緒にやってみてはどうでしょうか。

OKワード:「一緒に練習しようよ!」

いくら好きなことでも、練習って孤独で退屈なものです。
大人なら「繰り返し練習すればできるようになる」と見通しが立っていますが、子どもは「今」がすべて。人生経験が少ないため、こうしたらこうなるはず、と因果関係で未来を想像するのが苦手です。誰でも見通しの立たない状況で頑張るのは難しいですよね。

だから「練習すれば上達する」という成功体験を積ませるためにも、しばらくは親が家庭での練習に付き会ってあげるのがベストではないでしょうか(忙しいときは、毎日10分だけ付き合う、というように短期集中型で)。

親が教えるときはくれぐれも慎重に

そうそう、子どもと一緒に身体を動かすとき、「こうやって投げてごらん」「腰を使うんだよ」などと「指導」したがる親も少なくありません。
教えることが悪い、とは言いません。うまくいけば親子の楽しい時間にもなります。

でも、教えるときは注意が必要です。
教えすぎて子どもが楽しくなくなってしまったり、熱血指導で子どもの身体に無理がかかってしまったり、プロの指導者の方針と違って子どもが混乱したり……ということがないよう、しっかり気をつけたいものです。

OKワード:「ここの振り付けって、どうやるの?」

特に、野球、サッカーなどは経験者ほど熱くなりがち。できれば教えるのではなく、最新の指導方法を子どもを通して学ぶ、くらいのつもりでちょうどいいのだと思います。子どもに「教えて」と頼むという形を取ると良いかもしれませんね。

②運動神経がいいとは言えない我が子、そういえば私も運動は苦手だったなあ……

NGワード:「あなたの運動音痴は遺伝ね」

生まれつき運動能力に恵まれている人、そうではない人、さまざまです。
子どもの頃から体育の授業が苦痛だった、という(私のような)タイプは、自分の子どもが運動面で活躍できなくても「ああ、私もそうだったから気にしなくていいよ~」と、軽く考えてしまいがちです。

でも、それでいいのでしょうか?
これから一生付き合う体の土台を作る成長期に、運動嫌いや運動不足はできれば避けたい、ましてや、体を動かす機会が以前より減っている不自由な昨今です。少し前なら遊びで自然に身につけていた体力や運動神経が育ちにくくなっています。

子ども自身に「遺伝だからできなくて当然」と思い込ませてしまうのはよくありませんよね。
できない→やらない→ますますできない→ますますやらない……という負のスパイラルに陥ってしまいかねません。

少しの努力でも成果が現れるかも

運動が苦手、ということは……「伸びしろ」かも知れない、と発想を転換してみませんか。
いま現在、あまり運動に取り組んでいないのならば、少しの練習でも、成果が表れやすいのではないかと思うのです。
親としては意識して運動の成果を認め、運動を好きにさせるような声かけをしていきましょう。

OKワード:「いっぱい練習したから、昨日より早くなってるよ!」

周囲の子と比べずに、比べるなら過去の本人と、が鉄則です。
子どもにとって、少しでも自分が成長しているという実感は嬉しいものです。「やればできる」と信じて諦めず取り組む力も育ちます。

自分は運動音痴、と子ども自身が思い込んでいるときは……

なぐさめのつもりで、「ああ、遺伝ね」と言ってしまう ケースもあるでしょう。
すでに子どもが「自分は運動が苦手なんだ」というセルフイメージを抱いてしまっている場合は、運動だと意識させずに、体を動かすことを生活習慣に取り入れてみましょう。といってもキツいのはNG。親子でいろいろ話しながら散歩やウォーキングなんていかがでしょう。

OKワード:「一緒に散歩(ウォーキング)しよう」

フィットネス系の動画を見ながら一緒に体を動かしたり、スポーツ系のゲームを楽しんだりするのもいいですね。

体を動かすのは本来、人間にとって楽しいことのはず。
誰かと比べたり競争したりせず、親と一緒に体を動かすことで、子どもは運動の本来の楽しさを感じることができるでしょう。
大人だって運動不足解消やダイエット効果が期待できますから、一石二鳥ですね。

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曽田照子
曽田照子

ライター。広告制作会社を経て20代前半でフリーに。「親から子への言葉かけ」をメインテーマに、書籍やWEBで書いています。小学5年生で手芸クラブに入部、フェルトをちくちく縫ってマスコット人形を作っては周囲にプレゼントをしていました。今は和裁を習っています。娘3人+猫の母親です。

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