2021.10.14
学びをはぐくむ 平岡妙子

「公文イヤだ!」は変えられる 子ども4人を東大に入れた佐藤ママの公文式学習法

子ども4人を東大理Ⅲに合格させた「佐藤ママ」こと佐藤亮子さんは、小さいときから公文式学習に取り組ませていました。子どもたちが嫌がることなく、毎日の計算プリントが出来ていたのは、佐藤ママが飽きさせないように面白い方法を考えていたからです。子どもに「やりたくない」と言われたら、どうするの?公文に楽しく取り組むことができる4つの工夫について、教えてもらいました。

ポイント

  1. 小さいときからやる。やることが当たり前にする
  2. 「やりたくない」には理由がある
  3. 楽しくできる工夫をする

小さいときから取り組む。勉強が当たり前の環境づくり

――佐藤ママの4人のお子さんたちは、全員公文をやっていたのですか?

全員1歳ごろから公文に通っていました。長男と次男は年子なので、次男は8カ月で始めました。兄の真似をして自分のプリントに線を引くことが遊び感覚でした。

子どもは2歳を過ぎるとおもちゃの方が楽しくなって、3歳で「やだー」って言い始めます。その前に10~15分間でいいので、生活の中で習慣化してしまうことですね。「そんな小さな時から、子どもがかわいそう」という声もありますが、ちっちゃい時ほどラクですよ。

――あまり小さいと、きちんと座ってやらせることが大変そうですが…

小学校に入ってから、いきなり椅子に座って「勉強しなさい」って言うと大変ですが、その前に習慣にしてしまう。「これ楽しいよ!」って親が言うと楽しく線を引く。引けたらお母さんがほめてくれるので、「またやろう」という気持ちになります。

「やりたくない」には理由がある

――多くの家庭は、小学校入学前の4~5歳ぐらいから通い始めます。その年齢でプリントをやらせることが大変なのですが…

子どもなので、楽しくなかったら出来ません。1日プリント5枚って決めても、子どもが「え~っ」って嫌がった日には、私は枚数を減らしていました。

子どもが嫌がっているのに、「やるって決めたでしょ。なんでやらないの?」って怒るお母さんがよくいます。でも子どもが「え~っ」と言ったときには、やりたくない理由が必ずあるんです。

イヤだと言っている子どもに、「やりなさい」って押しても、絶対やらない。そうでなくて、「えっ、やりたくないの?」って引くことが大事です。

やりたくない理由には、「枚数が多い」「問題が難しくなった」「毎日同じなのであきちゃった」「つかれている」とか、何かあるんですよ。

――でもまぁ、同じような問題を繰り返しやるので、誰でも飽きちゃうとも思いますが……

そうですね。1ケタの足し算とか、本当に飽きます。最初の1ケタの足し算の山を越すのが、最難関で大変。何カ月もかかる。でも1ケタの足し算は、小中高の算数の基礎の基礎ですから。考えずに答えが出てくることが大事。だからこそ、楽しくやれる工夫を親がしてあげることが必要です。

楽しくできる工夫をする

1.筆記用具を変える

私がまずやったことは、筆記用具を変えることです。
鉛筆でなくてもいい。公文の先生と相談して、筆記用具を色鉛筆、クレヨン、クーピー、サインペンや色マジックなどいろいろと使わせました。筆ペンも使いましたね。

いつも鉛筆なのに「赤のマジックで書いていいよ」と言うと、すっごく喜んで書きます。クレヨンの紫とか緑とか好きに使わせると、計算でも落書きのような気持ちになって、「やる、やるぅ」って面白がってやりますよ。

2.プリントにシールを貼る

子どもはシールが大好き。100円ショップでいろんなシールを買いました。できたら貼ってあげていろいろ飾る。自分でも喜んで貼りますよ。

あとは、付箋も貼りましたね。クマやパンダとか可愛い付箋をその日やるプリントに貼って、出来たらはがしても良いよ、っていうのも効果的でした。

3.ごほうびにお菓子

ちっちゃい子には、お菓子で釣るのもいいと思いますよ(笑)。
私はマーブルチョコを5つ並べて置いて、プリント1枚できたら1個食べて良いよってルールを決めていました。色がきれいで、喜びますよね。プリント1枚やったら「パク」、もう1枚やったら「パク」って。マーブルチョコが減るでしょ。プリントも終わりが見えてやる気になります。

4.順番にこだわらない。

もらったプリントを順番にきっちりとやらせるのは、子どもは嫌がります。私がよくやったのは、プリント10枚ぐらいをトランプみたいにぱあ~って広げて、「お好きなものをお取りください」とかふざけてました。やる気になれるものからやったらいい。5枚一気にやらなくてもいい。最終的な目標は覚えることですから。

もう、あの手この手ですよ。
お母さんがどなりちらすのではなくて、楽しくやれる方法を考えればいいんです。

難しい問題は、貼って「見慣れる」

――問題が難しくてイヤだって言い出したらどうしたら良いですか?

確かに難しい問題はあります。長男を見ていたら、手がちょっと止まる問題がありました。どこで止まっているのかなと見たら、8+7=15でした。日本全国の子どもは、8+7=15と6+7=13が嫌いです。

そこで私は、8+7=15とA4に大きく書いた紙を30枚作りました。マジックの色も変えて、家中の目につくところに貼りました。まずは、天井。脚立持ってきて上向いて貼って、命がけでしたからね(笑)!落ちたら死ぬな~って。子どもは寝転んだら、天井に貼ってあるからビックリ!

冷蔵庫のジュースの前にも貼って、8+7=15をめくらないと飲めない。

「ママ~、8+7=15が冷え冷えになってる~!」って走って報告に来てくれましたよ。冷凍庫のアイスの上にも置いたし。

エアコンの吹き出し口に貼ったときは、スイッチを入れた後に「ママ~、8+7=15がバタバタしてる~!」ってまたまた報告に来てくれました。

そんなことを繰り返していたら、みんな覚えちゃって、下の子は8+7=15で全然止まりませんでした。

その方法は、その後の受験勉強の暗記にも役立ちました。子どもはすぐに忘れてしまうもの。覚えるのではなくて、「見慣れちゃった」という状態にすること。

センター試験の世界史も、A4の紙に書いて貼って「見慣れる」ようにしました。楽しく工夫したことは、のちのちの勉強にも活きてきますよ。


後編では、公文の国語や計算はいまの時代の学び方に合っているのか、そして公文とそろばんはどちらを選んだら良いのかについてお話しを伺います。

【後編】公文とそろばん、どっちをやらせたらいいの?




【プロフィール・佐藤亮子(さとう・りょうこ】

大分県出身。津田塾大学卒業後、私立高校で英語教師として勤務。結婚後、夫の勤務先の奈良県で専業主婦に。三男一女の4人の子どもを東京大学理科三類に進学させた。現在は、子育てや勉強、受験をテーマに全国で講演活動を行っている。著書に「我が家はこうして読解力をつけました」(くもん出版)、「佐藤ママの子育てバイブル」(朝日新聞出版)など。浜学園アドバイザーをつとめる。

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平岡妙子
平岡妙子

朝日新聞社に記者として入社し、社会部、AERA編集部や武蔵野支局長など。教育担当が長く、主に小中学校の学力調査や受験業界などを取材。小学生の時には合唱団で歌っていました。学校の取材で子どもの歌声を聞くと、涙腺がすぐゆるむ。大学生の長男と小学生の長女がいます。

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