2021.12.21
習い事Q&A 本澤愛

音読の効果とは?親子でできる音読のやり方やおすすめの本を紹介

音読協会提供

 「音読」は良いとよく聞きますが、一体どんな効果があるのでしょうか。家庭で取り組める音読の効果と取り組み方について、一般社団法人音読協会の本澤愛さんが解説します。音読をするうえで参考になるおすすめの本も紹介します。ぜひ親子で音読を始めてみてください。

音読とは文章をよりよく理解するためのもの

音読とはどういうもの?

A. 「音読」とは、自分自身が文章をよりよく理解するために声に出して読むこと。 

音読と朗読の違いとは?

A. 「音読」と「朗読」はどちらも声を出すという点は同じであるため、混同されやすいのですが、目的が異なります。音読は文章を理解するために読むものに対し、朗読は、文章に含んでいる感情や情景などを上手く表現して「聞き手」に伝えるものです。 

家庭で身につく5つの音読効果

音読協会提供音読協会提供

 現在も学校の宿題で出される「音読」。ここでは5つのメリットを紹介します。

①読解力が身につく

文章を声に出して読むと、黙読したときと比べて、読み上げた言葉が自分の耳に入り、文章をよりしっかりと理解することができます。目(視覚)と耳(聴覚)という二つの感覚を同時に使って文章を追っていくことで、理解が助けられるのです。また、文章を声に出すには、意味のまとまりをつかみながら読む必要があるので、意味上の区切りを意識できるようになります。

②漢字を読む力が身につく

音読すると、漢字を読む力を伸ばすことができます。例えば、小学1、2年生レベルの語句である「七日」「九日」「水田」などの漢字の読みは、黙読しているだけでは、間違いに気が付くことができません。「ななにち」や「くにち」、「みずた」と読んでいるかもしれません。漢字を正しく読めるかどうかは、文章を正確に理解することにもつながりますので、子どもの読み方を親が確認しましょう。

③記憶力が高まる

声に出して文章を読む場合と、黙読した場合では、記憶力に差がでることがさまざまな研究で指摘されています。声に出して読むと記憶をつかさどる脳の前頭前野の動きが活発になって、読んだ文章の内容を記憶しやすくなるといわれています。もし音読することで記憶が高まり、読んだ内容を覚えることができるとするなら、音読をしないのはとてももったいないことですよね。

④日本語のリズム感が育つ

日本語の文章を声に出して読むことで、日本語の特有のリズム感を養うことができます。繰り返し声に出すことで、つまずいて読むことがなくなり、主語や述語を的確に捉えて読解をうながせたり、「てにをは」の使い方や句読点の適切な表現も身につけたりできるようになります。

⑤気持ちが落ち着き、やる気が出る

音読をしたら一気にやる気が出てきた!という子どもたちを何度も見てきました。大きな声で音読することでストレスホルモンが軽減され、気持ちが落ち着くといわれています。じっと座っていられない子どもや勉強をやりたがらない子どもにとっては、勉強モードに気持ちを切り替えるための準備体操としても有効です。

音読するときに気をつけたい2つのポイント

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 ここでは、家庭で音読する方法をお伝えします。音読するにあたっていくつか気をつけたいポイントがあります。

①聞き手が理解できる速さで音読しよう

音読はテンポよく読むことが大切です。聞き手が文章の内容をすっと理解できる程度が適切なスピードです。もしつまずくことが多くてスムーズに読めない場合は、親が先に1文を読んで、子どもがその後をリピートするという「追い読み」がおすすめ。反対に、スラスラ読める場合は、「お母さんとお父さんがわかるように読んでくれたら嬉しいね」などと伝え、早く読みすぎないようにリードしましょう。

②姿勢を正し、大きな声で音読しよう

音読をするときは、背筋を伸ばして姿勢を正しましょう。座っていると猫背になりがちな子どもには、立たせてやるのもおすすめ。口をもごもごして、何を言っているのかがわからないような小さい声では音読の効果は半減してしまいます。親が子どもから2、3メートル離れたところに座って、「ここまで届くように!」と伝えてみるのも効果的。声に出すことって楽しいんだ!そんな気持ちが芽生えると嬉しいですね。

音読におすすめの子ども向けの本まとめ

家庭で音読をする際に、おすすめの本をご紹介します。ぜひ、教科書以外の本でも音読に挑戦してみてください。

①音読テキスト集を活用する

4~12歳くらいまでを対象にした「音読集」を活用しましょう。ことわざ、名俳句、名作の一部などを声に出して読み、心地よい音のリズムを感じてみましょう。一般の書籍よりも活字が大きく、徐々にレベルアップできるような工夫がされています。1冊でバラエティ豊かな文章に出会うことができお得です。

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  • 「5~6歳 たしみながら脳を活性化させる おんどくれんしゅうちょう(学研の頭脳開発)」…学研の幼児ワーク編集部(編)
  • 「賢い子になる まいにち1分おんどく大百科366」…陰山英男(監)
  • 「頭がよくなる! 寝るまえ1分おんどく366日」…加藤俊徳(監)
  • 「陰山英男の徹底反復 音読プリント」…陰山英男(著)
  • 「国語の力がグングン伸びる1分間速音読ドリル」…齋藤孝(監)

②音読初級レベル(対象:年少~小学校中学年)

文字を読み始めたばかりの場合、今まで親が読み聞かせをしてきた絵本を音読すると子どもにとって負担が少なく取り組みやすいでしょう。「しりとり」「なぞなぞ」「早口言葉」「クイズ形式」の本などがおすすめです。我が家の子どもたちは、幼稚園児のころから「寿限無」や「風ニモマケズ」の音読をしてきましたが、文の持つリズムが面白いと感じたようでお気に入りの作品となりました。

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  • 「そらまめくんのベッド」…なかやみわ (著・絵)
  • 「3びきのくま」…いもとようこ(著・絵 )
  • 「しりとりしましょ!―たべものあいうえお」…さいとうしのぶ(著)
  • 「なぞなぞ1ねんせい (あたまがよくなる!)」…土門トキオ(著)、篠原菊紀(監)
  • 「ことばあそびうた (日本傑作絵本シリーズ)」…谷川俊太郎(著)、瀬川康男(絵)
  • 「都道府県のクイズ図鑑(学研のクイズ図鑑)」…木村真冬(監)
  • 「寿限無 (声にだすことばえほん)」…斎藤孝(著)、工藤ノリコ(絵)

③音読中級レベル(対象:小学校全学年)

音読に慣れてきたら、10分以上の音読に挑戦してみましょう。少し長めの文に慣れると、文を最後まで読み切る力が養われます。子どもが興味をもつ楽しい本を選ぶのも良いでしょう。

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  • 「なぜ?どうして?科学のお話3年生」…大山光晴(監)
  • 「10分で読める伝記 5年生」…塩谷京子(監)
  • 「タヌキのきょうしつ」…山下明生(著)、長谷川義史(絵)
  • 「はれときどきぶた」…矢玉四郎(著・ 絵)
  • 「日本のむかしばなし」… 瀬田貞二(著)、瀬川康男・梶山俊夫(絵)

④音読上級レベル(対象:小学校中学年以上)

まとまった時間が取れる夏休みなどを利用して、1人の作家の作品が複数収録された本など読んでみましょう。夏目漱石の「坊ちゃん」なら、声に出して通して読むと、5、6時間ほどかかりますが、何回かに分けて1カ月かけて親子で読んでみましょう。読み終えた後は、日本語の語感が育っていると実感し、自信にもつながります。

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  • 「オズのまほうつかい」…ライマン・F.バウム(著)、新井苑子(絵)、山主敏子(翻)
  • 「注文の多い料理店-宮沢賢治童話集1」…宮沢賢治(著)、太田大八(絵)
  • 「齋藤孝の音読破1 坊っちゃん」…夏目漱石(著)、斎藤孝(編)
  • 「声に出して読みたい日本語 音読テキスト2 宮沢賢治」 …齋藤孝(編)
  • 「文庫 声に出して読みたい論語」…齋藤孝(著)

音読に関するよくある質問まとめ

ここでは、音読に関して親から寄せられるよくある質問をまとめました。

どのくらい音読をやればいいの?

A. 1日1分でも構いません。

音読は短い時間でも、毎日継続して取り組むとよいでしょう。食事をした後や寝る前の1分でも構いません。慣れてきたら、少し長めの文章を5~10分ほど読めるになっていきます。もし、どうしてもやる気が出ない場合は、音読をした後などにちょっとしたご褒美をあげて、子どものやる気をアップさせる方法もよいと思います。

宿題に出る教科書の音読を嫌がる…どうすれば?

A. 音読は単調な作業なため、やりたがらないお子さんが多いです。その場合は、音読した本のタイトルを記録するノートやアプリを利用すると良いでしょう。本を読み終えたら、ノートに記入した本のタイトルの横にシールを張るなどして、子どもたちの達成感がでるように工夫してみましょう。

音読のタイムを計るのも有効です。1回目と2回目の音読のタイムを計って比べると、ゲーム的な感覚が出て、子どもたちは楽しく取り組むようになります。また、親子や兄弟姉妹で1文ごとに交代しながら読んで、どっちが上手に読めるかを競いあうのも楽しいでしょう。

学校の教科書の音読をものすごい早いスピードで読むのはいいの?

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 A. 聞き手が理解できる程度の早さで、正確に読めていれば問題ありません。間違いがあれば速度を調整しましょう。

読み間違いや読み飛ばしが多い場合は、速度を落とすように調整する必要があります。ストップウォッチを使って音読のタイムを計り、そこから約30秒を足したタイムで読んでみましょう。例えば、音読のタイムが3分だったのであれば、親子でどちらが3分30秒に近づけて読めるかを競い合ってみるものよいでしょう。

音読協会・本澤愛さんからのメッセージ

音読を習慣化することで、骨太の日本語力をつけることができます。音読はお金もかからず、どのご家庭でも今日からスタートできるすぐれた方法です。ぜひ、子どもと一緒に日本語の文章を声に出す楽しさを実感してみてくださいね。

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本澤愛
本澤愛

一般社団法人音読協会代表理事。2013年より音読の習慣を広めるために都内を中心に音読に関するセミナーを多数開催し、2016年に音読協会を設立する。これまでに1000組以上の親子に英語絵本の読み聞かせや音読の指導を行う。現在、全国で英語絵本の読み聞かせ活動を行うインストラクターの養成に奮闘中。東京都稲城市在住。小学生と幼稚園の2児の母親。

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