2022.01.05
習い事Q&A まなぼん

【これでわかる!】国際バカロレアとは?メリットと注意点を紹介

日本を含め、世界各国の学校で「国際バカロレア(IB)」のプログラムを導入する動きが広がっています。国際バカロレアのディプロマ資格試験で高得点を取得すると、世界の大学入試で有利になりやすいということから、注目が集まっています。一体どのような学びなのでしょうか。メリットと注意点は。国際教育評論家・まなぼん(本名:村田学)がわかりやすく解説します。

<今日のポイント>

  1. 国際バカロレア機構が提供している教育プログラム
  2. 「初等教育プログラム」「中等教育プログラム」「ディプロマ資格プログラム」の3つがある
  3. 世界の大学入学資格が得られるのがメリット
  4. ディプロマ資格試験に向けた準備が必要
  5. 得意な科目や部活動だけを突き詰めたい子どもには向いていない!?

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国際バカロレアとは世界の大学入学資格が与えられる教育プログラム

2022年に愛知県で開設される国際バカロレア候補校 ・国際高等学校のサマースクールの様子=国際高等学校提供2022年に愛知県で開設される国際バカロレア候補校 ・国際高等学校のサマースクールの様子=国際高等学校提供

 まずは、国際バカロレアの概要について説明します。

国際バカロレアとはどういうもの?

A. 国際バカロレアとは、国際バカロレア機構(本部:ジュネーブ)が提供している国際的な教育プログラムのことです。

1968年発足の国際バカロレア機構は多様性を尊重し、より平和な世界を築くことに貢献できる若者育成を目的としています。もともとは、親の転勤などで世界各国のインターナショナルスクールに通う子どもたちが、大学に進学できるように国際的に通用する大学入学資格を与えるために始まりました。プログラムを取り入れた学校を機構が認定する仕組みで、認定校は159カ国の約5400校に上ります(2021年11月時点)。

国際バカロレアが目指す人格像とは?

A. 国際バカロレアは全人格教育として下記の「10の学習者像」を提示しており、そこに向かい学びや人格を育てていきます。いわば西洋哲学の集大成の学びです。

【10の学習者像】

探究する人 知識のある人 考える人 コミュニケーションができる人 信念をもつ人 心を開く人 思いやりのある人 挑戦する人 バランスのとれた人 振り返りができる人

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国際バカロレアの3つの教育プログラム 

国際バカロレアのプログラムとは?

A. 国際バカロレアのプログラムには、「初等教育プログラム」「中等教育プログラム」「ディプロマ資格プログラム」の3つがあります。

国際バカロレアのプログラムの中で特に注目されているのは高校生を対象にしている「ディプロマプログラム」です。ディプロマ資格試験を合格すれば、世界の大学入学資格と同等の資格があると認められ、「IB入試」で世界各国の大学に志願することができます。国内でも「IB入試」を導入している大学が増えており、東京大学、筑波大学など含め全国で68校あります(2021年12月時点)。文部科学省IB教育推進コンソーシアムによると、 「資格試験の点数が高いほど入試に有利になる仕組みは、大学共通テストと似ています。資格試験の点数によって大学の合否は変わります。大学のIB入試も様々で、資格試験の点数の提出以外にも、別途試験などを設けるところもあります」と話しています。

参考:IB入試を導入している国内の大学(文部科学省IB教育推進コンソーシアム)

国内の私公立校でも国際バカロレアが普及しているのはなぜ?

A. 2021年9月時点で、日本の国際バカロレアの認定校・候補校は172校。もともとは、インターナショナルスクールを中心に普及していましたが、文部科学省は2022年度までに認定校・候補校を200校以上に増やす目標を掲げており、私公立校でも導入される動きが広まっています。

学習指導要領に導入された「探究型学習」も、文科省が国際バカロレアのプログラムを参考にしたものです。国際バカロレアのプログラムは、「なぜ」「どうして」という疑問から深掘りして、探究心や課題解決力などを育てる学び方が特徴的です。

参考:国内の認定校・候補校(文部科学省IB教育推進コンソーシアム)

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国際バカロレアのメリットと注意点

国際バカロレア一貫校のアオバジャパン・インターナショナルスクールの授業風景=アオバジャパン・インターナショナルスクール 提供国際バカロレア一貫校のアオバジャパン・インターナショナルスクールの授業風景=アオバジャパン・インターナショナルスクール 提供

国際バカロレアのメリットとはどのような点が挙げられるのでしょうか。保護者の声とともに、メリットを4つ紹介します。

 ①世界の大学入学資格が得られる

「ディプロマ資格試験は、寝る間もなく忙しく、6科目群満遍なく1教科も落とせないので緊張感が張り詰めていました。試験の点数で海外の進学先に複数志願することができ、行きたかった大学に見事合格することができました」(高校生の保護者) 

世界各国の大学への入試資格を得るには、「ディプロマ資格試験」に合格しなければいけません。試験は年に2回(春と秋)開催され、高校1年生から試験準備する学校が多いです。試験では、 「言語と文学(母国語)」「言語習得(第二言語)」「個人と社会」「理科」「数学」「芸術」の6科目があります。 試験は1科目7点で45点満点です。うち3点は、課題論文や「知識の本質」に関するプレゼンテーションなどが評価対象となります。また、試験の点数には含まれないものの、奉仕活動などの課外活動も資格を取得するうえで評価されます。試験は原則として24点以上取得する必要があり、2020年の5月試験の合格率は69 %で、11月試験は85%でした(詳細はこちら)。

②探究心と課題解決力が身につく

「地球温暖化の原因について考えた後、自ら温暖化を生み出す製品を使わなくなりました。国際バカロレアのプログラムは、先生が教えるのではなく、導いていく学び方だと感じます」(中学生の保護者)

国際バカロレアの目玉の一つが「探究型学習」です。「地球環境」がテーマの授業では、海岸を歩き、漂流物を分類していました。すぐに現場に行って調べて、実行する能力が自然と身につきます。「なぜ」その問題は起きるのか。「どうすれば」その問題を解決することができるのか。思考を巡らせながら様々な社会課題に取り組みます。

③グローバルリーダーシップが身につく

まわりの人を巻き込みながら協力する「リーダーシップ」が身につきます。ある学校ではカンボジアで地域の子どもたちと一緒に学校づくりするプロジェクトに参加しましたNPO団体や地域の人など、いろんな人と関わりながら一つのプロジェクトに取り組む経験を通して、社会が必要とするリーダーシップ人材を育成します。

 ④論理的思考とプレゼン力が育つ

「発表会のプレゼンテーションで、論理的に仕立てて説明することができるようになりました」(中学生の保護者)

リサーチで様々な数字やデータを収集し、その内容を整理したうえで人に伝える能力が育ちます。リサーチで触れるデータに関しては、複数のデータを見比べながらデータの信憑性を判断。根拠をもとに考えて、意見を述べる力を育むことができます。

国際バカロレアの注意点は?

国際バカロレアは全人格教育のため、様々な科目をバランスよくできなければいけません。例えると、学びのトライアスロンです。 得意な科目や部活動だけを突き詰めたいお子さんには、向いていません。期試験や課題レポートなど、学力面での負担が大きいので、部活動に割ける時間も限られています。

まなぼんからのメッセージ

国際バカロレアは、人格、学びへの姿勢など、哲学を土台に世界のリーダーとなる人材を育てる教育です。大学入試で有利になるメリットがある一方で、資格試験に合格するためには様々な科目を猛勉強しなければいけません。お子さんの性格が国際バカロレアの学びに合うかどうかをきちんと考えることが求められるでしょう。

イラスト:カワチハルナ

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まなぼん
まなぼん

本名・村田学。1973年生まれ、米国カリフォルニア州トーランス出身の日本育ちの帰国子女。アメリカの幼稚園を2日半で退学になった「爆速退学」から帰国。国際教育メディア「インターナショナルスクールタイムズ」編集長。1児のパパ。プリスクールの元理事長、東京ウエストインターナショナルスクール(東京都八王子市)の共同オーナー。国際バカロレア機構のプライマリー・イヤーズ・プログラムの教員研修を受講。教育系ベンチャー企業の役員を務めながら、NPO法人ソダチバ・プロジェクトの監事、複数の教育プロジェクトに参画中。

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