2021.12.22
学びをはぐくむ 石田勝紀

勉強しても学力が上がらないのはなぜ?3つの理由 教育専門家・石田勝紀さん

勉強しても学力が上らない、成績が上らないという相談を数多く頂きます。それは子どもの能力の問題ではなく、親の問題でもなく、次の3つの理由のいずれかに当てはまることが少なくありません。(1)実は勉強していない(2)上がっていないと錯覚している(3)やり方が間違っている。特に、勉強方法を知らない子があまりにも多すぎるという実態があります。この点を知るだけで成果はかなりかわってくることでしょう。

勉強しても学力が上がらないのは、なぜ?

子どもが勉強していても、なかなか学力が上らない、成績が上らないという相談をたくさんいただきます。

  • 毎日ドリルをやっているのにできるようにならない。
  • 宿題をしっかりやっているのに、テストで点数がとれない。 
  • 家では机で数時間勉強しているのに、一向に成績が上らない。 

以上のようなケースでは、継続することもままならないでしょう。何しろ、努力が報われないのですから、やる気もなくなるというものです。

その一方で、たいして家で勉強していないのに、テストでは高得点を取り、成績も抜群という子もいます。宿題をやらない子でも勉強できる子にこれまで何人も出会ってきました。中学生以上のケースでは、野球部で朝練毎日、放課後も練習、土日も練習試合で終日野球という子で学年トップクラスの子を知っています。もちろん、もともとの頭の構造が違っているのだと言うこともできるかもしれませんが、それが要因とも思えない子もいます。つまり簡単に言えば、「要領がいい」ということなのです。逆に言えば、勉強していて、成果に結びつかない場合は「要領が悪い」ということです。

学力が上がらない3つの理由

そこで、勉強して学力が上らない3つの理由についてお伝えします。この3つがわかると、具体的にどうすればいいかということがお分かりいただけると思います。

(1)実は勉強していない

やっているふりということは往々にしてよくあることです。例えば、学校で授業を受けているだけで勉強内容が身に付いているでしょうか。身につくこともあるでしょうが、実際はそうではない方が少なくありません。もし、身に付いているならば、直後にテストすれば高得点とれるはずです。しかし、実際はそうではありません。なぜなら、勉強は「聞く・読む→理解する→覚える」というプロセスが完了してはじめて、「数値として結果」が出るものです。ということは、「授業を受けている=学力が上昇している」とは単純にならないということになります。

また、家庭でも、机についてノートを開き勉強しているように見える状態にあっても、実際は、スマホを見ることや、ぼーっとすることで集中できないこともあります。つまり、実態としては、勉強しているようにみえるだけで、実際は頭に入っていない、作業をしていないというケースもあります。
以上の場合の“勉強”では、学力は上がりません。

(2)上っていないと錯覚している

上記のような“勉強”を除き、通常は勉強してれば、誰でも確実に学力がついています。知らないことを1つ知れば、知識を獲得したことになるからです。わからない問題が1つ解けるようになったら、その瞬間学力はついたことになります。ですから、勉強すれば誰でも確実に学力はついているのです。

しかし、日々の勉強ではそれは実感できません。学力が明確に上がったと実感するためには、テストの得点が上昇した経験をしなければならないからです。日々勉強で確実に学力はついているのに、現実はテストまでのタイムラグによって学力が上がっていないと錯覚するとはこのことをいいます。

ですから、子どもはいくら勉強しても上った感覚が得られないため、勉強することは嫌になります。この錯覚は子どもだけでなく、親でもそう思ってしまう人もいます。ですから、まずは「勉強していたら確実に学力はついている」ということを認識することから始めます。

次に大切なことは、学力の伸びを意識するのではなく、「進捗状況を見える化」させます。学力が上がることがはっきりわかるためには、以上の説明のように時間がかかりますが、進捗状況は、今すぐ進んでいるということがわかります。それが継続的なモチベーションアップにつながっていきます。継続さえできれば、やがてやってくるテストで評価されていきます。

(3)やり方が間違っている

最後の3つ目の理由です。実は、これが一番、大きな原因として考えられる理由です。
多くの子どもたちは「勉強方法」を知りません。

漢字の勉強ひとつとっても、ただ書くという作業を繰り返してしまいます。問題集の使い方も知りません。ただ解けばいいと思っている子は少なくありません。もちろん覚え方も知りません。ですから、ただノートを眺めたり、教科書を読んだりしているだけという作業をやってしまう子もいます。

間違ったやり方では、いくら勉強しても学力向上にはつながらないのですが、勉強方法に問題があると思わず、勉強量にばかり着目されるため、さらなる勉強を強制され、子どもは非常に辛い状況に置かれるケースもあります。

一方の子どもも、「勉強方法がわからないから教えてほしい」とは言いません。なぜなら、それが原因であることがわからないからです。ですから、嫌な態度をとるか、やりたくないと口にするかいずれかを示します。

何事も、まずはやり方を教えることからスタートさせることが基本です。勉強の場合は本来、学校の先生がやり方を教えるべきですが、それがなされないときは親が教えるしかありません。しかし、親も勉強方法を教えてもらった経験がないと難しいかもしれません。

学校や塾の先生に直接聞くことが一番おすすめ

そこで、一番適切な方法は、学校や塾の先生に直接聞くことをお勧めしています。例えば、漢字を勉強しているのにどうしても点に結びつかないのであれば、そのことを先生に相談します。どういう勉強したらよいかと。宿題をやっても効果がないようであれば、宿題のやり方を聞くといいでしょう。先生は快く教えてくれるはずです。

学校関係、塾関係の勉強であれば、このように先生に聞けばいいですが、家庭学習として家庭で行っている場合、どうすればいいでしょうか。ただ問題集をやればいいというものでもありません。参考書を買ってきても、どう使えばいいかわからないことでしょう。何事にも効率的方法というものがあります。なぜ効率的方法が必要かというと、特に勉強は短期間で「できるという実感」が必要だからです。半年以上やらないと実感がわかないということであれば、子どもは嫌になるでしょう。ですから短期で成果を出すために効率的方法が必要になるのです。

短期間で成果を出す2つのポイント

そこで、ここでは簡単に2つのポイントについて記しておきます。科目別具体的な方法は「小学生の勉強法(新興出版啓林館)」「中学生の勉強法(同)」に書いていますので、合わせてご参考下さい。

テストに出る問題集を使う

1)テストに出る問題集を使う→小学生であれば「教科書準拠問題集」、中学生であれば「学校で使用している問題集」

間違えた問題を3回繰り返す

2)間違えた問題を3回繰り返す→1回間違えて、そのまま答えを見てわかったつもりになるのではなく、その後、自力で解けてはじめて「身に付く」のです。

以上、勉強しても学力がつかない3つの理由についてお話してきました。子どもたちには、ぜひ最短距離で成果が出る方法を教えてあげたいですね。何か一つでも参考になれば幸いです。

「ぐんぐん伸びる子の育て方 教育専門家・石田勝紀さん」の記事一覧

石田勝紀
石田勝紀

(一社)教育デザインラボ代表理事、都留文科大学特任教授。20歳で起業し塾を創業。現在はMama Café、講演、連載記事を通じて全国の保護者への教育活動を行っている。『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』他多数。子どもの頃の習い事は「書道」。今でも筆で書いたり、活字への関心に繋がっています。

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