2022.01.18
学びをはぐくむ 石田勝紀

子どもの学力が上がる3つの生活習慣 教育専門家・石田勝紀さん

これまで4000人以上の小中高校生を直接指導してきた経験から「生活習慣」が学力に影響を与えていることがわかりました。次の3つの生活習慣のうち2つ以上が継続的にできていない子は99%成績が悪いというものです。その3つとは「挨拶」「時間を守る」「整理整頓」。これら3つの習慣がそのまま学力を引き上げることにつながっていたのです。3つの生活習慣を守ることは、勉強ができるようになる基礎作りです。

生活習慣を整えると確かに学力があがる

生活習慣と聞いて、どのようなことを想像するでしょうか。かつて有名になった言葉に「早寝、早起き、朝ごはん」という標語があります。これは文科省も推奨している言葉で、ある意味、生活習慣の一種と考えていいでしょう。なぜ、このような標語が注目されてきたかというと、その一つの理由に、生活習慣と学力には明確な相関関係があったからと言われています。もちろん、学力が高い子だから生活習慣がしっかりしているということもできます。しかし、生活習慣が本当に学力と関係しているのか、今回はその点についてお伝えします。

筆者がこれまで33年間にわたり、4000人以上の子どもたちを指導してきた経験から、確かに生活習慣と学力には関係性があると考えています。実際、生活習慣がだらしない子を正していくと学力は確かに上がる傾向にあったからです。

親向け子育て講義も受けられる知育教室「キッズアカデミー」

学力があがる3つの生活習慣

では、その3つの習慣とは何かといいますと「挨拶」「時間を守る」「整理整頓」です。

この3つのうち2つ以上が継続してできていない子は99%の確率で成績が悪い傾向がありました。もちろん、例外はあります。この3つとも全てできないが、頭がとてもいい天才的タイプの子もいました。しかし、そのようなケースは除外して考えた方がいいでしょう。

さらに、興味深いことに、生活習慣がだらしない子を指導して正していくと成績が上がりだすのです。なぜこのようなことが起こると思いますか。

それは、これら3つの生活習慣のそれぞれが学力のある部分と直結しているからだったのです。では、順に説明していきましょう。

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(1)挨拶

挨拶は礼儀として必要という考えがあります。これはこれで間違っているわけではありません。しかし、挨拶には勉強面においてそれ以上の効果があるのです。それは、「主体性」を発揮するということです。わかりやすくいえば、「前向きさ」です。

前向きであり主体的であると、学校では先生の評価が高いものです。また、友達との関係も良好になる傾向があるため、前向き・主体的な子には情報が集まるのです。中学校以降、学校では定期テストがあります。そこでは、事前にどの部分を勉強したらいいかとか、どの部分が出題されるなどの情報が出回ります。このような情報は、前向き・主体的な人の元へ集まってきます。

また、何よりも主体的であれば、自分から積極的に行動するという大きなメリットもあります。そのため、積極的に活動する子にはチャンスがめぐり、学校からの評価も高いことは言うまでもありません。

ですから、「挨拶は、される前にするように」と子どもたちには言っています。

ただし、間違えてはいけないことは、学力を上げるために挨拶するのではないということです。ここを勘違いすると、挨拶の価値が大きく下がります。学力が上がることにもつなががっているという程度の話として伝えます。

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(2)時間を守る

時間を守るというのは、あらゆる時間を守っていくことを意味します。遅刻という言葉がありますが、遅刻にも種類があります。避けられないことが原因での遅刻や、連絡を入れた上での遅刻もあります。しかし、一番たちが悪いのは、連絡なしの1分、2分の常連遅刻です。これは明らかに心の怠惰を表しているといっていいでしょう。

特に日常の些細なことに対して、このような遅刻癖があると、肝心のテスト勉強や勉強と遊びのメリハリに大きな影響を与えていきます。一事が万事です。些細なことがしっかりできない人間に大きなことはできません。

例えば、友達と約束をしていて、その時間にいつも遅刻する子っていませんでしたか。それはもう癖になっているため、あらゆる場面で時間を守りません。そして信用も落としていきます。

前述した「早寝、早起き」も、時間を守ることの一種です。ですから、時間を守ることができると、メリハリがつき、勉強の時間になれば勉強し、遊びの時間になれば遊ぶということができ、効率性が極めて高くなります。時間で動くことは、少なくとも中学生になったらできるようしておく必要があります。百歩譲って小学校時代は、多少の不規則があっても何とかなりますが、定期テストや入試がある年齢になれば、遅刻癖は致命的です。

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(3)整理整頓

一般に、整理整頓は美的環境を整えるために奨励されています。当然、汚いよりはきれいな方が良いに決まっていますが、それだけが重要な理由ではないのです。

実は、この整理整頓も学力向上に明確につながっているのです。

なぜなら、勉強は知識の整理整頓をして頭脳に格納していく作業と捉えることができるからです。つまり、身の回りの分類、整頓という作業は、そのまま知識の分類、整頓につながっているということなのです。必要なものを取っておき、要らないものは捨てるという分類も重要です。知識をすべて覚えるということをせずに、一番重要な知識、次に重要な知識、必要ない知識と分類できれば、頭脳への格納は楽になります。

身の回りの整理整頓ができることが、このように学力を高めることにつながっていくことを考えると、整理整頓がいかに大切なことかがわかります。

筆者が経験してきたことに次のようなことがあります。男子に多いのですが、彼らのカバンの中を見せてもらうと、乱雑に放り込まれた様々な教科のプリントやノート、教科書が飛び込んできます。さらには、折れていたり、しみがついたプリント類や、食べ物のカスも入っていることもあります。そしてこのような子は決まってノートの取り方も汚いのです。

これでは勉強以前の問題です。やる気が起こるはずもありません。そのような子にクリアファイルを渡してあげて、整理整頓の方法を教えてあげるとしっかりできるようになるのです。ですから、子どもは怠惰だったわけではなく、やり方を知らなかったということもあるわけです。

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学力につながることを子どもに伝える

以上、3つの生活習慣についてお伝えしてきました。特に重要なことは、道徳的、礼儀的、常識的に重要という理由だけでは子どもはなかなか行動しないことがあるということです。もちろん、そのような話をした上で、学力にもつながっていることを教えてあげると、子どもたちは生活習慣を意識をしだします。何しろ、勉強して学力をつける以外に、生活習慣を正せば学力が上がるのであれば、こんな楽なことはないからです。

世の中には、これら3つの生活習慣以外にもたくさんの生活習慣があると思いますが、筆者は特にこの3つに注目をしてきました。実際、行う際は、完璧を求める必要はありません。8割主義で良いと思います。また、いきなり8割に持っていかなくてもよいでしょう。徐々にできればよいと思います。

以上、今後皆さんの子育てにおいて、何か一つでも参考にしていただければ幸いです。

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石田勝紀
石田勝紀

(一社)教育デザインラボ代表理事、都留文科大学特任教授。20歳で起業し塾を創業。現在はMama Café、講演、連載記事を通じて全国の保護者への教育活動を行っている。『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』他多数。子どもの頃の習い事は「書道」。今でも筆で書いたり、活字への関心に繋がっています。

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