2022.02.22
習い事Q&A 船津徹

子どもの自己肯定感を伸ばす方法とは?低い子の特徴やNG言動も紹介

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日本は海外の子どもたちと比べて自己肯定感が低いといわれています。そもそも自己定感とはどういうものなのでしょうか。自己肯定感が高い子と低い子の特徴とは。子どもの自己肯定感を伸ばすための秘訣について、英語教室「TLC for Kids」代表で5000人以上のバイリンガルの子どもたちと触れてきた船津徹さんが解説します。

<今日のポイント>

  1. 自己肯定感とは「根拠のない自信」
  2. 自己肯定感が高いと挑戦し続けることができ、他人にも肯定的になりやすい
  3. 自己肯定感が低いと物事に対して消極的になりやすい
  4. 海外と比べて日本の自己肯定感が低いのは謙遜文化と関係している!?
  5. 自己肯定感を伸ばすにはネガティブ言葉の封印とスキンシップを増やすこと

自己肯定感を高めるアート教室

自己肯定感とは「根拠のない自信」

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自己肯定感の土台は「自分は親から愛されている」「そのままの自分に価値がある」という「あるがままの自己に対する自信」です。

私は自己肯定感を「根拠のない自信」と呼んでいます。根拠はないけれど「自分はできる」と心の底から信じている子は、困難に直面しても、チャレンジを繰り返し、「根拠のない自信」を「根拠のある自信」に変えていくパワーを持っています。

根拠のない自信は、その名の通り「100%親から与えられる自信」であり、子どもが努力しても手に入れられるものではありません。つまり子ども時代に「どう親から育てられたのか」によって決まります。

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自己肯定感は高いといいの?低いとダメなの?

 私は日本、米国、中国で学習塾を経営し、世界中の子どもたちが成長する姿を見てきました。私の経験論ですが、日本人の子どもは謙虚で、自己表現が控えめで、自分を「過小評価」する傾向があります。一方でアメリカや中国の子どもは、プライドが高く、自己主張が強く、自分を「過大評価」する傾向があります。

自己肯定感は低すぎると消極的で内向的に、高すぎると自己中で無配慮になりやすいので、低すぎず、高すぎず、バランスが取れているのが理想です。しかし、子どもを過大評価するくらいがちょうどいいんですなぜなら自己肯定感が高いほど物事に「前向き」になれるからです。

自己肯定感が高い特徴

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自分を信じているから挑戦を続けることができ、自分を肯定できているから他人に対しても肯定的で開放的になりますつまり子どもを「やや自意識過剰ぎみ」に育てると、勉強、習い事、キャリア形成、人間関係などにおいてもうまくいく可能性が高まりやすいと考えられます。

自己肯定感が低い特徴

一方で「自分にはムリ」「できない」と、自分を信じる力が小さい子は新しい挑戦がしにくく、物事に対して消極的になりやすい傾向があります。また自分自身を肯定できていませんから、ほかの人に対しても否定的、批判的、懐疑的、攻撃的になりやすい側面があります。

【自己肯定感が低下している兆候】

  • ネガティブなことを言い、自分自身に批判的
  • 自分のダメな部分に焦点を合わせ、自分の良い面を無視する
  • 物事がうまくいかないときに自分を責める
  • 他の人が自分よりも優れていると思う
  • 自分は楽しむ価値がないと思っている
  • ほめ言葉を受け入れない
  • 失敗を恐れて挑戦を避ける
  • 不承認や批判に過剰に動揺する
  • 過剰に落ち込む、恥ずかしがる、怖がる、怒る

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海外と比べて日本の「自己肯定感」は低い

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国立青少年教育振興機構が日本、韓国、中国、米国の高校生を対象に実施した2018年3月に発表した意識調査(※)によると、「私は価値のある人間だと思う」という質問に「YES」と答えた日本人は「44.9%」でした。同じ質問に対して、アメリカ人、中国人、韓国人は「80%以上」が「YES」と回答しました。

国立青少年教育振興機構 の意識調査

日本の謙遜文化が関係している!?

なぜ日本人の子どもの自己肯定感が世界に比べて極端に低いのでしょうか。その理由として「日本特有の謙遜文化」があるのではないかと私は分析しています。

自己肯定感というのは突き詰めて考えていくと「個の尊重」であり、周囲との調和や集団の規範意識(決まりを守ろうとする意識)を重視する日本の伝統的な価値観とは相反する部分が強いのです。

「すごいですね」「かっこいいですね」「かわいいですね」「優秀ですね」と人からほめられたとき、「そんなことないですよ」と自己を否定し、「下げて見せる」というのは日本に古くから伝わる謙遜文化です。謙遜は、本来「自分を下げる」ことが目的だったのですが、いつからか「身内を下げる」に変わってきました。親が自分を謙遜するのは構わないのですが、「うちの子はダメで」「勉強が苦手で」「やる気がなくて」と、子どもを「下げる」ことが習慣化すると、子どもの自己肯定感を育てる上で非常にまずい結果を招きます。

大事なのはポジティブ言葉を増やすこと

言葉は、親が思っている以上に、子どもの脳に強い影響を与えるのです。本心でなくてもネガティブな言葉を聞かせていると、本当に子どもからやる気や自己肯定感を奪ってしまいます。特に小学低学年くらいまでの子どもは思い込みが激しい(暗示にかかりやすい)ので、親の言葉で簡単に気分が上がったり、下がったりします。少なくとも子どもの前ではポジティブな言葉を増やすことが必要です。

「ほめる文化」が浸透しているアメリカでは、子どものことをほめられたら、親は「Thank you!」と相手に感謝します。これを取り入れるのも良いでしょう。「◯◯ちゃんはすごいね」と言われたら「ありがとう。◯◯もがんばっているみたい」あるいは「ほめてくれてありがとう。でも◯◯ちゃんもすごくがんばっているよ」と相手の子どもをほめ返すと良いでしょう。

【子どもの自己肯定感を下げるネガティブ言葉】

  • 否定:「うちの子には無理」「できっこない」
  • ケナシ:「ダメねえ」「へただねえ」「馬鹿だねえ」
  • 比較:「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なのに」「◯◯ちゃんはできるのに」
  • 突き放し:「もう知らない」「嫌い」「勝手にして」「生まなきゃよかった」
  • クドクド・ネチネチ:「何度言ったらわかるの」「前も言ったでしょう」

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小学生になると子どもも自分を下げ始める

子どもは親や身近な大人からコミュニケーションの方法を学びます。もちろん「自分を下げる」という謙遜表現もごく自然に身につけていきます。

友だちから「すごいじゃん!」「頭いいよね!」「歌うまいよね!」「足速いね!」とほめられた時、心の中ではそう思っていなくても、「そんなことないよ」「私なんてたいしたことないよ」「◯○ちゃんの方がすごいよ」と、自己否定するようになります。

最初は謙遜のつもりでも、自己否定が習慣化すると、本当に自信が減退していきます。これはデータでも明らかになっており、東京都教職員研修センターの調査によると、日本の子どもの自己肯定感は「小学校時代を通して下がっていく」ことがわかっています。

家庭では「自信の補充」をする

謙遜は日本の集団社会でうまくやっていくために欠かせません。自己主張が強すぎるといじめや仲間外れの対象になる可能性があります。子どもは自分の身を守るために、自己を抑制し、周囲に合わせるというコミュニケーションスタイルを甘受せざるを得ないのです。

学校でフタをした「自己」を取り戻すには、「家庭で」親があるがままの子どもを受け入れ、愛情を伝えて「自信の補充」をすることが必要です。家庭ではネガティブ言葉を封印し、子どもの良い面やがんばったことをほめることを習慣にしてください。

子どもにとって家庭が「安心してあるがままの自分でいられる場」であれば、「自分は自分でいいんだ」という自己肯定感を下げるとなく、社交辞令としての謙遜を上手に使い分けられるように育っていきます。

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自己肯定感を伸ばすための愛情表現とは

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親の愛情を子どもに実感させ、良い親子関係を作る最高の方法が「スキンシップ」です。子どもが学校から帰ってきたら、もしくは仕事から家に帰宅したら、「おかえり」「ただいま」と笑顔で伝え、ギュッと抱きしめてあげてください。これで子どもは親の愛情(保護)を実感でき、精神が安定します。

欧米ではハグやキスなどのスキンシップは「良い人間関係を維持する知恵」であり、文化の一部として浸透しています。一方で日本では、子どもが幼いころは、授乳、抱っこ、添い寝などのスキンシップが多いのですが、年齢が上がるにつれて触れ合いが減少していきます。特に小学生以上になると「極端にスキンシップが少なくなる」ことが、自己肯定感の減少を加速させている一因ではないかと私は考えています。

親は抱っこ、髪や肩や背中を撫でる、膝枕で耳かきをするなど「心地よい触れ合い」を増やしましょう。肩車、相撲、プロレスなど身体接触が多い遊びを取り入れるのも愛情を実感する一つの方法です。

子どもの自己肯定感は一度育てれば終わりというものではありません。ネガティブ言葉を封印し、スキンシップを増やす。この2つで子どもの表情が目に見えて明るくなることに驚くはずです。ぜひ挑戦してみてください。

関連記事:「自己肯定感の高い子に育てる10の魔法の言葉」 教育専門家・石田勝紀さん

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船津徹
船津徹

1966年福岡県生まれ。明治大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威である故七田眞氏に師事。その後独立し、米ハワイ州に移住。2001年ホノルルにTLC for Kidsを設立。20年間で述べ5000人以上のバイリンガルを育成。同校の卒業生の多くがハーバード、イエールなど世界トップ大学へ進学しグローバルに活躍している。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)など。

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