2022.03.10
学びインタビュー 岩井建樹

松坂大輔さんの「子どもをやる気にさせる方法」とは? 子育てで大切にしていること

「夢中の力」

「記録」にも「記憶」にも残る野球選手だった松坂大輔さん。現役生活の晩年は、けがでボロボロになりながらも、あきらめずに現役にこだわる姿は共感を呼びました。一男二女の父親であり、引退セレモニーでは家族への感謝を口にしました。アメリカに暮らす子どもたちへの思い、やる気を引き出すために気をつけることについて聞きました。サインのプレゼント企画もあります。(応募は締め切りました)

前編:松坂大輔さんの諦めない哲学 ボロボロになっても野球を続けた理由は? 

後編:松坂大輔さんの「子どもをやる気にさせる方法」とは?
子育てで大切にしていること

離れて暮らす家族とは会話を重視

引退登板で力投する西武先発の松坂大輔さん=2021年10月19日、メットライフドーム(C)朝日新聞社引退登板で力投する西武先発の松坂大輔さん=2021年10月19日、メットライフドーム(C)朝日新聞社

──引退セレモニーでは、「僕のわがままを許してくれた妻、子どもたちにも感謝をしています」と語りました。現役時代、家族とどうかかわってきましたか?

家族はアメリカに住んでいます。大リーグ時代はペナントレース中は遠征も多く、また2015年から日本球界に復帰したので、家族と一緒に過ごせる時間は限られていました。

会えない中で大切にしてきたのは、「話すこと」です。毎日のように妻や子供たちと電話していました。話す内容は、子どもたちの様子や学校のこと、友達のこと、スポーツの練習のことなどです。

今もよく連絡しています。ビデオ通話アプリを使えば、顔を見ようと思えばいつでも見られるので、いい時代になったなと思いますね。

長男の練習にとことん付き合う

──ところで、松坂さんのご長男(13)は野球をしているのですか?

はい。プロになりたいと言っています。

──そうなんですね! アドバイスはされているんでしょうか?

いえ、基本的に何も言わないようにしています。僕自身が子どものころ、親に言われるのが嫌だったんですよね。監督やコーチに言われたことは素直に頑張れたんですが(笑)

僕から息子にアドバイスしたり、トレーニングをやらせたくなったりすることもあります。でも、何より大事なのは本人のやる気です。僕の言葉が、彼のやる気をそいではいけないので、あえて口に出さないようにしています。

技術的なアドバイスも、息子から「こうした方がよいかな?」と聞かれたら伝える程度です。僕の言葉が「こういう練習をしよう」という本人のアイデアにつながってくれたらよいなと思っています。

──本人のやる気が大事とのことですが、子どもをやる気にさせる言い方はありますか?

子どもをやる気にさせることは本当に難しいですよね。子どもは、親の思い通りに動くわけではありませんし。

練習のやり方を教えるよりも、まずは「一緒にやろう」の方がやる気を与えるキッカケになる気がします。キャッチボールをしたり、バッティングならボールを投げてあげたり。練習にはとことん付き合います。子どもが疲れていたり自分自身が疲れていたりすることもあるので誘うタイミングは計りますが、本人がやる気になってる時にはそのタイミングを逃さないようにしてます(笑)。

──親が一緒にやることが大事なんですね。

こちらから言うにしても、心構えくらいです。たとえば、素振りするときは、「ピッチャーが投げてくる球種やコースをイメージして振るといいよ」と伝えています。これは、僕が少年野球チームでコーチに言われていたことでもあります。

いろんなスポーツの体験を

引退登板を終えて降板となり、観客席に手を振る松坂大輔さん=2021年10月19日、メットライフドーム(C)朝日新聞社引退登板を終えて降板となり、観客席に手を振る松坂大輔さん=2021年10月19日、メットライフドーム(C)朝日新聞社

──2人の娘さんもスポーツをされていますか?

はい、いろいろやっています。日本だと「野球なら野球だけ」となりがちなんですが、アメリカはいろんなスポーツを掛け持ちできるのがいいですよね。息子の場合も、冬はバスケットをプレイしています。

僕も中学時代、サッカーの公式試合にも出たいという思いはありましたね。それができないのは、面白くないなぁと思っていました。僕の場合は野球を選択してプロ野球選手になれましたが、どの競技が合うかはやってみなければわからないですよね。

アメリカでは野球もアメフトも同時にドラフトにかかる選手がたくさんいます。子どもたちが色々なスポーツに挑戦できる環境になると良いなと思っています。

──子どもたちにはどんな子に育ってほしいですか?

育児にそんなに関わってこなかった僕が言えるようなことではないですけど、周りの人たちに対して優しい人であってほしいですね。

個性を大切に、ただし悪い癖は修正を

──最近、高校や大学で指導が可能になる「学生野球資格」を回復しましたね。どういう気持ちからですか?

現役の時から、中学校の野球チームに指導に来てほしいと言われることがあって、オフの時に顔を出していました。でも高校や大学ではできないので。「どんどん指導に行きたいです!」というわけではないですが、高校生や大学生にも声をかけてもらえることがあれば、ちゃんと対応できるようにしたいなと思いました。

──野球の指導者になりたいという思いはありますか

あまりないんですが、若い時よりはありますね。特に小学生や中学生の選手を見たいというのはあります。

小中学生の時に悪い癖を放置すると、高校で苦しい思いをするんですよね。打ち方や投げ方の個性を消すという意味ではなくて、どうしても直さないといけない癖はありますので。けがの防止のためにも。修正するなら早いほうがいいです。年を重ねるほど難しくなるので。

──基本を教えたいということですか

選手を「型」にはめたいわけではないです。アメリカでの10代への指導を見ていると、日本とは全然違います。日本はきれいなフォームに直したがる傾向があります。でも、アメリカの指導者は「打ててるならいいじゃん」「速いボールが投げられているならいいじゃん」という感じです。それでいいと僕も思うんです。

──野球をプレイする子どもたちにメッセージをお願いします

せっかく野球を始めたのなら、ずっと野球を好きでいてほしいなと思います。時には苦しかったりつらかったりすることもあると思いますが、その経験は必ず野球以外でも生きると思います。

もちろん、野球にこだわる必要はないです。ほかにもスポーツはたくさんありますから。ただ、仮に野球を辞めてしまったとしても、親や友人とのキャッチボールは素晴らしいコミュニケーションツールになると思うので、時々はボールを投げてほしいなと思います。

【プロフィール:松坂大輔(まつざか・だいすけ)】

1980年生まれ、東京都出身。1998年、横浜高で甲子園春夏連覇。同年、西武にドラフト1位で入団。2006年、大リーグのレッドソックスへ。2015年に日本球界復帰、ソフトバンク入団。2018年に入団テストを経て中日に。カムバック賞を受賞。2020年に西武に14年ぶりに復帰。2021年引退。一男二女の父親。

写真撮影:伊ケ崎忍

関連記事:前編:松坂大輔さんの諦めない哲学 ボロボロになっても野球を続けた理由は? 

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応募方法:みらのびのインスタグラム(アカウント名:miranobi_asahi)をフォローしていただき、松坂大輔さんの投稿に「いいね」をしていただいた方の中から抽選でプレゼントします。

応募期間:2022年3月31日(木)まで

※ご当選された方にのみ、インスタグラムのDMにて2022年4月中旬までにご連絡させていただきます。みらのびのアカウントからDMを受け取れる設定への変更をお願いします。


岩井建樹
岩井建樹

1980年生まれ。岐阜県多治見市出身。2005年入社。岡山、京都、盛岡、文化くらし報道部などを経て現職。小学生のときはプロ野球選手を夢見て、野球の練習に明け暮れていました。

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