2022.03.29
学びインタビュー 高橋知寿

スポーツを複数学ぶ習い事「総合スポーツ」とは?非認知能力が育つbiima sportsに聞く

biima sports提供 biima sports提供 

子どもの習い事で複数のスポーツを学ぶ「総合スポーツ」が親子の間で人気です。総合スポーツとはどういうものなのでしょうか。複数のスポーツを掛け持ちするメリットとは。「非認知能力」を伸ばす21世紀型の総合スポーツスクール「biima sports」(東京都渋谷区)の田村恵彦代表に、総合スポーツの魅力や非認知能力を伸ばすコツについて聞きました。

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複数のスポーツを体験した方が運動能力は伸びやすい

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――総合スポーツとはどういうものなのでしょうか?

総合スポーツとは、野球、水泳など特定のスポーツのスキルを学ぶのではなく、様々な競技をやるスポーツのことを指します。

これまで特定のスポーツを教えるスクールはあっても、総合スポーツを教えるところはありませんでした。そこで2016年に早稲田大学の教授たちと共同でプログラムを開発し、総合スポーツを学べる習い事教室「biima sports」を設立しました。

――小さいころに様々なジャンルのスポーツをやると、どれも中途半端になりませんか?

そんなことはありません。幼少期、とりわけ3~10歳は、運動面においてさまざまなスキルを身につけやすい時期ということが、最近の研究でわかっています。複数のスポーツを体験すると、特定のスポーツだけだと伸ばしづらい運動能力まで幅広く伸ばせるといわれています。

この時期に身につけた運動能力は、成長して特定のスポーツの道に進んだ際も大いに役立つといわれています。野球の大谷翔平選手やスピードスケートの高木美帆選手らを含め、世界で活躍するトップアスリートたちは、小さい頃にいろいろなスポーツを体験している人が多いといわれています。

――なるほど。でも運動神経は遺伝すると聞いたので、そもそも得意な家系じゃないと伸びにくいのではないでしょうか?

「あの子はもともと運動神経がいいから」とよく言いますが、遺伝よりも運動経験の方が大事なのです。ご両親が運動苦手であっても、子どもにとっては関係ありません。

――じゃあ親が運動苦手だからってあきらめず、いろいろな運動をする機会を与えることが大切なのですね。

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社会で活躍するうえで最も重要なのが非認知能力

――biimaでは、総合スポーツを通して非認知能力を伸ばせると伺いました。そもそも非認知能力ってどんな能力なのでしょうか?

 一言でいうと、これからの社会で活躍するために何よりも重要となってくる能力です。たとえば、走る速さなどはタイム、学力は偏差値など数字で表せますが、非認知能力は数値化しにくい。だから客観的にその能力がどのくらい備わっているのかが判断しづらいのです。

――なぜこれからの社会を生きていくうえで非認知能力が大切だと思われているのでしょうか?

今ある仕事のうち、ルーティン化されたものはいずれAIがやることになります。なので、AIにない能力が社会で求められていくことになります。

チームで相談しながら、仕事を推し進めるコミュニケーション能力や、0から物事を創り出す創造力、物事を体験してうれしい、悲しいなどと共感する感性力などが該当します。

非認知能力を育むのにピッタリな時期は、あらゆる運動能力を身につけるのに最適な時期同様に3~10歳頃だといわれています。すでに今、就職試験の面接では、この非認知能力がどのくらいあるかをチェックしています。

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――確かに、履歴書を見ただけでは非認知能力がどのくらいあるかわからないですよね。でも「総合スポーツ」で「非認知能力」って本当に伸ばせるのでしょうか。

それがこの2つはとても相性がいいのです。

さまざまなジャンルのスポーツをする中で、多様な出来事や課題に遭遇します。課題の原因を探るためにチームで話し合うことでコミュニケーション能力を磨き、試行錯誤を繰り返しながら物事進めることで「やり抜く力」などを伸ばすことができます。総合スポーツをやることで、自然と非認知能力を育めると考えています。

biima sportsで身につく非認知能力=biima sports提供biima sportsで身につく非認知能力=biima sports提供

――非認知能力って、みらのびが提唱する12の「未来型スキル」とも似ていますね。子どもの将来が変わるなら、ぜひ非認知能力を伸ばしてあげたいですね。

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ファシリテーター型の指導者が望ましい

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――幼児期の子どもの非認知能力と運動能力を高めるには、どうしたら良いのでしょうか?

幼児期の子どもは、「自分がやったことを認めてもらいたい」という承認欲求がとても強いです。そのため、自分で物事をどう進めるかを子どもたち自身に決定させることが大切です。そして、自分で決定した事を周りが認めてあげる。その経験が多ければ多いほど自尊心が高まり、物事にチャレンジして自信をつけることができます。

――なるほど。自分で決定させることが大切なのですね。でも幼児にそれをさせるのって大変そう……。

実際、大変です。

たとえば野球で肘が下がっていることでうまく投球できない子どもがいたとします。従来の日本のスポーツ指導だと「肘を上げなさい」と、指導者がやってほしいことを子どもに伝えるプッシュ型の指導がメイン。これだと確かに「うまく投げる」という結果には早くたどりつけるでしょう。

でもこれでは子どもの非認知能力は伸びづらいのです。

――ではどうするのがいいのでしょうか。

非認知能力を伸ばすには、子どもに問いかける指導法をすることが大切です。

さきほどの場合も「なんでうまく投げられないと思う?」と、まず子どもに問いかけて、原因を考えさせます。そこで子どもなりに考えた原因を述べたら、次にじゃあどうしたらいいと思う?」と、再度子どもに問いかけ、再び考えさせるのです。

――子どもに考えさせることで、間違った対策とかもしてしまいそうですが……。

間違った対策をしてもいいのです。このときも指導者は「そのやり方はダメで、こうやってください」と、言うのはNG。「やり方を変えてみてどうだった?」と問いかけ、改善して前回よりもよくなった点は褒めます。

子どもはトライ&エラーをくり返す中で、自然と自己決定する回数が増え、自尊心や自信がつきます。そういった非認知能力が高い人々が集まると、強いチーム、強い組織ができていくのだと思います。

世界で言うとヨーロッパの有名なサッカークラブのユースでは、すでにこのファシリテーター型の指導がされていて、その指導法で育った選手は、プロになってから伸びるといわれています。

子どもの特性や興味を観察してスクールを選んで

――非認知能力を伸ばすには総合スポーツがいいと実感しましたが、子どもによっては「サッカー大好き!」という子もいますよね。そういった子も総合スポーツを学ばせた方がいいのでしょうか?

子どもが「サッカー大好き」なら、サッカースクールに入れるのもいいと思います。

特定のスポーツしかやっていないからスキルが伸びないということではありません。ただ、いろいろなスポーツを体験した方が、教材が増える分、さまざまな能力を伸ばせる可能性はあるとは思います。

――「うちの子、何が好きかわからない……」という声も耳にします。そういった子の「好き」を見つけてあげるにはどうしたらいいでしょうか?

そういう場合は、「名詞」で考えるより「動詞的」に考えるというアドバイスをしています。

――どういう意味ですか?

たとえば「何のスポーツが好きかわからない」という子どもに対しては、こう投げかけます。 

親:ダンスとサッカーならどっちが好き?

子ども:ダンス。

親:ダンスのどんなところが好き?

子ども:くるくるターンするところが好き。

という風に、好きな物や興味のあるものを動詞で表現できるところまで聞くことで、その子が本当に好きなジャンルや強みをより具体的に知ることができます。ぜひ実践してみてください。

――最後に、これからスポーツをやらせようと思っている子育て中の親御さんにエールをお願いします。

これからの時代、生きていくうえで重要となるのが非認知能力です。それを育むために、スポーツや日常生活の中で子ども自身の声に耳をかたむけてあげてください。

そしてうまくいかないときは、子どもたちに原因や対策を考えさせ、決めさせる機会を作ることが大切です。何かを習得するのに時間はかかりますが、焦らず成長を見守ってあげてくださいね。

【プロフィール:田村恵彦(たむら・よしひこ)】

1983年、宮城県生まれ。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科卒業。リクルートに入社、社内ベンチャーの立ち上げ、リクルートホールディングスの新規事業開発を経て2016年にbiimaを設立。現在約150拠点でbiima sportsを運営。幼児を対象としたスポーツ指導者の育成も行っている。東京都主催の2020年世界発信コンペティションサービス部門「奨励賞」受賞。2児の父親。

 写真撮影:北川サイラ

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高橋知寿
高橋知寿

子育て情報誌、不妊治療情報誌などをメインにライティング、ページ制作を行っている。そのほか、旅行情報誌、ライフスタイル情報誌などの編集、原稿制作も手がけている。自身も夫もひとりっこなので、戸惑いながらきょうだいの育児に奮闘中。子どものころに熱中していたのは、自分の新しい名前を考えること。最後に「子」が付く名前に憧れ、四六時中、考えていた。小学校低学年当時、自分で考えて気に入っていた名前は「ごだいごはなこ」。

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