2020.11.24
習い事Q&A 狩野さやか

「子どもにプログラミング」なんて難しくないの?

2020年度から小学校で必修となったプログラミング。「難しそうだけど小学生にできるの?」と不安に思う親世代の声を耳にします。でも大丈夫。子ども向けに操作のハードルを下げた教材なら、無理なく遊び感覚で学べます。未就学児から小学生まで、さまざまな年代にあった学習の方法を紹介します。

小さな子におすすめ 知育玩具系プログラミング体験

Bee-Bot ©️Terrapin-Japan

未就学から低学年くらいまでのお子さんの場合、プログラミングの考え方を遊び感覚で体験すると、楽しい学びの入り口になります。未就学児なら、知育玩具のようなプログラミングロボットがおすすめ。

たとえば、上の画像の「Bee-Bot」は、床の上をゆっくり走る、親しみやすいミツバチ型のロボット。背中についた矢印ボタンを押すだけで、走る手順をプログラムできます。GOボタンを押せばプログラム通りに走り出します。

キュベット©2020 Primo Toys/プリモトイズ日本販売総代理店 キャンドルウィック株式会社 

やさしい手触りの木製キューブ型ロボット「キュベット」は、プログラミング用ボードに矢印型のブロックをはめて、走る手順をプログラムします。ボードの実行ボタンを押すと、ロボットがプログラム通りに走ります。

どちらのロボットも、マス目状の地図を用意してゴールまでのルートを考えて走らせます。「宝物を見つけにいこう!」「遊園地に行こう!」など、ごっこ遊びのように楽しく遊べます。

地図に障害物を置いたり、チェックポイントをつくったりして、コースを工夫すると、パズルのような感覚で繰り返しプログラミングを体験できます。矢印マークでプログラムするので、文字がわからない年齢でも、無理なく楽しめます。

子どもの試行錯誤を見守ろう

子どもは遊びの中で、「ゴールに到達するまでのルートを頭の中で想像する」「それらを小さな手順に分解する」「ロボットが動く順番に並べて矢印で登録する」という思考プロセスを繰り返します。うまくいかなければプログラムを気軽につくり替えて何度でも試します。この思考プロセスと試行錯誤がプログラミングの大切な過程であり、学びの入り口になるのです。

ロボットがゴールに行けなかったからといって、親がすぐに正解を教えてしまったら台無しです。子ども自身が試して自分でやり直す過程を見守るようにしましょう。どうしても行き詰まったらちょっとだけ助言を。きっとお子さん自身が解決していきます。

これらの知育玩具系プログラミング学習は、ロボットに直接触り、ロボットが動くところを目の前で見ることができるので、お子さんが実感を得やすい学び方と言えるでしょう。

同じく直感的にプログラミングができる学習教材のなかで、タブレットやパソコンで手軽に学べる無料のアプリもあります。

アイコンを並べて学ぶ プログラミング学習アプリ

コードモンキーJr.[タブレット用アプリ、ウェブアプリ] © CodeMonkey Studios Inc.

「コードモンキーJr.」は、サルのキャラクターを動かし、宝箱まで連れて行く無料のアプリです。矢印などのアイコンを並べて、宝箱までの動きをプログラムし、実行ボタンを押すとキャラクターが動きます。無事、宝箱を取れたら次のステージへ。少しずつレベルアップして、パズル感覚で楽しく学べます。

キャラクターをゴールまで連れていくプログラミングで、基本的な考え方に慣れたら、次はプログラミングで作品をつくるアプリに挑戦してみましょう。

ScratchJr(スクラッチジュニア)[タブレット用アプリ]

「ScratchJr(スクラッチ ジュニア)」は、矢印などのアイコンブロックを並べる直感的なプログラミング操作で、アニメーションやゲームをつくることができる無料のアプリです。キャラクターや自分で描いた絵を動かしたり、絵にタッチしたら何かが起きるしかけを簡単につくれます。

自由に考えた仕組みをつくることができるのは、プログラミングの醍醐味です。小学校低学年くらいまでの年齢で、初めてプログラミングで作品をつくるときは、こういったアイコンを並べるだけで学べるアプリを使うと、抵抗なく始められるでしょう。

文字に慣れたらステップアップ

Scratch(スクラッチ)[ウェブアプリ、パソコン・タブレット用アプリ]。
Scratchは、MITメディア・ラボのライフロング・キンダーガーテン・グループの協力により、Scratch財団が進めているプロジェクトです。https://scratch.mit.eduから自由に利用できます。CC BY-SA 2.0

文字で考えることに慣れたら、アイコンではなく、文字で指示が書かれたブロックを組み合わせるプログラミング方法がおすすめです。小学校中学年くらいからプログラミングを始める場合は、ここからスタートしてもよいでしょう。

子ども向けプログラミングの世界で有名な「Scratch(スクラッチ)」は、無料のアプリで、パソコンのブラウザから利用するウェブアプリがよく使われています。アニメーションやゲームなどを作れるという点では、「ScratchJr」と同じですが、プログラミングでできることのレベルがまったく違い、より凝ったしかけや複雑な仕組みのアニメーション、ゲームをプログラムすることができます。プログラミングのためのブロックはとてもたくさん用意されていて、簡単なプログラムから高度なプログラムまで作ることができる幅広さが特徴。指示は日本語でひらがなに切り替え可能です。

プロが仕事で使うプログラミング言語は、テキスト(英数字と記号)で記述しますが、子どもがキーボードでたくさんの文字を入力するのは大変な作業です。そのため、子どもや初心者向けに、プログラムの命令をブロックなどの形にビジュアル化し、簡単な操作でプログラミングする方法が考えられました。このプログラミング方法は「ビジュアルプログラミング方式」と呼ばれています。

とくに「Scratch」のようなブロック型のビジュアルプログラミング方式は、テキストで記述するプログラミング言語と同じような考え方でブロックを組むように設計されているので、通常のプログラミング言語を学ぶ準備になります。

ロボットキットは発想がふくらむ

KOOV®/ソニー・グローバルエデュケーション

アプリ内でプログラミングをしてアニメーションやゲームなどの作品を作るのではなく、ロボットキットでロボットを組み立て、その機能をビジュアルプログラミング方式のアプリでプログラムする教材もあります。

たとえば「KOOV®(クーブ)」は、カラフルなブロックでボディを作りモーターやセンサーなどをつなぎ合わせ、専用アプリでプログラムしてロボットや楽器などを自由に作ることができます。

工夫次第でさまざまなロボットを作り、動かすことができるため、ものが動く仕組みに興味があるお子さんにはぴったりです。

子どもが楽しめる教材で始めよう

年齢に応じたいろいろなプログラミング手段年齢に応じたいろいろなプログラミング手段

ここで紹介した教材のほかにも、年齢にあった無理のない方法でプログラミングを体験し、学ぶ方法はたくさんあります。特に小学校のプログラミング教育では、子どもにフレンドリーな教材が使われるため、楽しみながら取り組むことができます。

民間のプログラミング教室では、ビジュアルプログラミング方式で基礎を身につけてから、プロが仕事で使うプログラミング言語を学ぶコースへ進むことが一般的。年齢や学習の段階に合わせて、なだらかにステップアップしていきます。

プログラミングは、実際に何かを動かし、ゴールを目指し、自分の発想を生かして作品づくりをしながら、体験的に学んでいきます。「むずかしそう」というイメージを捨て、安心して挑戦してみてください。

狩野さやか
狩野さやか

株式会社Studio947のライター、デザイナー。技術書籍や記事の執筆、ウェブデザインに携わる。自社で「知りたい!プログラミングツール図鑑」「ICT toolbox」を運営し、プログラミング教育やICT活用について情報発信している。子どもの頃習っていたピアノやブラスバンドなどで続けたフルートで、技術の習得に近道はないと実感。ステージ上で演奏する緊張感を繰り返し味わったことはいい経験になっている。

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