2020.12.07
学びをはぐくむ 水谷映美

コロナ禍で収入減も? 手取り月収別「習い事費用」の適切な割合は?

新型コロナウイルスの感染拡大により、収入が減ってしまったという声も聞きます。そんななか気になるのが子どもの教育費、とりわけ「習い事」です。子育て中のママであり、ファイナンシャルプランナー(FP)として活躍されている鈴木さや子さんに、「習い事費用」における手取り月収別の目安金額を教えていただきました。

世帯の手取り月収に応じて家計の割合を見直そう

ーーなかなか先が見えない経済状況の中でも、子どもがやりたいことにはお金をかけてあげたいのが親心ですよね。しかし、今回のような緊急時の収入減や大きな臨時出費に対応するためには、家計の何割くらいで考えておけばいいのか。そこで最初から直球でお伺いします。各家庭において、家計の何割くらいなら習い事に充ててもよいものでしょうか。

正直、そこが一番知りたいところですよね(笑)。とはいえ、家庭によって状況が違うので、教育費や習い事はいくらまでならOK!とは言い切れないのですが…。住んでいる場所によって住居費や物価も違いますし、共働きかそうでないか、子どもの数によっても大きく変わってきます。そのことを大前提として、目安となる割合を一覧表にしてみました。今回ベースとしたのは、世帯の手取り月収です。ボーナスなどは含まず、純粋に『一ヶ月で使えるお金』をもとに見ていきましょう。

「○○費」と細かく計算するのではなく、グループごとに管理する

月々の出費を大きく4つに分けて考えます。まずチェックしたいのが住居費(A)。一般的には月収の4分の1程度が理想だと言われていますが、これは住むエリアによっては月収に対する割合が大きくなる場合がありますよね。また、ローン返済があるご家庭は割合が大きいかもしれませんが、だいたい25~30%くらいが目安です。

次に、毎月必要な費用として、食費・水道光熱費・通信費・日用品費・子どもの学費・掛け捨て保険料の合計額(B)が、手取り月収の25~35%くらいにおさえられると良いでしょう。食費は変動費ですが、生きていくために必要なのでこのグループに入れています。掛け捨て保険料は火災保険や自動車保険など、また死亡保険でも掛け捨てのものはここで合算します。

ーーここまでは、毎月出ていく額がそこまで大きく変わらないので、ざっくりと計算できそうです。

そしていよいよ、今回のテーマである習い事費を含めた『コントロールできるお金(C)』を見ていきます。ここでのポイントは、習い事(学習塾含む)、レジャーなど娯楽費、被服費、交際費、小遣いをトータルで見ること。すべてを足して、手取り月収の20~30%程度が目安です。たとえば、習い事を新たに始めたい場合は、その分、テーマパークなどに行くのを控えて公園でピクニックを楽しんだり、洋服はできるだけリサイクルショップで探したり。反対に、いまは特に習い事を考えていないという時期であれば、娯楽費を多めにとり家族のお出かけを優先してもいいかもしれません。Cというグループ内で、各家庭の状況やお子さんの人数、年齢によって調整しましょう、というのが私からのご提案です。

ーー何に重きを置くかで割合を変えて考えられるのが良いですね! この考え方であれば、どの家庭にもフィットするので、とても参考になります。そして最後は、貯金…。

最後にしわ寄せが来るのが貯金(D)なのですが、この先子どもが中学生、高校生、大学生と成長するにつれて、どうしても教育費は大きくのしかかってきます。加えて、自分たちの老後のことも考えなくてはいけません。だいたい、世帯手取り月収の15~25%くらいを貯金や投資に充てられるといいと思います。もしもボーナスを貯金にまわせる場合は、それでも問題ないです。

変動するボーナスは貯金に回し、予想外の減収に備える

ーーここで気になるのが、毎月の積立貯金を大きくとりすぎて、生活費をボーナスで補填しているケースです。心当たりがあるご家庭もいるのではないでしょうか。正直、ボーナスを貯金にまわすのと、あまり変わらない気がするのですが…。

確かにそう見えますが、今回のコロナ禍のような、予想外の出来事で減収になることは珍しくありません。そのとき、貯金を優先していて、目の前の生活費が赤字になっているとやりくりに困りますよね。ボーナスが必ず出るとも限りませんので、できればボーナスは生活費ではなく貯金にまわしたほうが良いと思います。

目安額の範囲内で習い事を選ぶポイントは?

ーー大体の習い事費の目安がわかったら、続いては、習い事を選ぶ際に気をつけるべきことを教えてください。

入会金や月額は事前に必ずチェックすると思います。習い事を始めた段階で、月謝は毎月必ず出ていく固定費になりますから。盲点なのは不定期でかかる費用です。発表会や大会への参加費、ユニフォーム代、試合の遠征費、親も付き添う場合は交通費なども意外に大きな出費になります。場合によっては、やめるときに解約手数料が必要なこともあるので、こちらもチェックを。一年を通してどのようなイベントがあるのか、そこにどれくらいの費用がかかるのかも確認しておくことをおすすめします。

ーー先輩ママたちに様子を聞いたり、先生にしっかり確認しておいたりすると、後で焦りませんね。

どんな習い事をさせるといいかは、かけたお金と子どもの満足度、それに加えて若干の親の満足度のバランスが大事になってくると思います。満足度が高ければ、その習い事はコストパフォーマンスが良いと言える。だからこそ、子ども自身が本当にやりたいという習い事を選ぶのを優先したいものです。特に小さい頃は、お友だちがやっているから、なんとなくいろいろ通わせてみた、という事情で習わせることもあるかと思いますが、いずれ本人が自分の意思で『やりたい』と言ってきたとき、『ごめんね、うちお金がないから諦めて』とはできるだけ言いたくありませんよね。そのときのために、今のうちから家計内でうまく調整をして、ある程度のお金を貯めておくことが後々大切になってくると思います。

習い事を検討するときこそ、家計の見直しのチャンス!

ーー今回のお話で、家計をあまり詳細まで決め込まず、A~Dの大きなグループ内で調整していけばよいことを学びました。

トータルでBが30%を超えてしまうけど、どうしても子どもが望む習い事に力を入れたい、という場合は、代わりにAの通信費や食費など見直せるものは見直して、節約を意識すればいいと思います。まずはグループ内で調整し、その後はA~Dの間で調整して手取り月収内で収める、という考え方がやりやすいのではないでしょうか。

「極端な話、貯金が予定通りできていて、いま銀行の口座含めていくらあるのかが把握できていれば、家計簿をつけていなくてもまったく問題ない」と鈴木さん。とはいえ、今回の習い事にかけるお金を考えることは、家計を見直すチャンスでもあります。鈴木さんの一覧表をもとに各家庭の割合を書き出して、Cの金額を再確認する。同時に、子どもが本当にやる気になって楽しめる習い事を厳選する。ぜひこの機会に、夫婦で家計を見直し、親子で習い事を見直してみてはいかがでしょうか。

プロフィール:鈴木さや子(すずき さやこ) 

株式会社ライフヴェーラ代表
ファイナンシャルプランナー(CFP)・1級FP技能士・キャリアコンサルタント(国家資格)・All About教育費ガイド
毎日を笑顔で過ごすための生活に役立つお金の情報やキャリアの考え方を、セミナーや雑誌のコラムなどを通じて発信。金融商品など一切販売しないFP。教育費やマネー&キャリア教育・確定拠出年金が専門。消費者向けセミナーの他、小中学校などで保護者や親子向けイベントもする。高校生・中学生の母。

株式会社ライフヴェーラHP http://lifevela.co.jp/
女性向けWEBメディア「みらい女性倶楽部」 http://miraijosei.com/
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水谷映美
水谷映美

1979年生まれ。出版社勤務、リフレクソロジスト、受付嬢、社長秘書を経てフリーライターに。現在はwebを中心に、子育て・結婚・レジャー・美容・ファッション・教育・文学など、幅広いジャンルの媒体で執筆中。男・女・女の3児の母。気になることは何でも試してみないと気が済まない典型的B型女子。

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