子どものスイミングスクールで何を学ぶの?水泳の年齢別コースとメリットを解説
水泳は子どもの習い事の中でも人気が高いジャンルのひとつ。東京五輪で2冠を達成した大橋悠依選手らの活躍で益々盛り上がりを見せています。水泳には主に「ベビースイミング」「幼児スイミング」「学童スイミング(小学生)」の3つのコースがあります。各コースの練習内容や水泳のメリット、スイミングスクールの選び方について、日本スイミングクラブ協会の指導力向上委員会副委員長を務める、「トップスイミングクラブ」(三重県)の目黒伸良さんが解説します。
今日のポイント
- 水泳は生後6カ月から1歳ではじめると水慣れが早い
- 「ベビー」「幼児」「学童(小学生)」の3つのコースがある
- 水泳のメリットは「水難事故から身を守れる」「呼吸器官系が発達する」「ほかのスポーツにも役立つ」
水泳は生後6カ月~1歳ではじめると水慣れが早い
なぜ水泳は習い事で人気なの?
A. 水泳が人気を保つ理由の1つに他の習い事に比べ、家庭で宿題を見るなど親の負担が少ない点が考えられます。白血病と闘ってきた池江璃花子選手をはじめ、入江陵介選手、萩野公介選手らに憧れて水泳をはじめる子どももいます。
2021年の東京五輪では大橋悠依選手が2冠を達成しました。彼女の姿をみて「水泳やりたい!」と思う子どもも今後増えていくと思います。また、楽器系や専門の用具が必要なスポーツの習い事に比べ、用具にかかる費用や月謝が安いというのも人気な理由と関係しているのかもしれません。水難事故のときに自分の命を守れる術が身につくという点でも水泳を習わせたいと思う親もいると思います。
水泳は何歳からはじめたらいいの?
A. 始めるべき年齢はありません。逆に何歳からでも遅すぎるということもないので、本人がやりたいと思ったときにはじめるのがいいでしょう。ただ、立って歩き始めると水への恐怖心が芽生えやすい子もいるので、可能なら生後6カ月~1歳ごろに習うと早く水慣れしやすくなります。
水泳の「ベビー」「幼児」「学童(小学生)」「選手コース」、4つのコースの特徴
子どもの水泳ははじめる年齢によって主に4つのコースがあります。それぞれの時期にどんなことを習得できるかについて紹介します。また、より速いタイムを出すことを目標にしている「選手コース」についても触れます。
①親子で触れ合う「ベビースイミング」(対象:0~3歳)
親子一緒にプールに入って受講するのがベビースイミングです。水に顔をつけることや、飛び込みの練習など約20教程を学びます。この時期は水への恐怖心が少ないため、水に慣れやすいという特徴のほか、親子のコミュニケーションが深まる良さがあります。親同士の交流ができるため、育児ストレスの解消にもつながります。
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②ステップアップを繰り返す「幼児スイミング」(対象:3~6歳)
親と離れて子どもたちだけのレッスンです。それぞれのスクールで決められたカリキュラムに沿って水慣れのための遊びや顔つけ、そして泳ぎ方を段階別に学びます。個人差はありますが、就学前に4泳法(クロール・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライ)各25mを泳げるようになる子もいます。
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③四泳法の習得を目標にする「学童スイミング」(対象:小学生)
学童スイミングの対象は小学生の子どもです。幼児と小学生を混ぜて、泳力別にクラスを分けて泳ぎ方を習得するスクールもあります。小学校在学中に四泳法(クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ)を各50メートル泳げるようにすることを目標にしているスクールが多いです。
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④ベストタイムを目指す「選手コース」
より速いタイムで泳ぐことを目指す子どもたちを集めた選手コースを設けているスクールもあります。スクールによってコースへ加入できる基準は異なりますが、一般的にはタイムによる審査があります。レッスン日も週1から週2~3、さらには週6あるスクールもあります。ジュニアオリンピックへの出場、上位入賞を目標にとことん練習できるような環境を整えています。
泳力だけではない水泳のメリット3つ
水泳を習うとどんなメリットや効果があるのでしょうか。泳力が身につくこと以外に代表的な3つについて解説します。
①水難事故のとき自分を守れる
誤って水の中に落ちてしまったときなど、命を守るためには、水泳で培う泳力と自分が元にいた場所に戻るスキルが必要になります。日々のレッスンの中で危険を察知したら自然と元に戻るということを体に覚えさせます。
②呼吸器官が鍛えられる
乳幼児期から水中で息を止める、吐くという動きをくり返しすることで、肺をはじめ呼吸器官を鍛えることにつながり、肺活量が増えます。肺活量が増えることで体内の代謝がよくなり、体全体が健やかになれます。
③水泳の経験がほかのスポーツをやるときに役立つ
水泳は水圧や浮力、水への抵抗があるため、陸上のスポーツでは動かすことが少ない筋肉や関節を動かし、体全体を発達させます。将来、水泳以外のスポーツをやるときに、水泳で培った筋肉の動かし方を活かすことができます。
必要な準備・月謝・スクール選び 疑問まとめ!
必要な準備や月謝の相場、スイミングスクールの選び方に関する疑問について答えます。
どんなものを準備すればいいの?
A. 水着、タオルが必要です。また幼児スイミング以上のクラスでは、ゴーグル、それらを入れるプールバッグも準備しましょう。
ベビースイミングの場合は、赤ちゃんの用意に加え、親の水着一式が必要です。スクールによっては、入会特典で水着やプールバッグをプレゼントしてくれるところもあります。
月謝はどのくらいするの?
A. ベビースイミング、幼児スイミング、学童スイミング(小学生)の月謝の相場は、週1回60分のレッスンで、約7000~9000円前後です。これ以外に初期費用として入会金などがかかる場合があります。
教室選びのポイントは?
A. 無理なく通える教室を2~3か所ピックアップし、無料体験でレッスンの雰囲気を知っておくといいでしょう。
子どもにもわかりやすく伝わるように指導者が話をしているか、更衣室の清潔さ、施設のコロナ対策が充分かもチェックしてみてください。
日本スイミングクラブ協会・目黒伸良さんからのメッセージ
本人が水泳をやりたい!といったときが絶好のはじめどきです。幼少期に水泳を通して体を動かす楽しさを知っておくと、大人になっても体を動かすことが辛くなく習慣化できるので、ずっと健やかで居続けられます。ぜひ、多くの子どもたちに水泳を楽しんでいただけたらと思います。
【プロフィール:目黒伸良さん(めぐろ・しんりょう)】
1952年生まれ、山形県出身。中央大学商学部会計学科卒業。トップスイミングクラブ(三重県四日市市)で子どもを教える傍ら、一般社団法人・日本スイミングクラブ協会指導力向上委員会の副委員長としてスイミング指導者の育成に取り組んでいます。著書に「ベビースイミング指導理論」(環境工学社)、「幼児と学童のための水泳指導理論」(松柏社)、共著に「水泳教師教本」(大修館書店)など。
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【無料体験】子どもにおすすめの習い事
スポーツの習い事は、「みらのび」経由で無料体験レッスンに申し込むことが可能です。 みらのびのライターがレッスン内容を取材したレポートも掲載 。体験レッスンを申し込む際にご利用ください。
みらのびで掲載している「biima sports(ビーマスポーツ)」は、「基礎運動能力」「非認知能力」「自己肯定力」を科学的に高める21世紀型の総合キッズスポーツスクールです。 全国に約100教室展開しています。
【教室のメリット・特徴 】
- 早稲田大学の教授陣と共同開発、基礎運動能力を高めるプログラム
- 21世紀に最も必要とされる能力「非認知能力」を高める
- 子どもの成長の鍵となる「自己肯定力」を育む指導方法
さまざまな競技の要素をミックスした「多種目スポーツスクールJJMIX(ジェイジェイミックス)。2歳から年長までを主に対象にしており、サッカー、バスケットボール、野球、空手、マット運動などを体験できます。
【教室のメリット・特徴 】
- いろいろなスポーツの動きを体験。合うものが見つかる
- 走る・跳ぶ・蹴る・投げる」を練習、基礎運動能力を育む
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子育て情報誌、不妊治療情報誌などをメインにライティング、ページ制作を行っている。そのほか、旅行情報誌、ライフスタイル情報誌などの編集、原稿制作も手がけている。自身も夫もひとりっこなので、戸惑いながらきょうだいの育児に奮闘中。子どものころに熱中していたのは、自分の新しい名前を考えること。最後に「子」が付く名前に憧れ、四六時中、考えていた。小学校低学年当時、自分で考えて気に入っていた名前は「ごだいごはなこ」。