2020.11.24
習い事Q&A みらのび編集部

子どものスイミングスクールで何を学ぶの?水泳教室のメリットや年齢別クラスを解説

スイミングスクールは、子どもの習い事の中でも、もっとも人気が高いジャンルのひとつです。ここ20年は、北島康介選手、入江陵介選手、萩野公介選手、金藤理絵選手、池江璃花子選手などの日本人スイマーが世界大会で活躍する場面も増えました。その泳ぐ姿を見た子どもたちにとってスイマーは憧れのヒーロー・ヒロインになっています。そこで、スイミングスクールに通うと、どのようなメリットがあるのか、年齢別クラスやその練習内容を改めて確認しましょう。

スイミングスクールや水泳のメリットとは?

保護者として、「子どもを水泳教室に通わせるメリット」について、まずはしっかり確認しましょう。

1.水遊びを楽しみ、水への恐怖心を克服できる

子どもが幼児期のときは、水に対して特別な恐怖感を抱いているケースがあります。お風呂の時に泣き叫んだり、シャワーが顔にかからないよう抵抗したりする姿を見かけたことのある方も多いでしょう。

そんな時に、スイミングスクールで友達と一緒に楽しめば、恐怖心をやわらげながら水慣れしていくことができるかもしれません。スイミングスクールには、顔を水につけられない友達もたくさん来ていると思います。

不安そうな我が子を観覧席から見守る保護者はドキドキしますが、我が子が勇気を出してチャレンジする姿を見ることは、貴重な子育て体験とも言えます。

子どもが乳幼児のときは、水への抵抗感がまだ少ない時期です。恐怖心が生まれる前に親子で一緒に水慣れしてしまうのも一つの手です。

スイミングスクールでは、水泳指導のプロが子どもの性格や水慣れのレベルに寄り添ってくれます。またスクールによっては、水泳指導に加えて子育て経験のあるコーチをベビースイミングの担当にするケースも多く、子育て初心者の親が安心して参加することができます。

2.きめ細かいレッスンでスキルアップが実感できる

小学生になると、夏の時期には体育の授業でプールの時間があります。低学年の間は水遊びが主体となりますが、高学年になるとクロールや平泳ぎの泳法の習得も始まります。

一方で、子どもが「25mを完泳したい」などと上達したくなった場合、学校の水泳指導の時間だけでは短くて、必ずしもクロールや平泳ぎの泳法が習得できるとは限りません。

スイミングスクールでは、独自のカリキュラムや指導法を確立しているところが多いです。
「水中姿勢が悪い」「キックの打ち方が悪い」「呼吸方法に課題がある」「手足の挙動のタイミングが合っていない」などの細かいチェックポイントをコーチは熟知しています。
子どもそれぞれの苦手な部分に着目して的確なアドバスをもらえるため、着実に泳力の向上が見込めます。

3.試合や進級テストがあるから目標設定スキルが高まる

子どもが水泳に対して意欲を持ってくると、「試合でベストタイムを出そう」「進級テストに合格できるようにしよう」というさらに高い目標が生まれます。スキルアップするためのチェックポイントも細分化されています。標準記録なども0.1秒単位で設定されています。水泳は小さな目標設定を立てて、それをクリアすることを繰り返すスポーツでもあります。自己分析力の高いスイマーは上達も速いです。さらに「目標を達成するためには自分の健康管理も大切」など生活環境へ意識が向かう子どももいます。これら一連の目標設定スキルは、水泳に限らず勉強や仕事にも通底する必須スキルです。

4.自己ベストを更新 何度も達成感を味わえる

育成コースや選手コースと呼ばれるレベルの高いグループに入ると、自分の記録との闘いが始まります。大会や記録会では、タイムが出るたび一喜一憂します。まさにスポーツの醍醐味です。

前項のように目標を設定した上で、その目標をクリアできた時の「達成感」は格別です。達成感は全国レベルの大会に出場できるトップクラスのジュニアスイマーだけのものではありません。区民大会や市民大会・クラブ記録会に出るレベルの子どもでも、はじめてバタ足する子どもでも、目標を持って一生懸命取り組んで成功すれば達成感を得ることができます。

5.基礎的な運動能力が向上する

水泳は水中で行う全身運動です。運動神経はもちろん、バランス感覚も養うことができます。クロール・平泳ぎ・バタフライ・背泳ぎと4泳法マスターできれば、飛ぶ・投げる・蹴るといった他の競技でも必要となる基礎的な運動能力の向上にもつながります。

水泳は浮力の影響で無重力に近い体勢になるので、空間認知能力が高まるという説もあります。

テレビ番組などで、野球やサッカーなど他の競技のプロスポーツ選手が水泳を取り入れているシーンをよく見ることがあるでしょう。水泳競技そのものを極めるという目的だけではなく、他のスポーツの競技力向上のために水泳をする場合もあります。特に水泳を通じて関節の可動域が広がることは、ケガの予防につながります。

スイミングスクールは何歳から通えるの?

スイミングスクールには、年齢やレベルに応じてクラスやコースが用意されています。子どもがどのクラスに入るかによって、日々の練習内容は違います。我が子が入会すると予想されるクラスの練習内容を確認してみましょう。

1.親子で触れ合うベビースイミング(0歳半~)

水泳教室が開催しているクラスの中で、一番年齢の低い子どもを対象としているのが「ベビースイミング」です。一般的には生後半年ぐらいからはじめ、2歳半~3歳ぐらいまで続けます。

ベビースイミングは、赤ちゃんと保護者のスキンシップや赤ちゃんの水慣れを目的としたクラスです。歌ったり、おもちゃで遊んだり、水に浮かんでみたりします。

赤ちゃんにとって水遊びは、大人が思っている以上に体力を消費します。練習の後はすやすや。しっかりお昼寝することができるでしょう。授乳や食事も進みます。子どもの生活のリズムが整いやすいというのは、子育てパパママにとって助かります。

また保護者は、同じ月齢・年齢の子どもを持つパパママ同士が交流できるため、育児ストレスの解消にもつながります。昔のベビースイミングはママばかりでしたが、最近はパパが参加する場面も見かけます。近くのスイミングスクールを訪れて、ベビークラスの雰囲気を確かめてみましょう。

2.友だちと水泳を楽しむ幼児(2~6歳)

ベビースイミングの次は幼児クラスです。対象年齢は2歳半~6歳ぐらいです。親と離れて友だちと一緒のレッスンです。

この頃の子どもは全身のバランスをコントロールする能力が発達し、体の動きが巧みになる時期です。具体的な練習内容は、水慣れのための遊び(宝探し)、バタ足、水中ジャンプなどです。水と触れ合うことに重きを置いている水泳教室が多いので、水泳そのものを楽しめる時期でもあります。

よく「スイミングは何歳からはじめるべき?」と疑問を持つ保護者もいると思います。水泳は生涯スポーツなので何歳からはじめても楽しめますが、例えば金メダリストの北島康介さんは幼稚園児のときに水泳をはじめたそうです。詳細はこちら

3.ステップアップを繰り返すキッズ(未就学児~小学生)

対象は未就学児~小学生です。親と離れて友だちと一緒のレッスンです。

レベル別レッスンと進級制度を採用しているスクールが多いです。水慣れから4泳法のタイムまで細かくレベル分けがされて、それぞれに指導法があります。子どもは進級を目標に練習に励みます。進級すると水泳帽に貼るワッペンやスタンプカードなどがもらえるので、モチベーションが上がります。夏休みや春休みになると、短期集中教室が開催されます。

4.ベストタイムを目指す選手コース(小学生~中高生)

トップスイマーは、水泳選手として競技者登録をするのが一般的です。日本水泳連盟や都道府県水泳連盟が主催する各競技会に出場する場合は、競技者登録をする必要があります。所属するクラブチームが団体登録されていればジュニア大会(B級・C級大会等)に出場できる場合もあります。

ジュニアで水泳選手を目指したい子どもは、選手コースがあるスクールをおすすめします。指導者やライバルともいえる仲間の存在は、競技力向上のきっかけやモチベーションをつくってくれます。

また同年代で競技力の高い子どもが集まっているクラブは、4人でリレーを組むことができます。競泳は個人種目ですが、4人でチームを組むリレーはチームへの貢献意識が生まれます。仲間との関係性のなかで、実力以上のタイムが出ることがあります。チームワークを学ぶよい機会とも言えます。

5.子どもの時だけではない 生涯スポーツとの出会い

子どもの時に始めた水泳を、大学生や社会人になっても続けている人はたくさんいます。大学水泳部所属の選手は、日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)を、社会人はマスターズ大会を目標に置いている人も多いでしょう。健康維持を目的に泳ぎ続ける方もいます。

100歳を超えても水泳を続けている方もいます。長寿スイマーで有名な長岡三重子さんは105歳になっても試合に出場しました。なんと水泳をはじめたのは80歳のときです。長岡さんの記事はこちら

スイミングスクールの練習の目的と内容とは?

1.水に慣れる

ベビースイミングや幼児対象のクラスでは、水に慣れることが第一歩です。水への恐怖心を取り除くために、顔洗い、浮き、おもちゃ遊び、水中ジャンプなどを行います。

2.姿勢をつくる

水泳競技の基本は姿勢です。水中空間のなかで自分の重心や浮心(浮力の中心のこと)を知り前後や左右のバランスを保つことと、進行方向に向かって抵抗の少ない姿勢を保持することが大切です。

スイミングスクールに入会するとコーチから「ストリームラインを意識して」「おへそに力を入れて」と指導を受けることが増えます。トップスイマーとアマチュアの差は、どれだけ水面から体のポジションを浮かせることができるのか?進行方向の抵抗が少ないか?などボディポジションや姿勢によるところが大きいと言えます。

姿勢づくりの第一歩は、伏し浮きやけのびなどの練習です。子どもたちはコーチのお手本を見ながら姿勢やバランスの大切さを学んでいきます。

姿勢が固まれば、徐々に下半身のキックの練習にうつります。プールサイドでのキック、ビート板を持ってのキック、けのびからのキック、ヘルパーをつけてのキックなど徐々に動きのある練習に移ります。

3.フォームを覚える

キックを覚えたら、次はプル(腕の運動)の練習にステップアップします。陸上での上半身の反復練習、ビート版を使った片腕ごとの部分練習、数を数えながらタイミングやテンポをはかる練習があります。

この頃から「きれいなフォームを意識して」「テンポよく」と指導されます。下半身や腕を動かすことによってバランスやタイミングが崩れやすくなるからです。これらの反復練習を重ねていくと10~20mぐらいのクロールができるようになります。

このようにしっかり練習を重ねれば、小学校入学前に4泳法がマスターできている可能性もあります。

4.体力をつける

4泳法をマスターし、記録の更新を意識できるようなレベルになれば、「育成コース」や「選手コース」に所属して大会に参加するようになります。記録の更新を目指すためには、姿勢やフォームに加えて、持久力や筋力等の基礎的な体力をつける練習も行います。

ジュニアスイマーは大きな大会を目標に、心肺機能や酸素摂取能力を高める練習や集中力と瞬発力を高める練習を行います。さらにレベルが上がっていくと学校が長期休暇に入るタイミングで短期合宿が組まれることもあり、水泳が生活の中心へとシフトしていきます。これらの水泳生活を通じて、基礎体力がみるみる向上し、しっかりした身体になります。

クロール50mのタイムはどのくらい?

陸上競技の100m走が花形種目と言われるように、競泳の場合は自由形50mが花形種目です。25mプール(専門用語では短水路といいます)の場合は往復するタイムです。自由形はクロールで泳ぐことが一般的です。

水泳教室へ通うなら、「みんなはどれくらいのタイムなのか」「自分は何秒をめざすのか」を意識すると、子どもも親も水泳を楽しむことができます。

1.トップスイマーたちのタイムは?

大人も含めた日本人の男子50m自由形(短水路※)の日本記録は20秒台、女子は23秒台です。日本記録保持者は世界でもトップスイマーです。彼らの泳ぎを近くで見る機会があれば、ぜひ親子で見て分析してください。トップスイマーの姿勢や水中のポジション、腕を回すテンポや回数、ワンストロークで進む距離など、たった20秒程度の間に、たくさんの見どころが詰まっています。

我が子に近いスーパー小学生たちの学童記録も、要チェックです。男子50m自由形は23秒台、女子50m自由形は26秒台です。男子の森悠紀さんのタイムは1998年に樹立されて以来、20年以上も誰にも破ることができていません。それほどすごい記録であるということです。

2.ジュニアオリンピックの標準記録は、ジュニアスイマーの目標

ジュニアスイマーが目指す大会は、ジュニアオリンピックです。正式名称は「全国JOCジュニアオリンピックカップ水泳競技大会」。「JO(ジェイオー)」と略します。

この大会に出るには、主催者が定める標準記録を突破する必要があります。例えば9歳以下の50m自由形は、男子が30秒台、女子は31秒台です(短水路、2020年春大会)。JOに出場できる子どもは、ほんの一握りです。
全国大会の前に行われれる各地域の予選会では、この記録の突破を目指して子どもたちの真剣な顔と、子どもたち以上に熱くなって応援する保護者がたくさんいます。

3.水泳資格級表もチェック、年齢を超えてタイムを楽しむ

日本水泳連盟が制定した全国統一の泳力評価基準として、「水泳資格級」があります。年齢区分毎、種目・距離毎、男女それぞれタイムと級を定めています。例えば、最高位のAA級を見ると、9歳男子50m自由形の場合は29秒18、女子は29秒59と定められています。年齢が異なるスイマー間でレベルを比較するときには、目安になります。

4.友だちの記録もチェックできる水泳アプリ「スイムレコードモバイル」

記録をチェックする際に便利なのが、日本水泳連盟公認のモバイルサイト「スイムレコードモバイル」です。有料ですが、友だちの記録も時系列でチェックできる便利なツールです。遠く離れた旧友の記録、異なるクラブのライバルの最新記録を見ることが出来ます。子どもだけではなく、応援する保護者にとっても便利なサービスです。

※上記の記録は2020年10月現在のものです。

スイミングや水泳に必要な道具や費用

最後にスイミングスクールに通うことになった場合に必要なグッズや出費をチェックします。

1.水泳をするための道具

まず、水着、キャップ、ゴーグル、タオルが必須です。水着や帽子はスイミングスクールが指定する場合があります。これに加えて、水泳道具を入れるカバンやリュックも必要です。こちらもスクールが指定する場合もあります。

選手になると、ジャージやTシャツなどのおそろいのウエアを購入することがあります。日々の練習をするためにプルブイやパドルやフィンなどの練習道具を用意する必要があります。公式試合に出場する時は練習用水着とは別に試合用水着が必要になります。

一方で、水泳道具をそろえるのも水泳の楽しみ方の一つでもあります。我が子と一緒にスポーツ用品店に行き、最新モデル水着やトップスイマーと同じモデルの水着を選ぶのも楽しい時間です。

2.水泳とお金

気になるのは費用面。スクールの月謝に加えて、短期教室などに別途料金がかかる場合があります。タイムが伸び悩んだ場合や進級できない子のために、個人レッスンも用意されていますが、別途料金が必要になるケースが多いです。

また、スイミングスクールでは冬の期間にスキーツアーやクリスマスなどのお楽しみイベントを企画するところもあります。子どもに「行きたい」とねだられるかもしれません。
選手になると、合宿代として宿泊費や試合エントリー代や選手登録料などが必要になります。

水泳は赤ちゃんの時期からでも始められるので、「初めての習い事」になることも多いでしょう。泳ぐことの楽しさが見いだせれば、水泳選手を目指すことも夢ではないでしょう。

夢に向かって一生懸命になって泳ぐ我が子を応援しませんか?

関連記事:「私はなぜ、スイミングを続けられたのか」 女子高生から小学生へのメッセージ

みらのび編集部
みらのび編集部

いま子どもに本当に身につけさせたい生きる力「未来型スキル」の情報をお届けします。すべての子どもに夢中を!

関連記事 Related articles

新着 New!