2020.12.10
学びをはぐくむ 八田吏

コロナで変わった?「みらのび」が202人に調査 第1回 子どもの習いごと事情

2020年、コロナにより子どもたちの生活は大きく変わりました。学校行事の縮小や中止など、その影響はいまもまだ続いています。「みらのび」では、コロナで何が変わったのか、小学生までの子どもを持つ保護者にアンケートを取りました。202人の方が回答し、大きな変化の日々から感じた思いをたっぷりと書き込んでくれました。これまでの「当たり前」が大きく揺らぐ中で、親である私たちはいま、子どもの教育に関してどのように考え、どのような選択をしているのでしょうか。アンケート結果をもとに、5回にわたってお伝えしていきます。

約4割が「変化あり」 コロナ後の習いごと

  減った習いごとはスイミング 休止になってしまった

<減った習いごと>
スイミング(9名)
音楽教室、楽器のレッスン(7名)
学習塾(5名) 他

「減った」人も「増えた」人も含め、変化があったと答えたのは全体の37%です。
まず、習いごとが「減った」理由をみていきましょう。

●「教室の主催団体が、コロナ対策下で教室を実施できないとして、活動を休止した」(スイミングを減らした)
●「体育館が使用できない。大会も中止となったので、それに伴う練習もなくなった。」(剣道を減らした)
●「教室自体が開催されなくなった。再開しても予約などの手続きが煩雑になった」(学童併設のクラブを減らした)

コロナの影響で、屋内プールや体育館等、換気に配慮が必要な場所で行うスポーツや、公共施設を使う習い事の多くは、教室自体が休止または活動縮小を余儀なくされました。アンケート結果でも、多くの人が「教室自体の休止」を理由としています。

また、

●「感染の機会を減らしたかったから」
●「どのような対策をしていくのか、こちらから聞かないと案内がなかった」

と、感染リスクへの不安や、教室の感染対策への不満をあげた人もいました。

予定の詰め込みすぎに気がついた

良かれと思って親が勧めたり、子ども自身の意志で始めた習い事でも、いつの間にか当初の熱意が薄れていく…子どもの習い事にありがちなパターンです。また、やる気はあってもしばらくお休みしているうちに、興味関心が他に移ってしまうこともあります。

そこで、コロナを機に、これまで行っていた習いごとやスケジュール全体を見直した親子も多いようです。

●「自粛生活でのんびりして、これまでの生活を見直したら、予定を詰め込み過ぎだったことに気付いた。」
●「コロナで自宅にいる時間も大切だと気がついたから」
●「もともとやめたがっていたので、そのままフェードアウト」
●「休講中に子どもが興味をなくした」
●「対面授業のため長期でお休みとなり、再開時には子供のモチベーションが落ちてしまった。」

また、子どもの習いごとを減らしたら親のストレスも減った、という声も。

●「あんなに焦っていろいろつめこむことなかったと思います。ほんとうに予定がぎちぎちだったので、3人のこどもの誰かが体調不良になると、いろんな予定をキャンセルしたり、スケジュールを改めたりしなければならず、それがストレスだったと気付きました」

実際に減らしてみてどうだったか、という問いに対しては、

●「これでよかった、大事なものが何なのか、よく考えられたから」
●「減らして大正解。子ども同士、遊ぶ時間を増やせた」
●「今後も減らしていいものもある。その方が親子ともにゆとりができるなと感じています」

親子ともに時間の余裕ができたことを、肯定的に捉える人が多いようです。

しかし、これまで本人が意欲的に取り組んでいて、必要だと感じていた習いごとが続けられなくなった場合には、

●「唯一のストレス発散場であったため代替が効かず、子供のストレスを懸念している」
●「習いごとが心身の健康維持のための時間になっていたので、できればまた増やしたい」

といった懸念もあるようです。

オンラインの習いごとが増加

増えたのは学習系、満足度も高め

コロナ以降、どんな習いごとが増えているのでしょうか。

<増えた習いごと>
学習塾(17名)※うちオンライン4名
英語・英会話(5名)※うちオンライン1名
ピアノ(5名)※うちオンライン1名
空手(5名) 

ユニークなところでは「オンラインアート教室」や、最近話題の「STEAM教育」を始めたという家庭も。
子どもの希望で始めたという人、

●「子どもがずっとやりたがっていたので」(ダンスを始めた)
●「算数が大好きで通いたいと言われました」(算数塾を始めた)

コロナの影響で受講しやすい環境になったことをあげる人や、

●「前から気になっていたのですが、教室まで通うのが難しく、通うことはできない状態でした。コロナでその教室がオンライン講座も始めてくれたので、始めることになりました」(オンライン算数教室を始めた)
●「在宅勤務が増えて時間の都合がつけやすく送迎可能になった」(サッカー、体操教室を始めた)

休校中の子どもの様子に不安を感じて習いごとを増やした、という声も聞かれました。

●「旅行などにあまり行けず、家にいるとゲームや動画ばかり見てしまい、発達的に気になるため」(ラグビー、野球、将棋を始めた)
●「休校中に学習する習慣を崩さないため。また、学習塾も休みになったため」(タブレット教材を始めた)

実際に増やしてみてどうだったかを聞いてみたところ、多くの方から肯定的な意見が寄せられました。

●「本人がものすごく楽しんで行っているのでとても良かった」(空手を始めた)
●「休校な上に外出自粛で生活リズムが崩れるのではと思いましたが、タブレット教材のおかげで上手く時間を使うことができました」(タブレット教材を始めた)
●「本人がやりたい!と思うことは厳選してあげれば増やしても大丈夫なのだと思いました。また、好きな事を学びに行くと効果がすごいです」(算数塾を始めた)
●「本人がやりたいことをやるために、適切な指導者がいるということの安心感があるなと感じています」(プログラミング教室を始めた)

一方で、時間のある休校(休園)中に始めた習いごとが、学校再開後、スケジュールや費用面での負担となっているケースもあるようです。

●「休校が明け通常の生活に近づいて来るに連れて、少し負担になって来た」(学習塾を始めた)
●「結果的に平日は毎日何らかの習い事が入るようになってしまい、最初は忙しく感じました。子どもたちはどれも楽しいのでやめたくないとのこと……」(オンライン算数教室を始めた)
●休校から今に至るまでコロナ禍で子供達に影響が出過ぎています。習い事が増えるのも費用負担が増えてきついです」(スイミングを始めた)

子どもの好きなことを大切に

コロナ前、子どもを音楽教室に通わせていたYさん。「子どもは常にやらされている感があり、そこを親が無理矢理練習させるので、どうしても攻撃的な言い方に。習い事のせいで、親子関係が悪くなっていた」と、退会を決意しました。その結果、

「家族で過ごせる時間が増えた事もあり、親子関係が良くなりました」(Yさん)。今も、教室をやめたことに未練はないとのこと。

一方で、子どもからの「自由に好きなことをする時間を優先したい」との申し出でロボット教室を退会したというSさんには迷いもあったようです。

「いろいろな体験の機会が得られる習いごとと、一人で好きなことをする時間とどちらが大切かと考えてしまいますが、本人の意思を大切にしたいと思っています」(Sさん)

「コロナを通じて子どもと関わる時間が増え、子どもの生活がよく見えるようになりました。子どもも、以前よりも落ち着いて、安心して過ごしているように思います」(Hさん)

我が子にはできる限り良い環境を与えてあげたい、でも、本人の自由も尊重したい。多くの保護者がそんな風に思っているのではないでしょうか。アンケートからは、2つの願いの間で揺れつつも最適解を探していく姿が浮かび上がってきました。コロナで増えた親子の時間は、子どもと自分、それぞれの願いを改めて確認する、貴重な機会になっていたのかもしれません。

第2回は「コロナ禍を機に、オンライン学習を新たに始めましたか」についてです。

関連記事:コロナで変わった? 202人に調査 第2回 オンライン学習はコロナ時代の救世主?
関連記事:コロナで変わった? 子どもの習い事と生活 第3回 「好きなこと」の探究
関連記事:コロナでどう変わった? 第4回 子どものストレス 大人のストレス

八田吏
八田吏

ライター mugichocolate株式会社 元中学校国語教師。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことをきっかけにライター、編集者として活動開始。幼い頃から無類の本好きで、小学2年で夏目漱石にはまる、やや渋好みの子どもでした。今でも、暇さえあれば本屋巡りをするのを楽しみにしています。

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