2020.12.26
学びをはぐくむ 八田吏

「みらのび」オンラインイベントを開催 「コロナ時代の親子サバイバル術」

石田勝紀さん(上から2段目、右から2列目)と参加者で記念撮影

子どもの習い事と学びのサイト「みらのび」オープンを記念して、オンラインイベント「コロナ時代の親子サバイバル術〜2020年の学びを生かし、この冬を乗り切ろう〜」を12月19日に開催しました。師走の忙しい中、約40人が参加してコロナで大変だった1年間を振り返って語り合いました。当日の様子をご紹介します。

12の未来型スキルで「すべての子どもに夢中を」

はじめに、「みらのび」平岡妙子編集長から、サイトの説明やオープンの経緯について紹介がありました。

「今、多くの保護者に『子どもには好きなことを見つけてほしい』という願いがあります。好きなことを夢中でやっている時が、子どもが一番輝くからです」と、平岡編集長。

子どもには好きなことで自分の力を伸ばしてほしい。じゃあその力って一体何だろう?編集部が何度も話し合った結果、「子どもに身につけてほしい力」をまとめたのが「12の未来型スキル」です。「みらのび」では、それぞれのスキルから見つける多様な習い事を紹介しています。

大学入試を頂点とした偏差値重視の教育観がいまだ根強くはあるものの、「時代は変わってきています。」と平岡編集長。未来をたくましく、楽しく生きるためには、もっと違う力が必要なのではないか…そう思う保護者が増えてきている中、「今の時代に子育てをしていれば、迷って当たり前です。正解がないからこそ、みんなで考えたい。今日もそんな時間にしていけたらうれしいです」と話しました。

コロナ禍を生きる親には「おしゃべり」が大事

続いては、教育専門家の石田勝紀さんによるトークです。

「今年は、とにかくママが頑張ったよね!」

と、開口一番ねぎらいの言葉をかけた石田さん。石田さんが主宰しているカフェスタイルの勉強会「Mama Café」でも、コロナの影響を感じさせる声が多く集まるのだそうです。

参加者に優しく語りかける石田勝紀さん

石田さん:休校期間中よく聞いたのが、「とにかく台所でひたすらご飯をつくっていた」という話です。朝昼晩と終わりのない食事作り、そのかたわらで子どもは何をしているかというとゲーム三昧。それを見ているとイライラして仕方ない、というお母さんが本当に多かったですね。

ストレスはもちろん子どもも例外ではありません。石田さんによると、メンタル不調を訴える子どもたちは例年の1.5倍。「学校へ行きたくない」との訴えも増えているとのこと。

石田さん:子どもも大人も大変だった。「とにかく頑張りました」という2020年でした。

今はオンラインで継続中の「Mama Café」を訪れるお母さんたち。その様子が、10月に入ったあたりから変化してきているそうです。

石田さん:じわっとストレスがたまってきているのを感じます。どうしてわかるかというと、みなさんとにかくよくしゃべるようになりました(笑)。おしゃべりが止まらない。

思い当たる節があるのか、石田さんの言葉に苦笑している人も見受けられます。しかし、この「よくしゃべる」ことが、ストレス解消には役立つのだとか。

石田さん:ただでさえ今、世の中がネガティブな情報だらけになっています。そんな情報にさらされていたら、当然ストレスがかかってきます。内容はなんでもいいから、とにかくしゃべることがストレス発散になります。意識的にコミュニケーションの量を増やすことを心がけてみてください。

友だちとはなかなか直接会えないかもしれませんが、ZoomやLINEを使ったり、家族と話したり、意識的に話す時間を増やすと、ストレスが消えていくかもしれません。

石田さん:大事なことはね、コロナだからといって、ワクワクすることまで自粛しなくていいのです。なんだか楽しんじゃいけないのではって考えると、気持ちまで暗くなってしまう。楽しむことに罪悪感を抱く必要はありません。自分の中の楽しみを、何か見つけてもらえたらと思います。

ストレス対策として、おしゃべり以外で有効なことについても伺いました。

石田さん:「睡眠」「栄養」「適度な運動」の3つです。特に子育て中のお母さんはこの3つが揺らぎがちです。日中、日差しを浴びながら外を歩くのも効果的です。

ちなみに石田さん、1日1万歩歩くのだそうです。1万歩はこの時期ハードルが高いですが、家にこもりがちな季節だからこそ、自分のできる範囲でトライしてみるのも良さそうですね。

最後に、子育ての指針にもなる大事なメッセージをいただきました。

石田さん:子育ての基本は、子どもの自己肯定感を上げることだと思います。そのためには、日頃から子どものいいところを見つけたら言葉にして伝えていくことが大事です。「ここは良かったよね」と、調子に乗らせる。お子さんのイケてるところを伝えて、あとは放っておくぐらいでいいんですよ。そうしていくうちに心が満たされて、勉強だって自主的にやり出しますから。お子さんの良いところを口にしていると、それはお母さん自身の耳にも入りますからね。すごく大切なことですよ。

コロナで一番苦労したことは?どう乗り切った?

会の後半は参加者みんなで話し合う時間になりました。石田さんもお勧めしていた「おしゃべりタイム」です。

いままでとは何もかも違う状況に、各家庭で向き合っていた私たち。家庭での子育てや学びについて、様々な情報が飛び交いました。正直なところ、うまく行かなかったこともあるはず。みらのび編集部でも「良かった話も大変だった話も両方知りたい」と考え、10月に「みんなはコロナでどう変わった?」をテーマにアンケートを行いました。その結果がこちらの記事です。

コロナで変わった?「みらのび」が202人に調査 第1回 子どもの習いごと事情

コロナで変わった? 202人に調査 第2回 オンライン学習はコロナ時代の救世主?

初めてのオンラインイベントに取り組む「みらのび」編集部員たち

おしゃべりタイムでは、コロナ禍の子どもとの生活について、「一番、苦労したことは何?」「どう乗り切った?工夫は?」という2つの質問を軸に、数人ずつのグループに分かれて語り合いました。どんなお話が出てきたのか、少しだけご紹介します。

「一緒に散歩したり、料理をしたり。子どもといろいろ楽しいことができて、かけがえのない期間だった」

という人もいれば、

「毎日家族全員が家にいることに、だんだんストレスがたまっていった」

という人も。悩みの種類も多岐に渡ります。

「やっぱり子どもの学習が不安だった」

「外にも出にくくなって、運動不足が心配だった」

と、子どもの学びに対する悩みもあれば、

「自分の仕事が全然進まずに困った」

「狭い家の中での、兄弟げんかの仲裁に苦労した」

「外で遊ばせる?遊ばせない?といったことで、周りのお母さんとの腹の探り合いに疲れた」

という、大人側のリアルな事情も出てきます。

こうした課題を、みなさんはどう乗り切ったのでしょうか。

「外に散歩に出たりして、意識的にひとりの時間を持つようにしました」

「思い切って子ども部屋をつくったら、兄弟げんかが減りました」

と、時間や空間の工夫で乗り切った人がいました。

「子どもに食事の支度を任せてみたら、だんだん出来るようになってきました」

と、子どもに役割を任せてみたなど、多くの人が悩みながらもそれぞれの工夫をしていたことがわかります。

一方で、「うまくいかなかったことも大事にしたいです」と話した人も。

「前向きな話だけでなく、出来なかったことも言葉にしておきたい。そうじゃないと『なんとかなったね』で終わってしまう。だから、『これはやっぱり無理だった』ということも、ちゃんと言っていきたい」

「無理したけど、乗り切れたから良かった」と簡単にまとめると、心にしこりが残ります。コロナ問題が長期化している今だからこそ、本音で体験を語り合う場がより必要になってきています。そんなリアルな言葉を、「みらのび」はこれからもお届けしていきます。

「ぐんぐん伸びる子の育て方 教育専門家・石田勝紀」の記事一覧

八田吏
八田吏

ライター mugichocolate株式会社 元中学校国語教師。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことをきっかけにライター、編集者として活動開始。幼い頃から無類の本好きで、小学2年で夏目漱石にはまる、やや渋好みの子どもでした。今でも、暇さえあれば本屋巡りをするのを楽しみにしています。

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