2021.01.29
学びをはぐくむ 八田吏

コロナで変わった? 第4回 子どものストレス  大人のストレス

第4回「子どものストレス、大人のストレス」

全国一斉の休校要請から約1年。子どもたちの生活も、大人の生活も、いまだに様々な制約の中にあります。そんな中で、子どもたちの心は今、どのような状況にあるのでしょうか。202人にご回答いただいたアンケート結果から、第4回は、コロナをきっかけに浮き彫りになった子どものストレス問題についてお届けします。

コロナで増えるストレス。子どもにどんな形で現れているのでしょうか?

 みらのびアンケートでは、45.5%の保護者が、コロナ以降お子さんのストレスで悩んだ経験が「ある」と答えています。子どもたちのストレスはどのような形で現れるのでしょうか。アンケートからはさまざまな姿が見えてきます。

時間の使い方で親と衝突、子どもがプチ家出

「ゲームと勉強の時間配分で一度大きな衝突をしまして。子どもにプチ家出をされてしまいました。」

と書いてくれたのは小4のお子さんを持つAさん。Aさんのご家庭のように、ストレスが苛立ちや怒りとなって表われたケースは多いのではないでしょうか。他にも、

●在宅勤務で、同じメンツでずっと居ることからの息苦しさから、ぶつかる事が多くなった(小5、中1)
●TVの音がうるさい、PCの取り合いなど、ささいなことから兄弟げんかが始まる。どんどんエスカレートしていってつかみあいのけんかに。双方にストレスがたまっているのを感じた(小4、中1)

というように、家の中での言い合いやけんかについてのコメントが多く寄せられました。

一方で、低年齢のお子さんには、ストレスが「甘える」行為となって出てくる場合も多いようです。

●しがみつく、乗っかる、おっぱいを触ろうとするなど、昨年よりも甘え方がひどくなった(小1)
●少し情緒不安定になり、ママパパに抱っこを求めることが多くなったと思う(小1)


チックや爪かみなど、身体に現れるケースも

「学校が始まって間もなくチック症状が出てると言われました」と書いてくれたのは、小2のお子さんをもつBさん。他にも、身体的な現れについてのコメントがいくつも見られました。

●爪をかんだり、まばたきをする回数が増えた(小4)
●まつ毛や眉毛を抜いてしまうようになった(年中、小4)
●断続的な嘔吐や吐き気を訴えるようになった(小3、小6)
●聴覚過敏が顕著になった(小1)
●「お腹が痛い」などの不定愁訴がある(年中)

自分の抱えている感情を言葉で伝えるのは、大人でも難しいものです。なぜかわからないけど苦しい、嫌だ、モヤモヤする・・・そんな行き場のないフラストレーションが積もり、子供たちの身体に現れているようにも見えます。

一方、こんな様子からストレスを感じ取ったという声も寄せられました。

●成績の伸び悩み。寝不足など生活の乱れ(小6)
●youtubeの見すぎ。自分自身も「見すぎだよ」とうまく伝えられない( 小4、小6)

成績や生活ぶりなど気になる事象だけにどうしても目が行きがちですが、「もしかすると何かストレスがあるのかも?」と考えてみることで、別のアプローチが生まれてくるかもしれません。

冒頭でご紹介した、お子さんがプチ家出をしてしまったAさんのコメントです。

「プチ家出の後、話し合いをしました。そこで、お互いの思いの誤解を解いてからは 、衝突していません」(Aさん)

お子さんの思いを聞いてみる、親子でゆったり過ごす時間を作るなどの工夫が考えられそうです。

リモート会議中に限って話しかけてくる我が子にイライラ

とはいえ、実は大人の側もかなりストレスを感じているのではないでしょうか。アンケートにも、親自身のストレスに関する声がいくつも寄せられました。

●親が在宅勤務中で、仕事してることに気づいていながら、かまってほしくて、打合せ中に限って話しかけてきて邪魔をする。そこで怒られたり、お互いイライラして悪循環に(小3)
●これまで頼っていた保育園、両親、ご近所のママ友などが頼れなくなり、夫は単身赴任。6歳2歳の遊び盛りの相手をして、ひとりで家庭を切り盛りするのに、精神的にとても疲れた(小1、2歳児)
●子どもの早退が増え、仕事を続けるのが困難になった。自分の時間も圧倒的に減ってしまった(小5)

こうした状況で、子どものケアをするのは大変なことです。

「子どもの言葉遣いがとても悪くなったのですが・・・」と教えてくださったのは年長、2歳児のお子さんをもつCさんです。

「その言葉遣いは、緊急事態宣言下でずっと一緒にいたときのストレスフルな自分を真似したもの。自分のストレスを解消しなければと感じています」(Cさん)

Cさんのように、まずは自分自身のストレスに気づいて解消をはかり、ストレスをためない方法を探っていくことが今、何よりも大切なのかもしれません。

給食は無言で楽しくない マスクで湿疹が出た 

2021年が明けてまもなく、新型コロナウイルス対策で2回目となる緊急事態宣言が発出されました。前回のように全国一律休校などの措置はなく、一見すると大きな生活の変化はないように見えます。しかし、子どもたちの生活はいまだ様々な制約の中にあります。

●前のように友達とおしゃべりできない、授業もグループで話すことが少ない、給食は無言、マスクが息苦しいなどで、以前の学校生活とは変わってしまい、楽しくなさそう(小4)
●休園明けでマスクや消毒生活が始まり、マスクにこもる湿度が原因だと思われる湿疹などが出た。給食もみんなと食べられない、先生とハイタッチやハグができない事、息子にはとても辛い状況(年中)
●「いつまでマスクつければいいの?」と子どもに聞かれた(年中)

学校再開後、夏休み直前にお子さんが登校できなくなった、というDさんの話です。

「行事や友達のおしゃべり、集団行動など、子どもがモチベーションを保てる活動が一切なくなってしまいました。座学の授業がずっと続いていて、心身ともに疲れていたと思います。担任の先生もそれをあまり受け止めてくれていないようで・・・学校との連携ができずに困りました」(Dさん/お子さんは小4)

その後、少しずつ学習活動の制限緩和が進んでいますが、子どもがこれまで通りの生活ができるまでには至っていません。ストレスは様々な形で現れています。いつもと違う様子が見えたら、子どもの話をゆっくりと聞いてみるのも大事ですね。

子どもたちが安心して生活できる環境づくりとともに、不安を抱えた子どもたちのケアも同時に進めることが必要です。

でも、親だってストレスがたまっています。ぜひ1人になってゆっくりし、好きなことをする時間も取ってくださいね。 


さて、「学校(園)へ行きたくない」という声をあげる子どもたちに対して、親である私たちには何が出来るのでしょうか。次回は、登校(登園)しぶりやその受け止めについて、アンケートをもとにお伝えします。


関連記事:コロナで変わった?「みらのび」が202人に調査 第1回 子どもの習いごと事情
関連記事:コロナで変わった? 202人に調査 第2回 オンライン学習はコロナ時代の救世主?
関連記事:コロナで変わった? 子どもの習い事と生活 第3回 「好きなこと」の探究

八田吏
八田吏

ライター mugichocolate株式会社 元中学校国語教師。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことをきっかけにライター、編集者として活動開始。幼い頃から無類の本好きで、小学2年で夏目漱石にはまる、やや渋好みの子どもでした。今でも、暇さえあれば本屋巡りをするのを楽しみにしています。

関連記事 Related articles

新着 New!