2021.03.08
習い事Q&A 八田吏

「話せるようになるの?」気になるオンライン英会話のリアル体験談 その1

コロナ禍で自宅にいる時間が増えて、オンライン英会話を始めた人が増えています。手軽に始められますが、「受けさせてみたいけど、どんなふうに授業をやっているのだろう?」「うちの子にできるかな?」と思っている方も多いでしょう。そこで、子どもがオンライン英会話を始めたご家庭に、体験談を聞いてみました。授業や子どもの様子、続けるコツなど、実際に受講したご家庭のリアルな声が集まりました。(ご登場いただく方のお名前は全て仮名です)

自宅で気楽に受けられるのが魅力

東京都世田谷区にお住まいの恵さんのお子さん、大翔さんは小学5年生。約1年前からオンライン英会話を始めました。

「中学生になった姉が受講しているのを見ていて興味がありそうだったので、私から勧めてみました」

恵さんが選んだのは大手のオンライン英会話プログラム。毎回事前に先生を予約し、ネイティブの先生と週に1回25分間、マンツーマンでのレッスンを行なっています。始めに「今日は何してた?」などの簡単な日常会話をした後で、所定のテキストを使った学習をするスタイルのレッスンです。

家で落ち着いて受けられるのがオンライン英会話の利点のひとつ

マンツーマンなので、わからなければゆっくり言い直してくれる

「大翔はシャイなところもあるのですが、自宅だということもあり、割と気楽に受けています。マンツーマンなので自分に合わせて会話してもらえるところも合っているようです。」

とはいえ、授業内のコミュニケーションはすべて英語。分からない言葉が出てきた時、大翔さんはどうしているのでしょうか。

「自分で『I don‘t khow』と言って先生にヘルプを出しています。そうすると、先生がゆっくり言い直してくれたり、ヒントをくれたり。じっくり待ってくれる先生の時は、やりやすそうですね。わからない部分は私がフォローをすることもありますが、あんまり横についているとイライラしてしまうこともあるので、できるだけ距離を置くようにしています。」

いまはまだ耳慣らしが中心

ワーキングマザーの恵さんは、ご自身のお仕事でも英語の必要性を痛感しているとのこと。

実は、恵さんも夫も英語が苦手で、仕事で英語でのやりとりがある時には苦労しています。「『お母さんたちは英語が苦手だったから、いま苦労しているのよ』と話すこともあります。今はまだ耳慣らしが中心で、レッスンが終わるとほとんど忘れちゃっているような感じですが(笑)、いまのうちから少しずつ英語力を身につけていってもらえたらいいな、と思っています」と子どもには苦労しないで話せるようになってほしい、との思いがあります。

親のやってほしい思いが強すぎると…

自宅で世界とつながれることが魅力

ご自身も留学経験があり、「子どもにはぜひ英語を身につけてほしい」との願いをもっていた杉並区在住の裕子さん。小学2年生の娘の詩織さんは、年長の頃から対面での英語教室に通っていました。ところが教室はコロナ禍で休止に。そこで、詩織さんにオンライン英会話を勧めてみることにしました。

オンラインを体験し、改めてリアルの良さに気づいたご家庭も

「コロナでどこにも出かけられない時期で、私自身もだいぶストレスがたまっていたんです。そんな中、自宅にいながらにして世界とつながれるなんて、魅力的だと思いました」

裕子さんが選んだのは、元々加入していたオンライン学童保育のプログラムの中の1つ。グループレッスン形式で、ネイティブの先生に加え、日本人サポーターがレッスンにつきます。

活発で、コミュニケーション好きな詩織さん。英語に対するモチベーションも高いのですが、だんだん「今日はやらなくてもいいかな」「他のプログラムを受けたい」と言うようになってきました。

グループでは「わかりません」と言いにくかった

サポートの先生が「わからないところあったら言ってね」と声はかけてくれるのですが、グループの他の子たちは内容を理解していて進んでいる中、しかもオンラインで「わかりません」と言い出すことは、詩織さんには、少し難しかったようです。裕子さんは「娘にはどんどんチャレンジしてほしくて、声かけもしていたのですが、ちょっと私の思いが強すぎちゃいましたね」と振り返りました。

リアルの教室は、わからなくても友だちに聞きやすい

6月に入ってリアルの教室が再開し、詩織さんはオンライン英会話を退会しました。

顔を合わせながら会話する教室では、先生1人に対して生徒が2人なので、わからないところにもすぐに対応してもらえて助かっています。一緒に受講している友達と、「いまのどういう意味?」と確認し合えるのも、詩織さんにとっては良いようです。裕子さんは「これもリアルな教室ならではの良さだと思います。今の娘には、こちらの方があっているみたいです」と、試行錯誤した結果、自分の子どもに合う形を見つけられました。

難しくなると日本語での説明が必要

「実はわたしは最初、やらせたくなかったんです」と話してくださったのは、川崎市に住む小学3年生の悠真さんのお母さん、智子さんです。

「週に1回通ったぐらいではなかなか話せるようにならないでしょうし、お月謝もけっこうかかります。それならば家族で他の楽しいことをした方がいいと思っていて。友達の影響で悠真が英語に興味をもっているのは感じていたんですが、最初は見て見ぬふりをしていました(笑)。でも、やってみたいという息子の言葉を聞いて、子どものやりたいことを応援しない親っていうのもどうなのかと思って、オンライン英会話を探してみることにしました」

何社か比較検討した智子さんが選んだのは、ある大手のプログラムでした。

「先生の予約が比較的取りやすかったことと、日本語版のテキストがあるのがいいと思って決めました」

夕方1回45分のレッスン 親には時間の余裕

レッスンは平日の夕方に週1回45分間と比較的長いものですが、これが意外な点で良かったのだそう。

「夕方のバタバタしている時間帯に、バーチャルとはいえ子どもとのコミュニケーションに集中してくれる存在がいる。これはありがたかったです」

レッスン内容は、簡単なあいさつや、身近なものの名前といった易しい内容から始まりました。

市販の子ども向け英語学習教材も充実してきている

ところが進んでいくにつれて、難しい会話が増えていくようになりました。「『Do you Like~?』とか文章で話すようになると、日本語での説明が必要になってきます。わたしが隣について教えるにしても、『なんでわからないの?』と怒ったりしちゃいそうだな、それは嫌だなって思ったんです」

低学年には日本語での補助が必要 退会も気軽に

その後、コロナ休校から学校が再開し、放課後の活動も元に戻り始めたタイミングで、悠真さんに「難しくなってきちゃったかな」と聞いてみたら、「そうだなあ。もうそろそろいいかな」との返事が返ってきました。その段階で、退会を決めました。

智子さんは「プログラムの内容自体は良かったと思っています。ただ、小学校低学年の悠真には、まだ合わなかった。もっと大きくなって、本人の意志次第ではまた再開してもいいと思っています。リアル教室に比べて入退会がしやすいのもオンラインの利点の一つですね」と前向きにとらえていました。

まずは子どもたちのチャレンジに拍手を

見ず知らずの外国の大人と、自分1人で英語だけで話す。考えてみるとなかなかハードルの高いことではないでしょうか。こんな難しいことに好奇心や意欲をもって取り組む子どもたちのチャレンジに、まずは拍手を送りたい思いです。

子ども自身が楽しんだり、やりがいを感じながらやれているかがポイント

その上で「やっぱり難しいな」と思えば、そこから考え直してもいいし、途中から変えてもいい。楽しくなくなったら、やめてもいい。周りの大人の柔軟さが、子どもの心の内に安心感と、学習に対する主体性を育むことにつながります。親のやらせたい思いが先走り、子どもに無理にやらせてしまうと、英語の楽しさを感じられずに逆効果になることも…。

最初は楽しく始められても、レベルが上がって難しくなってきたときに、どう対応するのかが大事です。日本語でのサポートをしながら続けることができるのか。いったんやめて、子どもが成長してから再開するのか。見極めることが必要でしょう。

今回の体験談からは、子どもたちのチャレンジ力の高さと、お子さんの変化に対応している保護者の様子が伺えました。気軽に始めて、もうこれで良いと思えば退会もサクッとできる。そうした柔軟な対応が取りやすいのも、オンラインプログラムならではの良さだといえそうです。

次回は、オンライン英会話を継続中のご家庭の体験談を中心に、子どもの意欲が持続するコツや、やる気を育てるポイントについても考えていきたいと思います。

関連記事:「親のサポートは?」気になるオンライン英会話のリアル体験談 その2

八田吏
八田吏

ライター mugichocolate株式会社 元中学校国語教師。NPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことをきっかけにライター、編集者として活動開始。幼い頃から無類の本好きで、小学2年で夏目漱石にはまる、やや渋好みの子どもでした。今でも、暇さえあれば本屋巡りをするのを楽しみにしています。

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