2021.03.08
学びをはぐくむ 曽田照子

「その言い方NG?OK?子育てのコトバ」第4回:チャレンジする力

チャレンジする力は、「できるかな?」と不安に思うことにも前向きに挑戦してみる力です。新しいことに勇気を持って飛び込めば世界がどんどん広がっていきます。わが子にはチャレンジする力を身につけて、大きく可能性を広げてほしいですよね。でも、「やればできる」は呪いを秘めた言葉でもあります……。

①お友達がカタカナまで書けるようになったと聞いて……

NGワード:○○ちゃんはできるのに、どうしてあなたはできないの!

同じ年、同じ月齢くらいの子ができることを、わが子ができないと、つい張り合う気持ちになってしまうママ・パパは多いんじゃないでしょうか。

比較されてけなされて、いい気分になる人はいません。

「隣の奥さんはできるのに、どうして君は……」「同期の○○さんは部長になったのに、どうしてあなたは……」なんて言われると嫌ですね。落ち込むか、反発するか。どちらにしても「チャレンジする力」とは真逆のベクトルに進むだけでなく、そんな嫌な言葉をかけてくる相手とは、気持ちの良い関係は築けなくなってしまいます。

やはり、一人ひとり違うのだから比べてもしょうがない、もしも比べるなら過去の本人と、というのが正解なのでしょう。

OKワード:昨日よりうまくなったね!

心の底には悔しさがある 

さてもう少し「○○ちゃんはできるのに」という言葉がでてしまう気持ちを深掘りしてみましょう。

私はこの言葉の裏には「うちの子だって同じくらい(いやそれ以上に)できるはず!」という悔しい気持ちがあるのだろうと思います。

しかも子どもができないことは、たいてい親から見ればチョチョイとできそうなことばかり。もどかしい気持ちをそのまま「○○ちゃんはできるのに、どうしてあなたはできないの!」と子どもにぶつけてしまって、親は「ああ悪いこといっちゃったな」と内心で反省する、この一連の流れ、私も経験があります。「子育てあるある」かもしれません。

これはですね、言葉にして表現する箇所を間違えているだけだと思います。

言いたいのは「あなただってやればできるはず、がんばれ、協力するから!」ですよね? それを、そのまま口に出せばいいんじゃないでしょうか。

「やればできる」には要注意!

ただ、この「やればできる」という言葉は使い方によっては「チャレンジする力」をそいでしまう、結構クセモノ、要注意な言葉なのです。

②体操教室で跳び箱を怖がるうちの子、挑戦してほしいなあ……

「やればできる」と言われ続けた人は、それを信じながら「やらない」という逃げの選択をすることがあります。あなたの身近にも「やればできるんだけどね」といいながら、何もしない若者や大人がいませんか?

NGワード:やればできるよ!

「やればできる」という励ましは、本当にやればできると思っているから出てくるんですよね。子どもの可能性は無限大です。やれば、できる。チャレンジすればたいていのことは可能になる。私もそうだと思っています。でも「やればできる」は、実はとても恐ろしい呪いを秘めた言葉です。

もしも実際にやってみたら失敗する可能性がある、だから「できない」理由を「やらない」からとしておけば「やればできる自分」でいられるという心理。挑戦しないからできない、できないから挑戦しない、どちらが先か分かりませんが、ニワトリと卵の関係です。

これって「チャレンジする力」とは、ほど遠いですよね。

「やってみたら、できた」 親が一緒に成功体験を作る

なぜそうなってしまうでしょうか。私は「やってみたら、できた」という成功体験が足りないからじゃないかな、と思っています。

「やってもできないかも知れない」という恐れを払拭するには、「やってみたら、できた」という体験を積むしかありません。そして「やってみたら、できた」という体験を子どもに積ませるには、やはり親の関わりが必要です。

といっても手取り足取り教えては子どもの体験を奪ってしまうことになりかねません。

「こうしたらできるようになるよ」と一緒にやってみる、というのがいいんじゃないでしょうか。

たとえば、カタカナが書けるようになってほしかったら一緒になぞり書きをすればいいし、跳び箱が跳べるようになってほしかったら一緒にその場ジャンプやリズム遊びを楽しんでみてはどうでしょう。

OKワード:一緒にやってみよう!

「やればできる」は「一緒にやろう」とセットで使ってこそ「チャレンジする力」を育てます。

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曽田照子
曽田照子

ライター。広告制作会社を経て20代前半でフリーに。「親から子への言葉かけ」をメインテーマに、書籍やWEBで書いています。小学5年生で手芸クラブに入部、フェルトをちくちく縫ってマスコット人形を作っては周囲にプレゼントをしていました。今は和裁を習っています。娘3人+猫の母親です。

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