2021.03.13
習い事最前線 みらのび編集部

計算力だけでなく、集中力、やり抜く力も養う「珠算教室」

春は習い事選びのゴールデンシーズンです。みらのび編集部では、ユニークな取り組みをする教室をご紹介する「春の習い事最前線」を不定期連載します。今回、取材に協力いただいたのはアフタースクールのウィズダムアカデミーが開講する「珠算教室」。子どもたちが真剣にそろばんを弾く音が響く教室を取材しました。

「そろばんは頭ではなく体で覚える」

「パチッ、パチパチッ…」そろばんをはじく音が響く静かな教室。生徒たちが黙々と問題に取り組んでいます。その様子を後ろから見守る先生。1人の生徒が「できました!」と手をあげると、先生が答え合わせをします。

ウィズダムアカデミーは2010年創業の民間学童。30種類以上の習い事が用意されており、そのうちの一つが珠算教室。講師の黒崎茂先生は元銀行員で、定年後に珠算の先生になりました。

「この教室では初心者の子が多いので、その子の能力や経験に合わせて個別に指導しています。初心者にはまず数字に慣れてもらい、経験者は上の級の資格を目指してもらいます。そろばんで大事なのは、繰り返し学習すること。そして頭ではなく体で覚えることですね」と黒崎先生。

一人一人のペースで問題を解いていき、間違っているところは先生がピンポイントで指導珠算のベテランが丁寧に個別指導

取材時は、4人の子どもたちがテキストを見つめながら、そろばんをスピーディーに弾いていました。おしゃべりは一切なし。1人の生徒が「先生できました!」と手を挙げると、先生がそばに寄り立ったまま空中で指を動かす仕草。頭の中にあるそろばんをはじきながらあっという間に答え合わせ。ベテランならではの珠算式暗算です。

「はい、全部合っていますよ」。赤鉛筆で丸をもらうと子どもたちはうれしそうに次の問題へ。間違っていると悔しそうな表情に。悔しさを糧にするため、具体的にどこを間違えたのか先生と一緒に確認していきます。「ここで間違っちゃたんだね。ここは78×5、そしたら5×8=40でそこから5をはらってごらん…。ほらできた!」

対象は年長から小学生まで。クラスにレベル分けはなし。初心者は15級からスタート、それぞれのペースでテキストをこなしていき、「いつかは1級へ」と高みを目指します。

使用する教材は、15級から9級までは「基礎編あたらしいしゅざん(暁出版)」、8級以上は全国に普及している全国珠算教育連盟(全珠連)の検定用テキストを使用。上級者向けにはさらに高いレベルの応用計算のテキストを使います。

画教材は全珠連検定用のものを使用。1問1問着実に解いていく集中力、やり抜く力、数の感覚が身につく

ウィズダムアカデミーの珠算教室では、数字の感覚、そろばんの感覚を体にしみこませるために、とにかくひたすら問題を解いていくことを重視しています。教室では、子どもたちのそろばんをはじく音が途切れることはありません。

珠算は集中力が養われるのはもちろん、直感的な数量の感覚を身につけられるのも特徴。一斉授業ではなく、先生が個別にピンポイントでわからないところを教えてくれるので、一人で机に向かってコツコツやり抜く力も伸ばすことができます。

クラスで頑張った生徒たちは、黒崎先生手作りのごほうびシールがもらえます。シールをいくつか貯めるとお菓子ももらえるそう。子どもたちのちょっとしたお楽しみになっています。

「いろいろなお子さんがいますから、根気よく飽きさせないように、ほめたり叱ったりしながら、そろばんを好きになってもらえるように工夫しています」と黒崎先生。

「先生、全部終わりました!」8級の問題集が終わり、よろこぶ生徒「そろばんも、学校の算数も大好き!」

やる気や集中力、粘り強さが養われるといわれる珠算。これまで数多くの生徒を見てきた黒崎先生に、上達で一番大切なことは何か聞くと、真っ先にこう言いました。

「やはり、珠算そのものを好きになってもらうことですね。どの習い事にも言えることですが、何か好きになるとモチベーションが全然違います。大会やイベントにも積極的に参加してくれるようになりますし、何よりも自主的に勉強してくれるようになりますね」

先生の思いが伝わったのか、ウィズダムアカデミーでは積極的にそろばんを続け、検定試験を受ける子が増えてきているそうです。

その1人が小学2年生のEちゃん。年長の終わりから珠算を始め、2年間週2回レッスンをこなしてきました。全国珠算連盟東京支部が企画したイベントにも参加するほどモチベーションが高く、すでに検定8級まで取得。「ゆくゆくは初段まで取りたい」というEちゃん。他にもたくさん習い事をしていますが、いちばん好きなのはそろばんだそう。お正月には「これからもそろばんが上手になりますように」と祈願したそうです。

画珠算歴2年、小学2年生のEちゃん。「学校でも算数が好き。かけ算わり算も得意です」取材を終えて

珠算は目の前にあるひたすら問題を解くので、勉強の要素が強いように思いますが、実際はスポーツのような特性があります。集中してそろばんを操り、練習すればするほど結果につながるので、子どもたちは夢中になります。黒崎先生が話してくれたお話で、元プロ野球選手イチローのエピソードがありました。イチローは小学生の時に野球と共にそろばんを続けていたおかげで暗算が得意に。走る車のナンバーを見て暗算して遊んでいるうちに、動体視力が鍛えられたそうです。黒崎先生の「珠算は人生の思わぬところで役に立つ」という言葉が、とても印象に残った取材となりました。(前田大貴)

教室情報

「珠算教室」(運営:株式会社ウィズダムアカデミー)は首都圏14カ所で開講しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

みらのび編集部
みらのび編集部

いま子どもに本当に身につけさせたい生きる力「未来型スキル」の情報をお届けします。すべての子どもに夢中を!

関連記事 Related articles

新着 New!