2021.03.17
学びをはぐくむ 曽田照子

夢中を「見守る」子育て 第4回:子どもにイライラするとき、どうしたらいいの?

子どもに対してイライラしてしまうとき、どうしたらいいのか。教育家の小川大介先生に、イライラに対処する方法を聞きました。今回は、読者から小川先生への相談を募集します。小川先生に聞いてみたい子育ての悩みを書き込んでください。応募された方から抽選で5名の方に、小川先生の新著「自分で学べる子の親がやっている『見守る』子育て」をプレゼントします。

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イライラの理由は、自分で作り出している。

「お母さんが買い物に行っている間に宿題やっといてね」といったのに、帰ってきたら全然やっていない。あるいは「お風呂にお湯を入れておいて」と頼んでおいたのにできていない。「宿題やってないの!?」「こんなかんたんなお手伝いもできないの!?」とイライラしてしまう。そんな親御さんは多いのではないでしょうか。

イライラはプレッシャーやネガティブな感情が作り出します。

あれやこれやと効率よくこなしたい人、達成感を得るのが好きな人は要注意ですね。

例えば「これくらいは当然できるよね」と子どもに10のメニューを渡して、6つできたとする。僕は褒めてもいいと思うんだけど、達成を大事にしすぎる親御さんは「なんでできてないの!」と時に爆発してしまう。

「できてない」「ダメだ」「間に合わない」「どこで取りかえすのか」といった、イライラの理由を自分で作り出して、さらに怒ってしまう傾向にあります。

毎日忙しくしている親御さんは特に気をつけたいポイントですが、「これとこれをやっておいてね」というのは「私のためにやっておいてね」になりがちなんです。自分に余裕がないと、「私も忙しいからあなたもやりなさいよ」という思いがどうしてもわきやすい。すると、子どもができていないところに目が向いてしまって、「なんで私に迷惑かけるの!」という感情すらわき起こって、不要なぶつかりが多くなる。

でもちょっと冷静になれば、「宿題をやれといったらやっておくはずだ」とか「用事を言いつけたら当然やるはずだ」って、親の側のただの決めつけなんですよね。

やるのは子どもなので、子どもの側にやろう、やれそうという気持ちが起きていない状態で、やってないじゃないか、と責めても子どもは困るばかりで心には響きません。

やり方を教えなければ、子どもはうまくできない

仕事でもそうですが、「これやってね」と渡しっぱなしでは、できないのは当然です。最初はやり方を教えてあげて、できるようにしてあげましょう。

「どうやってやればできそう?」と問いかけてみる。子どもが「わかんない」と答えたら、やり方を教えてあげる必要があるんだなと気づけます。

「宿題終わらせておこうね」で止めずに、「何時からやろうか?」「どれくらいの時間でできそう?」と問いかけて、子どもが自分で実際に取り組んでいる場面をイメージさせてあげる。

お手伝いでも、「6時にお風呂に入れるようにお湯を入れておいてね」と頼んだら、「ところで何分前から入れると良さそう?」とさらに具体的に問いかける。実際にお湯を溜めだすのはいつからがいいのかを、子どもが具体的に考えられるようにしてあげる。

そういったひと手間をかけることで、子どもが自分でできることは確実に増えていきます。

やれなかったら、「そうきたか」で受け止める

「これとこれはできるよね」と確認をして、本人が「うん」といったことは任せたらいいんです。

それで「とりあえずどうなるか見ておこう」というつもりで見守ればいい。

やれたら褒めるし、やれなかったら「そうきたか」くらいの感じで受け止める。そのあと、子どもと「何があったのかな」と話して、どこを修正したらいいか考える、といった方針をあらかじめ決めておくと、イライラは大分減らせると思います。

出来ていなかったら、子どもに理由を聞く

子どもがやるべきことをやっていないとき、カーっとして怒ってしまう親御さんは、たいていの場合、心のどこかに「あの子はまたやらないんじゃないか」という予感があって、確認する前からすでに気持ちがいらだっています。

だって「あの子は絶対やる子だ」って確信があったら、怒るより前に「どうしたの?」と驚きますよね。

うまくできていないものを叱っても、できるようにはなりません。「なんでやってないの!」と叱ることからはじまるのではなく、「どうしたの?」と子どもに聞く。

「宿題をするつもりなのに、ゲームが目に入るとどうしてもやっちゃう」「時間が経っていることに気付いてなかった」……など、できていない理由は、子どもに聞かないと分からないですよね。

どうやったらできるのか、子どもと一緒に考える

そのあと、「どうやったらできるのかな」を子どもと一緒に考えていく。

「宿題をするつもりなのに、ゲームが目に入るとどうしてもやっちゃう」なら、「ゲームはママがあずかっておくことにして、ママが帰ってきたらゲームを出してあげようか」としたり、勉強部屋とゲームする場所とを分けて宿題が終わるまではその部屋に入らないとするなど、自制心が保てるような工夫は色々考えられます。

成長段階によってもできることは違います。一人で計画的にコツコツ何かを始めるのが苦手な子もいます。一人だとダラダラしてしまう。そんなタイプの子には「一人の時間は好きなことをしてていいよ、親がいるときは勉強タイムね」というのも一つの方法です。

感情的になるのは、自分が追い込まれて余裕がない時ですね。ギリギリの予定や目標はすぐにあふれてしまう。余裕を作っておいて「うまく行かなくてもいいか」の状態にしておくと落ち着きます。

学校の宿題も、「全部やったほうがいいのは分かるけど、ちょっとウチの状況じゃあ無理」って堂々としていたらいいんです。できる範囲の中で、「やれることはやった」と、お互いに言い合えるほうが子どもの成長につながります。

子どもに考えさせて、一緒に話し合う

本人に考えさせたり、一緒に話し合うというところが抜けているご家庭は、実はとても多いんですが、それはそういったことが必要だと知らないだけ。親は子どもの成長と共に、親として育っていくわけで、最初から「プロ親」みたいな人はいないのです。だから気付いたときに、学んだ時に変えていけばいいんです。

信頼するから任せられる、がんばったことを褒めて、待てるんですね。私が伝えたい「見守る子育て」は、子どもを信頼するための知識と技術です。新刊『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』の中では、どんなシーンでどのように子どもを認めて引き出してあげるか、いろんな角度から具体的に伝えています。

親にも「自分の時間」は必要だと教える

イライラを減らすポイントは、全部ひとりでやろうとしないことです。

コロナの影響もあって、ストレスで甘えがちな子もいます。ひとりで全てに応えてあげよう、いい母親をやろうと思いすぎるとイライラのもとになります。

「いま私は焦っているから、気持ちが落ち着いてから子どもと相談しよう」など、自分の状態にあわせて対応を変えられるといいですね。

「私、焦っている」と自分で気づくためには、人に話を聞いてもらうことが大事です。聞いてもらうことで、「大事なことは実はそこじゃないんだな」と気付けたりします。

誰にだって自分ひとりの時間、自分自身を取り戻す時間や場所が必要です。

たとえばワーキングマザーの方は、子どもの前では母親の役割、料理をしているときは妻であり母である。また仕事中は会社員、そして好きな雑誌やテレビを見ていたりするときにようやく「自分」に戻るんですよね。

もちろん父親についても同じことが言えるはずですが、日本の現実として、常にいくつもの役割を求められているのは圧倒的に母親の方です。お母さんは大変なんです。

母親になっても自分のための時間が必要なのは、当たり前のこと。会社の帰りに本屋に立ち寄るとか、買い物の途中でカフェでお茶を飲むとか、ちょっとした隙間で息抜きするのが乗り切る一つの方法です。

「ママにもママの時間が必要なのよ」と教えてあげることは子どもの成長にとってもプラスです。ママから与えてもらうばかりの立場を抜け出して、自分が渡す側でもあることに気づけるからです。

子どもに対するイライラを減らすコツ
・親側の都合でタスクを投げないで、子ども本人の意思を確認する
・できなくても子どもを責めない、どうやったらできるか子どもと一緒に考える
・親も自分自身を取り戻す時間を持つことが大切

コロナ禍で大変な時期が続きますが、だからこそ、新たな家族との向き合い方を選び直していくチャンスと捉えることもできるでしょう。家族内での関係をいい方向につなげていって欲しいな、と思っています。

子育てで悩んでいることは、どんなことですか。小川先生がお悩みにお答えいたします。相談したい方は、こちらから応募してください。掲載時にはお名前は匿名になります。応募いただいた方から抽選で5名の方に、新著「自分で学べる子の親がやっている『見守る』子育て」をプレゼントします。


プロフィール:小川大介(おがわ だいすけ)

教育家、中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。京大法卒業後、受験指導、幼児期からの才能発掘、親子関係カウンセリングなど幅広く活動。6000回以上の学習相談、子育て相談で培った洞察力と的確な助言が評判。『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』など著書は20冊以上。新刊「自分で学べる子の親がやっている『見守る』子育て」が好評発売中。見守る子育て研究所 中学受験情報局「かしこい塾の使い方」

「夢中を「見守る」子育て 教育家・小川大介」の記事一覧

曽田照子
曽田照子

ライター。広告制作会社を経て20代前半でフリーに。「親から子への言葉かけ」をメインテーマに、書籍やWEBで書いています。小学5年生で手芸クラブに入部、フェルトをちくちく縫ってマスコット人形を作っては周囲にプレゼントをしていました。今は和裁を習っています。娘3人+猫の母親です。

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