2021.03.23
学びをはぐくむ みらのび編集部

みらのびオンラインイベントを開催 「親子のためのアンガーマネジメント」

子どもの習い事と学びのサイト「みらのび」は2020年11月にオープン。 オンラインイベントの第2回目 は2021年2月27日、日本アンガーマネジメント協会認定のアンガーマネジメントコンサルタント・小尻美奈さんをお招きしました。子育て中につい爆発しがちな怒りをコンロールする方法をみなささんとともに学びました。  本文中に出てくる参加者の事例共有につきましては、承認をいただいた上で掲載しております。

思い通りにいかない…イライラがつのる毎日を何とかしたい

はじめに「みらのび」平岡妙子編集長と、同編集部の北川サイラ編集部員から、今回のイベントのきっかけと趣旨についての説明がありました。
北川 「私事なのですが、コロナ禍で在宅時間が増え、同居する妹と激しくぶつかり、お恥ずかしい話ですが、とうとう同居解消に至ってしまって…」
イライラや怒りの行く先に思ってもいなかった結末を招いたことを深く後悔し、アンガーマネジメントの講座を受講したとのことです。

その体験をぜひ子育て中のママやパパにも役立てて欲しいという編集部の強い思いから、今回のイベントが実現しました。
以前の記事『コロナで募るイライラ!親子で学ぶアンガーマネジメント』では、アンガーマネジメントの基本的なメソッドをご紹介しております。ご興味のある方はそちらも併せてご覧ください。
では早速、当日の様子をご紹介しましょう。

怒りは自然な感情 目指すはイライラを上手に伝えること

参加者に優しく語りかける小尻美奈講師

まずは、講師の小尻先生から参加者全員に「最近怒ったことはありますか?」という質問が。
参加者の皆さんからは、「勉強をしない」「お風呂に早く入ってくれない」「片づけをしない」など、子育て中のイライラや怒ったときの具体例がチャットにどんどん書き込まれました。

小尻さん「みなさんが、これらのことにイライラしたり、怒ったりするのは自然な感情。悪いこと、いけないことではないのです」

「えっ、怒ってしまってもいいの⁈」と思う方もいたのではないでしょうか。そもそもアンガーマネジメントとは何なのでしょうか。
日本アンガーマネジメント協会では、アンガーは「怒り」、マネジメントは「後悔しないこと」という意味で捉えているのだそうです。つまり、怒らないようになるのではなく、怒りを後悔のないようにコントロールしようということ。具体的には以下のポイントを抑えることが大事です。
●怒る必要のある事は上手に怒り(上手に伝える)
●怒る必要のない事は怒らないようになる

小尻さん「怒りは自分にとって、大切なものを守るときにも抱く感情です。怒らないことを目指すのではなく、イライラすることやストレスになっていることを上手に伝えるテクニックを身に着けることが、アンガーマネジメントなんです」

怒りの原因って何? 自分の内側にある「べき」を知る!

では、怒りの正体とは何なのでしょうか? 小尻さんによれば、他人の言動や起きた出来事ではなく、自分の内側にある、こうある「べき」という価値なのだそう。例えば、共働きだから夫も家事を担う「べき」と思っているから家事をしない夫にイライラする。リビングの床はきれいである「べき」と思っているからおもちゃを散らかしたままの子どもにイライラする……。自分を怒らせているのは、実は自分の内側にある「べき」なのです。
また、小尻さんによれば、自分にとっての重要度によって、弱い「べき」もあれば、強固な「べき」もあるのだそうです。

小尻さん「みなさん、ご自身の中にどんな『べき』があるか、またその重要度は1から5までの5段階でどれに当たるかを、考えてみてください」

「べき」の重要度を数値化する

ここで、参加者同士のグループトークへ。3、4人ずつに分かれて、自分の抱えている「べき」とその重要度を語り合います。
あるグループでは、中学1年生と小学4年生の男の子がいる母親が、こんな話をしていました。「中学生の息子が、自分の部屋で勉強せずに、リビングのテーブルを占拠するんです。わたしも仕事をしたいので、そんなに幅取らないでよ、と言うのですが、いったん戻してもまたすぐにばーっと広げてきて……ほんとイライラします!」
ちょうど同じグループに入っていらした小尻さんが、「そこにはどんな『べき』がありそうですか?」と投げかけます。
母親は「みんなの共有スペースだから大事にしてほしい、という気持ちがあるんですよね。重要度は、5です。だって、公共意識って大事じゃないですか?」
同じグループの参加者からは、
「わたしは3ですね。自分も散らかしちゃうので」
「ぼくは2ですね。家だったらそんなに気になりません」
とフィードバックがありました。話をした母親は「えー、そうですか!けっこう人によるんですね」と、意外そうな様子です。

イライラマックス、爆発しそうな予感がしたらどうすればいいの?

そこでちょうどタイムアップ。グループで話していた内容を、全体の場で1つのケースとしてみんなで考えてみることになりました。

小尻さん「指標が5というのはご自身にとっての重要度が高いので、まずは気持ち、自分の中の『べき』を伝える訓練をしましょう」

共有スペースの使い方についてイライラしてしまう母親も、子どもには伝えてはいるけど、イライラしながらなので、きつい言い方になってしまうと悩んでいるそうです。

小尻さん「爆発しそうになったら、いったんその場を離れることをお勧めします」

アンガーマネジメントではよく、6秒ルールという言葉を使います。怒って爆発しそうになったらとにかく6秒待ってみる…その間に自然と冷静さが戻ってきて、あとで後悔するような怒り方をしないで済むのだそうです。

一度その場を離れることで、冷静になる

小尻さん 「6秒ルールもいいですが、怒りに目を向けたままでは6秒経ってもあまり解決しないんですよね。私のおすすめは、一度その場を離れることです。別の部屋に移動する、ベランダに出る、などです。そうして一度冷静になってから、ママも仕事で使いたい、半分はスペースを空けてほしいなど、自分がどうしたいのか、気持ちを具体的な内容で伝えるようにします」 

オンラインイベント中の「みらのび」編集部員

重要ではない「べき」は、手放してしまう

では、重要度が1や2の「べき」はどうしたらいいのでしょうか。
小尻さん「重要度が低いときには、もう思い切って手放してしまう、というのも一つの手です。また、手放すまでいかなくても、『べき』を緩めることもできます」
例えば「ご飯は残さないで全部食べるべき」と思っている人も、「苦手なものでもひと口は挑戦してみる」というふう風に、「べき」の条件を緩めることはできます。
重要度の低い「べき」は手放す、 緩めると自分がラクに!
小尻さんからは、暮らしの中でアンガーマネジメントを身に着けていくためのヒントも話していただきました。

小尻さん「例えば、自分がどんなときに怒っているかメモしておくと、自分の『べき』を知ることができます」

メモをしておくことで、自分がどんなことで怒りのスイッチが入りやすいのか傾向がわかったりもするそうです。それがわかったら、重要度が低い「べき」は積極的に手放してみたり「べき」を緩めてみることができそうですね。

他にもこんな「あるある」のお話が。
「食事には手をかける『べき』と思っていたため、疲れていても、どんなに忙しくても無理していました。できないと今度は自分を責めてしまって…イライラしたり、怒りがわいたり…本当に苦しかった。でも、その『べき 』を 試しに手放してみたら、家族の誰も手作りの食事にこだわっていないことがわかったんです。買ってきたお惣菜にも大喜びだったりして。拍子抜けでしたね。」
何を隠そう、これは小尻先生ご自身の経験です。「お惣菜=効率のいいもの、新しい味を体験できるもの」という書き換えができ、「べき」自体を緩めていくことができたのです。そう、「べき」は常に変わらないものではなく、書き換えることができるのです。

知っておきたい、「べき」と付き合う5つの方法

小尻さん「イライラやストレスが少しずつ減っていくように、べきと上手に付き合う方法を5つご紹介します」 
① “べき”を知る
② “べき”を手放す
③ “べき”を書き換える、緩める
④ “べき”を伝える
⑤ “べき”が裏切られた時の対処法

 「とはいえ、一回でできる人はまずいません。アンガーマネジメントは心理トレーニングです。まずは反射的に行動しない、やり過ごす、ということを心がけて。私も、子どものすることに対し、すぐにカッとしてしまう自分が嫌でしたから、わかります。6秒ルールは一例です。深呼吸をして、手足を動かしてもいいんです。自分がどうやったら落ち着くか、トレーニング感覚、またはゲーム感覚のような気持ちでトライしてみてくださいね」

アンガーマネジメントは訓練!今すぐできなくても大丈夫

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怒りは、悲しみや心配などマイナスな感情の表れ

小尻さんのレクチャーの後、再び参加者同士のおしゃべりタイムが設けられました。2度目のグループトークということもあって、より打ち解けた雰囲気になっています。
「食事中にじっとしていない子どもに、コラ! ダメでしょ! なんでわからないの! って叱っていました。今日からとりあえず、6秒待ちます。もしかしたら冷静になって、食事中は歩くのはダメだよ、って言えそうな気がしてきました」 
「アンガーマネジメントって訓練なんですね。私でも繰り返せばできそうな気が…」
「『こうあるべき』って、自分だけが思い込んでいる部分もあるかも。ラクになるなら、『べき』を書き換えてもいいと思えました」
「自分と相手の『べき』の違いを知る場を、こういったイベントや友だち、家族で持つことで、怒りをマネージメントしやすくなるのではないかと感じました」
参加者の皆さんも怒りのコントロール法の理解が徐々に深まってきたようです。

小尻さん 「怒りって単体では存在しないんです。悲しみ、心配、不安など、マイナスな感情とくっついているもの。イライラしている人(自分や子ども)に対し、どうしたい? どうしてこんな行動をした? 何をしてほしい? と問いかけて、一度冷静になって考えてみる、そして行動を起こす(発言する)といいですよ」

今回の参加した約35人の中には、下はよちよち歩きのお子さんを持つ方から、大学生もしくは社会人のお子さんがいる方まで、様々な親が集まって一緒に語り合う場となりました。
「話してみて、少しラクになった」というお声や、「自分だけじゃなくてほっとした」などの感想も多くいただきました。子どもへの怒りなどで悩むことがあったら、誰かに心のうちを話してみる、ということはとても大切ですね。ラクになれます。

「みらのび」は読者と交流するイベントを、これからも積極的に開催していきたいと思います。

みらのび編集部
みらのび編集部

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